今日は羽丘女子学園高等部の体力測定だった。
三年・湊友希那ははっきり言って、この長い長い時間が憂鬱だった。もとより音楽にしか関心が無い友希那にとって、自身の限りなくゼロに近い運動量を調べるこの時間は苦痛以外の何でもなかった。朝から体操着に着替え、体育館や校庭をぐるぐると周回して種目をこなしていくのにも億劫なものを感じていた。
(はぁ……、仕方がないわね……)
女子トイレの洗面台鏡で自分の身なりを確認し終えた友希那はため息を吐いてトイレから出た。廊下は女子生徒でごった返していた。皆それぞれ、指定された時間までに全ての種目を終わらせようと躍起になっているようだった。友希那は体操着の尻ポケットに折りたたんで入れた『種目カード』を取り出した。そこには今日の体力測定で行うべき全ての種目が記されており、さらに友希那は、その種目の文字列の中ですでに終わったものには赤ペンで線を引いていた。上から順にこなしているため残りは校庭で実施される五十メートル走と、体育館で実施される握力、上体起こし、反復横跳び、長座体前屈の五つだった。
(まだまだあるわね……。はあ、さっさと終わらせましょう、こんなの)
入り乱れる生徒の海を眺めながら、友希那は再び深く息を吐いた。
羽丘女子学園の用務員・吉田は校庭の隅を掃除していた。箒を使い枯れ葉を一つにまとめ、黄ばんだゴミ袋に入れていた。空から降り注ぐ灼熱の光を受けて、吉田の身体からは滝のように汗が流れていた。
「うわ見て、吉田だ」
それは遠目で吉田を見た女子生徒の声だった。吉田本人に聞こえるほどの声量だった。せっせと掃除を続ける吉田を嗜虐的な色のある目で見ていた。
「ほんとだー。相変わらず横にはでかーいっ」
「ぎゃははっ。言えてるうっ」
二人の女子生徒はそのままひとしきり笑ってから、飽きた玩具を捨てる子供のようにすっと目を反らした。二人の声色は明らかに吉田のことを笑いものとし、完全な嘲笑だった。
(好き勝手言いやがって……。こっちはお前らのこと、毎晩オナホにしてるんだぞっ)
その嘲笑を聞いていた吉田は心の中で毒づいた。このように女子生徒から笑いものにされるのは今回が初めてではなかった。傷付かないと言えば嘘になるが、毎晩の『オカズ』にいくら馬鹿にされても、むしろ加虐心が反り立つだけだった。
吉田はこの、親戚の伝手で入った用務員という職を天職だと思っていた。仕事は全て極めて簡単で、片手間でもできるほどな上、活力に溢れた女子生徒たちの肉体をいつでもじっくりと眺めることができた。教師連中は必要以上に干渉してこないので、みずみずしい女子高校生の健全な身体を余すことなく観察し、『使い潰す』ことができた。
吉田はこの職こそが、自分が生まれてきた理由だと強く思っていた。これまでの負け組な人生に差し込んだ一筋の光明であり、自分はこれからもたくさんの女子生徒を視るのだろうと思った。
(ふふふ。やっぱり僕は運が良い……)
思えばここまでの人生は、実に壮大で苦痛にまみれた日々だった。
吉田は世間一般でいうところの『ちび』だった。身長は常に平均を大きく下回り、学生時代はそれだけで強く馬鹿にされた。小心者だった吉田はそれを受けて完全に性格がひねくれ、暴飲暴食の日々を送った結果、『でぶ』という次の汚点を手にしてしまった。さらに今年で五十になる吉田の頭髪は、そんな汚物の塊のような身体に嫌気がさしたかの如くさっさと抜け落ち、すっかり『はげ』てしまった。
ちび、でぶ、はげ、の三つのコンプレックスを抱えた吉田の唯一の楽しみは、こうして仕事をこなす傍らで女子生徒を『視る』ことだけだった。特に今日は体力測定のため皆が体操着を着、足や腕の輝かしい肌色が多く露出していた。それは吉田にとって天国以外の何でもなかった。まさに極楽とはこのことであり、吉田はその雌だらけの楽園に浴し、脳内で乱交を続けていた。
「むむっ!?」
吉田の目が一人の女子生徒に止まった。後ろで束ねられた長い頭髪はしっとりとした薄紫色で、黄金色の瞳を湛えた眼光は薔薇の棘のようにツンと鋭く、露出している素肌は薄っすらと色白で、その艶めかしい肉体の曲線は何よりも美しかった。
