※この作品はR-18です。

湊友希那強襲シリーズ。   作:美肉。

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湊友希那の寝込みを襲う強姦小説。


湊友希那恋慕・醜。

 この子と結婚がしたい。

 湊友希那のライブパフォーマンスを視た後、男の率直な感想はそれだった。

 結婚したい。この子――友希那の婿となり、極まり、そうして二人、どこにでもない世界へ羽ばたいてゆきたい。

 けれど男は友希那と面識がなかった。男は、音楽家としての友希那のことを支持している一般人でしかなかった。そして、そんな男のように、ステージ上の友希那を眺め、アア友希那と結婚したいナ……、などと願望を持つ輩が、この世にどれだけあるのか。そんなこと男にもわからなかった。というより知りたくなかった。できれば、友希那のことを人として恋焦がれているのはこの世で自分だけであってほしい。けれど現実はそうではなかった。また、そういった不埒な輩が大勢あるのだから、友希那は今の地位に認められたともいえる。

 男は調べた。まず友希那の年齢を知り、通っていた小学校、中学校、高校、現在在籍している大学を知った。友希那の住所を知り、友希那の部屋は二階にあることを知った。友希那の起床時間を調べ、就寝時間を調べ、毎週出されるゴミ袋の中から食の好みを把握した。また、男は友希那の月経についても熟知していた。毎週出されるゴミ袋の中から生理用ナプキンを探し当て、付着した血液の量やにおいから、友希那の中の生理周期を把握、友希那がスマートフォンに居れたカレンダーアプリにそうするように、男も壁掛けのカレンダーに記録を残し、二人一緒に生理を乗り越えようと奮闘していた。

 全ては男の個人的な活動であり、友希那は、自分の整理事情が他者に漏洩していることさえ知らぬまま、ナプキンを購入する際にいつまでも少し恥ずかしがっていた。

 友希那の交流関係は調べずとも理解できた。友希那を視ていれば、その友希那の周辺の関係性は流れてくるものだった。あの茶髪の幼馴染は、友希那と同格に可愛かったが男の股間はいつでも友希那に向かっていた。

 友希那と結婚がしたい。

 男の中のその感情は、男が友希那を一方的に知れば知るほど強まる感情だった。

 友希那が音楽にしか興味関心を持たない女であると知っても、それでも男は友希那と結婚したかった。勉学はあまり得意ではない――本人曰く、興味がない――ことを知ったがそれでも男は友希那と結婚したいと熱望した。体力がなく、運動もそれほどしていないと知っても男は友希那と結婚したいと思った。何か箱入り娘というか、貴重に育てられてきたが故の、その人間的な余裕こそが好ましいのだ。慢心、とまではいかないが、己の音楽家としての実力にある程度信頼を置いている風体がよかった。困難に激突しても臆することなく、自らの力を信じて挑戦する様子に惚れ惚れとした。また、男は友希那を調べる中で、友希那のそのようないつもの様子が崩れ去る瞬間もいくつか視た。たとえばこれはもう数年前のことになるが、バンドメンバーとテーマパークに遊びに行った時、友希那は、普段は興味がないが今は興味がある、などといってメンバーたちとアトラクションを楽しんでいた。男はその様子を少し遠い位置で眺めた。アトラクションに音楽の力など関係なく、慌てたり、不意のことで驚く友希那の様子がいくつもあった。年齢相応の乙女のようで可愛かった。

 男はこれまで数年をかけて友希那を知っていった。灰色の制服を着ていた頃を舐め廻すように監視し続け、それから制服を脱ぎ、女子大生としての輝きを手にした友希那のことも男は香ばしく想っていた。そこで男は友希那の表情が、年齢を重ねる度に柔らかくなっていることに気付いた。それはきっと精神的な成長のことだった。音楽家として様々なことを経験することで世界を知り、己を知ったことで友希那の女性としての雰囲気の中に、独自の余裕が生まれているのだった。

 男はそんな友希那のこともちろん好ましいと思っていた。

 やがて男は、自分こそがどんな輩より友希那に接近しているのだと自覚した。特別なのだ。そうして友希那が待つステージにさえ上がり込み、友希那のことをもう、自由自在に楽しむのだと意気込んでいた。

