最終降車試験。
それは、この合宿を合格を兼ねた試験であり、それが合格出来なければ、再び試験を受けなければならない。
その試験の内容は、毎回変わっており、どのような試験になるのかは、分からない。
そして、今回の試験の内容は。
「しっぽ取りです!」
デボネアが、そう宣言した。
「しっぽ取り?」
「確か、しっぽを模した紐を取るゲームだったはず」
「まぁ、今回の場合は試験官である私から、それを取れば合格だけどな」
そう、デボネアは、その腰にある紐を見せる。
その数は、今現在、この場にいる全員の数と同じである。
つまりは、単純に、試験官から、その紐を取れば勝ちという事になる。
ただ、僕の予想だと、このゲーム、そんな簡単ではないと思う。
なぜならば。
「さて」
『・・・えっ』
それは、試験官が、デボネアだけではなく、グリムも参加する事を知っているからだ。
「何を驚く、私も暇だからな。
一緒に試験官をするだけだ」
「いやぁ、こういうのもなかなかに面白いじゃないか、狩られる側になるのも」
そう、言っているが、実際に、この状況は負ける可能性は高い。
それは、僕が一番知っている。
先日の一件の事もあり、それは既に行われる事が分かっていたから。
「それじゃ、降車試験開始」
その言葉と共に、僕が取ったのは逃げる事だった。
他の全員は、合格の為に向かって行く者は多かった。
そう、逃げていると。
「君、速攻で逃げたね」
「えっ、はい」
隣では、僕と同様に逃げている人がいた。
その顔はかなり人が良さそうだけど。
「いやなに、少し気になってね。
あの場にいる全員は、死に物狂いで合格を狙っているのに、君はそれを行わないなぁと思ってね」
「うぅん、合格は狙っています。
けど、多分、あそこにいても、合格できません」
「それはまた、なんで」
僕の言葉に対して、彼は問いかける。
「グリムは、様々な道具を使いこなす事ができ、射程範囲はほとんどない。さらには身体能力はかなり高いから、普通では勝てない。デボネアさんは、熱の魔法で加減していますけど、それでも当たればたぶん動けません。
あの、広い範囲で、戦っても勝ち目はありません」
「だから、逃げるのか」
「えぇ、勝つ為に」
何よりも、逃げる事はかなり慣れている。
そして、逃げて、逃げて、勝つ為に動く。
「それに、たぶん、すぐに追ってくると思いますから」
試験を合格する為にわざとやられる。
そんな事を、少なくともグリムはやらない。
だからこそ、僕が行うべきなのは、勝つ為に動く。
そうしなければ。
「僕は狩人になる資格すらない」
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