※この作品はR-18です。

∞乳(むげんパイ)が地球を救う!   作:kozo

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 閲覧ありがとうございます!
 今回から膨乳フェチ勢との戦いが幕を開けます。おっぱいが巨大で無敵だからこそできる乳責めを展開していければと思います。


 際限なく乳房を大きくすることのできる女子高生がその能力を駆使して自分の住む街を、そして地球を救う……というお話です。

 おっぱいメインの甘々、またはヒロインの胸を付け狙う膨乳フェチとのバトルを展開していきます。


天原希(あまはらのぞみ)

大原東高校二年。
T164 B73〜∞ W58 H92
少々天然なところはあるが正義感が強くて明るい女の子。
その乳房は自分の意志で膨張、縮小することができ、あらゆるダメージを無効化する。
弱点は性感帯である乳首。また、脇をくすぐられると、本人の意志とは関係なく乳房が膨張してしまう。
普段のバストは103cmのJカップくらい。


第五話 膨乳封印の儀

「うぁ、蒸し暑っつ……」

「まだ雨が降ってた時の方がマシだったな」

「湿気、ヤバいね…」

 

 放課後、希とあきら、結乃の三人は連れ立って校舎を出た。外に出るなり、梅雨特有の纏わりつくような湿気に全身を包まれる。正門を出る頃には、全身から噴き出すようにじんわりと汗をかき始めた。

 

「帰ったら、そっこーシャワー浴びよ」

 

「……私も」

 

 希の場合、その深い胸の谷間は汗で蒸れやすく、不快感がさらに増大している。

 三人は生ぬるい空気の層を横断し、その不愉快さにぶつくさ言いながらも仕入れたばかりの噂話に花を咲かせ始める。こういう時、口火を切るのはたいてい結乃だった。

 

「そういえばさぁ、隣のクラスの子に聞いたんだけど、駅前の雑居ビルにどっかの宗教団体が入ったらしくてさ、その近くのマックに入ると客席から勧誘の話が聞こえてくるらしいよ」

 

「えぇ、怖っ」

 

「最近行ってなかったけど、そんなことになってるのか」

 

 希とあきらはニュースでそういった団体が糾弾を受けているのをなんとなく知っていたが、自分達の住む街に存在するとは想像もしていなかった。

 

「……でさ、最近いかにも教祖、って感じの男が女の人を連れて商店街を歩いてるらしいんだけど、ふたりは見たことある?」

 

「ないな」

 

「私も」

 

「そっかー、じゃあそのうち遭遇するかもね」

 

「えぇ、ちょっと怖いな…」

 

「別に、勧誘されても断ればいいだけの話だろ」

 

「そうだけど……じゃあその時はあきらに守ってもらお」

 

「ちょっと……熱苦しい、希」

 

 希がふざけて腕を組むと、あきらは身をよじって逃げた。

 

 商店街のアーケードを潜る。しばらくして結乃が何かに気付いて目線で合図した。

 

「ねぇ、あれ…」

 

 二人がその視線の先に目を向けると、赤と金の法衣に緋色の袈裟を着た坊主頭の男がこちらに向かって歩いてくるのが見えた。まるで街に溶け込むのを拒絶しているように、人混みの中で異様に目立つ出で立ちをしている。

 その後ろに侍らせている四人の若い女達は男とは反対に、白いシャツに黒いスラックスといった清楚な服装だった。

 

「あれって、やっぱそうだよね…?」

 

「……あんまりジロジロ見ないようにして通り過ぎよう」

 

「う、うん…」

 

 希は下を向き、通りの端の方を足早に歩いた。ただ、男達はそれほど広くない往来の真ん中を歩いているため、どうしてもニアミスしてしまう。

 下を向きながらも、どうしても気になって目端で様子を窺う。やがて、草履の足音ともに視界に赤い法衣が入った。

 

「───ちょっと、そこのお嬢さん…」

 

「はいっ……?!」

 

 すれ違う直前に声を掛けられて、希は思わず立ち止まった。

 

「何か、用ですか?」

 

 その間にあきらが立つ。

 

「いや、なに……そちらのお嬢さんに悪い相が出ていたもんでなぁ」

 

「悪い、ソウ……?」

 

 希は改めて男を見た。

 年齢は六十半ばくらい。温厚そうなしゃべり口調ではあるが、眼力が強く、凄みを感じる。

 背後の女性達は若く綺麗で、総じて胸がふくよかだった。

 

「突然話しかけて驚かせてしまったかのう……最近、この街にも新たな拠点を設けることと相成って、挨拶回りをしておったところなんじゃが…」

 

 男はちらりと希の胸を見た。

 

「ところで……お嬢さん、誰にも言えない秘密を胸に抱えているじゃろう……?」

 

「えっ…?」

 

 希は男の発言が比喩表現なのか、膨乳能力のことを指しているのか、一瞬判断に迷った。

 

「誰だって秘密の一つや二つ、抱えてると思いますけど。それじゃ私達、宗教とか興味無いんで」

 

 あきらは他の二人よりも自己防衛のリテラシーが高かった。

 

「……まぁ、そう邪険にするものでもないぞ、そちらのお嬢さん……まったく、日本人は宗教と聞くとすぐに拒否反応を示して、取り付く島もないのう。お嬢さんだって初詣と墓参りくらいするじゃろ?それも立派な宗教行事じゃぞ」

 

───お父さんと同じこと言ってる……

 

 希は密かに思った。

 

「お主の友人の悩みが解消されるいい機会だというに……それを潰してしまっても、よいのか?」

 

「じゃあ、この子の悩みが何なのか、はっきり言ってみて下さいよ」

 

 あきらは強気な姿勢を崩さない。だが、それを聞いた坊主はうっすらと笑みを浮かべた。

 

「……よかろう。しかし、他人の悩みを人前でベラベラと喋るのは憚れるのう…………おぅ」

 

 坊主は側近の女をそばに呼んで、何やら耳打ちをした。伝言を受けた女が、今度は希に近寄る。

 

「お耳、お借りします」

 

 そっと、希の耳元に口を寄せた。

 

「……あなたがお胸の大きさを自由に変えられることです」

 

 それを聞いた希は驚いて男をまっすぐに見た。

 

「なんで、知ってるんですか?」

 

「……まぁ、神通力というやつじゃな。ホッホッ…」

 

「希……当たってんの?」

 

 結乃が怪訝そうな顔をしている。

 

「……うん」

 

「マジ!?」

 

「ま、まぁね……」

 

 希の反応にあきらは動揺した。

 

「拙僧は一昔前にもお主と同じ力を持った者に相談されたことがあってな……」

 

「本当ですかっ!?」

 

「如何にも。その時の話をしてもいいんじゃが……まぁ、立ち話をするのもなんじゃ、よければうちに寄っていかんか?」

 

「そう、ですね……」

 

 自分と母親以外にも同じ能力を持った人がいる……

 なぜ、自分が膨乳能力を授かったのかずっと疑問に思っていた。以前、母親に聞いたがわからないとのことだった。

 その謎が解けるかもしれない……

 希は、男の言葉に光明を得ていた。

 

「希、やめときなよ」

 

 心が傾き始めた希に、あきらが釘を刺す。

 

「そんなに心配せんでもよい。なにも、取って喰おうというわけではないからな。ほれ、あれを……」

 

 側近達がパンフレットを三人に渡した。表紙には「双峰会」と仰々しく書かれている。開いてみると本山と思しきお堂にたくさんの人々が集っている写真を背景に「信者、二万人」「教師、百五十人」「令和の駆け込み寺」といった文言が踊っている。

 右ページには目の前の男の写真とともに簡単なプロフィールが紹介されており、国立大学卒業後、この世を憂いて諸国を漫遊し、厳しい修行を経て阿闍梨の資格を得たと書かれている。

 

