初めて頂いたご依頼だったので初投稿です。
「はっ……!あん…っ」
深夜のリビングに、クチュ、クチュと、粘ついた水音が響く。
音の源である一人の少女は、自分以外誰も居ないのをいいことに、荒い息と、艶やかな喘ぎ声を上げ続けていた。
上気した肌に、汗をいくつも浮かべながら。
「あっ…!く、ぅっ…イッ……!」
少女の右手が差し込まれた下着は酷く濡れそぼって、飛び散る愛液の雫が、履いた寝間着にまでシミを作ってしまっている。
(イ…く!イく、イくイくイくイくイくっ……!!)
だが、今まさに何度目かの絶頂を迎えようという彼女にはそれはどうでもいいことで、頭の片隅にすら入りはしなかった。
「イッ…!〜〜〜ッ!!」
やがてその少女──氷室ラビは、喉奥から絞り出すような呻きと共に、その小さな体躯を強張らせ、ビクビクと痙攣させる。
それが終わると同時、力が抜け脱力した体をソファに預けた。
(な…んで…私、こんな…)
自らの発する荒い息遣いと、早鐘を打つような心音を聴きながら、ラビはぼんやりと考える。
何故 自分はこんなことを。どうしてこんな、自らを慰める行為など。
それも、一度で終わらずに 何度も何度も。
(こんなに、濡らして…)
ぬるりとした感触を覚える股座から離した右手を、自分の視界に入る位置まで持ってくる。指は、自慰の激しさを示すかのように、愛液で存分に濡れていた。
(っ………)
それを見て眉を顰めると、ラビは小さくため息を吐く。本当は分かりきっているのだ。何故自分がこんな夜分遅くに広いリビングで、ひとり自慰に耽ることになってしまったのかは。
少しは冷えてきた頭で、ラビはこうなってしまった原因の、その一部始終思い出し始める。
それは、ラビがいけない一人遊びに興じるより、少し前のこと。自身が使用人として使える女の子、里見 那由他と就寝の挨拶を交わした後、リビングで一息ついている時だった。
夜というのは不思議なもので、暗い気持ちにはなりやすく、辛い記憶も、頭の奥から不意に湧き出てくるものである。
静まり返ったリビングに一人居座るラビが、湯国市でのことを思い出してしまったのも、無理はないこと。
魔法少女の排斥を目指す者達。撲滅派と呼ばれる集団による肉体への実力行使や、嫌がらせによって心をすり減らしていた日々…。
だが ラビ達4人…午前0時のフォークロアが持つ湯国での記憶は、暴と痛みだけで占められているわけではない。
性と快楽に満ちた、淫靡な側面もまた、存在する。
ラビも年頃。そんなことを思い出しては、自らを慰めたくなっても仕方がないのだ。
気付けば、右手はショーツの中へと突っ込み、左手で胸を、寝間着越しに触りはじめていた。
『んっ…んっ…くっ』
初めこそ「服を脱げ」と命令され、ラビ自身や仲間達の裸体を、情欲の籠った視線で舐めるように見つめられるだけだった。
だが、なんの抵抗も示さず言いなりになるのを見て調子付いたか、撲滅派の、主に男子達の行いはエスカレートしていったのだ。
『はっ…はっ…うっ…んんっ』
彼女らの腕や脚、お腹…そして胸や股座にまで、手を這わせてくるようになった。乙女の柔肌の感触を確かめるように、ねっとりとした動きで手を滑らせ、指や掌を沈み込ませてくる。
乳や性器を触られそうになった時は流石に抵抗を示したが、自分達が立てた誓いを守らなければと、結局は口を噤むほかなかった。
『あっ…!ふ、うぅん…。んくぅ!』
嫌だったはず。自身も、仲間達も。耐え続けるという決意が無ければ、すぐにでも逃げ出していただろう。そんな記憶であるはずなのだ。
それなのに今 ラビの股は蜜で濡れ、割れ目を擦る手の動きは激しさを増し、もう片方の手では胸を揉みしだき始めている。何故?