 男は友希那のことを知り尽くした。次は、友希那が男のことを知る番だった。

 男は身長百五十センチ、体重六十五キロだった。頭髪は薄く、世間一般でいうところのハゲだった。カネがなく、冷凍食品のにんにく炒飯を主食としていた。運動は嫌いだが汗をよくかく体質で、SNSに流れてくる女性声優の自撮り写真で自慰行為をすることが趣味だったが、その趣味も友希那を知った途端に途絶えた。友希那を知った男は、それから友希那の顔写真を何枚もコレクションした。ライブパフォーマンスの様子を激写したものから、インタビュー記事などに付属する宣材写真など、あらゆる表情、角度、髪型や化粧の友希那の顔写真を収集し、自宅の壁に貼り付け、床に敷き、天井に備え、それらに精液をぶっかけるという自慰行為が主流となった。それは以前の、容姿だけで選抜したほぼ名前も知らない女性声優の顔写真を使用した自慰行為より快感であった。女性声優での自慰行為が『並』であるのなら友希那での自慰行為は『特上』であり、比較にならぬ格別な快感を伴った。

 男が女性声優の自慰より、友希那を使った自慰のほうに強い快感を覚えることには原因があるように思えた。

 その原因はすぐにはっきりとした。それは、男が友希那のことを真に愛しているからだった。ただ容姿がいい、というだけではない、具体的な人間性を知り、それでもなお恋慕が燃え上がっている。そんな状態で行う自慰行為とは健気であると同時に、男の中の強烈にして粘り強い性欲を感じさせる蛮行だった。

 

 出発は夜だった。

 男は黒色の上着に黒い長ズボン、黒の靴を履き、黒の野球帽に黒マスクを着衣して自宅を出た。真っ直ぐに湊家に進み、懐から道具を取り出して玄関扉を開閉した。音を立てぬよう慎重に玄関に入り、後ろ手で扉を閉じた。カサン……、と少し揺れるような音が鳴り、男は靴を脱いだ。靴下は白色で、男は湊家の三和土を歩いた。廊下は薄暗かった。ただ、窓から差す月光によって視界は薄らと安定していた。男は淀みなく進んだ。この数年で湊家の内装については熟知していた。しかし、こうして実際に足を踏み入れるのははじめてだったので緊張していたが、その緊張感が逆に男を丁寧にした。つま先から降ろし、ゆっくりと踵を落とすという歩行によって足音は消滅し、男はやがて二階への階段に到着した。

 十二段の階段を昇ると二階に到着した。

 湊家二階もまた薄暗かった。廊下が続いており、右手側に窓が連なっている。窓から月光が斜めに差し、闇夜の中に薄く扉たちが視えている。左手側に連なるその扉から、男は友希那の部屋を探し当てた。この数年、もう何度も双眼鏡や監視カメラでその中を眺めていたが、こうして本来の用途らしく扉の前に立つのははじめてだった。

 これが最初の一歩だった。これから友希那は男を知る。男は友希那の内部を知る。これはつまりお見合いだった。そうして二人は結婚し、この部屋が、いいや子の家が新婚夫婦の温かい実家になる。今回、まだ玄関を開けることも、三和土を歩いたり階段を昇ったり、扉の前に立つことも慣れていないが、友希那と結婚をして繰り返していくうちに慣れてしまうだろう。であるのなら、むしろこの慣れない堅苦しい状況を楽しんでおこうと男は思った。

 背後、窓が聳えられており、色白の月光が差している。光は男の背を明るくし、男の黒い輪郭は友希那の部屋の扉に伸びている。

 男は息を吸い、ファーストキスはどんなふうにやってやろうか、と思いながら扉を開いた。

 

 友希那の部屋は約八畳だった。

 夜という時間のため室内は静まっていた。入って正面の壁が窓で、紫色のカーテンは閉じられていた。壁際にベッドが設置されており、友希那は左手側に頭を向けて眠っていた。

 室内には他には、右手の壁際に作業用と思われる机があり、食事を取ったり、化粧をするための背の低いテーブルは視られなかった。天井には照明があるが当然灯っておらず、男は扉を後ろ手で閉じながら室内中央まで向かった。

