書いたら出ると信じて書きました!!!
ドクミュルもっとください!!!!
フードとマスクを脱ぎ、裸になって浴室に入ると、暖かな空気に包まれる。
ドクターは熱いシャワーを浴びながら、ようやく人心地ついた。
予定外の問題が発生した遠征。その後に積み上がった様々な書類。後始末に加えて普段の業務まで終わらせるのに、三日の徹夜を必要とした。頭は真綿をいっぱいに詰められたような感じがして、重いような、軽いような、奇妙な感覚だ。カフェイン剤のせいか、意識はぼやけているのに、目だけが冴えてしまっている。
既にいつものことであり、多少の慣れもある。ただ、外勤のあと、休む暇もなかったのがかなり響いた。エンフォーサーが飲むような、かなり濃いめのコーヒーでさえ、味を感じなくなるほどに。
しかし、そんな気を張った状態も、熱いシャワーが解してくれる。湯船から漂う香りは、ポデンコが試しに作ったという入浴剤のものだ。入ったら、そのまま眠ってしまうかもしれない。
顔に、体に熱い雫を浴びたまま、ぼんやりと立ち尽くす。
しばらくそうしていると、背後の扉が開く音がした。
幻聴だ。今は真夜中で、わざわざ自分の部屋を訪ねる者などいるまい。よほど疲れているのだな、と思ったのも束の間。誰かが、背中に優しく抱きついてきた。
「随分疲れた顔をしてるのね、ドクター? サリアやドロシーだって、そこまで酷い顔をしたことは無いわよ?」
「ミュルジス!?」
曇りかけた鏡に、エルフの女性の顔が映った。
振り返ると、彼女も裸だ。悪戯っぽい笑顔とウィンクが飛んでくる。
ドクターの白磁のような肌は、羞恥で一気に赤く染まった。
「な、な……なんでここに!? というより、どうして裸で……っ」
「服を着たままの方がよかった? いいじゃない、女の子同士、減るものでもないでしょ」
「いや、そうではなくてだな……」
ドクターは目を逸らしながら口ごもる。
このエルフは、見た目より長く生きているそうだが、それでも外見は十代後半で通じるほどに瑞々しい。
大きくはないが、形の整った双丘が、ぴたりと密着して存在感を主張してくる。
ミュルジスはドクターに抱きついたまま、乳房と大胸筋の繋ぎ目を指でなぞった。
危うく飛び出しかけた甘い声を、どうにか抑え込んだ。
「ふうん、ドクターって、結構スタイルいいのね。ちゃんとした恰好をすればいいのにって言われない?」
「た、たまに……。いや、それよりも、君はどうしてここに?」
「……忘れちゃったの? 今夜、一緒にご飯食べましょうって、約束してたのに」
「キャンセルしたのは、悪いと思っているが……」
約束をしたのは事実だが、あまりにも仕事が多すぎたため、事前に断りの連絡を入れていた。
今日はミュルジスが、ロドスとの共同プロジェクト発表のために来訪する予定だったのだ。
外勤任務でのトラブルさえなければ、珍しく時間が空くはずだったのだが。
ミュルジスは拗ねたような表情で、ドクターの脇腹に頬ずりをする。くすぐったくて、小さな笑いが零れた。
「ん……っ! だ、だからって、こんな風に埋め合わせなくてもいいだろう……!」
「つれないこと言わないでちょうだい。あなたが忙しいことぐらい、わかっているから。埋め合わせはまたの機会にお願いするわ。今日は……あなたの背中でも、流してあげようかと思って」
そう言って、ミュルジスはドクターごと後ろへと倒れこむ。
成すすべなく傾いたドクターの手が宙を引っかいた。
しかし、危惧したような衝撃は来ない。
倒れこむふたりの下に、浴槽から飛び出してきた湯が滑り込み、大きなクッションのように受け止めたのだ。
ミュルジスは湯の中に沈み、ドクターはスライムに体を預けたかのような弾力に包まれる。
暖かく、柔らかく、ただの湯に過ぎないはずが、弾力を感じる。
湯の塊から露出したミュルジスの唇が、ドクターの耳元に囁きかけた。
「心配しないで、あたしに身を委ねて? 心配することなんて、何もないから」
ドクターの二の腕から先と、太ももから先が湯の塊に沈み込み、囚われる。
反射的に抜け出そうと動かすが、柔らかくも強固な拘束の前には無力。
ミュルジスは湯船の中から両手を伸ばすと、シャワーの湯粒を束ねて塊にし、浴室内に置いてあったボディソープを持ってこさせた。
