H.R.D.(ヒューマン・レヴォリューション・ダンジョン) 作:星野林(旧ゆっくり霊沙)
女神が手を光らせると白い空間からビルの中に居た
全裸で
他のメンバーも全裸である
「まじかぁ服無しかぁ」
「予想できていたけど裸一貫で放り出すとか無いわあの女神」
「とりあえず探索するぞ」
5人も集まれば自ずと役割みたいなのが出てくる
リーダー的なのは天使で、突っ込みがメカ、ケモナーと悪魔がボケで、調整役が俺らしい
まず目の前のテーブルには身分証と運転免許が置かれていた
顔は日本人の女性にした感じで名字とかも当たり障りの無い感じだった
名前も特に法則性も無く、キラキラネームでもない普通な感じ
なのでこの偽名を使うのは後だろう
テーブルの引き出しを引いてみると現金10万円が入っていた
これで当面はなんとかしろってか?
5人だから1人2万だぞ
服と靴と下着で2万なんて消えるぞ
電気は……付かねぇ
水道、ガスも止まってるな
契約し直すしかねーな
というかこの施設ラブホじゃね?
「ねー、間取りがラブホかソープだよね」
「浴槽が部屋の中に有るもんね」
とりあえず地下以外巡って見た結果7階建ての最上階はだだっ広い部屋にトイレがある感じ
一番下は受付と従業員室? 電源盤とかが有った
残りの2~6階がソープの部屋が3部屋ずつ、広目の部屋が1室にトイレだ
1部屋8畳で浴槽付きで部屋と教室くらいの何もない部屋がある感じ
ちなみに飛ばされたのは最上階だった
「ラブホかソープだな」
「ソープポイけどな」
「ボイラー室は地下か?」
「いや地下ダンジョンなんじゃないの?」
「ボイラー技士の免許ある奴いるにゃ~?」
「「「「……」」」」
ガス、電気、水道が止まっているので仕方がない
建物の探索を終えて最上階から周りを見渡してみるとビルビルビル
ただ繁華街やホテル街って感じでもなく、廃れた場所って感じか
夜になったら電気の付き具合でどれだけ人がいるかわかるかも
「さてと、ダンジョンに行ってみますか」
「「「「おー!」」」」
地下へは大きな扉が1階にあり、そこから進む感じだ
「ダンジョンってどんな感じかな? 王道だと岩の部屋が幾つもある感じ?」
「いや、不思議のダンジョン形式かもしれないにゃ~」
「いやいや、草原みたいになってたりして」
「でも天さん達ダンジョンマスターじゃん。1から作る形式じゃない?」
「「「あー、確かに」ね」にゃ」
「では開きますよ……オープン・ザ・ドア」
「土の壁、土の床に教室くらいの広さの部屋……明らかに場違いなクリスタルが鎮座してるね」
「他に部屋は無さそうだよ」
「やっぱり1から作る系かぁ」
「クリスタル触ってみるにゃ?」
「みますか……おお!」
ゾンビがクリスタルに触るとウィンドウが沢山浮き出てきた
そこには様々な事が書かれていた
「まるでチュートリアルだな」
1.ダンジョンはマナにより成長する
2.マナはダンジョンに生息する生物により産み出される
3.マナを支払うことによりダンジョンマスターはダンジョンを拡張、改造することができる
4.ダンジョン内で生物が死亡した時にもマナが発生する
5.ダンジョンのコアは破壊することはできない
6.ダンジョンのコアはダンジョンマスター5名の同意が有れば移動することができる
7.生殖活動をすることでもマナが発生する
8.ダンジョンマスターはダンジョンの内部を自由に移動することができる
9.ダンジョン内にワープを設置した場合ダンジョンマスター及び同伴者はショートカットすることができる
「うーむ、マナ残量は?」
「10ですね」
「何買える感じ?」
「1でダンジョンに5mの通路を作れる。5で教室くらいの部屋、10で体育館くらいの大部屋を作れるっぽい」
買えるものをスクロールすると大量にが出てくる
「まず何が必要って変身の魔法の教科書だよな」
「それそれ!」
「変身の魔法の教科書5マナ、魔法の基礎の教科書5マナ」
「変身は必須だけど魔法は待った方が良くないか?」
「なんで?」
「まずマナをどう産み出すかを考えようぜ」
「確かににゃ~」
「……おいこれみれよ」
・マナから通貨で産み出すことは可能
・マナから金属を産み出すことは可能
