一刻も早く学園の敷地の外に出たい。きっと藤咲はそんなことを考えていたのだろう。
「……」
自分の下駄箱に入っていた呼び出しの手紙。藤咲にとっては、そういう手段での接触が多いのだろう。ラブレターの存在自体に驚いた様子はなかった。
しかし今は俺から狙われている状況。藤咲は顔を青くして迷っていた。
どうせ断るんだろうし、状況を考えれば見なかったことにして帰ってもいいと思う。
それでも人の気持ちを無下にできない。そうやって迷ってしまうのが優しくて、みんなから愛される学園のアイドルなのだ。
今回はその優しさにつけ込ませてもらおう。俺は優しさの狭間で揺れる藤咲をこっそり眺めながらニヤニヤしていた。
ラブレターの相手は井出だ。呼び出しに応じないほどやべー内容だったらとちょっぴり心配だったが、さすがの井出もそこまでひどくはなかったようだ。藤咲が迷っているのがその証拠。
「……」
迷いからか、しばらく固まっていた藤咲ではあったが、ついに動き出した。
フラフラとした足取りで向かうのは人気のない校舎。どうやら井出が書いた手紙の指定場所に向かっているようだ。
「さすがは藤咲さん。真面目だねぇ」
俺の罠だと想像できなかったのか。それとも、どんな理由があろうとも相手の告白は面と向かって答えを出さないといけない義務があるとでも思っているのだろうか。
「……それ、しんどくないか?」
モテる奴の気持ちなんかわからない。俺はモテたことのない男子だからな。
だが、藤咲並みにモテたと仮定してみれば、毎回呼び出しに応じるのはあまりにも面倒に思えて仕方がなかった。
下手したら毎日、それどころか一日に何人も告白しに来るかもしれない。俺なら美少女以外の呼び出しは無視しちゃうかもな。
それなのに、彼女が告白を無視したという話を聞いたことがない。
「俺の告白も、ちゃんと聞いてくれたもんな……」
それこそ俺なんかの告白を聞くなんて時間の無駄だったろう。
クラスメイトだけど、とくに仲が良かったわけじゃない。
俺よりも容姿が良い奴はたくさんいるし、勉強や運動など学生にとって魅力的に感じるであろうスペックも持ち合わせてはいない。
人と比べれば、俺より上等な男子なんて腐るほどいる。そうやって比較できるだけの人数から、彼女は好意を寄せられているのだ。
「まあ、それはそれ、これはこれだけどな」
藤咲は律儀な奴だと思う。バカにしているわけではなく、本当に立派な奴だ。
学園で一番の人気者でありながら、そうやって誠実な態度を崩したりしない。だからこそ、心根から滲み出る輝きが、みんなを魅了するのだろう。
だからと言って、せっかくヤれるチャンスが巡ってきたってのに、俺が藤咲を見逃すはずがないんだけどな。
「やあ、お待たせ藤咲さん」
「井出くんごめんなさいっ。私はあなたとは付き合えませんっ」
「ぶぅうえええぇぇぇぇっ!? まだ告白していないのに振られた!?」
待ち合わせ場所に指定された校舎の屋上。
井出は速攻で振られた。藤咲も早く帰りたいのか早口だった。
こんな情緒も何もない告白も珍しいだろう。呼び出した本人が当たる前に砕けてしまったのは可哀想すぎるが。
「うわああああぁぁぁぁぁぁんっ! こんなのってないよおおおおおぉぉぉぉぉぉぉーーっ!!」
井出の悲しみの絶叫。俺ですら憐れみを抱いてしまう。
人は倒れてこそ強くなる。井出だってそうだ。今日の悲しみが、明日の自分を強くする。俺はそう信じてる!
井出が泣きながら屋上を走り去っていった。あまりのショックに、俺の前を横切ったことにも気づかなかった。
「お疲れ井出」
俺は井出に労わりの言葉を送る。本人には聞こえなかったみたいだけどな。
井出の行動に面食らってしまったのか。藤咲はぽかんと油断していた。
そこへ俺が屋上に登場!