「うちではな、世間に虐げられた女人が逃げ込んで来ることが多くてな。この者達も、かつては虐待やらデーブイやらで苦しんでおったんじゃ。まぁ、見ての通り、今では幾分明るくなったがのう」

 

 女性達は一様に、にこやかな笑みを浮かべている。

 

「地域交流の一環として他にも何人か招待しているんじゃが……どうじゃ、お嬢さん方も遊びに来きてみんか?」

 

「……それじゃ、お言葉に甘えて…」

 

「ちょっと…!」

 

 あきらが希の腕を掴んだ。

 

「やめときなって」

「あたしもそう思う」

 

 希が二人の方に向き直る。

 

「うーん……でも、ちょっと気になることあるからさ」

 

「さっきの悩みの話?あんなの占いの常套手段だよ。誰にも当てはまること言ってるだけ」

 

「それが、そうでもないんだよねぇ……ちょっと話聞いて帰るだけだからさ。ヤバかったら逃げるし」

 

 これまで数人の男達を乳房で打ちのめしてきた経験が、希の気を大きくしていた。

 

「本当に行くの?」

 

「うん……」

 

「それなら私も行く」

 

「ええっ!あきらまで何言ってんの!?」

 

 結乃が慌てふためく。

 

「だって、このまま希ほっとけないし」

 

「えー……なら、私も行かなきゃじゃん…」

 

 結局、希達は男に誘われるがまま、駅前の雑居ビルに入っていった。

 

 

 

 

 

「こんにちはー!」

 

 ビル内で男と別れた後、三人は女性達に先導されて三階の会場に通されていた。すぐに案内担当であろう女性から明るい声で挨拶をされた。

 会場には椅子が並べられており、前方には巨大なスクリーンが掛けられている。椅子には勧誘された人々がすでに二十人ほど座っていた。

 

「思ったより、人いるなー」

「うん…」

「なんかあったら、すぐ逃げるよ」

 

 三人がパイプ椅子に腰を掛けると、すぐに女性がやって来てこの後の流れを軽く説明し始めた。それが終わると、今度は自分がどういった経緯でここにいるのかを話し始める。

 その内容は、自分がかつてどれほどの苦境にいて、そこから如何にして教祖によって救われたか。かいつまんで言えば、教祖の礼賛に終始していた。

 話の途中で別の女性がやってきて、希に声を掛けた。

 

「お話し中すいません、教祖がお呼びです」

 

「あっ、はい」

 

 希の後にあきらと結乃も立ち上がる。

 

「……大変、申し訳ないのですが、教祖はこちらの女性、おひとりだけお連れしろと…」

 

「いえ、私達も行きます」

 

「ですが…」

 

 あきらが引こうとせず、一悶着が起きた。

 

「いいよ、あきら。私、一人で行ってくる」

 

「いや、だって…」

 

「大丈夫だよ、たぶん。それに、ふたりに聞かれるのちょっと恥ずかしいなぁって話でもあるし」

 

 希に説得されてあきらは渋々折れた。

 

「……じゃあ、スマホの電源入れて、マナーモード解除しといてよ。それで何かあったらすぐに電話して。こっちもするから」

 

「うん、わかった」

 

 希は二人と別れ、女性の後に続いてビルの奥へと消えていった。

 

 

 

 

 

 

「……こちらです」

 

 女性は廊下の奥にあった部屋の前で恭しく頭を下げると去っていった。

 

………あっ、行っちゃうんだ…

 

 一人取り残され、急に不安が込み上げる。しかし、せっかくここまで来たんだからと気を取り直し、失礼しますと声を掛けて扉を開いた。すると、そこには雑居ビルの一室にはそぐわない異質な空間が広がっていた。

 白壁に覆われた十畳ほどの部屋。床は板の間となっている。リフォームしたばかりなのだろう、まだ新しい木の匂いした。しかし、そのすぐ後、それを掻き消すように香木のような甘い匂いが空調に乗って流れてきた。

 正面の床の間には天照大神と書かれた掛け軸と鏡が安置されている。その前に敷かれた座布団に先程の男がこちらに向かって胡座をかいていた。白い法衣に着替えており、首に長い数珠を掛けている。

 

「おう、待っとったぞ」

 

 男に手招きされ、希はその異空間に足を踏み入れた。歩を進める度に、その嗅いだことのない匂いが強くなっていくのを感じた。

 促されるまま、男の目の前に敷かれた座布団に正座をして、スクールバッグを体の横に置いた。

 

「まだ名乗っておらんかったかのう。拙僧はここで教祖を務めておる鷹山鳳仙と申す」

 

「あっ、私は……天原希です」

 

「ほっほっ、そう緊張せんでもよい。お主の体に関わること故、このような人目につかない場所を選んだんじゃ……それで、係の者にこの施設について何か聞いたかのう」

 

「えっと、まだ途中だったんですけど……大変な思いをしていた時に教祖様に助けてもらった、って女の人が言ってました」

 

「そうかそうか……諸国を漫遊していた折、そのような虐げられている女性に度々巡り会うてな。女性達が逃げ込める場所として造った施設が、この双峰会のはじまりなんじゃ……」

 

「そうなんですね」

 

 男の話は教団設立の苦労話から世間への憂いへと変遷していき、希はほとんど黙ったまま、時折相槌を打った。

 

「この国の男共は実に身勝手過ぎる。女達の我慢の上に社会が、ひいては国家が成立しているのをまるで理解しとらん。そもそも、自分が女の股から生まれたことも忘れおって……」

 

「はい…」

 

 

 

……あれ、なんか頭の奥の方がぼーっとする…

 

 希は自分の体調の変化に気付いた。しかし、それは気分が悪いといった類のものではなく、なぜか妙な高揚感さえある。

 ただ、男の話に集中しようとしても、まるで頭に霞がかかったようになり、耳から入ってきた言葉の意味が瞬時に理解できなくなっていた。

 

「…………この国の主神からして…………女性の神、天照……………平塚雷鳥の………またねばならず………だんじょこようきかい………そんなもの………なさけない……」

 

 男は立て板に水の如く喋り続ける。その間にも、ふたりの間に置かれた香炉からはモクモクと白煙が伸び、部屋を充満していった。

 

 

 

 

 

………そろそろ、頃合いか…

 

 希のトロンとしてきた瞳を見て、坊主頭の男はやや口角を上げて下卑た笑みを浮かべた。

 

 鷹山と名乗るやたらと時代掛った話し方をするこの男。その正体は膨乳フェチ集団「Airbag」の古参メンバー、ハンドルネーム「乳揉み坊主」こと本名、田村安夫であった。

 瀬戸から情報提供を受け、この街に一番乗りを果たした田村は、早速希の下校時間を狙って接触を計ったのだった。

 田村が希に語った話は全てがデタラメだった。女性の人権など歯牙にもかけたことのない卑劣漢。教団自体も隠れ蓑であり、その実態はマルチ商法を主体とした詐欺集団である。膨乳能力に関しては、神通力などではなく瀬戸からの情報を流用したにすぎない。

 そして、先程から部屋に充満しつつある香木の煙。これは耐性のないものを一時的なせん妄状態へと陥らせる植物を燻したもの、つまり薬物であった。

 田村は気に入った入会希望者や信者を、こうして半ば自失の状態にしてから洗脳、調教し、自らの毒牙にかけてきた。長々と無駄話をしたのは、白煙が希の鼻腔から脳へと侵入するまでの時間稼ぎの為だった。

 白煙はほのかに甘く香るだけで異臭はしない為、異常を知覚しにくい。そういった意味では、この部屋に引き込んだ時点で、田村の策はほぼ成功したと言ってよかった。

 

「……そろそろ、本題へと入ろうかのう。以前、お主と同じ体質の女性にあった時の話をして進ぜよう」

 

「……はい、お願いします…」

 

 次第に希の意識野が狭くなっていく。田村の術中に嵌まりつつあるのに気付くことができないでいる。

 