 耳を澄ませると音が聞こえた。スゥスゥ、という規則正しい音だった。男は前方に歩き、ベッドの中を覗いてみた。弛緩した就寝する友希那の表情がそこに視えた。窓にはカーテンがかかっているが、それでも月光は少しこぼれて部屋に差しており、その色白な光が友希那の輪郭を映していた。

 男は眠っている友希那のすぐ横で脱衣をはじめた。

 それは男の趣味の行為だった。周囲の状況を何も知らず、感知できず、ただいつものように寝息を立てる友希那の、その安心しきった様子のすぐ横で不当に衣類を脱衣する。そうして素肌をさらけ出し、友希那の部屋の空気に触れる。そこには強烈な開放感だけではなく、もし友希那が起床し、衣類を脱いでいるところを視られたら……、という一抹の緊張感も伴った。開放感と緊張感は同時に存在し、混ざり合い、性行為や自慰行為ともまたことなる独特な快感として男を虜にした。

 男はまず黒色の上着を脱いだ。下に着ているのは白色のランニングシャツで、男はそれも脱ぎ捨てた。次にズボンのベルトに手を伸ばした。カチャカチャと音を無らしながらほどき、ずるりと下げた。パンツは白色でもっこりと膨らんでいた。男はパンツのゴムの部分に指を突っ込んで一気に下げた。同時に股間が露出した。黒ずんだ陰茎はすでに限界まで勃起し、皮はずる剥けだった。薄い闇の中で、桃色の亀頭がこんもりと膨れており、その先端は友希那を窺ってヨダレを垂らしていた。

 そんな股間の様相は男としては当然のことだった。すぐ横に、結婚したいとまで想う愛しい娘が居る。まさか、無防備に寝顔を晒しているのだから興奮しないわけがなかった。

 男は股間を揺らしながらシャツを脱ぎ、靴下も脱ぎ取った。脱衣した衣類はそのままにした。丁寧にたたんで備えておくことも考えたが、今回はそうではなく、あえて雑に友希那の部屋に散りばめておくことを選んだ。そうすることで逆に『同棲している感』が付与され、これから行うあらゆる性行為がリアルに浮き立つのではないかと思った。

 全裸になった男はベッドの傍らで膝をついた。友希那の横顔、顔面の右側が至近距離でよく視える。鼻先が天井に向かっており、男は耳を寄せた。スゥスゥと聞こえる。睡眠状態にある友希那の、規則的な寝息の音だった。男は膝をついたまま友希那の横顔を眺めていた。それは美しい形だった。顎の輪郭に歪みはなくなめらかで、口元は小さく、だが唇はある程度肉厚、鼻先はツンと上向いている。眠っているため、表情や瞳の雰囲気を窺うことはできないが、穏やかに休んでいるまつ毛だったり、弛緩した眉だって、愛らしく、さっさと舐め廻したい衝動にかられた。

 いいや、もう舐めてしまおうか――。

 男は友希那の横顔を眺めつつ、結婚という二文字を思い出した。結婚といえば結婚式だった。そして結婚式といえば誓いのキスだった。これが果たされることで男女は正式な夫婦となり、それから未来永劫の愛がはじまるのだった。つまり、キスとは証明であり、キスとは最初の一歩のことだった。男はこれから友希那を犯すつもりだった。友希那がどれだけ、どのように抵抗しても絶対に犯す。犯してやる。性行為を通して男という存在を認知してもらい、それで結婚する。絶対にする。しかし、実際の性行為よりまず誓いの口づけを最初に行うべきだと男は改めて考えた。キスも何もしていないのに、急に初夜のようなことをするなんて常識外れもいいところだった。

