目的地に向かう為に、僕とグリムは竹林の中をゆっくりと歩いている。僅かな光は空に浮かんでいる月だけ。そんな薄暗い闇の中で、僕は前へと足を進めていた。
そして、グリムは僕の隣を歩きながらこう呟いたんだ。
「まったく、この地においては、厄介だな」
その言葉と共に、その手に猟銃を握り締めた。そして、引き金を引くと同時に弾丸を放つ!
──―ドンッ!! 銃声音が響き渡り、放たれた銃弾はそのまま一直線に飛び、竹林の中に何かを撃つ。
その中から出てきたのは一匹の狼だった。
「こいつは」
そう見つめた先には、僕が知っている人狼よりも遙かに身体が細い狼がいた。
それを見る限りでも、やはり人狼とは別のようだ。
「送り狼のようだな、さて」
だが、それでも尚、送り狼達は倒れず、そのまま僕へと襲いかかろうとする。
倒れた送り狼も既に再生していた。
やはり、人狼の特性である再生能力が発動している。
グリムは狼達の攻撃を軽々と回避していく。
しかし、グリムは反撃する事なく逃げ続けるだけだった。
僕もまた、その腰にある刀を抜く。
襲い掛かる送り狼に対して、斬る。
その送り狼の胴体は、斬り裂かれた瞬間、それは再生されなかった。
「人狼が再生されない」
「人狼にとって苦手な弱点を2つを同時に行った結果らしいな。
まったく、面白い刀だ」
そうしている間にも、僕達に送り狼が襲い掛かる。
グリムの言葉に僕は聞いている間にも、構え続ける。
送り狼の動きは早くて、僕には対処出来なかった。
「まったく、闇夜の中での襲撃は、本当に厄介だな」
それと共に僕とグリムは背中合わせにしながら、言う。
「勝てる見込みは」
「ないな、さて、どう逃げるか」
グリムはそう言って後ろを振り向いた。するとそこには送り狼がいた。
送り狼とはその名の通り、人間の後をつけ狙って襲いかかってくる妖怪である。この妖怪の特徴はなんといっても人の気配を敏感に感じ取ることだろう。そして、人間を見つけたら最後、たとえどんなに逃げてもどこまでも追いかけてくるという恐ろしい習性を持っているのだ。
どうすれば良いのか。
そう、考えている時だった。
「やはり、予知は当たりましたか」
その一言と共に、送り狼達は何かに吹き飛ばされる。
見つめた先に立っていたのは、まるで巫女を思わせる格好をしている人物だった。
「よく来ましたね、異国から来た狩人達」
「えっと」
「誰だ?」
そう、巫女に対して、グリムは警戒するように言う。
「私の名は、卑弥呼。
この地で予言を行っている者です」
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