それは友希那だった。吉田は鼓動が急速に速まるのを感じた。この学校にここまでの『逸材』が居たのかと驚愕した。耳の奥でドッドッドッド、という激しい打撃音のような音が鳴り響いていた。そしてその視線は友希那に釘付けだった。この学校には吉田が『器量良し』と判断した女子生徒が多いが、究極の美女の称号にふさわしい友希那の群を抜いた美貌は、その吉田の『ランキング』を完全に崩壊させるほどのものだった。友希那と比べれば他の女子生徒などすぐにどうでもよくなった。まさに雲泥の差とはこのことで、校庭に散乱する数ある女子生徒の中でも、友希那は輝かしく際立っていた。
吉田は自分の雄としての本能が友希那に呼び掛けているのを感じた。それは生命としての魂の叫びだった。この最高級の美女と今すぐ交尾をし、膣の最奥地で射精をすることで自分の生命としての使命を完遂させるべきだと思った。
視界の中の友希那は走っていた。五十メートル走をやっているようだった。疾走している友希那も愛らしかった。仔馬の尻尾のように垂れ下がる頭髪は左右になびき、高速で動く両足が力強く地面を踏みしめる度に吉田は自身の鼓動がより激しくなっていくのを感じた。そしてその心臓の蠢きはそのまま下半身に下った。灼熱の血が陰茎に流れ、あっという間に硬質化した。吉田は作業着のポケットに右手を突っ込み、ポケット越しに陰茎を握った。陰茎はこれまでに無いほどに熱かった。真剣に走っている友希那の姿によって限界を超えた勃起を実現していた。吉田はそのまま陰茎をしごいた。視界の中の友希那はすでにゴールに到達し、息を整えていた。するとそんな友希那に駆け寄って来る茶髪の女子生徒が現れた。どうやら友希那の友人のようだった。類は友を呼ぶというように、その茶髪の女子生徒も美しかったが友希那には到底及んでいなかった。やはり吉田にとって極まれた美貌とは友希那だけであり、そんな友希那とこんな形で出会ったことこそが、現実的な邂逅を超越した奇跡だと本気で思った。
陰茎の先端から透明なカウパー汁が溢れるのがわかった。吉田は友希那の顔を見つめながらさらに高速で陰茎をしごいた。脳裡ではすでに友希那と性交をしていた。睾丸がきゅっと縮こまり、すぐに勢い良く射精した。パンツとズボンを濡らした精液はぬっちゃりと絡みついた。
「ふぅっ……。ううっ」
吉田は息を吐いた。しかしその落ち着いた情緒とは違い、股間の陰茎は納まりを知らなかった。自分でも驚くほどの性欲だった。そしてその底の無い性欲を実現している友希那の、雌としての能力にひれ伏したい衝動に駆られた。
「吉田さん? 大丈夫ですか?」
その声は後方から聞こえてきた声だった。
吉田は驚きながら振り返った。そこには数学教師・秋元が立っていた。その顔にはこちらを強く心配していることが窺える、控え目だが執拗な光が浮いていた。
「吉田さん、大丈夫ですか?」
秋元が吉田に歩み寄りながら再度訊ねた。身長百八十の秋元が迫ると、吉田はそれだけで恐怖と焦りを感じた。それは自身の中の低身長というコンプレックスが刺激されている証拠だった。さらに秋元には悪い噂が絶えなかった。女子生徒や女性教員を『つまみ食い』しているらしかったが、ただの用務員にすぎない吉田にはその噂が真実かどうか確かめる術は無かった。
はっきり言って吉田はこの秋元が嫌いだった。身長が圧倒的に高いということもその理由だったが、自分は見ることしかできない、高嶺の花そのものである女子生徒と寝ている可能性があるこの男のことが心底憎たらしく、心底悔しかった。
「ええ、大丈夫です。掃除は終わったので、失礼します」
吉田は素早くゴミ袋を持ち上げると、そのまま湿った股間を隠して秋元から立ち去った。
(あの子は、どこだ……)
ゴミ袋を処理し終えた吉田は学校をさ迷って友希那を探した。しかし、名前はもちろん学年すらわからないためその捜索は困難を極めた。学校中の掃除を担当する用務員だからこそ、学校中を練り歩いたとしても不審がられることはなかったが、それでもきょろきょろと辺りを見渡しながら歩く吉田は目立っていた。さらに今日は体力測定ということもあり、廊下は女子生徒だらけだった。そんな中で遠目で見ただけの美少女一人を探し出すのは至難の業であり、現実的な理を超越した、いわゆる奇跡が再び発生しない限り発見することは不可能のように思えた。
「むむっ!?」
