らんまはクラスメイトの予想外の提案に、驚愕して口を開けた。思わず彼の言葉を繰り返した。
「な、何を言ってるんだお前。ここでなにをしろって?」
クラスメイトは少し照れくさそうに笑いながら、らんまを見た。
「だって、苦い薬を飲むんだったら、それくらいの特典が欲しいんだよ。それに、お前ならそんなことくらい簡単に出来るだろ?」
らんまはその言葉に、どう反応すればいいのか分からなかった。辰輔の提案はあまりにも予想外だったからだ。
「お、おい、お前、冗談はいい加減にしろよ……」
だが、クラスメイトはにっこりと笑いながら、らんまを見つめた。
「冗談じゃないよ。真剣な話さ。それに、らんまは今、女の姿なんだから、それくらいのサービスがあってもいいんじゃないの?」
その言葉に、らんまは少し困った顔をした。辰輔の提案は、確かに予想外だった。しかし、その提案を受け入れることが、辰輔に薬を飲ませるための唯一の手段となるのだろうか。それに、辰輔がその提案を真剣に考えているのか、それともただ単に冗談を言っているのか、その真意もはっきりしなかった。
しかし、このまま、帰るわけにも行かない。
もしかすると、辰輔は、相当な重病をわずらっているのかもしれない。
辰輔が抱える可能性のある病の深刻さを、頭でらんまは理解しようとしていた。彼が重い病に冒されているのかもしれない、その瞬間の現実が頭を過る。
もしも辰輔が深刻な疾患によって時間が尽きているのだとすれば、それはまた別の意味を持つだろう。辰輔は、残された時間を最大限に生きるため、恐らくは性的な経験を追求しているのかもしれない。そう考えると、この状況が持つ重みと辰輔の願望が深く絡み合っていることに気づくらんまであった。
「わ、わかった……。じゃあ、こっちも条件がある……」
「へ?いいの? 条件って?」
「セックスする前に半分飲む。終わった後に半分だ。それが条件だ」
「それならいいよ、それで納得だ。さっきのは冗談だったけど、らんまがそれほどまでに僕のために努力してくれるなら、頑張ってみるよ」
辰輔は言葉を遮り、半分の粉薬を口に運び、一気に飲み干そうとしたが、また、踏みとどまった。
「どうせなら、らんまに口移しで飲まされたい」
らんまはその要求に困惑した顔をした。
「な、何を言ってるんだお前。口移しって……」
辰輔は照れ笑いしながら首を傾げた。
「だって、そうした方が、なんだかロマンチックじゃない? それに、苦い薬も、らんまの口から来たら少しはマシになるかもしれないよ」
その言葉に、らんまは少し赤くなった。まさか、こんな展開になるなんて思っても見なかったからだ。
「そ、それはちょっと……」
しかし、辰輔はにっこりと笑いながら、らんまを見つめた。「いいじゃないか。どうせ、この後、セックスするんだからさ。それくらいのこと、らんまなら出来るだろ?」
その言葉に、らんまは少し困った顔をした。しかし、辰輔の提案を受け入れることが、辰輔に薬を飲ませるための唯一の手段だと思うと、仕方なく頷いた。
「わ、わかった。だけど、絶対に残りの半分を飲むんだぞ」
「ああ、約束するよ」
辰輔はにっこりと笑いながら、らんまを見つめた。そして、らんまがクラスメイトに薬を口移しで飲ませるという、予想外の展開が始まった
らんまは、なんとも形容しきれない感情を押し殺し、辰輔に向かって手にした薬を口に運んだ。らんまの口の中で、薬は唾液に混ざり溶け出した。らんまは辰輔を見つめ、辰輔に向かって頷いた。
「じゃあ、これでいいのか……?」
辰輔はらんまの問いかけにうなずき、目を閉じた。それは辰輔にとっての了承のサインだった。
らんまは心のどこかで緊張しながら、ゆっくりと辰輔に近づいた。心臓がドキドキと高鳴る音が、自分の耳にだけ響いていた。
そして、二人の唇が触れ合った。それは、口移しで薬を飲ませるための行為だったが、同時にそれは深いキスとなっていった。らんまの口の中の薬が、ゆっくりと辰輔の口へと流れ込んでいった。
辰輔が口を開けて薬を受け入れ、そして辰輔がゆっくりと目を開けたとき、らんまはすぐに身を引いた。それはどこか恥ずかしげな反応だった。
らんまは再度確認した。
辰輔は少し苦しそうな顔をしながらも、うなずいた。
「うん、すこし苦かったけど、なんとか飲めたよ。ありがとう、らんま」
その言葉に、らんまは少し安堵した。辰輔に薬を飲ませるためのミッションは、少なくとも一部は成功した。後は、セックスの後に辰輔が残りの半分を飲んでくれるかどうかだった。
ここまで読んで下さり、誠にありがとうございました。
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