「これがどうした?」
「1マナ1万のレートになっているけど1マナ100ドルになってる」
「ん? 今円ドルレートって1ドル115円じゃなかったか?」
「今の為替相場わかんないな」
「つまり?」
「マナから産み出すならドルの方が高いってことじゃないか」
「それもあるが……これ」
・1マナ金10g
「あれ? 金って1gで5000円~6000円くらいじゃなかったっけ?」
「設定ミスしてない?」
「金だけだから何金なのかわからないな24金なら9000円だし、12金なら3000円割るし」
「金だけだから恐怖の純度100%あり得るんじゃない」
「……まじ?」
「売り方が問題よな……現実にあるコインとかなら売りやすいけど……」
「あぁ、潰して来たと思われたら密売品に見られるにゃ~」
「そそ、金や金属は高い利率だけど売り方が難しいって感じかな」
「マナの話からそれてるぞー」
メカから突っ込みが入る
「変身の魔法は必須、それ以外をどうするかだよね」
「というか1人は服もマナ買わないとみんなの買えなくないか?」
「あー、確かに裸で出歩くわけにもいかないしなぁ」
「……いや、それだったらこれで良いんじゃないかにゃ?」
・透明化の魔法の教科書 5マナ
「透明化と変身の魔法か?」
「いにゃ、透明化とテレポートにゃ?」
「「「「???」」」」
「テレポートの習得は1人1マナにゃ、効果はダンジョンの前にテレポートするにゃ。透明化は対象を1時間透明化させるにゃ、いくらここら辺が寂れてるとはいえ東京は東京にゃ、見る感じ23区のどこかにゃ。となると服屋は必ず徒歩30分圏内にあるハズにゃ、透明化で散策して服を幾つか見繕ったらテレポートで万引きしてくるにゃ」
「でも変身の魔法使えないと困らなくないか?」
「透明化ならば視覚することが無いにゃ、ならばそれで人攫いも可能にゃ」
「初手犯罪か」
「全裸で放り出した神が悪い」
「……でも5名で手分けして探せるしエエんじゃね?」
「透明化5マナ、テレポート各自1マナで10マナ……誘拐はどうする?」
「学生は親が出てくるから新社会人か大人か大学生じゃね? 狙い目は」
「最悪ホームレス女子」
「性病感染しそう」
「ゾンビいけ!」
「まぁ病気には多分圧倒的に強いだろうけどさ」
「いや流石に使徒だし性病感染は無いんじゃね?」
「でも性病の治癒魔法が1ポイントで習得できるようになってるよ」
「「「「……」」」」
「なるべく健康そうな人にしましょうか」
「「「「うん」」」」
「まず目標は5マナを稼ぐことだな。現金の10万円はどうする?」
「テツノに提案が」
「お?」
「透明化とテレポートで万引きはできるからパソコンとスタンガンが欲しい」
「何故にスタンガン?」
「レイプするにも動けない方が良いだろ? それか睡眠薬でも買えればまた違ってくるけど」
「……ちょっと思い付いたわ。スタンガンは高いから睡眠薬にしよう。でもそれは後だな」
「まずは1人確実にお持ち帰りするにゃ」
「というかここら辺の地図が欲しい」
「確かに。あと魔法が何回使えるかとかも試さないと」
「じゃあ皆透明化とテレポート×5の10マナ使うぞ」
「「「「OK」」」」
クリスタルが光ると体にスルリと何かが入ってきた
テレポートの仕組みを理解した
「後は透明化の教科書だな」
「うっす! 4ページしかないじゃん」
「呪文いや、頭で念じれば良い感じじゃない? これ?」
「魔法の扱い軽すぎでしょ」
「……よし、読み終わったにゃ」
「はや」
「じゃあ【透明化】にゃ」
するとケモナーの姿が消えた
「どうかにゃ? 見えないかにゃ?」
「まじで見えない……けど気配までは消せないのな」
「それは仕方がないにゃ」
「おお、何もないところから声がするとなんだか違和感が凄いですね」
「じゃあテレポートしてみますかね……【テレポート】」
「天使消えた」
「おお! 成功!」
「ただいま」
「お帰り、天使どう?」
「これを何回も繰り返してみるわ。回数なのかそれとも距離なのか」
「とりあえず10回やってみて大丈夫そうなら良いんじゃないかな?」
「……あれ? ケモナーは?」
「ケモナー……居ない?」
「まさかあいつもう外行った感じか!」