とろりとした乳白色の液体を掌に受け止め、水を加えて泡立ててから、ドクターの無防備な腹に塗りつける。
肌の上を滑る泡と手の感触に、ドクターは眉根を寄せて、小さく身をよじった。
「んん……っ!」
「力を抜いて、ドクター。固まってたら、リラックス出来ないでしょ?」
「待て、ミュルジス、これは……ふぁ……!」
「それとも恥ずかしいの? 大丈夫よ、ここにはあたしたちしかいないんだから。あたし以外、だーれも見てない。だから……声、出してもいいのよ?」
見悶えするドクターの体を、時に優しく、時に力を込めながら、巧みに解していくミュルジス。
入浴剤の穏やかな香りと相まって、だんだんドクターの目が霞んでくる。
瞬きの回数が多くなり、浴室の中で反響する声が、遠く頭に沁み渡る。
瞼が重くなってきた。とても心地よい。
ドクターの抵抗が弱まってきたのを見計らい、ミュルジスはドクターの乳房を撫で回しながら乳頭に指先を近づけていく。
そして、ドクターが眠りに落ちる寸前で、乳首を抓り上げた。
「あ゛っ!? はあ、ぁっ!」
急に強い刺激を与えられたドクターは仰け反り、激しく身もだえする。
ばたつこうとする腕を湯の中に閉ざしながら、ミュルジスは微笑んだ。
「まだ寝ちゃだめよ。上がったら、自分で服を着てもらわなくちゃ。私が着せてあげるのでもいいけど、今日はあなたに似合いそうな服を持ってきていないから」
「あ、う……!」
ドクターの目の中で、白い火花がパチパチと弾ける。
不意打ちを食らい、しばし体を強張らせている間も、ミュルジスの愛撫は続く。
動けないのをいいことに、手足の拘束を緩め、指の隙間にまで泡をだらけにする。ドクターは、くすぐったさに体をひねった。
「次はシャンプーね。目をつぶっていた方がいいわよ」
「じ、自分で出来る、から……っ!」
「うふふ、だぁ~めっ」
白い髪が湯の塊に引き込まれた。
どうやって操作しているのか、シャンプーは湯船に溶けださず、ミュルジスの手に従ってドクターの髪にまとわりつく。
たっぷりと水気を含んだ髪を細い指が掻き分けて、頭皮を緩く解し始めた。
皮膚から温もりが浸透していくような感覚が心地よい。
「頭皮硬くなっちゃってるじゃない。思ってた以上に疲れてるみたいね? って、こーら、まだ眠らないの」
「んっ!」
脇、内腿、腹に、同時にくすぐったさを感じる。
霞む目を開けば、湯の塊から生えたミュルジスの水分身が、ドクターの体を指先でくすぐっていた。
水でありながら、爪の硬さを再現していて、解されて敏感になった箇所をカリカリと刺激する。
加えて首筋や、耳の裏、耳の内側をも引っかかれる。勢いの弱いシャワーが、追い打ちをかけた。
「んくっ、ふぁぁ……!」
「可愛い。ドクターって、感じるとそういう顔をするのね。いつもの真面目な顔も、優しい顔も好きだけど、そういう顔も好きよ」
甘ったるく囁きかけつつ、ミュルジスは背筋がぞくぞくと震えるのを抑えられなかった。
分身伝いに見えるドクターの顔。快楽に抵抗できないまま、悩ましく発情していく表情が、劣情を掻き立ててくる。
―――本当は、そういうつもりじゃなかったんだけど。
―――お風呂に入って、添い寝するぐらいかなーって思ってたのに。
―――これじゃあ、我慢できないじゃない。
ドクターの腿の近くにいた分身が、指先をドクターの秘部に滑り込ませた。
「あっ、や……っ! そこは、そこはだめ……っ!」
本人の言葉と裏腹に、愛撫によって外堀から柔らかくされた肉穴は、すんなりと分身の指を受け入れる。
変幻自在の水の指は、中で肥大化していき、肉ひだを掻き分けながら子宮口に流れ込んでいく。
痛みを感じるギリギリまで径を増した湯の指は、形を変えて内部のあらゆる箇所を探り出す。
ドクターは柔らかな圧迫感と連続して襲い掛かってくる快楽の電流に、一層激しく暴れだした。
「うあっ、あああ、あ、あ゛っ!? ひゃめっ、あ……っ、ああぁっ!」
「ごめんね。本当は、こういうこと、もっと仲良くなってからにしようって思ってたんだけど」
ミュルジスは分身を操りながら、自身もドクターの両胸を手で包み込む。
