「巨人?」
これから向かうだろう目的地において、戦う存在に対して、グリムに対して、質問する。
「その言葉のままの意味で巨人だ。
見上げる程の巨大な奴がいれば、そうでない奴もいる。
だが、今回の標的は男性しかいない種族で他の種族の女性を攫っては孕ませる最低な種族だがな」
そうしている間にも、グリムは鞄から次々と道具の整備を行っていた。
行っていたのだが。
「これまで聞くつもりだったけど、グリムの鞄の中って、どうなっているの」
明らかに鞄の中には入りきれないような物が大量にある。
だからこそ、疑問に思った俺は、思わず質問してしまう。
「ほとんど制限のない鞄だ。魔法の鞄と言って良いだろうな」
そう、言いながらも次々と取り出していく武器のほとんどは、かなり大きさの物ばかりだ。
「さて、そろそろ着くな」
「それで、聞きたいけど」
「まだ、あるのか?」
そう、グリムは言うけど、気になるのは当たり前だ。
「なんで、着物なの?」
今、僕もグリムも着物を身に纏っている。
「これから入る日ノ本という国はかなり奇妙でな。
人狼以外にも、人に似た容姿をした存在と共存している国でもある。
そして、異国の格好は目立つからな、こうして、その国に合わせた格好をしている訳だ」
「そうなのか、けど」
僕がそう、疑問に思いながらも、目的地に辿り着く。
「えっと、あなた方は」
「依頼を受けた狩人であるグリムと私の旦那だ」
そう、村長と、村人が僕達を見つめる。
その全員が鬼の角をしている事もあって、全員が鬼である事は分かる。
そして、その格好を見て、ヤバいと思った。
「狩人だと、これは巫山戯ているのか?」
「巫山戯ているつもりはないが?」
「いや、巫山戯ているだろ、なんで白無垢を身に纏っている。
まさか、結婚式でも行うつもりなのか」
「やっぱり」
グリムに乗せられる形で、着てしまったが、やはり場違いのようだ。
「ふむ、夫婦で着る服だと聞いたが、まぁ良いか。
それで、依頼は」
「いっ依頼は「待て、村長」これ、紅丸っ」
そう言っていると、村長を押しのけて、一人の男が前に出る。
「こんな狩人に任せるぐらいならば、俺が直接助けに向かう!」
「馬鹿な事を言うな!奴らはこれまでと違い知能がある。それによって、既に二人は」
「だからと言って、こいつらに任せられるか、俺は」
そう紅丸と呼ばれた鬼に対して、グリムは、既に大人の姿になっており、猟銃を構えていた。
あまりにも一瞬過ぎる動きに、紅丸は目を見開く。
「悪いが、これで反応できないならば、着いてきても意味はない」
「っ」
同時にグリムは、そのまま猟銃を鞄に仕舞う。
「貴殿は一体」
「言ったはずだ、グリムだ。
依頼の分だけは、働く」
それだけ告げると共に、僕はグリムに連れられて、目的地に向かう事になった。
「グリム、良いのか?」
「あぁ言う奴相手には、1度実力を見せつけるのが一番だ。
何よりも、あの反応からして、連れ去られたのは家族同然の奴らだろう。
ならば、見せる訳にはいかないだろ」
そう言ったグリムの言葉に対して、僕もなんとなくだが、察してしまう。
「早く、助けよう」
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