「……あり得るんじゃない?」
「なぁ透明化って服を着ても透明になれるのかな? 変身と重複するのかな?」
「うーむ、わかないね。でもケモナーの行動力はヤバいね」
「無事に帰ってきて欲しいが……」
30分後
「ただいまにゃ」
「おお、帰ってきた」
「まだ見えないけど……エコバッグか? それ」
「徒歩20分のところに商店街があったにゃ……で、地図と食料を幾つかぱちってきたにゃ」
「おお! サンキュー!」
「地図見ましょ地図」
地図を広げてみると確かに23区だった
「神奈川との県境の区にゃ?」
「大田区かぁ住んでた人いる?」
「天さん実は新潟」
「テツノ千葉、成田空港の近く」
「俺は北海道」
「長崎にゃ」
「私ぃ奈良」
「東京在住おらんってまじかぁ」
「てっきり皆東京住みかと」
「初上京がこんな形になるとは思わなかったです」
「ちなみに皆さんの職業は?」
「天さんサラリーマン」
「テツノ教材補助ライター」
「運ちゃん」
「牛飼い」
「料理人です」
「悪魔以外順当……悪魔料理人まじ? イメージに有ってないんだけど」
「これでもスイッチ入ると仕事モードだったよ」
「インフラ再開したら悪魔に料理してもらうにゃ」
「ケモナーは玉ねぎ食えるの?」
「わかんにゃい」
「そこら辺はおいおい……地図だと徒歩20分に駅と駅前商店街、学校もで、ここら辺は低所得者の居住地域兼やっすいラブホとか雑居ビル街って感じか?」
「治安悪そう」
「で徒歩35分くらいのところにショッピングモールと家電量販店、50分の所にお洒落なカフェとかが並ぶ場所がある感じかな?」
「反対側は徒歩20分で川辺だにゃ。次はそっちに行ってみるにゃ」
「とりあえず大まかにはそんな感じか」
「天使10回ワープしたけど疲れとかは無さそう?」
「無いね」
「ケモナーは?」
「少し精神的疲労? みたいなのが蓄積してる感じがするにゃ……もう少し様子見するにゃ」
30分後ケモナーの透明化が解除される
「ヤバい、凄く眠いにゃ」
「こりゃあれか? 見えないけどMP(マジックポイント)みたいなのがある感じか」
「お休みにゃ」
「お疲れー」
「……対象を1時間透明化できる……何かカラクリがありそうだね」
「というかダンジョン物の定番のステータス画面が無いよね」
「数値化してみれないのは辛いな」
「他には……ん」
「テツノ何か見つけたのか?」
「ゾンビこれ」
「なになに」
・種族技能
「種族技能?」
「なになに?」
「何か見つけたの?」
「読み上げます。種族技能が上がると種族としてできることが広がります。機械化の場合は機械的アプローチや様々な機械の製作、天使は飛行能力や洗脳能力、ゾンビは感染能力や知能の低下抑制、繁殖能力付与、獣化は動物的カスタマイズ、悪魔化は悪魔としての技能成長となります」
「マナは1レベル上げるのに10マナか」
「レベル! レベルって出てる」
「そりゃレベルの概念があるでしょ」
「ちょっと待ってそしたら……あー! やっぱりあった!」
「何が?」
「レベルが有るならダンジョンの定番のモンスターの湧き方」
「「「モンスターの湧き方?」」」
「ゴブリンの自動生成とかスライムの自動生成とかそう言う感じの!」
「ふーん?」
「ダンジョンで生き物を殺せばマナになるんだから自動生成されればその分だけマナもたまるじゃん!」
「ダンジョンマスターがダンジョンの生き物を狩るのか」
「現代日本に冒険者なんか居るわけ無いからそうだよな」
「捕まえてきた人間を改造してモンスター達と戦わせてマナを稼ぐという手もありますね」
「なるほど……で、一番低いモンスターの湧き場のポイントは?」
「リトルピッグ……ミニ豚が最弱のモンスターらしい」
「ゴブリンとかスライムじゃないんか?」
「動物系モンスターが多いかんじじゃない? リトルピッグは10マナで1時間に1体湧くみたいよ」
「最低1マナ確定なら美味しいな」
「10マナか……遠いな」
「モンスターて倒すと死体残る感じかな? 魔石だけな感じかな? ドロップアイテム落とす感じかな」
「試さないとわからないな……」
ワイワイと変態達は思考を繰り返すのだった
なかなかエロに行けなくてすまない