中をいじられるたび、乳房もぶるっ、と振動する。掌にまで伝わってくる、官能的な柔らかさは、ミュルジスの理性から歯止めを奪い取った。
「ちょっと、無理かも……!」
「あうっ!」
ドクターの胸を強く握り、指で乳首を挟んで器用に転がす。
ミュルジスの分身たちの動きも、だんだんとエスカレートし始めた。
左右から耳を口に含み、透明な舌で耳を中まで丁寧に洗う。
そろえた爪で脇から乳房の付け根、腰のくびれまでを何往復もして、下腹部を支配する液体のディルドを抽送した。
変幻自在な水は、その形をドクターの弱点全てを同時に抉ることが出来るものにし、子宮口を軽く引っかいて、子宮の奥をノックする。
ゴリゴリと膣内を刺激されるたび、ドクターの悲鳴じみた嬌声が、バスルームに反響した。
「あ゛あ゛あ゛あ゛、あぐ、う……っ!」
「もう、あたしが我慢出来なくなってるのに、ドクターは我慢しようとしてるの? だめよ、今はふたりっきりなんだから、もっと声を出して?」
「うああ゛っ!」
湯のディルドが変形し、側面の一部から飛び出した突起をさらに肉ひだの奥に押し込んでいく。
ドクターの体が激しく踊る。それが抵抗なのか、ただ快楽に衝き動かされているだけなのかは、もはや本人にもわからない。
頭は、的確に突きあげてくる快感、湯船の温もりと入浴剤の香り、そしてミュルジスのマッサージの心地よさでいっぱいだった。
仕事の疲労と眠気がそこに混じり合って、ぼやけた混沌の中に飲み込まれてゆく。
ドクターにのしかかるようにして現れたミュルジスの分身に、唇を奪われた。
がなり立てる目覚まし時計のような快感と、優しく寝かしつける花の香ごと、ふるふると唇を揺する柔らかさに抱きしめられる。
ドクターの瞳が焦点を失い始めた。下腹から優しい温もりが広がってゆく。
ミュルジスはドクターの双丘を下から掬い上げ、乳首をつまみ、きゅっと引っ張った。
分身が耳の奥にまで舌を突き入れ、ディルドが膣内を弓矢のように下がってから、勢いよく貫いた。
「ん゛―――――――――――――っ!」
吹き出した愛液が、湯に希釈されて溶け消えてゆく。
突っ張った手足がビクッ、ビクッ、と感電したかのように震えるのを、ミュルジスは水伝いに全身で感じ取った。
ドクターと共に絶頂を体感したが如き、官能的な幸福感に満たされる。
「ああ……」
ミュルジスは恍惚と呟いて、ドクターの体を後ろから抱きしめた。
背中に頬をくっつけ、暴れる心音に耳を傾ける。
やがて、ドクターが脱力し、気を失うようにして眠りに落ちるまで、それは続いた。
ミュルジスは湯の塊を解いて浴槽に戻すと、分身たちにドクターの体を支えさせ、髪と肌をひと撫でする。
滴る水気が消え失せ、ドライヤーとタオルの出番は無くなった。
ぐったりとしたドクターの頬に触れ、ミュルジスはちょっとやり過ぎちゃったか、と苦笑した。
分身たちはドクターをベッドまで運ぶ。自身も全裸のままバスルームを出たミュルジスは、分身を浴室に戻しつつ、自身はドクターと肌を重ねて毛布を被る。
ふたりっきりの時間。ミュルジスはドクターと両手を重ね、指を絡める。掌と掌の隙間に、熱が籠った。入浴剤の残り香が、毛布の中いっぱいに広がる。
ミュルジスは微笑んで、ドクターの心音を聞きながら、共に眠りへと落ちた。
「う、うう……?」
翌朝、ドクターが目を覚ますと、はじめに認識したのは強い倦怠感だった。
まだ眠っていたい、と体が駄々をこねている。凝り固まっていた疲労が溶けて全身に広がり、体を重くしていた。
しばらく天井を見つめてぼんやりしていると、眠る直前のことを思い出す。
「ミュルジス?」
共にいたエルフの女性の名を呼びながら、顔を倒して部屋の中を見る。
どこにも彼女の姿はなかった。重い体に難儀しながら起き上がり、頭を掻く。
夢でも見ていたのだろうか。そう思って洗面台に立つと、白い胸元にキスマークがついていることに気づいた。
内出血の痕に触れると、子宮に暖かな雫が落ちたような感触に襲われ、思わず背筋を震わせてしまう。
下腹に手を当て、昨日のことが夢ではないと自覚する。
それと同時に、腹の奥に収まったあの異物感と温もりを、少し名残惜しく思った。
〈終〉