「お疲れ様藤咲さん」
「ヒィッ!?」
藤咲に笑顔で近づくと、小さく悲鳴を上げられてしまった。人の顔を見て悲鳴を上げるのは失礼じゃないか?
「な、なんで会田くんがここに……?」
「親友の恋を応援したいのは当然じゃないか」
「ま、まさか……さっきの告白、会田くんが仕組んだんじゃ……」
「うん」
結局、井出は告白できなかったけどな。
にこやかに頷くと、藤咲は絶望の表情を浮かべた。
さて、せっかく二人きりになれたのだ。このチャンスを逃すわけにはいかない。
「きゃっ!?」
膝を震わせている藤咲に、素早くズボンのファスナーを下ろしてチンポを見せつける。風が気持ちいいなぁ。
しかし藤咲は両手で目を覆ってしまった。これではチンポを見せつけることができない。
まあ、今回はマジカルチンポ状態ではないので、あまり意味のない行動ではあるのだが。
だが、露出することに意味があるのだ!
「あれー? 藤咲さんどうしたの? どうして目を覆っているのかな?」
「そ、それはこっちのセリフよ! こ、こんなところで……会田くん正気なの!?」
チンポをぶらぶらさせながら藤咲に近づく。
目を覆うことに必死になっているせいか、彼女はこの場から逃げ出そうとはしなかった。
これまた好都合だ。藤咲に接近して、彼女の耳元で囁く。
「藤咲さんは俺のチンポ好きでしょ? あの時だって、あんなにも美味しそうに頬張ってたんだからさ」
「あ、あれは何かの間違い……そうよ! 会田くんが私に何かしたからよ!」
何かって、ナニでしょうね?
異常なシチュエーションのためか、風が当たるだけでもチンポが大きくなる。
藤咲の手を取って、半勃ちのチンポを触らせる。
「あ……」
ビクンと身体を震わせる藤咲。その拍子に、にぎにぎと良い力加減で握られる。
「おっふ」
我ながらキモい声が漏れてしまった。
藤咲彩音にチンポを握られたという事実だけで気持ち良すぎた。一気にフル勃起して、天に向かってそそり立つ。
「藤咲さんは、本当は俺のチンポに興味があるんだよね? あれだけ美味しそうに頬張っていたんだからさ。今だって、触ったり匂いを嗅いだり舐めたりしたいんだろ?」
「そ、そんなこと……」
藤咲は口ごもりながらも、俺のチンポから目を離せずにいた。
あれ、これは本当の本当に俺のチンポに興味津々なのか?
思いのほかイケそうな雰囲気に、俺は大胆に行動することを決めた。
「俺なら藤咲さんにチンポを貸してあげられるよ。一度口に入れたんだから、二度も三度も大差ないって。みんなにも秘密にするし」
「そ、そんなことを言われても……」
「言い訳するな。藤咲が……彩音が本心から求めているものは俺のチンポだろ。四の五の言わず舐めろ。これは命令だ」
「うっ……」
思わず強気で命令してしまった。しかも名前呼びまでしちゃったし。何か変なスイッチが入ったみたいだ。
でも、藤咲……彩音にはこの態度が正解な気がしたのだ。理由はわからないが、無駄に自信があった。
こうするのが当たり前のように、馴れ馴れしく彩音の肩を抱く。内心滅茶苦茶ドギマギしながら、彼女の耳に口を寄せた。
「さあ、俺について来い。彩音がしたかったこと、させてやるよ」
「……」
彩音は返事をしなかったけど、顔を真っ赤にしてうつむいた。それを頷いたものと解釈して、俺は下の階にある空き教室に彼女を連れ込んだ。
学園のアイドルは押しに弱かった。それとけっこうムッツリスケベ疑惑あり。
これもマジカルチンポがあったからこそなんだろうけど。男の魅力は下半身ってのは、あながち間違いでもなさそうだった。