「年の頃は……そうじゃのう、お主とそう変わらない娘さんじゃった。自分の胸がまわりの女性と異なることを随分と悩んで憔悴しておったのう……その者は母親から遺伝した、と言っておったが…」

 

「……そうです、私もそうなんですっ」

 

 眠そうな瞳をしていた希が田村の話に反応した。しかし、実際には田村はそんな女にあったことはなく、遺伝の話は瀬戸の憶測が的を射ていたにすぎない。

 

「そうであったか……じゃがな、遺伝というのは正確ではない」

 

「遺伝じゃ……ないんですか?」

 

「うむ。お主が抱えているのは───神の呪いじゃ」

 

「えっ……神様の……?」

 

「そうじゃ。一口に神と言っても実際は色んなのがおってな……」

 

「……なんとなく、わかります……八百万の神、ですよね?お父さんが悪い神もいるって…」

 

 英一から聞かされていた神に関連する話が、ここでマイナスに働いていた。

 

「いかにも。お主の先祖が犯した罪が祟り神の怒りに触れ、今もなお、お主の一族の女子に代々、魔のものが取り憑いておるのよ……」

 

 目をギョロつかせながら、おどろおどろしく語る姿に希が不安そうな表情を見せる。

 

「安心せい、お主のことも拙僧がしっかり守ってやるでな。カッカッカッ……」

 

 荒唐無稽な話にもかかわらず、希は男の言葉を鵜呑みにした。それは正常な判断ができないほど、薬物が希の脳を侵していることの証左でもあった。

 どんと構えた態度の田村に、今や全幅の信頼を寄せ、自らその庇護下に入るよう努めている。

 

「……私、不安だったんです。もし、将来結婚して子供が生まれて、その子が女の子だったら……私みたいに悩むことになるんじゃないかって」

 

 今まで誰にも話すことのできなった気持ちを吐露した。田村は憐憫の眼差しを向け、老獪な狸ぶりを発揮する。

 

「……お主は人には解からぬ苦悩を抱いていたんじゃなぁ。だが、拙僧はお主の秘密をすでに共有しておる。これからはいつでも頼るがよいぞ……さて、そろそろ儀式に取り掛かるとするか。この場はビル内に設けた聖域でな、すでに魔を祓う支度は済ませておるでな」

 

 田村が姿勢を正す。希の表情にやや緊張が走る。

 

「それでは、まず───胸をはだけさせてもらおうかの」

 

「む、胸……ですか……?」

 

「左様。まず、呪いを見極めねば対処が出来んからな。まぁ、この部屋には拙僧とお主しかおらんから安心せぇ」

 

「………はい」

 

 希の中から羞恥心や警戒心が消えたわけではない。しかし、薬物によってそれらは学校の健康診断で医師に見せる時程度に抑えられ、希は少しの戸惑いの後、ネクタイを外した。

 

 

………ヒヒッ……いいぞ、その調子だ…

 

 田村は従順に上からボタンを外していく希を内心で嘲笑いながら、その全身を舐め回すように見て、早熟な肉体の品定めを始めた。

 

 アジア人と北欧人の要素がいい塩梅に混じった日本人受けの良い顔。パッチリとした大きな目に琥珀色の瞳。透き通るような白い肌。鼻筋は通っていて、高すぎるということもない。可憐と端麗が同居しているような顔付きで、数年後には周囲の目を引く美人になることが予見される。従者にハーフはまだいない。是非とも、抑えておきたいところだ。

 スカートのウエスト部分を見るに、胴回りは十分引き締まっていることが窺える。正座する為に寄せられた太ももはムチムチと肉付きがよく、頭を乗せればさぞかし安眠できるだろう。

 全体的に発育の良い肉体。太ももの奥にある肉唇の発達にも期待できる。髪と同様にその陰毛まで栗毛色なのか、服をひん剥くのが楽しみだ。

 加えて、女子高生という付加価値。まだ精神が未成熟故に自分色に調教しやすく、これから十五年ほどはその肉体のさらなる成熟を愉しめそうだ。

 

 ……ここまでは、文句なくS級

 あとは、肝心の乳房だ。乳房がマズければこれまでの評価は何の意味もなさなくなる…

 

 女が服を脱いで乳房が露わになるこの瞬間が、興奮のピークのひとつであり、その女の今後の処遇の分水嶺にもなった。

 田村は乳房に対し、大きさと同時に造形の美しさを求める。量感があっても下垂していればこの男の眼鏡にかなうことはなかった。身の回りには置かず、勧誘や説明会の運営などを担わされることとなる。

 その量感はシャツの上から判断するに申し分なかった。しかし、その重み故に若くして無様に下垂してしまう乳房も珍しくはない。

 

 このふくらみはブラを剥ぎ取られた後、一体どんな姿を晒すのか……

 

 田村が唇をぺろりと舐めた。

 

 ボタンを外し終えた希が、虚ろな目のままタンクトップの裾を掴んでそのまま引っ張り上げていく。その様子を田村は固唾を飲んで見守った。

 ブラインドのように引き上げられていくベージュの布地。やがて、ほっそりとしたウエストとともに縦に細長いヘソが顔を出した。

 さらに白い素肌は露わとなっていき、鳩尾を越えたあたりから水色のブラが見え始めた。希がそのブラごと引っ張り上げると、普段は露出することのない乳房の裏側部分がブラの下側から零れ落ちる。

 そこからは早かった。希がそのまま衣服をたくし上げると、引っ掛かっていた乳塊がボロンッ♡と音を立てるように落下した。

 解放された乳房は持ち前の弾性によって大きく弾んだ後、小刻みに震えて静止する。

 まだ晴吾にも見せたことのないふくらみの全貌がエセ教祖の眼前に晒される──

 

 瞬間、これまで数多の乳房を見てきた田村が息を呑んだ。

 

 胸元から放たれた曲線がデコルテを越えたあたりから急激に盛り上がり、前方へと大きく突出した乳房の輪郭を縁取っている。

 双つの乳房は鏡に移したかのように完璧なシンメトリーを形成していた。まるで熟練工芸師の手によってつくられたかのような造形美。しかし、それは年月を掛けて育まれた紛れもなく天然のふくらみであり、希の呼吸に合わせて僅かに上下して息づいているようだった。  

 ここにあれば最も美しいと思える位置に、五百円玉より少し大きいくらいの薄桜色の乳輪が配置され、円の中央に幅1.5センチほどの乳首がツンと上向きに鎮座している。

 乳首や乳輪の位置が数mmズレるだけでも、見た目の印象は変わってくる。そのバランスはあらかじめ設計されたかのようで、芸術に造詣の深い者が見れば、肉体美に宿る黄金の比率をそこに見い出すだろう。

 白い乳肌はシミひとつなく、陶器のような滑らかさ。十七歳の少女の乳房は見るからに若々しさと弾力に満ち、重力に逆らうように斜め前方へと突き出している。

 田村にとって、その輝きはどんなに煌めく鉱石よりもずっと価値があるものだった。希が恥ずかしそうにして眉垂れさせるのも、また唆られるものがある。

 

 

「………合格じゃ」

 

「はい…?」

 

「いや、こちらの話じゃ……しかし、見事なモン、持っとるのぉ。よく乳の出そうないい乳房じゃ。お主は尻もでかいから、嫁ぎ先で跡継ぎの心配はなさそうじゃな」

 

 自らの経歴や教団の規模を嘘で塗り固め、時代掛った話し方と目を引く衣装で自身を虚飾し、阿闍梨の資格も他の新興宗教団体からカネを出して買った男が唯一語った真実。それは乳房への愛だった。

 田村が女性を尊敬しているのはあながち嘘ではない。しかし、その対象は胸の豊かな若い者に限られる。

 セクハラのオンパレードに対し、希は拒否反応を示さなかった。判断力はだいぶ弱まっており、乳房を露出したまま次の指示を待っている。

 