 男は膝をついたまま身を乗り出した。カーテンの隙間から月光が差し、それらが友希那の身に降っているのだが、男は光を遮ってやるように動いた。友希那の頭部は枕の中心部分に乗っているが、男はその枕の左右の位置にそれぞれ両手を置き、首を友希那に伸ばした。太ましい首だった。口と口との距離が狭まってゆく。五十センチから四十センチ、三十、二十……、とどんどん狭まり、ついにキスができるっ、友希那とキスするっ、と男は鼻息を荒くした。鼓動が激しく脈打ち、額に薄らと汗が浮き出た。こんもりとした背丈がさらに盛り上がり、男はンフーッ、という鋭い鼻息を友希那にぶちまけた。

友希那が素早く目を開け、男は動いた。友希那が、恐怖心と警戒心によって危機回避行動に入るより前に、その顔面に向かって唇を落とした。

「んぐっ!?」

 ぶちゅり、という感触がまず男を受け止めた。次いで友希那の悲鳴が上がった。しかしその声は不鮮明だった。口は、今しがた男が唇を使って射止めた。そのため友希那の劈くような悲鳴は全て喉元に溜まって、くぐもったまま消えていった。男は友希那の両肩を持ち、友希那の真上で揺れ動いた。唇が友希那のそれを跋扈し、ふにふにと、柔らかさを確かめていった。

「んんっ、んーっ!」

 男の唇が蠢いて不快なのか、友希那はまた悲鳴を上げた。男は返事をするように鼻息を猛烈に噴き出した。フシューッ、と鋭い音が鳴り、男は歓喜に包まれていた。惚れた女と、ついにキスができたのだ。そこには無類の悦びがあった。男の調べの通りだと、友希那はまだ接吻さえ経験したことがない。それは男にとって重要なことだった。未体験という友希那の資質そのものを、男の色や粘つきで塗り尽くすこと、それそのものが強い優越感となっていた。

 やがて男はこぼれるように友希那の口からずれていった。唇は友希那の左頬を撫でていた。舌を突き出し、犬が餌を食べるように男は友希那の頬肉をべろべろ舐めた。

「やめてっ――」

 友希那は必死に顔を逸らそうとした。男は友希那の顔面を両手で握った。左右から挟み込むようにすると友希那も抵抗ができず、真上から降ってくる知らない男の粘膜を味わうしかなかった。仰向けのまま肢体が揺れ、ベッドがいくつか大げさに軋んだ。間もなく男は友希那から顔を上げた。酸素が欠乏したため仕方がなかった。

 男の口が離れると友希那は颯爽と身体を起こして後ずさった。毛布を握り、胸元まで身体を隠して男を視た。

「あ、あなた、誰っ……」

 友希那は怯えた口ぶりだった。男は友希那の顔を視た。童顔気味だが気高さもある容姿はひどく引きつっていた。だがそんなものも可愛い。目は見開き、口元はがくがくと不安定だった。はじめてのキスを奪ったことより、今この場に進入してきたことによる恐怖心のほうが上回っているようだった。

「キスする」

 男は友希那の顔面を注視して呟いた。

「は……?」

「キス、キス」男はロボットのように連呼した。自身の語尾が性欲に支配されてゆくことだけを意識していた。「キスして、結婚。友希那と結婚する」

「何を……」と喉元を張る友希那を無視して男は友希那に腕を伸ばした。両手で友希那の顔面を持ち、ベッドに乗り上げるとさっそく口元を押し込んだ。「うぶっ?!」と友希那の声ではない声が上がった。アヒルの鳴き声に似ていた。口元に触れる知らない男の感触に、友希那はまだ慣れていないようだった。男はそのまま友希那の顔面を包むように保持し、口元の部分でなめらかに蠢いた。

 カーテンの隙間から月光が薄く差している。その光芒だけが、二人の口づけを薄らぼんやり眺めている。

 男の大きな、たらこのような唇は友希那の唇を包み込み、挟み込み、また染み出る男の唾液が、友希那の肉厚な輪郭をぷるりと際立たせた。

 男は舌を友希那にねじ込んだ。友希那は、男の奥からさらに這い出てくる不快な温かいそれを確かに拒絶していた。肩幅をびくりと縮ませて、鼻で素早く呼吸をしながら口元を力んでいた。しかし、男にとってそんな抵抗は無駄でしかなかった。男は間もなく友希那の口腔内に舌を流し込み、まず歯茎を擦った。友希那の歯茎は温かく、ぬるぬると居心地がよかった。男は次に友希那の歯列を舐めた。友希那の歯はそれぞれ硬かった。けれど、唾液でぬるついているため舌触りは良好だった。男は友希那の歯の側面を舐め、先端部分を舌先でちょんちょんと突いて這いずった。それから舌を口腔内部の奥に差し込み、男は友希那の唾液をぢゅうぢゅうと啜りはじめた。

