人間の健一と親切な僕っ娘上級淫魔アランの淫魔界珍道中 作:雑食性生物物部
アランさんに抱き上げられながら歩いていると、ふいにグゥとお腹がなる音がした。アランさんを見上げるとフフフと俺に向かって微笑んだ。どうやら鳴ったのは俺のお腹だったらしい。
「お腹が空いたのかい?健一」
「ハハハ……どうやらそうみたいです」
俺がそう言うとアランさんはおおヨシヨシと俺の頭を撫でた。
「何処かで腹を満たそうか、何が食べたい?健一」
「……何があるんですか?」
俺は淫魔界の食事事情はよく知らない為、アランさんの質問に上手く答えられなかった。するとアランさんは少し考えた後、
「ラーメンなんかどうだい?」
と言った。
「!あるんですか?淫魔界にラーメンが?」
「こらこらそうはしゃぐんじゃないの」
「いや、はしゃいでいるんじゃなくて驚いちゃって……」
俺が少しモジモジしながら言うと、アランさんはニコリと笑った。
「おやおや、そんな可愛い仕草をされると淫魔からは煽っているように見えるよ?」
「え?ああ!ごめんなさい。そんなつもり無くて」
「可愛いねぇ健一は」
キスしてしまいたいくらいだ、とアランさんは笑いながら冗談を言った。揶揄うのもいい加減にして欲しいよ。
「さて淫魔界にもラーメンがあるかって話だよね。あるよ?確かこの通りにも少し歩いた先に……」
アランさんが俺を抱き抱えたままコツコツと通りを歩くと、屋台のラーメンが出ていた。
「ほらね」
「うひゃー!」
なるほど、見れば人間界のそれと変わらない。グツグツと煮えるスープの匂いが香ばしくて堪らなく食欲を唆る。
アランさんは俺を抱き抱えたまま暖簾をくぐった。
「こんばんは、マスター」
「おお、アランさんじゃないですか」
どうやら店主とアランさんは顔見知りのようで二人は顔を見合わせると挨拶をした。マスターと呼ばれた店主は抱き抱えられている俺を見て微笑んだ。
「おや、その子はアランさんが保護した子ですか?」
「そうだよ、健一と言うんだ。健一、こちらこの屋台のマスターだ」
「ど、どうも」
紹介された俺はマスターに軽く会釈をした。
「それで、アランさん?ここに来たという事はラーメンでも食べていかれるんですか?」
「ああ、ちょうど健一のお腹が可愛くなったのでね」
「なるほどそれは納得です」
店主はそう言ってお玉を手に取ってラーメンを作ろうとした。
「ああそうそう、健一のは人間界のと同じのを作ってくれたまえよ」
そこでアランさんがストップを掛けた。
「人間界と同じのを?!あんなザーメンが掛かってないラーメンなんてラーメンじゃなくないですか!?」
店主は信じられないと言う表情で驚いた。
「ああ、人間界と同じくスープには媚薬の類も入れないであげてくれ」
「ええ!?媚薬も無し?!」
店主は更に驚いたと言う表情でこちらを見てきた。アランさんが止めてくれなきゃ一体何食わされたんだろうか……。
結局出されたのはネギとチャーシュー、ワカメだけが乗った質素なラーメンだった。
俺はアランさんから下ろされて、アランさんの横に座ろうとした。ところがアランさんにひょいと持ち上げられ、アランさんの膝の上に乗せられた。
「アランさん!?」
「食事中が一番油断出来ないんだよ健一。淫魔界では僕に任せたまえ」
「いや、でも……」
「さっきファスナー引きちぎられて連れ去られた人間くんを君も見ただろう?こうやって膝に抱えておくのがいちばん安全なのさ」
良いから大人しく食べたまえと、アランさんにギュッと抱きしめられながら、俺はラーメンを食べた。
しかしアランさんのスーツ越しに当たる胸が気になって気になって、正直言って味なんか分からなかった。胸が当たっている事を指摘しようかとも思ったが、どうせ「気にしない事だ健一」とか言われてはぐらかされそうな気がして何も言えなかった。
ラーメンを食べ終えて屋台を離れると、再びアランさんに抱き上げられながら、淫魔街を歩いていた。
その時だった。
無性に身体がポカポカし始めていた。いやポカポカし始めたのは身体ではなく、俺のチンポだった。
無性にムラムラする。俺のチンポが早く射精したいと待ち侘びている。アランさんに抱き上げられている状態でモゾモゾと動いていると、アランさんが俺の様子に気が付いたようだった。
「おやおや健一、ラーメンを食べる為に一度ガスマスクを外したのが不味かったかな。淫魔界の淫らな空気を僅かでも吸ってしまったのが不味かったみたいだ」
「や、やっぱり分かりますか?」
「これでも淫魔だからね。ザーメンの匂いが君の股間からプンプンしてきたよ」
とびきり美味しそうな匂いだと、アランさんは股間に顔を近付けてクンクンと匂いを嗅いでいた。
「ちょ、ちょっとアランさん……」
「ああ済まない。ついつい夢中になってしまったよ。しかしこれは急いだ方が良さそうだね。早く目的地のホテルまで急ごうか」
アランさんはそう言いながら俺を抱きかかえながら歩を進める速さを速くした。その間にも身体中がポカポカし始めていた。