……100センチをやや上回るくらい、Jカップといったところか。管理人の情報通りなら、ここからさらに膨らむということだが……

 

 未だ半信半疑ながら、田村はいよいよ核心に触れた。

 

「それではお主にかけられた呪いを見極めるでな。胸を大きくしてくれるか?」

 

「……わかりました」

 

 それは田村の言葉一つであまりにも容易く実行された。美しいふくらみが、まるでタイムラプス動画でも見ているかのようにみるみるうちに大きくなっていく───

 

 

………おっ?!、おおおおおぉぉぉっ!!…

 

 驚愕する田村をよそに乳房は巨大化を続ける。そのスピードは成長というにはあまりに早すぎた。

 故に膨張……二次元の世界でいうところの「膨乳」という言葉を使うのが最も的確だった。

 膨らんだ乳塊が細いウエスト、そしてへそを覆い隠し、その底面が太ももの上にタプンッ♡と乗っかったところでようやく止まった。

 乳房はバストサイズをアルファベットで細かく区分けしているのが馬鹿馬鹿しく思えるほど、規格外のサイズへと変貌を遂げていた。

 

 

「なんと……面妖な……」

 

 その表情は驚愕を滲ませながらも、魍魎の類に相対したような緊迫感に満ちていた。

 

……しかし実のところ、田村は今すぐにでも咆哮をあげて、目の前の巨大な乳房にむしゃぶりつきたいほどの激情に駆られていた。

 二次元の世界から飛び出してきたかのような、人の域を超えた乳房。長年夢想してきたふくらみが、今こうして目の前にあるという奇跡。そして、ありえないことにその乳房はただ大きいだけでなく美しいフォルムをキープしていたのだ。

 乳房はある程度の大きさに達するとクーパー靭帯がその重みを支えることができず、重量に引っ張られて下垂する。形を維持できたとしてもせいぜいM〜Nカップほどだろう。

 だが、希の乳房は規格外にもかかわらず、まるで元の美しいフォルムを拡大コピーしたかのようであった。乳輪は手のひらほどのサイズに広がったが、乳首はあまり変わらずツンと斜め上を向いたままだ。

 物理を超越した究極美を前に、田村の歓喜と興奮は極地に達し、実際飛び掛かる寸前であった。だが、そんなことをすれば希のせん妄状態が解けてしまうといった懸念が頭を過り、すんでのところで思い留まった。

 

 

……この極上の獲物を決して逃すわけには行かない。洗脳して完全な支配下に置きさえすれば、いくらでもこの乳を好き放題にできる…

 

 長年、詐欺行為をはたらく上で培ってきた感情のコントロールで湧き出た欲情を律し、ハリウッド俳優ばりの表情筋の操作で、自ら作り上げた「魔を祓う教祖」というキャラクターになりきった。

 

「……これはなかなかに厄介そうじゃな。今から経文を唱えるでな、何か変化があればすぐに言うように」

 

 首から下げた数珠をジャラジャラ鳴らしながら、ブツブツと唱え始める。詐欺師といえど本物の住職が唱えるお経と素人目に遜色はなかった。

 異質な空間に腹に響くような読経がこだまし、希は日常から乖離していくような感覚を覚えた。それらの舞台装置は希の洗脳の度合いを深めていくことに一役買うこととなる。

 

「どうじゃ、何か変わったか?」

 

「いえ……特には…」

 

「うーむ……そうなると、直接お主の胸に触れて魔を追い出すしかあるまいな」

 

「えっ……さわるん、ですか……?」

 

 乳房を弄ぶ為の口実だったが、そこに儀式的な意味合いを織り交ぜ、スムーズに事を運ぼうとしている。しかし、ここに来て希が戸惑いの色を見せていた。

 

「将来の子どもの為に禍根を断つんじゃろ?少しの間、我慢できぬか?」

 

 ……少々、強引すぎたか…

 田村が内心、焦りを感じた。

 

「でも……私、汗かいちゃってるんで…」

 

 希は健気にも、自分が穢されようとしているにもかかわらず、田村に不快な思いをさせないか心配していたのだ。

 

「……そんなことは気にせんでよい。お主は自分に取り憑いた魔を払うことだけを考えておればいいんじゃ」

 

「わかりました。お願いします……」

 

 希は観念したように静かに座して、乳房を触れられるその時を待った。

 田村が体を寄せる為に立ち上がる。視点が上がったことで、改めてその超大な乳房をより立体的に捉えることとなった。

 ふくらみの最も外周の長い部分は肩幅を超えるほど膨張している。双つの乳房がむっちり♡と寄り合うことで、その中央には深すぎる胸の谷間が形成され、最早渓谷と形容したほうがしっくりくるほど陰影が深い。どんな巨根であっても完全に包み込むことができるだろう。 

 

 

……ひひっ…さわってやる、さわってやるぞ…

 

 逸る気持ちを抑えつつ、田村は乳房の正面に座った。目前には見ていると遠近感が壊れてしまいそうになる大迫力のバスト。谷間からは甘い香りが放たれ、鼻腔をくすぐられる。

 魅力を越えた魔力によって、全身が滾っていくのを必死に抑えながら、田村は演技を続ける。

 

「……拙僧の手のひらから直接霊力を送るでな、何か感じたらすぐに言うように」

 

「はい…」

 

 希はやはり恥ずかしいのか、目線を外して俯いている。

 田村は超大な乳房にゆっくりと腕を伸ばしていった。

 

 

 

 

………もにゅ♡…

 

 両の手のひらがその乳肌に触れた瞬間、天啓にも似た衝撃が脳髄に流れ込んでいた。

 

 

……うおおおおおおおおぉっ!…

 

 手指に感じる乳房の温もり……

 それは眼前のふくらみが決して幻ではないことを伝えていた。

 希の言う通り乳房はしっとりと汗ばんでいて、それがかえって吸着力を産んでいた。手のひらの節々、シワというシワにぴっちりと乳肌が入り込み、軽く触れただけだというのにすでに呆けそうな悦楽が生じている。

 そのまま乳肌に指を沈み込ませていく。乳房は男の欲望に塗れた手を受け入れた……ように思えたが、五指が埋まるにつれ持ち前の弾力により反発が生じ、まるで意思を持つかのように指を押し返し始めた。

 

……むおおおおぉぉっっ……素晴らしいっ!…

 

 これまで弄ってきた乳房の中で、間違いなく最高の揉み応え。その感触は加齢により勃ちの悪くなっていた田村の肉棒を一瞬で鋭角にしていた。

 今一度、手のひらを乳輪の下辺りに押し付けて、指をめり込ませる。やがて乳肉が反発を始めるが、田村がさらに食い込ませていくと根負けしたように指を受け入れ、両手の手首までがズブズブと埋没した。

 乳房に巨大なクレーターが出来上がる。さらに押し込んでいくと、空いた穴に乳輪と乳首が巻き込まれるように落ちていく。

 乳肉の中心部に近付くにつれ反発は増々強くなり、それが田村にさらなる愉悦をもたらした。とうとう肘までが乳肉に埋まったが、それでもなお指先は胸板に到達していない。

 乳房に腕を突き刺したことにより、双つのふくらみは原型を留めないほどに縦方向にひしゃげている。盛り上がった乳肉により、田村と希は互いの顔が見えなくなっていた。

 

……もぎゅうぅぅぅぅぅぅぅっっ!

 

 最も高い反発を生じさせている深部の乳肉を鷲掴んで、その弾力を愉しむ。腕を抜くと、乳房は瞬時に元の美しい姿に戻った。

 

「一体どこに隠れ潜んでおるのか……これは徹底的にやらねばならんのう」

  

 時に、その設定を忘れそうになりながら、田村は巨大な乳房を欲望のままに揉みに揉んだ。

 

……もみゅ♡もみゅ♡もみゅもみゅ♡もみゅもみゅ♡もにゅうぅぅっ♡ムギュウッ!もみゅもみゅ♡むにゅ〜ん♡もぎゅっ♡グニュウゥゥゥゥゥン!ぷにょんぷにょんっ♡ギチッギチチッ…

 

 

……ふぅ……こりゃたまらんっ!