そして、奇跡は起こった。吉田は見逃さなかった。女子生徒たちが蠢く廊下の中で、あの薄紫の長髪を見逃すはずがなかった。先ほどよりも至近距離で確認する友希那はやはり美しかった。この距離だと彼女の表情が良く見えた。暑さにやられているのかその顔は少し俯き気味だったがそれでも美しかった。吉田は再び陰茎が持ち上がるのを感じた。今すぐ目の前の純白の女神を自分の性で汚し、自分だけのものにしたかった。
しかしそこで吉田は冷静になった。こんな所で無理やり迫れば確実に騒ぎになるはずだった。吉田は思考した。どうすれば二人きりの空間を作ることができるか、必死に考えた。そしてすぐに作戦を思いついた。それは単純明快なものだった。躊躇は無かった。吉田は立ち止まって紙を眺めている友希那に歩み寄った。
「あの、ちょっと手伝ってもらいたいんだけど」
苦痛でしかなかった五十メートル走を終えた友希那は汗だくのまま校舎に戻り、残りの体育館で実施される種目に向かおうとしていた。その心持ちはさらに鬱蒼としていた。外で行われる種目もそうだったが、室内での種目はどれも自身の筋力の無さが露骨に現れるものばかりだった。なんだか、お前は筋力が無いろくでなしだ、と面と向かって言われているようでとにかく嫌だった。しかしその一方で、こういった学校の行事には真剣に参加するべきだという至極真っ当な気持ちもあり、その二つの感情は脳裡で拮抗していた。
廊下で立ち止まった友希那はふと、今の自分の体臭が気になった。女として臭いには気を付けるべきだと思っていた。友希那は辺りの人目を警戒しながら、そっと自分の二の腕の臭いを嗅いだ。
(む……、ちょっと臭うわね……)
鼻孔には香ばしい激臭が漂っていた。全身を流れる汗が醸し出す深い汚臭だった。周りの人間は気にしていないようだったが、こんな悪臭が自分の身体から漂っているという事実が耐えられなかった。さっさと家に帰り、シャワーを浴びたかった。しかしまだ種目は残っており、自由に帰宅できる時間などまだまだ遠くだった。
(我慢するしかないわね。ええと、次の種目は……)
友希那は体操着ズボンの尻ポケットから種目カードを取り出して広げた。
「あの、ちょっと手伝ってもらいたいんだけど」
今一度種目カードを確認していると、前方から声を掛けられた。
友希那はカードから顔を上げ、前を見た。そこには自分と同じくらいの身長の男、吉田が立っていた。灰色の作業着に身を包み、こちらを見てにたにたと笑っていた。頭髪は完全にはげ上がり、脂汗が浮いてるためてかっていた。作業着の腹部はでっぷりと肥えており、ぱつぱつに張っていた。しかしそんな要素よりも友希那が気になったのは、吉田が放つ体臭だった。それは酸っぱいような汚臭だった。思わず鼻を摘まみたくなるような、顔をしかめて遠ざかりたくなるような、確実に健康に害するような臭いが脳になだれ込んできていた。
「確か、吉田さん、ですよね?」友希那は消えかかっている記憶を呼び起こした。「な、なんですか……?」
友希那は慎重に訊ねた。正直言ってあまりかかわりたくなかった。
「あ、ああ……。えっとねぇ……。こっちの部屋でね、ちょっと作業が止まっちゃっててねぇ。助けてもらえないかな?」
吉田はにたにた笑いを続けながら、自分の後方にある理科準備室を指さした。
「えっと……。私まだ種目が残ってて、他の人にお願いしてください」
「え、ええっと……。それじゃあいけなくてさ……」吉田は友希那から目を背けた。「もうね、今すぐどうにかしなくちゃいけなくてね。あの、時間は取らせないからさ、お願いできないかな?」
吉田は友希那のことを再度見つめた。控え目だったが強い意思のある眼光だった。友希那は思考した。どうしても吉田とはかかわりたくなかった。種目が残っているのも事実ではあるため、このまま無理だと押し切って去ろうと思った。しかしどうしても、最後の良心が叫んでいた。困っているのなら助けるべきだと言っていた。友希那は逡巡した。しかし脳裡ではすでに決定していた。
「わかりました。早く済ませましょう」
「うんうんうん。ありがとねぇ」
吉田はにっこりと笑った。
理科準備室は埃が溜まっていた。
しばらく誰も入っていなかったらしく、軋んだ扉を開くと灰色の埃が舞った。次いで友希那の鼻孔に絡みついたのは激臭だった。乾いた尿のような臭いで、隣の吉田の体臭に勝るとも劣らない臭いだった。
