魔王こと、ミリムから襲われた翌日。
グリムはかなり不機嫌な様子であった。
その原因は、僕にあるという事で、あまり強く言う事はできなかった。
そうしている間にも、僕達は、目的地である港町に辿り着く。
「ここが、港町」
僕は、目の前に広がる光景に、驚きを隠せなかった。
道中でも、確かに戦車などは多く見る事があったが、それを軽く越える程の数がある。
中でも、巨大な顔が描かれた鉄の箱。
そうとしか言えない何かがあった。
「あれが、私達の目的地である合宿要塞アイアンワークスだ」
「アイアンワークス。
あれ、今、合宿って、言わなかった」
グリムから、その名前を聞くと共に僕は頷くと共に、思わず聞き返してしまう。
「あぁ、ここは狩人組合の本部へと向かう為の船であると同時に、狩人になる為の訓練を行っている場所でもあるからな」
「あの聞きたいけど、それって、もしかして、僕も参加する感じでしょうか」
そう、思わず尋ねてしまう。
「・・・ふむ、そう言えば、その話をするのをすっかりと忘れていた」
「えぇ!?」
その言葉から、既に察してしまった。
既に、僕は狩人になる事は決定してしまったようだ。
「そこまで嫌なのか?」
「嫌というよりも、僕は、皆のように強くない。
それこそ、あの村にいたペロー君よりも」
だからこそ、僕は本音をグリムに話す。
それに対して、グリムは呆れるように言う。
「君の強さは、そこではない。
君は、この道中、普通の人間ではできない優しさと頭脳で困難を乗り越えた。
だからこそ、私は君が乗り越えられると信じている」
グリムの言葉に対して、僕は少しだけ心が落ち着く。
その時だった。
「おぉ、新しい参加者か?」
その言葉と共に、僕達に声をかけてきた。
そう、見つめた先にいたのは、1人の女性だった。
その体格は、大人になっているグリムとバーゲストと比べても同じぐらいに大きい。
褐色の肌に、筋肉質な身体。
思わず、僕は見上げてしまう。
「んっ、そこにいるのは、もしかしてグリムか?」
「あぁ、頼めるか」
「おぉ、良いぞ!勿論、来る者は拒まずだ」
そう言いながら、彼女は僕の目を見る。
「ふむ」
「えっと、なんでしょうか?」
「いや、なに。私は車掌兼教官デボネア・ダイヤモンドだ」
そう、笑みを浮かべながら、僕に向ける。
その身体から、僅かに湯気が出ているが、一体。
「・・・まぁ、良いか、とにかく歓迎するよ。これから狩人組合の一員になるのを心待ちしているよ」
その一言に、どのような意味を込められているのか。
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