 

 乳房は大きくなりすぎてJカップ時の躍動を失いつつも、太ももの上で軽くポヨンポヨンと跳ね、田村の手の動きに合わせて形を変えている。

 

「どうじゃ、清められていくのがわかるじゃろ?」

 

「……はあ、なんとなく」

 

 希は手指が乳房の中で蠢くのを黙って耐えていたのだが、田村にそう言われてなぜかそんな気がし始めた。今は頬を薄く赤らめながら、浄化されていく乳房をぼんやりと眺めている。

 田村はせせら笑いながら、乳房を文字通り手中に収めようと揉み掴む。しかし、どんなに手のひらを目一杯に広げても乳肉のほんの一部しか掴むことができず、もどかしく思うと同時にさらに興奮した。

 今度は乳房の下部分に手を差し入れ、無謀にも巨大な乳肉を持ち上げようと試みた。

 

「むっ、むう……重いのう…」

 

「もう少し小さくしましょうか?」

 

「いや、よい!………このままで」

 

 せっかく大きくなった乳房を小さくされてもただ興が醒めるだけ。田村は慌ててやめさせた。

 

「よし、こちらの胸を集中的に探すとするか。観念しろ、魔の者め」

 

 仰々しく口走ると、田村は乳房の真横に移動し、両手で左の胸をこね回しはじめた。

 両手を用いても、片乳すらまったくもって覆い隠すことが出来ていない。その大きさは巨乳の代名詞であるホルスタインに匹敵、もしくは超越するほどだった。   

 揉みながら右手を乳輪の方向へとずらしていき、左手は乳房の根本へと伸ばしていく。

 乳房中に張り巡らされた乳腺に沿って指を這わせていく。

 丹念に、丹念に……ゆっくり、ゆっくりと…

 

 先程までの欲望むき出しの愛撫は鳴りを潜めていた。田村が自らの欲望を満たすことよりも、希に快楽を与えることに重点をシフトしたからだ。

 ハリのある乳房を按摩のように優しく揉みほぐされ、薄く開かれた唇から吐息が漏れ出る。 

 超大な乳房に我を忘れかけていたが、田村は元来、女が乳房を責められて悦ぶ様子に、自らの悦びを見出す男。五十年以上、乳房を愛撫してきたことで培われた技術は伊達ではなく、かつて経験したことのない超乳においても遺憾なく発揮された。

 

「清められるのは、よい心持ちじゃろう?これからは毎週してやるからのう」

 

「……はい………んっ♡…………ふぅ…」

 

 洗脳の過程において、快楽は時に薬物以上に依存度を高めることを田村は経験則として知っていた。

 希の脳が乳房への愛撫による快楽を解呪によるものだと誤認する……というより、思い込まされていく。

 その様子から、田村は洗脳が順調に進んでいると判断した。大胆にも、乳房の渓谷へと片手を差し込む。

 途端にじっとりとした熱気が手のひらを包み込んだ。梅雨の湿気と希の緊張、そして乳房への愛撫により発汗量が増し、かなり蒸れている。希が触れられることを当惑したのも納得できた。

 片乳を抱えるようにしながら、上半身全体を使ってこねまわしていく。乳房は釣り上げられた巨大魚のように田村の腕の中でブルブルと震え、希を赤面させた。

 乳房の動きにつられて希の上半身が揺さぶられる。それでも黙って、されるがままになっている。

 双つの超乳に挟まれた腕をそそり勃った肉棒のように上下させると、全身に至高の悦楽が駆け抜け、どんな高価なバイアグラよりも田村のペニスを硬くさせた。

 一旦立ち上がって逆側へと移動し、右の乳房も同様に揉みこんでいく。余す所なく揉みほぐされた乳房はいよいよ張り詰め、全体が熱を帯び始めていた。

 その頃には田村の両手は握力が無くなるほど疲弊していた。しかし、それでもまだ乳房の愛撫に飽きることはなかった。

 正面に戻った後、そのふくらみの輪郭を撫でまわし始める。その神秘的な輝きを目で愉しみつつ手指で愛で、人智を超えた乳房と巡り会えた僥倖に体を震わせた。

 

……美しい乳房だ。ヒッヒッ……管理人、見ているか?あんたには感謝しなくてはな。そのうち、暑中見舞いでも送ってやるか…

 

 瀬戸が情報提供の見返りに要求したのは、希と相対する時にその様子を中継することだった。今この時も、隠しカメラで撮られた映像が瀬戸の元へと送られている。

 

 

「これほど探しても見つからんとは……小賢しい奴め。となると、あとはここしかないのう」

 

 乳肌を撫でていた節くれ立った指が、薄い桜色の乳輪の中へと進入した。指先があえて弄るのを避けていた乳頭に僅かに触れる。

 

「んっ……♡」

 

 希がすぐに反応し、巨大な乳肉がブルッ♡と震えた。思わず甘い声が漏れ出たことで、今更ながら羞恥心が込み上げ、ブラとタンクトップを抑えている手で顔を隠した。

 

「これは灯台下暗しであった。まさか、こんなところにおったとは」

 

 白々しいセリフを吐きながら、田村は新たな驚きに肉棒を跳ね上げさせた。

 

……これだけ豊満でありながら、さらに感度も良いのか。一体、どれだけ愉しませてくれるのか、この乳は…!

 

 両手の人差し指でそれぞれの乳首の先端をカリカリと引っ掻いて、巨大乳の弱点を刺激していく。

 

「ん……んっ♡あ……♡あぁっ……♡」

 

 それまでほとんど押し黙ったままだった希の口元から、連続で甘い声が漏れ出る。

 

「お主の中の魔が暴れておるわ。暫し辛抱なされよ」

 

「はっ、はい………んっ♡………でもぉ……くっ♡…」

 

 余程敏感なのか、希の肩はビク、ビクッ♡と震えが止まらなくなっている。言いつけ通りに眉を歪めながらも快感に耐える様子は、田村をより一層滾らせることとなった。

 刺激された乳首がムクムクと起き上がる。その双つの尖塔を両手の親指と人差し指でつまんでクニクニと弄んでやる。すると、希の肢体がおもしろいほど、くねり始めた。

 

「あっ、あの……もっ、もう……あぁっ…♡」

 

「魔のものがお主を支配しようとしておる。負けてはならんぞ!」

 

 詐欺師の激励が飛び、希はひたすら耐え続けた。しかし、乳首に生じる快感は確実に希を追い詰めていく。

 田村は悶える希を見ながら悦に浸っている。弄くり回された乳首は、今や最大限に勃起していた。

 さらなる責め苦を課すべく、中指を加えた三本の指で乳首を摘んでよじった。硬く勃起した乳首の芯がコリッと弾ける。

 

「あうっ♡♡」

 

 両乳首から放たれた双つの電流は超大な乳房を駆け抜け、希の中で混じり合い鮮烈な快感となっていた。その衝撃に一際大きな喘ぎ声が漏れ、白い首が伸びた。

 田村は興奮に染まり、ポーカーフェイスが崩れて歪んだ笑みを覗かせた。再度、乳首を摘んで弄りまわしていく。偽りの聖域に希の喘ぎ声が響き渡った。

 

「あ、あのっ……ちょ、ちょっと!」

 

 田村がその声にハッとして指の動きを止めた。

 

「はぁ……はぁ……まだ、掛かりそうですか?」

 

 乳首への強い刺激が、混濁しつつある希の意識に違和感を生じさせていた。田村はその表情に僅かながら疑念が滲んでいることを察知した。

 

……ワシとしたことが……ことを急ぎすぎたか…

 

 今はまだ完全に精神を支配しているわけではない。疑念や不信感がマインドコントロールの妨げになることを、田村は熟知している。そこで、より儀式的な要素を強めて、希をさらなる深みに嵌らせることにした。

