「ふむ、これはなかなかに座り心地が良いではないかぁ」
そう言いながら、僕の膝の上でなぜか座っている魔王ミリム。
現在、僕達は、戦車に乗って、彼女の住む王国に向かっていた。
魔王という事で要注意人物であるのは間違いないが、グリムとしては、彼女が言っていた組織の情報が欲しい事もあって、ついてきたらしい。
「それにしても、まさか、魔王がこんな子供だったとはな」
「私は子供ではないぞ!というよりも、お前はなんで、私よりも高い所にいるんだ」
そう、グリムは文句を言うが、それに対してミリムはグリムに反論する。
グリムは、現在、何時ものように僕の肩に座っている状態である。
「ここは私の特等席でな。魔王でも渡せない大切な場所なのさ」
「むむっ、そこにも座ってみたいが、仕方ない、ここで我慢するしかないようだな」
「・・・脚が痺れる」
ここまでの道中で、僕は果たして、どこまで耐えられるのだろうか。
先程から肩と膝に負担が大きくて、早くなんとかしないと、本当に死んでしまう。
「それで、奴らの目的は」
「さぁ?」
「・・・」
ミリムのその一言を聞くと共に、無言で猟銃を取り出すグリム。
いや、この至近距離でやったら、僕の脚が無くなっちゃう!!
「だが、奴らが、こいつの事を気になって仕方ないのは知っているぞ」
「・・・それは私もだが」
「そうだなぁ、けどまぁ、お前らも違和感を持っているはずじゃないのか」
「・・・」
「違和感?」
それは一体何なのか、気になる所だ。
だけど、それって一体。
「まぁ、私はどうでも良い事だ。どうせ、今は楽しい事を優先すれば良いしな」
「まったく、こっちの予定が狂い続けているのに」
そう、グリムとミリムの会話が一通り、終わった。
けど、違和感って。
「ねぇ、グリムは、その違和感って、分かるの?」
「さぁな、この馬鹿がどう感じているのかなんて、私には分からない」
「お前、また悪口を言ったな」
「事実を言っただけだ、悪口ではない」
「そうなのか」
「あぁ、だからこそ、君は気にしなくて良いんだ」
そう、グリムは僕の頭を抱き締めた。
今は子供の身体だからなのか、僕の頭を包み込むように。
「グリム?」
「・・・」
いつもならば、何か言ってくるはずだ。
だけど、答えない。
それに関して、少し疑問があった。
だが、それを疑問に思う事はできなかった。
グリムはまるで、僕を決して離さないように。
「おぉ、いよいよ見えてきたぞ、私の国がぁ!」
そう叫んだ先。
そこには確かな王国が見えた。
果たして、王国で何の情報を聞けるのか。
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