「それで、私は何をすれば良いんですか?」
友希那は鼻で得た不快感を顔に出さないように努めて訊ねた。
「えっとね……。ちょっと探し物があってね……。今度の実験に使うやつなんだけど……。ええと……」
吉田はええと、ええと、と繰り返しながら室内にずんずんと入っていった。そして窮屈そうに納まっている棚を眺め始めた。友希那は慎重な足取りで室内に入った。その瞬間後方でドタンッ、という音がした。友希那は驚いて後方を見た。開かれていた扉が完全に締まっていた。
「あ、あの、そっちの方、探してくれない? な、名前なんだっけ?」
「湊です」
友希那は淀みなく答えた。
「湊、何ちゃん?」
「……湊友希那です」
「友希那ちゃんね。わかった。それじゃあ二手にわかれて探そうか!」
「はい……」
友希那は控え目な声色で返事をした。さりげなく『友希那ちゃん』と呼ばれていることに不快を感じなかったわけではないが、わざわざ指摘するようなことでもないと思い無視をした。
それから二人は別々に書類を探し始めた。友希那は今にも倒れてきそうな迫力のある棚を相手に格闘した。棚にはさまざまな段ボールやファイルがしまわれており、それを一つずつ確かめていくのは大変だったが、この手伝いをさっさと終わらせたい一心で作業の手を止めることはしなかった。
しかし目当ての書類は五分経っても見つからなかった。三つ目の棚を倒した友希那は吉田の方を見た。そこでハッとした。顔を上げて棚の向こう側を見た瞬間、吉田と目が合った。それはつまり、吉田はせっせと捜索をする自分の姿をずっと眺めていたということに違いなかった。友希那は戦慄した。この男は何をやっているのだろう、と激しく思った。
「あの、そっち、ちゃんと探してます?」
「もちろん」
吉田はあのにたにた笑いを顔に貼り付けて答えた。
「ところで友希那ちゃん。ちょっと見てもらいたいものがあるんだけど……」
「なんですか?」
友希那はなるべく感情を出さないように努めて発した。
「うん。ちょっとこっちに来てもらいたいんだけど……」
「……わかりました」
友希那はため息を吐いてから吉田の元に向かった。
「え……」
友希那はそこで再びハッとした。
吉田がズボンを脱いでいた。その下のパンツも下げており、丸見えになっている股間に付いている陰茎はぐぐっと立ち上がっていた。友希那は恐怖した。背筋が凍り付く感情だった。どうしてこの場で、この男が自分の股間を露出しているのかがわからなかった。
「な、なんですか」
友希那は数秒経ってようやく出せたその声で吉田に訊いた。すると吉田は口角を吊り上げた笑みで友希那に迫った。
「なぁ、僕のおちんちん、友希那ちゃんのせいでこんなに大きくなっちゃったんだよ? 責任、取ってくれるよね?」
「ふ、ふざけないでっ。何が責任よっ! そんなものっ」
友希那は素早く逃げ出そうとした。今すぐこの男から、この部屋から脱したかった。しかし友希那が行動を起こすよりも先に、吉田が右手首を掴んだ。そしてその手をぐいっと自分の股間に寄せると、友希那に無理やり陰茎を握らせた。
「やめて! やめなさいっ!」
友希那は叫びながら手を振り払おうとした。しかし以外にも吉田の腕力が高く、腕はその場に固定されたように動かなかった。素手の中には陰茎の感触があった。それは温かく、ぶよついているようでしかし硬かった。まるでゴムタイヤのようだ、と友希那は思った。
「へへへ……。まずは手コキしてくれよ、友希那ちゃん」
吉田がにたつきながら囁いた。
「嫌に決まってるでしょう? 何よテコキって……」
「手コキを知らないのか? でも大丈夫。そのまま握って上下に動かすだけだからさ……」吉田はさらににやついた。「それとも良いのか? 僕はこの学校の校長と繋がってるんだぞ? 一生徒の成績なんて、どうにでもなるんだぞ?」
それを聞いた友希那はどこかで聞いた噂を思い出していた。それは、この学校に勤めている用務員の吉田は、校長の親戚で、いわゆるコネでこの学校に入った、というものだった。友希那は吉田の目を見た。そこにはぎらついた輝きがあった。輝きは一切震えておらず、燦然としていた。本気だった。このまま友希那が言う通りにしなければ、本気で校長に掛け合い成績や内心などを自由に動かすつもりのようだった。友希那は悔しかった。ただの生徒にすぎない自分が、圧倒的な権力にひれ伏すことしかできない現実がどうしようもなく悔しかった。そのどうすることもできない屈辱を胸に、友希那は右手を動かした。