 

「……いや、魔のものはかなり弱ってきておる。じゃが、お主の体力も心配じゃからな……今日のところは乳房に魔を封じる施しをして終わりにしようかのう」

 

 言い終わるやいなや、黒い墨汁を深い皿に注ぎ始めた。

 

「これより、封魔の儀を執り行う。経文を乳房に刻む故、動くでないぞ。筆が乱れるでな」

 

 墨汁を含ませた筆先を乳房に近づける。不安そうな希をよそに、デコルテ付近に筆をつけ、文字を直接乳肌の上に書き連ねていく。

 

「ンッ……んくっ♡ふっ、ふぅ……」

 

 張り詰めた乳肌の上を筆が踊るのがこそばゆく、希が肢体をモゾモゾと動かす。 

 

「これっ!動くなと言うにっ!」

 

「はい、すいません…」

 

 田村の一喝により、場の空気がピリついた。希は必死に肢体の震えを止めようと藻掻いている。

 田村の表情は至って真剣そのもの。しかし、その心の内は征服欲と劣情で歪んでおり、肉棒の屹立は収まる気配がなかった。

 

「えいやっ!」

 

 乳肌を半周したところで、掛け声とともにかなりの重量のある乳房を持ち上げ、まるで雨宿りでもするようにその下へと潜り込む。希は申し訳なさそうにそれを眺めていたが、筆が動き始めると思わず肢体をすくませた。

 そこは普段の空気の触れない乳房の裏側の部分だった。その分、感度が高くなっており、希はあまりのこそばゆさに悶絶した。まるで、連動しているかのように腹筋がヒクヒクと脈打つ。それでも、また田村に一喝されるのを恐れ、全身に力を入れて耐えようとしている。それを見透かしている田村は乳房の下で嘲りながら、あくまでも従順な希に愛おしさすら覚えていた。

 筆が乳房を周回する度に、白い乳肌が黒い経文で覆われていく。まるで、耳なし芳一の結末を思わせる不穏な光景。

 恐ろしいことに、希はその異常さに気付いていない。その胸にあるのは子孫への憂いを断てるという喜び。ただ、膨乳能力を失ったらこれまでのように悪人を退治できなくなるということだけは気掛かりだった。

 

 長い旅路の末、筆先がやっとふくらみの先端へと到達した。そのまま、乳輪の縁をクルクルと旋回し始める。

 

「んくっ♡うぅ……ふっ……ふぅ…」

 

 筆先は何度も何度も周回を重ねた。次第にこれまで感じたことのないゾワゾワした感覚に肢体が勝手に震えだす。

 まだ、まともに性行為をしていない希は、それが焦らされたことで生まれた焦燥感であることを知らない。

 デコルテからはじまり、乳房の付け根、裏側を筆が走り抜ける度に焦燥感は雪だるま式に大きくなっていき、乳輪の周回によりそれは爆発的に増大していた。

 不意に筆先が乳輪の縁から外れ、薄桜色を黒く塗りつぶしながら乳首へと急接近した。しかし、その手前で筆は止まり、毛先が乳首の根元ギリギリを周回し、さらに焦燥感を煽っていく。

 次第に、筆の動きにバリエーションが追加されていった。

 乳輪を右回りしていた筆が唐突に左回りへと移行し、速度に緩急がつけられる。乳輪からゆっくりと渦を巻くように接近したかと思えば、急に速度を増していき、乳首に到達する寸前で止められる。

 希の視点からは巨大なふくらみに隔たれ、乳首周辺で何が行われているのか目視ができない。しかし、その乳肌の感覚が詳細なまでに状況を伝えていた。

 田村の筆責めに、希は太もも擦り合わせ、少しでも早く儀式が終わるのを祈った。だが、その祈りも虚しく、いつまで経っても筆先は到着せず、乳首が希の意思とは関係なく怒ったように隆起していく。

 

「あぅ♡……すいません…………ひっ♡……すいませんっ…」

 

 指先とは異なる微かな感触がもどかしく、言いつけ通りに肢体をじっとさせることができずに、希が謝罪を重ねる。

 

「よいよい。お主も辛かろう、もう少しの辛抱じゃからな」

 

 叱った後は褒める。典型的なアメとムチの使い分けではあるが、意識が朦朧としている希には効果がより高まった。

 自分は今、正しいことをしていると思い込み、懸命に耐える。田村は卑しい笑みを最早隠そうともしなくなっていた。希が堕ちるのを確信していたのだ。

 

「これくらいでいいじゃろ」

 

 ようやく乳房から筆が離れた。希が息をつく。しかし、それは束の間だった。

 

「さて、今度はこっちじゃな」

 

 そう、乳房は双つある。まだ折返し地点に到達したにすぎない。

 希の苦難の時が再び始まった。

 

 

 

 

「ハァッ♡ハァッ♡ハァッ♡ハァッ♡……」

 

 双つの乳房が墨で黒く染められた時、希は息も絶え絶えの状態であった。瞳が潤み、顔を紅潮させ見るからに疲弊している。

 額から流れ落ちた幾筋の汗が顎先で結合して滴り落ち、乳房の間へと落下していく。乳肌に書かれた文字は汗と湿気で滲み、ほとんど判読できなくなっていた。

 憔悴しながらも、希は安堵していた。焦燥感に耐え、なんとか封印の儀式を終えたのだ。

 しかし、未だ乳房が人の理解を超える大きさのままであることには疑問を抱いていない。

 

「……よくここまで耐えたのう」

 

「はい……ありがとうございました」

 

 緊張の緩和により、希がやっと笑顔を見せる

 

「いや、待て。封印の儀はまだ完了しておらぬ」

 

「えっ……まだ、ですか…?」

 

「肝心の乳頭が残っておるではないか」

 

 乳房のほとんどは墨で覆われたが、双つの乳首は未だ薄桜色のままだった。

 

「乳頭にはな、それ専用の筆があるのじゃ」

 

 田村が先程よりも毛先の細い筆を取り出し、たっぷりと墨を染み込ませる。

 

「──それでは、参るぞ」

 

 乳首に筆が近づくのを、希は不安な表情で見つめる。執拗に焦らされ続けた乳首は未だ勃起したままだった。

 今、触れられたら、自分は一体どうなってしまうのか。そんな漠然とした恐怖が込み上げていた。

 

「あっ、あの……」

 

 すがるような目線を田村に向ける。

 

「案ずるな。優しくしてやるでな、拙僧に任せておれ」

 

 ニタニタとした意地の悪い顔が、希の歪められたフィルターを通すと、自身を救ってくれる光の存在へと歪曲して映し出される。 

 筆先が右乳首の真上で止まった。そして、その先端部分を上から下へとそっと撫で降ろしていく。

 

「ん─────ッ♡♡」

 

 その快感は想像以上だった。焦らされた乳首はもともと高かった感度をさらに上げていた。

 瞬間的に顎が跳ね上がり、希自身も驚くほど大きな嬌声が唇から漏れ出る。その反応に田村は満足げに笑いながら、さらに乳首を責めていく。

 乳首の側面を細い筆先がチロチロと往復する。肢体がヒクヒクとわななき、つられて巨大な乳肉がたぷんたぷん♡と重々しく揺れる。

 当然、乳首も筆から逃げるように上下するのだが、田村はそれを執拗に追いかけ黒く塗りあげていく。

 

「んあ♡はっ、はうぅ♡あン♡んんっー♡」

 

 乳首をこすられる度、こそばゆさと快感とがないまぜになった悦楽が生まれる。それは乳房を駆け抜けた後に二手に分かれ、一方は喉を通り抜けて脳の奥に、もう一方は股の間の陰核を通過して子宮に至った。

 生まれては消える、悦楽の波。しかし、それは絶えず繰り返され、脳と秘部に打ち寄せた。

 

