「祐二様! あたしにおしっこを飲ませてください!」
朝、目が覚めると亜麻色のツインテールが似合う美少女が変なことをのたまった。しかもメイド服姿で、である。
「は?」
ボケた声しか出ない。寝ぼけ眼を擦って目覚めようと努力する。努力は認めてほしい。
だが、そんな俺の努力なんぞ知るかとばかりにツインテールの美少女が顔を近づけてくる。
「お姉ちゃんにはおしっこをかけたり飲ませたりして……全然あたしにはしてくれないじゃないですかっ。これはどういうことですか!? ひいきですか!?」
朝からうるさい娘だ。おかげで目が覚めた。
どうやら今朝は琴音が俺を起こしにきたらしい。彼女には珍しく起こし方がエロくない。つーか何言ってんだか。
「祐二様がなかなかおしっこを飲ませてくれないので、自分から飲みに来ました。さあさあパンツを脱いで。起きたらまずトイレを済ませたいでしょう?」
「おいやめろ! つーかこんなとこでできるかよ!」
「こんなところじゃなくてもしてるじゃないですか。今さら恥ずかしがらないでください」
琴音の手が俺のパンツにかかる。ずり下ろそうとするので抵抗した。
なぜか流れで琴音との攻防戦が始まった。年下相手にドタバタと本気の守備力を見せつけてやる。
「コラ琴音」
「ひゃうっ」
攻撃に転じれば男の俺が負けるはずもない。
彼女の手首を掴んでベッドへと押し倒す。姉に似た、姉よりも可愛げのある顔が俺の方へとまっすぐ向けられた。
「んんっ……」
強引に琴音の唇を奪った。緊張を感じさせたが、段々と力が抜けていった。
ゆっくりと顔を離す。ギシリとベッドが軋んだ。
「キスの方がいいだろ?」
「あ、その……はい……とても良いです……」
さっきまでの攻防はなんだったのか。うっとり顔の琴音を見るとそう思わずにはいられない。
なんというチョロさ。だが、それがこいつの良いところなのだ。
別に飲尿させるのが趣味ってわけじゃない。琴音には必要もないだろう。だからうん、俺の趣味じゃないんだからね。
むしろ、これからは琴音には優しくしてやろうと思う。
俺達の関係が構築できたのは、琴音が潤滑油みたいな役割を果たしてくれたからこそなのだろうから。
……だからさ、期待にこもった目とかやめてくんないかな? 普通にトイレに行かせてくれっ。
※ ※ ※
「ご主人様、おはようございます」
「おはよう音々。朝食は?」
「ええ、すぐに支度しますわ」
きっちりとメイド服を着こなす美女。いつ見ても信じられないが、娘が二人いる、れっきとした母親である。
髪をアップにまとめているため色っぽいうなじが見える。後ろからでもその超乳がわかるほど胸元が膨らんでいる。
「あれ、お姉ちゃんは?」
俺といっしょに一階へと下りてきた琴音が姉の姿を探す。
「彩音は先に学園に行ったわよ。用事があるんだって昨日言っていたでしょう?」
「あっ、そうだった。お姉ちゃんがいないんだったらもうちょっと祐二様とイチャイチャしておけばよかったー」
「ダメよ琴音。ご主人様が遅刻することにでもなったら、叱るわよ?」
優しく微笑む音々。とても優し気であるはずなのに、琴音がピシリと固まった。
「ご、ごめんなさぁい……」
茶目っ気を出そうとしているが冷や汗までは隠しきれてはいなかった。母と娘の力関係を見た。
そんなわけで、彩音抜きの三人で食卓を囲んだ。
当たり前のように朝食をとる。それは普通のようで、以前の俺だったらあまりないことであった。
※ ※ ※
音々に見送られ、琴音とともに登校する。
学園が近づくと、俺と琴音の組み合わせに疑問の視線を向けられる数が増えていく。
琴音は謙遜するけど、彩音に負けず劣らずの美少女なのだ。この視線の数を考えれば、きっと琴音狙いの男は多いに違いない。
だが残念だな。こいつはもう俺のメイドである。
そんな優越感に浸っていると、学園へと到着していた。
「では祐二先輩っ。また後ほどです」
メイドから後輩顔となった琴音と別れる。切り替えの上手い奴である。
「祐二くん、ちょっといいかしら?」
教室に入ると先に来ていた彩音が近寄ってきた。学園のアイドルの行動にクラスの連中の視線がこっちへと集まる。
彩音の大きくてくっきりとした目が俺を映している。俺の方へと歩けば艶やかな黒髪がなびく。