 友希那の唾液は温かかった。唇の熱ともまた異なる熱を含んでいる。男は友希那の口から友希那の唾液を回収し、喉を慣らしていくつも飲んだ。友希那の唾液が舌の上や咽頭を潤し、嚥下をすると胃の中に明確な重量を得た。それは友希那の唾液の重量だった。友希那の口の中で生成される、ねっとりと熱い独自の液体が今まさに、男の胃を満たしていた。

 酸素が完全になくなったことで男は友希那から顔を離した。その途端、友希那はベッドの中で飛び起き、毛布を握って男から後ずさった。ぬるついた口元を右手で拭い、男のことを睨んでいた。その目には鋭い敵意の輝きしか浮かんでいなかった。男はにたりと笑った。友希那への挑発というか、ひとつの嫌がらせだった。

「誰なのよ、あなたっ、どこから入ってきたのっ?!」

「結婚する」

「け、結婚って、あなた、さっきから何を言って――」

「キスしたから、もう、友希那と結婚……」

 男はうわ言のように呟いた。友希那の表情がさらに引きつり、ベッドから逃げようとした。男はそんな友希那を追いかけるようにベッドに乗り上げた。「やめてっ!」友希那の悲痛な叫びが響いた。男は友希那に掴みかかった。友希那の手首を左右の両手でそれぞれ掴み、身体そのものを友希那へ狭めた。「や、やだっ」友希那の短い悲鳴が響いた。声色に変化があった。先ほどまでの、詳細不明の存在に対する怒気は消えていた。その段階を過ぎ、自らの女性としての危機を友希那は肌で感じ取っているようだった。「こないでえっ」友希那のひ弱な声が響いた。それは完全に乙女のものだった。男は友希那から毛布を没収し、衣類を放置した床に投げ捨てた。

 それから二人はベッドの中で倒れ込んだ。

 とはいえ二人の力関係は完全に男が優勢だった。ただの女性音楽家に、中年男をどうにかやり過ごすことなど不可能だった。男は簡単に友希那を組み伏せた。男に背を向ける友希那はそのまま男の下敷きとなり、二人は交尾直前の犬のように重なった。男は結婚、結婚、と呟きながら友希那の尻を撫でた。友希那は女性として小柄な体型だった。背丈も低く、胸も控えめだった。尻だって小ぢんまりとしており、男は両手でそれを撫で廻し、パジャマを捲った。友希那は薄紫色のパジャマを着ていた。上半身と下半身が一枚の布で造られた、ワンピースのような形のものだった。布の質感も比較的薄くて柔らかく、友希那が少しでも肩幅や腰、足先を動かすとパジャマも揺れていた。特にスカート部分のちょっとしたフリルは、穏やかな河の水面を思わせる揺らめきで美しさすらあった。

 男は友希那のスカートを握り締めて大きく引き裂いた。ビリリッ……、と音が鳴り、友希那は喉元から引きつった呼吸の音を漏らした。男は友希那の破かれたスカートを退かし、さらに奥に潜むショーツに手を伸ばした。友希那が悲鳴を上げ、反抗してくるより先にするすると素早く抜き取った。友希那は膣もまた小さかった。毛は少量で、手入れされている痕跡があった。

「うへへへ、結婚……」

 男は自らの陰茎を持ち出した。

 男の陰茎は勃起を維持していた。男の、ふくよかな身体つきの中でその一部分だけが強固に上向き、ドックン、ドックンと鼓動のように滾っている。また、その根本には一対の睾丸がぶっくり備わっており、男はそこに特別な重量を感じていた。それは性欲に関する具体的な質量だと男は思った。友希那に対する純粋な性欲が大量精液製造を実現し、種子たちは今か今かと待ちわびているのだった。