「はぁ♡あひっ♡……あぁ♡ああぁっ♡」

 

 ビキ……ビキッ………ビキビキッ…

 

 責められている乳首がさらに硬く太く充足していく。筆でその頭を押さえ付けてから離すと、勢いよく跳ね上がりビイイィンッと震えた。

 

 硬くなった乳首の上を容赦なく筆が通り抜ける。希はその悦楽に、以前晴吾にさわられた時のことを思い出す。

 初めて乳首を責められた時の快感を、まだ希は覚えていた。今はあの時よりずっと気持ちがいい。

 なのに、目の前には晴吾はおらず、今日あったばかりの男がいる……

 

 希が再び、この状況に疑問を持ち始めた。それを察知した田村が、すかさず思考を停止させる

 

「また、余計なことを考えておるな。見よっ!己の乳首を」

 

 希にも乳首が見えるように、乳輪部分を掴んで持ち上げる。

 

「無心になって、乳首に意識を集中するじゃ」

 

 乳頭を筆先でクリクリと刺激していく。

 

「ふぁ♡あっ、うう♡」

 

「どうじゃ、何か感じるか?」

 

「かっ、感じます……気持ち、いいですぅ♡」

 

「そうじゃろ。魔のものが封じられている証じゃ。気持ちいいとはいいことなんじゃ」

 

 

……気持ちいいは、いいこと…

 

 男の言葉に、希は積極的に快楽を享受し始める。せっかく浮上しかけた正常な判断力は、再び暗い沼へと沈んでいった。

 

「どこが一番気持ちいいか、言うてみぃ」

 

 希は口にするのを躊躇しながらも、小さな声で答えた。

 

「…………さきっぽ」

 

 田村の顔が醜く歪む。

 

「そうか、そうか……ならば、しっかり塗り込まねばならんのう…ヒヒッ」

 

 筆が集中的に乳首の先端を責め始めた。

 

「はっ、はひっ♡……ふぉっ♡ほっ♡んお♡」

 

「ここがいいんじゃろ?ほれ、ほれ…」

 

「あっ、ああ♡そうですっ♡ひあっ♡」 

 

 晴吾にも聞かせたことのない悦びの声が断続的に続く。顔が上気し、当人にも気付かないうちに顔が蕩けていた。

 

「ならば、これはどうじゃ?」

 

 筆を乳頭に軽く押し付けたまま、横方向にクルクルと回した。毛先が、いずれ母乳を出す為に開けられている数個の穴を刺激し、格別の悦びをもたらす。

 

「あ───っ♡んあ─────♡」

 

 男の手によって、少女はすっかり雌の顔付きとなり、熱い吐息を漏らしている。

 乳首が敏感であることは自覚していたが、責め方ひとつでこうも快感の強度がかわるのか…

 それは、本来彼氏である晴吾によって誘われるはずだった世界。だが、希は自分が新たな世界の入り口に立ったにすぎない、ということに気付いていない。

 

 

「……んっ……?!あひぃぃぃぃっ♡♡」

 

 嬌声とともに、希の肢体が激しく反り返っていた。田村が筆を追加し、双つの乳首を当時に責め始めたのだ。

 

「だっ、だめっ♡それダメッ…♡双ついっぺんは、くっ………ンあッッ♡♡」

 

「ん、何が駄目なんじゃ?気持ち良いのじゃろ?」

 

「そう、だけど……おぉっ♡んっんん♡……そうだけどぉぉ〜~ッッ……あハァァァァ♡」

 

 片方でも十分過ぎるほどあった快感。それが両方になったからといって単純に二倍になるわけではない。双つの乳首に生じた快感が共鳴するように増幅し、何倍にも膨れ上がっている。

 希の顔はすっかり紅潮し、どこか悩ましげだった。ブラとタンクトップをぎゅっと握り締めて、ひたすら快感に耐えている。

 

「我慢する必要はないぞ。体の力を抜いて、楽にするのじゃ」

 

「ぅあっ、ああっ♡……はいっ………くっ、くぁ♡」

 

 快楽に囚われ藻掻く希。眉は悦楽に歪んでいるものの、表情は苦悩に満ちていた。

 このまま快楽を受け続けたら、自分はどうにかなってしまうのではないかという感覚。それは、初めて絶頂を迎える者の内に、漠然とした恐怖として

湧き出てくるものだった。

 

 田村は希の様子から絶頂の到来を感じ取っていた。そうとなれば、是が非でも乳イキさせたい。女が乳房のみで達した時、田村は筆舌に尽くしがたい達成感を得るのだった。

 二本の筆で左右の乳首の付け根を、ゆっくりクルクルと刺激してやる。豊かな肢体の身震いが止まらなくなった。

 

「あう、うぅむ♡……教祖っ……さまっ……私、なんか、おかしくっ……なりそうで……あン♡♡」

 

「それでよい。お主の乳房は今、女の悦びに目覚めようとしておる。それが呪いを解くカギなのじゃ。誇ってよいぞ、誰もがその境地に至れるわけではないからな。さぁ……さらなる高みへと昇るがよい」

 

 筆をそれぞれの乳首の先端へと向ける。そして、感じやすい乳首の中でも最も感度の高い乳頭を、細い筆の先でくすぐるように刺激した。

 

「あはぁぁぁぁぁぁッッ♡♡♡」

 

 瞬間的に首が反り返った。ふくらみの先端への、ほんの僅かな刺激。それが乳首を通すことで多大な悦楽へと変換され、希の全身を駆け巡る。

 巨大なふくらみは快感で満たされ、はちきれそうになっている。田村は筆を短く持ち、逃げ惑う乳首に追いうちをかける。

 強すぎず、弱すぎず……希の様子を観察しながら、熟達した手指の力加減で的確に快感を与えていく。

 筆というアブノーマルな責め苦ながら、希の性感は臨界に達し、髪を振り乱して喘ぎ散らした。

 

「もう、だめぇ♡♡ほんとにっ……ほんとに、おかしくなっちゃうッッ♡♡……乳首っ、ぁうう♡……ちくっ………あ〜~〜~ッッ!!」

 

 熱狂が希を支配する。額にかいた汗で前髪がべったりと貼り付いた。

 嵐のような快感の中、かつて、ませた友人から聞いた話が脳裏を過ぎる。「イク」というのは、こういうことなんだろうか…

 だが、そんな思考も長続きはせず、頭の中が白く染まっていった。もう何も考えることができない。 

 長らく続いた快楽の蓄積が結実し、希を新たな次元へと押し上げていく……

 

 

「あっ♡♡ああっ♡♡………あ゛──────」

 

 

 

 

 

ビィィクゥゥゥゥゥゥゥゥゥゥンンンンッッ!!

 

 喘ぎ声の消失とともに、それは突然起こった。

 外部からは見えない強い衝撃が希の肢体を貫き、背中が弓なりにしなって全身が痙攣する。

 上半身が反り返ったことにより、巨大な乳肉が躍動し、ダップゥゥンッ♡♡と太ももの上で揺れ弾んだ。

 苦しげだった表情は、エセ坊主の手によって、まるで悟りを開いたかのように緩み、呆けていた。

 希が初めて経験したオーガズムは乳房への愛撫によるもの。それは、登りきった螺旋階段の頂上から、急に突き落とされるような感覚だった。

 だが、そこに恐怖はなく、途切れそうな意識の中、フワフワとした妙な浮遊感を感じていた。

 

 

 

……イった、イッたぞ……!本当に乳首でイキやがった、こいつ!!…

 

 田村の悦びもまた、極地に達した。

 

……洗脳工程の初日に、まさか乳イキまでいけるとは……もう辛抱ならんっ、この滾りを放たねば、収まりがつかん!…

 

 田村は筆を放ると立ち上がり、数珠を外した。続けて、袈裟に手をかける。

 

「───あっ、ううぅっ……教祖、様?」

 