ラビは、自分のことが分からなくなった。
そして淫らな追憶は、撲滅派がついに一線を超えてきた日へと突入する。
『っう…あっ!あんっ…あっ』
廃屋に呼び出され、服を脱げと告げられる。脱衣と共に「またこれか」と胸中で嘆息したのも束の間、次の瞬間には押し倒されていた。
驚愕し、困惑するラビなどお構い無し。
両脚を割り開かれ、そこに潜り込んできた男子は、ギチギチと張り詰めた竿の先を 彼女の股…その割れ目へと密着させ…
『くっ!んぅぅぅぅん…!!』
熱く硬い肉の棒が、ラビの秘所を貫き掻き分け、処女を奪う。
彼女がその瞬間の記憶を脳内に描き出すのと、自身の指を蜜壺へと潜らせ嬌声を上げたのとは、同時のことだった。
『あっ!あぅっ…んぐっ!』
未知の痛みに呻く中、何度も何度も腰を振られ、自身の中をペニスが出入りする。
「やめて」「抜いて」という懇願は相手の耳を素通りし、テクニックも何もない がむしゃらなピストンで、雄の欲望を叩き付けられて。
パンッ、パンッと、肌同士がぶつかる音。互いの粘液が混ざり擦れ合う、クチャ、グチャといった水音。
痛みとは裏腹に身体は反応しているのか、自然と出てしまっていた喘ぎ声。
その記憶の全てが、ラビの自慰をより激しくさせる。
(駄目、なのにっ…。こんな。こんなこと…!)
あの頃の記憶は、自身の業を忘れない為。自分を律し 戒める為のものなのに、こんなことに使うだなんて…。
ラビが自身をそう恥じている間に、記憶の中の男子は限界が近いのか、腰の動きを加速させた。
肌のぶつかる音は間隔を狭め、それを受け止めるラビもまた、あっ あっ あっ と、喘ぎ声を連ねていく。
『ふっ…ふっ…!ぅぐ!あぁ!やっ…!』
(や、ダメ!これダメ!ダメダメダメ!ダ…!)
頭の中の過去と重ねるように、膣の中へ外へと、激しく指を抜いては挿す。胸を弄り得られる快感が、嫌でも興奮を加速させていく。
いけないと分かっているのに、止めることが出来ない。快楽に身を浸したまま、ラビは果てようとしていた。
(あ、まずっ…これ、イく…このままじゃ、イッ…!?)
そう危惧したところで、もう遅い。ラビの身体は心に反し、その動きを止めていないのだから。
(あ、ダメ、イく!イく、イく!イッちゃう!イッちゃっ…!!)
記憶の光景と、今の自分。ペニスと指の挿入の瞬間が同じなら、絶頂を迎える瞬間も、また同じになった。
『あぁっ、あっ!んぅっ…ん!んっ!!んぁぁぁぁぁぁ〜…!!』
左手で乳頭を摘み上げてから、ひたすらに動かし続けた右手の指を一瞬だけ減速させ、次の瞬間 一気に膣内へと突き入れた。
限界まで高められたものが一気に解放され、ラビを存分に果てさせる。
同時に記憶の中、ラビと交わる男子のペニスは、パチュンッと湿った音を一度響かせた後、熱く沸る精を、ラビの最奥へ盛大に撒き散らしていった。
あの男子、その後も少しの間 精子を吐き出しながら、ゆっくりとした動きで何度か腰を振っていたっけ…。
少々ご無沙汰な感覚を全身で味わいながら、上手く回らない頭でそんなことを考えるラビだった。
意図せず自慰をおっぱじめてしまった彼女のその後はということについては、結論から言えば、それだけではおさまらなかった。
最初に使ったのは、あくまで処女を散らした時の記憶。
淫らなものはまだ幾らでもあったし、もうやめようと思っても、まるで堰を切ったように次々と頭の奥底から蘇ってきてしまったのだ。
頭を掴まれ、口いっぱいにペニスを咥えさせられたことがある。
