※この作品はR-18です。

俺は姫属性で、ヒロインはヒーローです   作:ボルメテウスさん

42 / 64
試験の終わり

「今回の試験の合格者はこれだけか」

 

そう言いながら、デボネアさんは、今回の試験での合格者を見る。

その場にいた僕以外には数人程度であり、それ以外のメンバーはほとんどがボロボロの状態である事も考えて、かなりギリギリの状況なのが、一目で分かる。

 

「それにしても、グリム。

お前、試験の途中から、どこに消えたんだ?」

「彼の罠に嵌まってな、しばらく脱出する事ができなかった」

 

そう、グリムは何もなかったようにけろっとした表情で言う。

既に子供の姿に戻っている彼女は、そのまま何時もの定位置といわんばかりに僕の頭に乗っていた。

 

「・・・なぁ、グリム、お前もしかしてだが、わざとやられた訳じゃないだろうな」

「いいや、私は本気でやった。むしろ手加減したら、彼に失礼だろ」

 

デボネアの言葉に対して、グリムは反論した。

 

「・・・まぁ良いけどな。

それに、この状態を見たら、既に答えが決まっているようだからな」

 

それだけ言うとデボネアは残念そうに呟く。

 

「まぁ、仕事で出掛ける時には、会えるしな。その時には楽しみにしておくぜ」

 

未だに諦めていない様子のデボネアに対して、グリムはため息を吐く。

 

「まぁ、良いだろう、それよりもついたぜ。

あそこが目的地だ」

 

その言葉と共に、見つめた先。

そこは奇妙な島。

巨大な岩が、まるで何かを包み込むような場所。

 

「あそこが目的地」

「あぁ、あらゆる存在に対応できるように建設された場所。それと同時に地図にはない島だ」

 

そう、グリムは呟いた。

 

「それで、君はこれからどうするつもりなんだ?」

「それは、あぁ」

 

その言葉を聞いて、ようやく僕は思い出す。

元々、この狩人の試験自体も、グリムの誘いがあって、試験を通っただけ。

何よりも、僕は。

 

「僕は」

 

何を目的に活動すれば良いんだろうか。

目的というのを今更になって、思う。

僕は、元の世界に帰りたいのか?

そう、言われたら、帰りたいのかと言われたら。

 

「・・・はぁ、別に今は考えなくても良い」

「グリム?」

 

僕のそんな考えを読んだようにグリムは呟く。

 

「今の君が、何を目的に動けば分からないならば、旅を続ければ良い。

そうした戦いの中で、思い出せば良い」

 

長い、長い旅の中で、目的が分からなくなった。

この世界に来た時には頭が混乱していた。

だからこそ、どうすれば良いのか分からなかった。

でも、今は、少なくともグリムが近くにいる。

 

「今は、それで良いかもしれない」

 

目的が分からず、彷徨うよりも良いかもしれない。

 

「それにしても、なんでだろうか」

 

僕は、ふと、目的地を見つめる。

 

「僕は、あそこにどこか覚えがある」

 

そんな奇妙な感覚があった。

次回作のジャンルは

  • 時代劇
  • 世紀末
  • ロボット
  • カードゲーム
  • ファンタジー
  1. 目次
  2. 小説情報
  3. 縦書き
  4. しおりを挟む
  5. お気に入り登録
  6. 評価
  7. 感想
  8. ここすき
  9. 誤字
  10. 閲覧設定
▲ページの一番上に飛ぶ  X(Twitter)で読了報告
感想を書く ※感想一覧
内容
0文字 10~5000文字
感想を書き込む前に 感想を投稿する際のガイドライン に違反していないか確認して下さい。
※展開予想はネタ潰しになるだけですので、感想欄ではご遠慮ください。