 男は虐げた友希那の背に這いずった。男が『上』で友希那が『下』だった。その生命としての上下関係に友希那も怖気づいたらしく、ちろちろと細い涙を流して身を縮めていた。男は腰を友希那へ狭めた。いよいよ挿入だった。誓いの口づけを終え、次は誓いの乙女入刀だった。

「友希那っ、友希那……」

 陰茎先端部分が友希那の入り口に触れた。互いの熱が素早く交換されている。「待って……」と友希那の声がした。最後の命乞いのような感覚で男に涙を流していた。「許して、こんな、こんなこと、だめよっ……」というか弱い態度が男の中の野生的な火炎をより際立たせた。男は友希那への何の考慮もしないまま、己の腰を勢いよく押し込んだ。

「いぎいっ……!」

 それは、男としての勝利の瞬間だった。

 友希那の、女としての敗北の瞬間だった。

 繊細な処女膜をぶち破り、堅苦しい肉棒は内側の柔らかい部分にめり込んでいった。未使用の肉壺が強引に押し拓かれ、友希那はベッドの上で身体をのけ反らせることとなった。肉が引き裂き、内側が破裂してゆくような感覚にこれ以上ない激痛を感じているようだった。対して男は快感を体験していた。今まさしく、友希那が持つ乙女としての最大の価値が開封され、そこに男の力強さが執行されている。純潔の乙女として友希那は終わった。破かれた膣には男の形が刻み込まれ、その破壊力はその後の人生にさえ染み込んでゆく。たとえ男がこの瞬間に終わったとしても、男が友希那を最初に使用したことは友希那の身体に刻み込まれ、未来永劫生き続けることができる。男は上半身を友希那の背へ倒し、腰部分を慎重に沈めた。竿部分がさらに友希那のほうに進み、未熟な膣壁をさらに圧迫していった。ついに、ついに先端部分が柔らかい異質な感触と巡り会った。それは友希那の子宮口だった。子宮口と亀頭が、友希那の胎内で激突し友希那の子宮が軽くひしゃげていた。

「い、痛いっ……」

 男のすぐ近くで友希那が呻いた。ようやくまともな人の言葉を話せる程度に、膣が慣れてきたようだった。それなら性交のはじまりだった。男は友希那の胴体に腕を廻し、がっちり掴んだまま猛烈に腰を動かしはじめた。男の脳裡にはもう友希那を犯すという意識しかなかった。愛する人を強引に汚し、その内部を自由気ままに堪能したい。今まさに、男はただのそのためだけに生きていた。ただそんな唯一の欲望のみになって動いていた。力強い竿が友希那の内側を蹂躙していた。ベッドが連続で何度も軋み、男の股の間で睾丸がゆさゆさ揺れていた。余白なく敷き詰められた肉襞は温かく、男のものを優しくも、窮屈に絞め付けてくれている。男は腰を振り続けた。具体的に、虐げた友希那の臀部へ股間を押し込んだ。それは騎馬が猛然と進む様子によく似ていた。今、友希那という名馬を男は騎手として完全に乗りこなしている。そして友希那は、四つん這いのような体勢のまま力なく喘いでいた。

「友希那のまんこっ、友希那のまんこっ」

 今、男は友希那に打ち込むような腰遣いを放っていた。何か鼓舞でもするかのような獰猛な動きを連続させていた。柔らかい肉壺はすぐさま男の形に合わせて模様替えをし、男にとって最適の居場所として機能していた。男はもてなされていた。人間としてガードが硬く、どうにも近づけない友希那のことを強引にベッドの上で凌辱したことによる疲労を労われていた。

「中出しで結婚っ、友希那にっ、中出しで結婚っ!」

「ああっ、うぐっ、あぁ……」

 友希那は息をつく暇もないようだった。背後からのしかかり、腰を振る男に完全に完全に敗北していた。男は揺れ動きながら、間もなく友希那との添い寝に突入していった。つまり、この友希那のベッドの上で身体を横転させ、ベッドに体重を預けた。股間で結合する友希那も同様に倒れ二人は互いに身体の右半身を預けることになった。横向きのまま重なり合い、男は友希那にしがみつくように腰を動かした。