終いには精を口内に大量に放たれ、それを飲まされた。
寝転がった男子に、「上に跨って自ら腰を振れ」と言われたこともある。
下から上へと突き抜けてくる快感の波を、当時のラビは嬌声と共に味わわされてしまった。
両腕を後ろに引かれ、立ったままの姿勢で交わらされたりもした。
後ろからガンガンと膣奥を突かれる中、「喘ぐ声がうるさい」と、別の男子のペニスで口を塞がれたものである。
同じチームのサーシャ…栗栖アレクサンドラと共に裸に剥かれ、交互にペニスを挿入された経験がある。
仰向けに寝そべったサーシャの上に、抱き合うような形でラビが密着。その後は二人の膣の具合を比べて愉しむように、何度もペニスを出し挿れされた。
快楽に負け、蕩けた顔で喘ぐサーシャは、同性のラビから見ても扇情的過ぎたというのは、本人には言えないことだ。
その他 顔面への吐精、胸での奉仕、手や足を使った扱き…
男子複数人との交わりや、自慰行為の披露etc…。チームメンバーのうららと二人、絶頂後のペニスを口で掃除させられたことだってあったのだ。
とにかく、ラビ達フォークロアの性の経験は、一度や二度どころではない。両手両足の指を合わせても数えられないほどになってしまった。
それらが次から次へと想起されては、発散した性欲もすぐに復活するというもの。
ラビはしばらくの間 自慰に夢中になり、その度に絶頂を繰り返した。
(ああもう…。なんてこと…)
今まで自分が散々やらかしたことを整理し終えたところで、ラビは酷く落ち込んだ。
「こんなはずじゃなかったのに…はぁぁ…」
思わず頭を抱え、ため息を吐く。自分達にとって決して忘れることは許されない、とても重要な記憶。
それをあろうことか、こう…いわゆる、「オカズ」として使ってしまうだなんて…。
自分はこんなに淫らな婦女子だったのかと、ラビは頭を悩ませた。
「…そんなことはない。私は普通…。至って普通、のはず…」
自分に言い聞かせるように、彼女は呟く。
そりゃあ、魔法少女だという意味では普通ではないだろうが、それと自分の性的嗜好とは関係がないはずだ。
あくまで、あの時はああするしかなかったのであって、そうでなければ、誰が自分の身体をいいようにされた記憶で自慰行為など。ラビはそう考えたが…。
「………でも、気持ちよかった…」
人によって差異こそあったが、あの巌のように硬くなり、ピンと屹立した肉の塊が自分の中に捩じ込まれ、掻き分けてくるあの感覚。
ずるりと出ていったかと思えば、すぐにまた熱を伴い中へと戻ってくる、あの感触。
なにより それを繰り返した果てに膣の最奥へと流し込まれる、白く熱く、濃厚な命の奔流。
あれを繰り返し味わいクセになってしまえば、如何に魔法少女と言えど───
「って!」
何を考えてるんだ、私は!と、軽く頭を振り、ラビは脳内の邪念を散らす。
全く、こんなことなら「ちょっと一息」などと考えてリビングに留まらず、那由他と一緒に自室へと戻ればよかったのだ。
そんな思いを溜め息と共に吐き出し、後始末を…主に寝間着の処理をする為にソファから立ち上がる。あぁ、この下着も替えなければ…と、少し億劫になった。
その後 迅速に自慰の証拠隠滅を終わらせ、ラビはリビングを後にする。
滅多にしない自慰行為で疲れてしまったからなのか、寝床に入るとすぐに眠れて、気付けば朝を迎えていた。
…実はトイレをしに起きてきた那由他がラビの痴態を目撃しており、ラビは翌朝、なんだかよそよそしい態度の那由他の相手をすることになるのだが、それはまた別の話である。