正男は動揺していた。
勇者としてこの世界に召喚された時よりもなお、目の前の光景に動揺していた。
動揺するなという方が無理だろう。
なぜなら、たった今自分が犯したばかりの女性の膣内から、新たな命が誕生する瞬間を目撃してしまったのだ。
「…………」
固まり続ける正男と、目の前の小さな生命────三頭身にデフォルメされたエロースの目が合った。
エロースは小さくなっても変わらぬ淫蕩な笑みを浮かべると、ふわりと宙に浮き上がって正男の前まで浮遊してくる。
そして────おもむろに、正男のチンポの先端に吸い付いた。
ちゅうちゅうと音を立てながら、エロースが竿の中に残っていた精液を吸い出していく。
しかも同時に小さな舌をチロチロと動かして鈴口を刺激しつつ、指先でカリの溝をくすぐるというテクニックのおまけ付きだ。
正男はもはやどうすればいいのか分からず、ただされるがままにチ☆ポを吸われるしかない。
残留していた精液を残らず吸い取ると、エロースはエロい仕草で唇を舐めとり、満足そうな表情で正男を見上げた。
「ふふ……美味しかったわ、マサオ」
正男のチ☆ポを愛おしそうに撫で回しながら、エロースが言う。
だがそれで終わりかと思いきや、今度は未だに勃起し続けている正男のチ☆ポに跨がると、そのまま自分の中に挿入しようとし始めたでは無いか。
正男のチ☆ポとエロース(ミニ)はほぼ同じサイズだ。
どう考えたって入るわけが無い。
流石にエロースが二つに裂ける前に正男は止めに入り、そして説明を求めた。
エロースは名残惜しそうにチ☆ポに視線を送りながらも、一応答えてくれた。
それによると……
○どうしても現実の世界でセックスしたかった。
○どうしても直接精液を味わいたかった。
○どうしても色んな男とセックスしたかった。
○その為には精神体でも犬の体でも無く、人型の肉体が必要。
○しかしエロースが憑依できるのは正男の肉体のみ。
○なら正男の精液を元に、新しい肉体を作ればいいじゃん。
○そうだ、ジャンヌの胎を借りよう。
…………ということらしい。
正男は初めて、この女神は頭がおかしいんじゃ無いだろうか、と思った。
もちろん口にはしなかったが、改めて思えば『エロ同人の竿役おじさん』という正男の精神を侵食してくるヤバい能力も、この女神に与えられたものである。
それにおそらくではあるが、正男に毎晩淫夢を見せているのもエロースの仕業だろうし、正男の体を操ってジャンヌの初めてを奪ったのも、今回ジャンヌをレ☆プするお膳立てをしたのもエロースである。
やっていることは完全に邪神のそれだ。
もしかして自分は勇者などでは無く、邪神の復活に手を貸した悪の神官的な存在なのでは無いだろうか……
戦慄する正男をよそに、エロースは性懲りも無く正男のチ☆ポを挿入しようと頑張っていた。
正男は、もうどうにでもなれという気持ちで、エロースの行動を止めることなく放置するのだった。
◇
…………
……恐ろしいことに、エロース(ミニ)の体は、正男のチ☆ポを受け入れた。
しかもその具合の良さと言ったら、まるでどれだけ効率よく男の精液を搾り取れるか検証するために、最新の科学技術の粋を結集して作られたオナホのごとしであった。
『竿役おじさん』の肉体を持つ正男ですら、入れてから射精まで1分も持たなかったのだから間違いない。
そのまま連続で、数えきれぬほど何度も正男のチ☆ポから精液を搾り取ったエロースは、倦怠感に包まれてぐったりする正男に「それじゃあ、楽しんでくるわね」と言い残すと、空を飛んで窓から出て行ってしまった。
……いったい何をするつもりなのかなど、もはや考えるまでも無い。
チ☆ポ狩り(性的な意味で)に行ったのだ。
正男は連続射精の気だるさに支配されながらも、ゆっくりと立ち上がり、そして自分のふがいなさに涙を流した。
おそらくこれから、大勢の犠牲者(性的な意味で)が出るだろう。
体が小さくなったところでエロースはエロースであり、その性欲は尽きることを知らず、またそのマ☆コは並の女性とは比べものにならぬほどの名器だ。
何人もの男が使い物にならなくなり(性的な意味で)、何人もの男が壊されるだろう(性癖を)。
もしかしたら、二度と現実の女性には興味を持てなくなってしまうかも知れない(性的な意味で)。
正男は祈った。
どうか一人でも多くの男性が、エロースの魔の手(性的な意味で)から逃れられますように、と。
そしてどうか、犠牲(性的な意味で)になった男性の性癖が、ロリコンを通り越してピグコン(
────だが、その祈りは天には届かなかった。
その日の夜、商業都市バイ・シューンに存在するいくつもの家々から、数えきれぬほどのおほ声が上がった。
それは家庭を持つ仕事盛りの男が上げた声であり、もうすぐ魔法使いになれそうな童貞が上げた声であり、大往生間近の老人が上げた声であった(そのまま昇天した)。
その中には思春期真っ盛りの多感な少年や、精通すら迎えていないショタの声もあった。
年齢も、職業も、体格も、趣味嗜好も、何もかもが違う彼らに共通することはひとつ。
それは、その夜を境に、彼らの性癖が完全に歪められてしまったことだ。
────後になって、彼らは語った。
あの日自分は、妖精に出会ったのだ、と。
神々しくて、可愛らしくて、むっちりしてて、どちゃシコにエロくて、入れた瞬間に射精してしまうような名器を持った、オナホ妖精に出会ったのだ、と。
……いずれ都市伝説となり、後の世に語り継がれることになる『バイ・シューンの淫魔』は、こうして世界に生まれ落ちたのであった。
実は自分でもこんな展開は予想していなかった。