二つの心臓を持つ人狼を相手にする際に、最も効果的な方法は何か模索する。
それを考える為に、僕とプリエさんが前に出る事になった。
「本当に、こういう奴は毎回相手する時、厄介なんだけど」
そう言ったプリエさんは、真っ直ぐと人狼を殴る。
自分の身の丈よりも遙か大きいはずの人狼の腕を軽々と吹き飛ばすだけの威力を出すプリエさんに対して、思わず戦慄してしまう。
だが、よく考えれば、僕の周囲には、どういう訳か、そういう事が簡単に出来そうな人物が数多くいる為に、気にするのはすぐに止める事にした。
「だけど、これは本当に厄介だ」
僕もなんとか、眼前にある人狼の身体を斬り裂く。
この刀の性質も相まってか、人狼を斬り裂いた箇所の再生は確実に襲い事は分かる。
それでも、人狼に対して、決定的なダメージを与えるか、どうかは分からない。
片方の頭を潰し、もう片方の心臓を潰しても、駄目だった。
頭を同時に二つ潰しても再生する。
そして、心臓を片方潰したら、もう片方を必ず死守する。
だからこそ、決定的な決着を付ける事はできない。
そう思っていた。
「いや、十分だ」
それと共にグリムは既に何かを取り出していた。
「奴の心臓の位置は分かった。
ならば、後は決めるだけだ」
「決めるって、どうやって?」
そう疑問に思った時だった。
「一瞬で終わらせる。
その為には、少し面倒だが、やるしかない」
「方法はあるんだよね」
「あぁ、君は、ただ、心臓を一刺しでも良い。
どちらか片方を斬ってくれ」
先程から同じ戦法を行っているが、それが成功するかどうか分からない。
だが、グリムの、その言葉からは確かな自信がある。
ならば、僕は、それを信じるだけ。
僕は、真っ直ぐと人狼へと向かう。
人狼の攻撃の激しさは、先程の非じゃない。
それでも。
「まったく、本当に、この能面は何を考えているのか」
プリエが、それらの攻撃を全て捌いてくれている。
ならば、僕が出来るのは、その心臓に向かって我が身を天に捧げるかの如く跳び、宙で身体の天地を入れ替えながら水平に刀を振るう。
「なんとか、一つ、だけどっ」
すぐに再生する。
そう思った。
「十分なぐらいの時間だ」
既にグリムもまた銃を構えていた。
「40mmショットガン・グリズリー。
至近距離から放てば、一撃で吹き飛ぶ。
だが、心臓の再生が追いつかれたら終わりだが、その刀により、再生が遅れるんだったら、これで十分だ」
その一言と共に放たれた一撃は、確かに人狼の心臓を破壊した。
それによって、戦いは決着がつく。
「なんとか、なったかな」
「あぁ」
同時に疲労と共に、僕はそのまま倒れる。
「おい」
「呪いが、早まったか」
「まったく、無茶をして」
送り狼からの呪いによって、かなりヤバい状況ではあった。
「約束は守って貰うぞ」
「分かっているよ」
そのプリエからの呟きを聞きながら、ゆっくりと意識は墜ちていく。
次回作のジャンルは
-
時代劇
-
世紀末
-
ロボット
-
カードゲーム
-
ファンタジー