美しい雪のような白い肌がやや紅潮している。俺は立ち止まったまま、彼女のむしゃぶりつきたくなるような薄い唇が動くのを待った。
「放課後、話があるの。教室で待っていてもらってもいいかしら?」
俺にだけ聞こえる小さな声。それだけ言って彩音は自分の席へと戻った。
残ったのは男をその気にさせる甘い香りだけ。股間が膨らんだのを隠すのが大変だった。
※ ※ ※
夕暮れの教室。遠くから運動部の声が聞こえるくらいで、室内は静かなものだった。
赤に染まった教室にいるのは俺と彩音の二人だけ。廊下にも人の気配はない。すでに部活をしているか、用がなければ帰宅している時刻である。
学園のアイドルと憧れられている藤咲彩音はセーラー服がよく似合っている。さらに言えばメイド服も似合うのだ。学園の男どもの中でそれを知っているのは俺だけであろう。
生徒教師問わず、男どもを魅了する瞳が俺だけに向けられている。しかも潤んでおり、何か言いたげだ。
誰もいない教室で二人きり。こうしていると告白でもされそうな空気だな。
一度きゅっと動いたピンク色の唇は、震えながらもゆっくり開かれた。
「ゆ、祐二くん……その、私……妊娠、しました……」
か細い声量。でもはっきりと聞こえた。
盛大にうろたえる……わけでもない。あれだけ中出ししてきたのだ。いつかは孕ませてしまうのだと、そういう覚悟はあった。
学生の身分でとてつもない告白だったろう。彩音の身体は小刻みに震えていた。その態度を目にするだけで不安が感じ取れる。
「あ……」
だからその不安を取り除くように彼女を抱きしめた。すぐにその身を預けてくれる。
「ああ、わかった」
俺が口にするのはそれだけだ。それでも彩音には伝わったようで、顔を俺の胸元に押しつけてきた。
俺達は抱き合った。彩音の嬉しさが背中へと回された手から伝わってくる。
どれだけの時間をそうしていただろうか。少しもったいないと感じながら、身体を離した。
そして両手を彩音の肩に置く。学園では大きな存在の彼女だけど、とても小さな肩だった。
「彩音」
「……うん」
藤咲彩音と見つめ合う。その目からはもう俺への好意しか感じられない。
「ん……」
キスをすれば受け入れてくれる。それも嬉しそうに。顔を離した時、彩音が顔を綻ばせていた。
その美しさに思わず喉を鳴らし、俺は藤咲彩音に命令を下した。
「机に手を突いて尻を向けろ」
いきなりのあんまりな言葉。しかし彩音は好意の色を帯びた表情で、ためらいなく頷いた。
「はい……ご主人様……」
艶めかしい声色で、彩音は俺の命令通りに動いてくれた。
机に手を突いて、尻を差し出す学園のアイドル。制服のスカートに覆われた形の良い尻と、白くてムチムチの太ももが、これからの淫猥な時間を想像させてくれる。それだけで興奮は最高潮だ。
そして、思い描いた通りの時間を彩音と過ごした。いや、デレデレとなった彼女は積極的で、想像以上の時であった。
もし学園のアイドルが俺のメイドになったら?
いろいろとはあったけれど、俺にデレデレになってくれた。きっとこれからもエロエロな毎日を過ごせるだろう。
彩音に、琴音と音々もいる。彼女達が俺に奉仕する心は本物になった。
だからもう大丈夫。寂しいどころか、満たされた日々を送れるのだから。俺も、彼女達も、大丈夫だ。
最後までお読みいただきありがとうございました! これにて本編完結となります。
気が向いたらおまけ編を投稿しようと思ってます。もしよければちょくちょく様子を見に来てくだされば嬉しいです(自分に甘い不定期)
メイドは同人誌の通販もやってます(電子版もあります) 興味がある方はTwitterからよろしくおねがいしますね。
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メイド1巻
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メイド2巻~学園祭編~
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メイド3巻~本編後完結編~
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