「お母さん……お母さぁん……っ」
琴音が母親に涙ぐみながら抱き着く。音々さんは優しく娘を抱きしめた。
「琴音……彩音も、また会えてよかったわ」
母親から視線を向けられた彩音は何かを堪えるように口元を手で覆う。肩を震わせているところを見るに、親子の感動の再会的な喜びがあるのだろう。
いやはや、涙が出ちゃいますな。まさに感動の名場面。こっちまで泣きそうだぜ。
「……祐二くん? 泣いてるの?」
「は……はぁっ!? な、泣いてねえしっ。ただのフリだし!」
なんか目から変な汁が垂れそうになっていたので腕で拭う。なんだこれ? 脳内で感動だなんだと言っていたせいで気持ちがのめり込んでしまったのかもしれない。ほら、俺って感受性豊かだからさ。
「会いたかったよぉ……お母さん……」
うん、まあ、あれだよ。ここに来た頃からメイドになりきっていた琴音が予想外にも母親への恋しさなんてものを見せつけてくるからさ。なんちゅーか、びっくりしたんだよ。それだけだよ。本当だよ。嘘じゃねーよ。
「よしよし。よくがんばったわね」
琴音は母の胸から顔を離す様子はない。そんな娘の頭を撫でる音々さんはやはり母親だった。
それを直視するのもなんだかなって気分になってきた。そうやって目を逸らすと彩音と目が合う。
「……彩音は抱きつかないのか?」
「今は琴音の番だから」
お姉ちゃんは妹に順番を譲っているらしい。それとも俺の前で親に甘えるのが恥ずかしいとかかな? 思春期だと人前で「お母さん」って呼ぶのも恥ずかしいらしいし。それは男子の話か。
「彩音、音々さんに家の案内とか家事のルールとか教えてやっててくれ。俺は用事思い出したからちょっと出かけるわ」
「え? 祐二く――」
彩音の返事を最後まで聞かずに家を出た。
「あっつ……」
夕方の時間帯。夏は日が長い。そのせいで太陽の光が容赦なく俺を焼いてくる。
たまには健康のために散歩でもしないとな。そんな適当な理由を頭の中だけで並べてみる。他には……まあいいや。考えるのが面倒だ。
足を動かすと勝手に頭は回転するらしい。俺は音々さんと初めて言葉を交わした時のことを思い返しながら、これからの自分のスタンスを考える。
※ ※ ※
「え、えーっと……」
俺はどんな言葉をかけるべきかと迷っていた。
今の状況を整理しようか。
眠っている音々さんのおっぱいを使ってパイズリをしていた。目が覚めた彼女に目撃される。微笑まれた。うーん、どう反応したもんかな?
ご主人様が謝るわけにもいかないし。そう迷っていると音々さんの口が開く。
「あなたが、わたくしのご主人様ですね」
なんとも察しのいいことで。
だが堂本がいいようにしてくれていると言っていたのだ。どんなことをしたのかは聞かないが、いざこんなことをしておきながらこんな風に優しそうに接してもらえるとはな。なんだか不思議な感じ。
「ご主人様の名前をうかがっても?」
「あ、ああ。俺は会田祐二、です……」
「はい。祐二様ですね。わたくしは藤咲音々と申します。どうかこれからよろしくお願い致します」
「こ、こちらこそよろしくお願いします」
方や下半身丸出し。方やおっぱい丸出しである。こんな状態で自己紹介ってできるもんなんですね。いやー、勉強になります。
俺が照れていると、音々さんの視線が俺の顔から下へと移動する。
「どうしましょう祐二様? ご奉仕しましょうか」
さっきのパイズリに満足しているかと思えば、気づかない間にムスコさんは元気になっていました。お母さまにムスコを預けようかと考えてみる。
「お、お願いしようかなー……なんつって」
ちょっと声が小さくなってしまう。眠っている時には思わなかったのに、年上と接するのってけっこう緊張するな。しかも同級生の母親だもんな。よく考えなくてもすごい。
「承りました」
にっこり。彩音よりも柔らかく、琴音よりも落ち着いた笑みを見せてくれる。ピクンと反応してしまう。
音々さんが起き上がろうとするので跨ったままでは悪いと身体を移動する。上体を起こした彼女は「あら」と声を漏らす。
「これは……」
音々さんが視線を落とす。そこには精液まみれの胸の谷間があった。
「ご主人様の臭い……」
そこでうっとり顔を見せられても……。ちょっと興奮します。
「あっ、ごめんなさい。わたくしったらつい……。ご奉仕させていただきますね」
はっと俺に顔を向ける音々さん。天然風味なお方である。もちろん許す。
彼女は俺のムスコに手を伸ばす。いよいよ彼女の自発的なご奉仕を受けられるのかと身構える。チンポにしなやかな指が絡まれた。
「って痛い痛い痛いって!!」
「ご、ごめんなさいっ」
力加減一切なしで握られた。俺のチンポは握力計じゃねえっ!