 絶頂の余韻の中、急に立ち上がった田村を不思議そうに見つめる。

 その時、スクールバッグの中でスマホが着信音を鳴らした。

 

「教祖様……電話…」

 

「後にせいっ!」

 

 田村は怒鳴りながら上着を脱ぎ捨てる。

 

「……でも……電話……友達……出てって」

 

 希が乳房を小さくし始めたので、仕方なく待つことにした。

 

「手短に済ませい…」  

 

 その間も法衣を脱いでいく。

 

 

『希っ!?今ドコ?』

 

 電話はあきらからだった。いつまで経っても戻ってくる気配がない為、心配して電話したのだ。

 

「どこって……道場みたいなところ……教祖様と」

 

 話し方のたどたどしさに違和感を覚える。

 

『教祖様って……大丈夫なの!?変なこと、されてない?』

 

「変なこと、って……」

 

 希は眼下の乳房を見た。目に映ったのは、いつも風呂に浸かる時に見る白い乳肌ではなく、無惨にも黒く塗り潰され、変わり果てた姿の乳房。

 それを見た途端、その部屋で受けた恥辱の限りを思い出していた。皮肉にも、屈辱に塗れた乳房が正気を取り戻す為の気付けとなった。

 

「……あきら、今からそっちに行くから、ちょっと待っててくれる?」

 

 スマホをしまってから立ち上がった。

 

「遅いっ!手短にと言うたであろうがっ!ほれっ、さっさと乳を大きくしろっ」

 

 田村はすでに全裸となっていた。肉棒が露わとなり、そそり勃っている。早く射精したくてイラついていた。

 

「……騙してたんですね、私を」

 

「何っ!?」

 

 希はその醜態を直視しないようにしながら続ける。

 

「今までもこんな風に女の人を連れ込んでたんでしょ!この詐欺師っ!」

 

「なっ、何を言うとるんじゃ!」

 

 

……クソっ……もう少しのところで、せん妄状態が解けたか…

 

 見れば白い煙の噴出が止まっている。乳房に夢中になりすぎて、燃焼させていた固形の薬物がきれたことに気付くことができなかった。

 

「……まぁ、落ち着かんか。また、乳房に憑いた魔のものが悪さを───」

 

「いつまで茶番を続けるつもりなのっ!?そんなの信じるわけないでしょ!」

 

 ついさっきまで信じきっていたのだが……希は、自分でもそれが信じられなかった。

 

……あの小娘が余計なことを吹き込んだんだな……クソが…

 

 今更ながら、あきらと結乃まで連れてきたことを後悔した。

 

「……お主は拙僧と会場にいる小娘の、どちらの徳が高いと心得ておる」

 

「そんなのどうでもいいよ!」

 

「拙僧を……疑るかぁっ!!」

 

 苦し紛れの恐喝。しかし、希には効果がなかった。

 

「大声出せば私が従うとでも思ってんの?絶対に許さないからっ!」

 

 希が乳房を両手に持って、田村へと向けた。膨乳による攻撃を事前に聞いていた田村は、その予備動作を見て、当たる寸前で回避した。

 

「───なっ…」

 

 田村は床に放っていた衣服をまさぐり、何かを取り出した。電源を入れてオンにすると火花が散った。

 

バチチチチチッッ……

 

 それは人を一瞬で昏倒させることのできるスタンガンだった。洗脳する際、歯向かってきた者に力の差をわからせるため、いつも携帯していた。

 飛び散る光を威嚇するように希に向ける。

 

「貴様っ、このワシを乳房で打とうとしたな!これまで数多の乳房を愛してきた、このワシを!」

 

 田村は激昂して、声を荒らげた。だが、希がスタンガンの光に怯んだ素振りを見せると、トーンダウンして諭すよう口を開いた。

 

「……じゃが、今ならまだやり直せるぞ。お主の愚行については、いったん目を瞑ろう。お主はまだ混乱しておるんじゃ。また乳房を揉みながら、神の教えを説いて…」

 

「いい加減にしろっ、この詐欺師!」

 

 希が言葉を遮って罵ると、田村は顔を真っ赤にして襲いかかった。

 

「このっ、何も知らない小娘がぁっ!!」

 

 スタンガンの閃光が希を襲う。

 

バチチチチチッ……

 

 希はそれを乳房を巨大化して防いだ。乳肌にスタンガンがめり込んでいるが、あらゆる物理攻撃を無効化する希の乳房には効果がない。

 そのまま勢いよく膨乳させ、田村を吹き飛ばした。

 

「……ほげぇっ!!」

 

 これまでの人生で最も愛した希の乳房に打ちのめされ、田村の体は扉を突き破って廊下に飛び出した。

 

 

「……神様の話は、間に合ってんのよ」

 

 

 騒ぎに気付いた者たちが廊下に出てきたので、希は乳房を元に戻した。

 

「きょ、教祖…様?」

 

 全裸で廊下に倒れ失神する教祖に、胸を墨だらけにして半裸で立っている少女……

 

 その異様な光景に教団関係者は騒然となった。

 希は一刻も早く立ち去るべく、胸をまっ平にしてタオルで拭いたあと、素早く服を着て部屋を後にした。

 

 通りしなに見た教祖は、良い夢でも見ているかのように昇天していた。

 

「希!何があったんだ!?」

「えっ……あれって教祖……?裸じゃん…」

 

 騒ぎを聞きつけたあきらと結乃が会場から飛び出してきていた。

 

「いやぁ、ちょっといろいろあって……合気道の技でぶっ飛ばしちゃった…」

 

 咄嗟にごまかす。

 

「えぇっ、マジ!?」

 

「……大丈夫なのか、それ…」

 

「たぶん大丈夫だと思うけど……」

 

 振りかえると、希が部屋から出てくるのを目撃していた者がこちらを指差して、何か話している。

 

「一旦、逃げたほうがいいかも……」

 

 三人は教団施設から脱出し、希の家へと向かった。

 

 

 

 シャワーから放たれた温湯が、汗とともに乳房に付いた墨を洗い流していく。乳房は清められていくが、刻まれた汚辱はしばらく消えそうになかった。

 

……あんなやつに…

 

 薬物でせん妄状態だったとはいえ、男の手を許し、絶頂まで迎えてしまうとは…

 その時の記憶はひどく朧気で判然としないが、それでも昇りつめていく感覚が乳首に残っている。

 この世には、どうしようもないほどの悪人が蔓延っていることを身をもって知った。あの時、あきらが電話をくれなかったら、自分はどうなっていたのだろう……

 そこでふと、思い至る。自分は幸運にも、あきらと結乃がいたことで救われた。でも、今この時もあの教団で苦しんでいる人がいるかも知れない。

 

 浴室から出た希は待っていたふたりに告げた。

 

「交番に行こう」

 

 

 

 後日、警察の強制調査が入り、教団は瓦解した。

もともと、家出した少女を半ば強引に働かせるなどして警察に目を付けられていたので、希の通報がきっかけになったというわけではない。

 しかし、全裸で仰向けとなった教祖を見て、教団員からの求心力を急速に失ったのは事実としてあった。

 あきらと結乃には教団を壊滅させた女としてイジられたが、悪い気はしていない。むしろ、早々に街から追い出せたことを安堵していた。

 ただ、全てが解決したわけではなかった。田村がなぜ膨乳能力のことを知っていたのかは、謎のまま。そして、自分がなぜその能力を持っているのかも……

 今回の件で、まがりなりにも巨悪から街を救えたことは希の自信に繋がった。だが、不覚を取り、辱めを受けたのは決して忘れてはいない。

 

……また悪人と対峙することになっても、絶対に負けない!

 

 突然、遭遇した時に備え、自室や風呂場で乳房を構えて、密かに膨乳の研鑽を積み始めた。

 

 

 

 

天原希  VS 田村安夫(詐欺師)

 

 結果 引き分け

 

 

(通算戦績2勝0敗1分)

 

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