「友希那、好きっ、ゆきなすき。ゆきなっ、友希那あ……!」

 今度の男は寄り添うような腰遣いだった。友希那の尻の形に自らの股間を当て、撫で廻すように腰を揺らしていた。ハッ、ハッ、ハッ、という鋭い吐息が連続し、男は友希那好き、と連呼した。脳裡の中のあらゆる思考が友希那に統一され、この子を犯したいという欲求に還元されている。ベッドが軋むその音が、さらに大げさに二人の周囲で鳴り響いた。友希那は声を引きつらせていた。それは喘ぎ声というよりほぼ悲鳴だった。絶叫のようにも聞こえた。自身の内側の大切なものが、男の汚れた手腕によって没収されたことを本能で理解し、悲しみに泣いているようだった。男は友希那の腹に廻した腕を引き締めた。友希那の身体は汗ばんでいた。火照りが皮膚にじんわりと染み渡り、その独特な脈打つ熱は男にも伝播した。身体の表面で、互いの汗が混ざり合ってわからなくなっている。男はすでに限界だった。頂の部分に到達しようとしていた。己の股間の位置で、盛り上がって止まらないものを意識していた。重たく、強烈な熱を含んだそれを友希那に預けたい。男はそのように当然に考え、友希那に廻した腕をさらに引き締めた。

 この子は僕のものだ――。

「友希那、出すぞっ!」

 男は低いざらついた語気で呟いた。ベッドの上、何か逃れようとしている友希那のことをぎゅっと寄せ、男は自らの腰に押し当てた。友希那は、男の呟いた「出すぞ」という言葉の意味を理解していないようだった。男はそんな友希那の尻を叩くように勢いよく臀部を押し込み、その先端の部分で緩く漏れ出ていった。

「うううっ……」

 それから、びくり、と最初に反応したのは友希那だった。

「な、なにこれっ……」

 男が唐突に動きを停止させたこと、それから、自らの下腹部にモヤのように広がるぬるい質感の違和感に友希那は気付いた。「なにを……」と男に訊ねる語尾が震え、まだ陰茎を挿入したままの男は、友希那が恐怖で身を縮ませたことを竿で知った。

「な、あなた、何をっ、これ、何……」

 引きつった友希那の語尾は間もなく涙に沈んでいった。

「うう、ふぅ」

 射精終了後、脱力した男は眼前の友希那のうなじ部分に顔を埋めた。

 友希那は薄紫の長髪だった。

 ライブパフォーマンスをする友希那はよく髪をいじった。不思議な編み込みやサイドテールなどを男もよく目にした。平時は髪飾りを乗せていることが多かったが、今、就寝していた友希那の頭髪にそのようないかにも乙女らしい工夫はなかった。ほぼストレートに伸びる長髪は手入れが行き届いており、男がどれだけ鼻先で掬い取ろうとしても、つるつると滑ってしまう。男は頭髪の適当な箇所に口づけをし、それからうなじに鼻頭を押し付けた。鼻が潰れるほど接近し、鼻梁を酷使して呼吸した。ススゥーッ、という鋭い音が鳴り、間もなく男の脳漿の底の部分がポッと火照った。

 友希那の頭皮のにおいだった。

 香ばしい。寝汗だろうか、何か浮き立つ湿っぽい風味が付与されて、より深みのある体臭に仕上がっているものを男は嗅いでいた。反応するのは脳と股間だった。特に、股間のほうは一度射精したというのに、そんなことも忘れてまた再起していた。

 男は友希那に差し込み、友希那で絶頂して友希那で一度枯れたが、友希那の体臭によってまた友希那に盛り上がっていた。その肩さは肉壺を穿つほどであり、男はまた揺れ動きはじめた。

 友希那は、乾いた涙の筋をそのままに倒れ込んでいた。

「友希那、愛してるぞ……」

 結婚式は、まだ続いている。

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