ていうか今の何? 快楽を期待していたら痛みを与えられましたってどゆこと? もしかして俺ってばドMとでも勘違いされちゃったのか?
困惑する俺に音々さんは何度も謝罪を口にする。どうやらわざとではないらしい。
「すみません。加減がわからなくて……」
「音々さんってあまりこういう経験がないんですか?」
自分で言っておきながら「んな馬鹿な」という気持ちだった。しかし音々さんは恥ずかしそうにこくりと頷いた。
え、本当に? 人妻なんだからセックスの経験がゼロってわけじゃないんだろうけど……。ていうか人妻ってみんなエロいもんじゃないのか?(偏見)
想定外の事態に沈黙してしまう。音々さんは恐る恐る口を開いた。
「その……がんばります。ご主人様には気持ちよくなってもらいたいです。だからご主人様が気持ちいいことをたくさん教えてください」
ズッキューン!!
何このひたむきな従順さ。同級生のお母さまなのに可愛いとか思っちゃったぞ。
「な、ならしょうがないなぁ……。少しずつ教えてやるからちゃんと覚えるんだぞ」
「はい!」
俺の上から目線発言に、音々さんは嬉しそうに返事した。純真な笑顔が眩しい。
「じゃあまずはチンポを握ってくれ。さっきみたいに力いっぱい握っちゃダメだ。敏感で繊細なところだからな。優しく丁寧に、だぞ」
「はい。こう、ですか?」
上目遣いにドキリとする。いちいちこの人は……。もうただの美人なお姉さんだな。
だけど今度は握る力が弱すぎる。指が触れているだけで、とても握っているとは言えなかった。
「あの、音々さん?」
「はい?」
「もうちょっと強めでもいいんだよ」
「もうちょっと強め……ですか」
ちょっとだけ握る力が強くなる。……ほんとにちょっとだけだな。
弱弱しい刺激にもどかしくなる。
「あの、音々さん?」
「はい?」
なんで俺達はリピートしてんだろうね? 小首をかしげるな。可愛いだろうがっ。
それにしても予想外の拙さだ。琴音が上手かっただけに音々さんはそれ以上のテクニシャンだと思っていた。そう思い込んでいた。
これはどうしたもんかな……。教えるっていっても、俺だってそんな経験がない。欲望を満たすために自分勝手にするか、ご奉仕を受け入れてやることしかしてこなかった。優秀な姉妹はそれだけでも技術を向上させてくれたけどな。
「もう一度確認しますけど……本当にこういう経験は少ないんですか?」
「ええ、お恥ずかしながら。ご主人様以外となると一人だけで……」
つまり旦那さんだけってことか。結婚するまで処女を守ったというタイプだろう。
一応のつもりで尋ねてみれば恥じらいながらの肯定を返された。本当に恥ずかしそうにするんじゃないよ。可愛いつってんだろうが!
しかし、まさか本当に経験がないんだろうかと未だに疑ってしまう。いや、娘さんが二人もいるんだからそれなりにはあるはず……。旦那があまりエロいことに興味がなかったとかかな。夫婦でもセックスレスなんて言葉を聞いたりするし。こんなエロい身体つきした女に? 信じらんねー。
仕方がないからこれからいろいろと教えてあげよう。これもご主人様の務めだよな。教育するってのも面白そうだ。
そんなことを人妻に対して考えてしまったことのおかしさに笑ってしまいそうになる。
そう……、人妻なんだよなぁ。
いくら綺麗でエッチな経験が少なそうでも、彩音と琴音の母親なのである。二人にとっての母親か……。気になってんだろうなぁ。
なんであいつらに会わせてやりたいだなんて思ってんだろうか。わざわざ音々さんを購入したのは、やっぱり再会させてやろうって考えがあったんだろう。なんか俺っぽくないな。
むしろあれだな。琴音の時みたいに彩音が従順になってくれたらって考えてんだよ。あの時の彩音はよかった……バレてからは大変だったけどさ。
などと、頭の中でごちゃごちゃあーだこーだ言っているうちに、彩音と琴音が帰ってきてしまったのであった。