「今回の試験の合格者はこれだけか」
そう言いながら、デボネアさんは、今回の試験での合格者を見る。
その場にいた僕以外には数人程度であり、それ以外のメンバーはほとんどがボロボロの状態である事も考えて、かなりギリギリの状況なのが、一目で分かる。
「それにしても、グリム。
お前、試験の途中から、どこに消えたんだ?」
「彼の罠に嵌まってな、しばらく脱出する事ができなかった」
そう、グリムは何もなかったようにけろっとした表情で言う。
既に子供の姿に戻っている彼女は、そのまま何時もの定位置といわんばかりに僕の頭に乗っていた。
「・・・なぁ、グリム、お前もしかしてだが、わざとやられた訳じゃないだろうな」
「いいや、私は本気でやった。むしろ手加減したら、彼に失礼だろ」
デボネアの言葉に対して、グリムは反論した。
「・・・まぁ良いけどな。
それに、この状態を見たら、既に答えが決まっているようだからな」
それだけ言うとデボネアは残念そうに呟く。
「まぁ、仕事で出掛ける時には、会えるしな。その時には楽しみにしておくぜ」
未だに諦めていない様子のデボネアに対して、グリムはため息を吐く。
「まぁ、良いだろう、それよりもついたぜ。
あそこが目的地だ」
その言葉と共に、見つめた先。
そこは奇妙な島。
巨大な岩が、まるで何かを包み込むような場所。
「あそこが目的地」
「あぁ、あらゆる存在に対応できるように建設された場所。それと同時に地図にはない島だ」
そう、グリムは呟いた。
「それで、君はこれからどうするつもりなんだ?」
「それは、あぁ」
その言葉を聞いて、ようやく僕は思い出す。
元々、この狩人の試験自体も、グリムの誘いがあって、試験を通っただけ。
何よりも、僕は。
「僕は」
何を目的に活動すれば良いんだろうか。
目的というのを今更になって、思う。
僕は、元の世界に帰りたいのか?
そう、言われたら、帰りたいのかと言われたら。
「・・・はぁ、別に今は考えなくても良い」
「グリム?」
僕のそんな考えを読んだようにグリムは呟く。
「今の君が、何を目的に動けば分からないならば、旅を続ければ良い。
そうした戦いの中で、思い出せば良い」
長い、長い旅の中で、目的が分からなくなった。
この世界に来た時には頭が混乱していた。
だからこそ、どうすれば良いのか分からなかった。
でも、今は、少なくともグリムが近くにいる。
「今は、それで良いかもしれない」
目的が分からず、彷徨うよりも良いかもしれない。
「それにしても、なんでだろうか」
僕は、ふと、目的地を見つめる。
「僕は、あそこにどこか覚えがある」
そんな奇妙な感覚があった。
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