「おおっ! 友希那ちゃんの手、友希那ちゃんのお手手っ! 気持ち良いっ!」
吉田がうわごとのように呟いた。友希那の腕から手を離し、両肩をそれぞれ掴むとぎゅっと握った。
「もっとっ……、もっとしごけっ、友希那っ。友希那っ!」
「うるさいっ……」
友希那は言われた通りに手の動きを速めた。すると陰茎の先端から透明な液体が垂れて五指に絡みついたが、気にしている余裕は無かった。
(何よこれっ……、気持ち悪いっ)
その液体は香ばしい汚臭を放っていた。友希那の細い指にたらりと絡みつき、そのまま陰茎をしごくとぬちゃぬちゃという音が鳴った。
「おっぱい……」
「……はぁっ?」
「おっぱい揉みたいいいいっ!」
吉田は肩から手を離すと、そのまま友希那の乳房を激しく揉んだ。
(こ、この人っ! 私の胸をっ――)
本来愛する者と、その人物との赤子のために存在してる胸を、今は吉田が好きに揉んでいた。吉田の搾乳は激しかった。柔らかい乳房の形と弾力を確かめるように、執拗に揉んだ。やがて吉田は友希那の乳首を体操着の上から探り当てた。吉田の太い指が小さく固まった乳首に触れると、友希那は不意に「んあっ!」と叫んでしまった。それは完全な不意打ちだった。嫌悪の塊である吉田の指でそんな声を上げてしまったことが、何よりも辛い屈辱として脳裡に蔓延った。
「ああっ! 友希那っ! 次はキスだっ」
乳房から手を離した吉田は叫んだ。
「は、キ、キス……?」
「そうだっ! 僕とキスしろっ! 友希那のキス寄越せっ!」
嫌に決まっていた。こんな男との接吻が、人生で初めての接吻にしたくはなかった。しかし、再び友希那の両肩を握りしめた吉田は突き出した唇を友希那の方に突き出していた。完全に友希那と接吻をするつもりのようだった。友希那は拒もうと思った。しかし脳裡で、先ほどの吉田の「僕はこの学校の校長と繋がってるんだぞ?」という言葉が反響した。このまま言う通りに、言いなりにならなければ自分の学生生活が終了するような気がした。
「……わかったわ」
友希那は迫り来る吉田の唇に自分から唇を合わせた。
瞬間、ぶにっ、という柔らかい感触が現れた。それは自由自在に蠢き、友希那の唇を食んでいた。
(うええっ、最悪っ……)
吉田の唇だった。本来、愛する者にしか許されない友希那の神聖な唇が、名前と顔しか知らない汚らしい男に蹂躙されていた。唇は友希那の形を確かめるように蠢くと、すぐにその中から舌を繰り出し、友希那の中に侵入していった。友希那はその唐突の攻めに戸惑った。しかし困惑しているうちに吉田の舌は友希那の口内をまさぐり、舌に絡みついた。友希那は腹の内からこみ上げてくる吐き気を感じた。吉田の舌や唾液は不味かった。舌や口の粘膜でそれを感じるだけで全身に鳥肌がざわめき、脳の思考力が脅かされていた。それは細胞の次元から吉田の体液を拒んでいる証拠だった。
(どうして私がこんな奴とっ……、もう嫌っ、早く終わって……)
友希那は手の動きを速めた。それはこの、悪夢としか言いようがない行為をさっさと終わらせたい一心だった。柔らかい五指が竿を刺激すると吉田が呻いた。陰茎全体がさらに硬質化し、先端がひくひくと動き出した。吉田は友希那の口の一番奥に舌を突っ込んだ。その途端友希那には窒息感が襲った。口に栓をされたことで呼吸が困難になり、すぐに脳が真っ白になっていった。
「ううううううっ!」
吉田が友希那の口内に舌を入れたまま呻いた。陰茎から白濁の精液が飛び出していた。友希那の手淫によって極楽な射精をしていた。大量の精液は棚に振りかかり、ねっとりと汚していた。
「はぁっ、はぁっ。さ、最高っ……」
吉田は腑抜けた顔で友希那から顔を離した。友希那は吉田の陰茎からさっさと手を離したが、その五指は垂れた精液でぬめめっており、精液の糸が素手と陰茎を繋げていた。
「もう満足でしょう? 私、行くから――」
「待てよ」
吉田が呟くと一気に友希那に抱き着いた。太い両手を背中に回し、がっちりと押さえ込んだ。
「きゃっ!?」
唐突のことに友希那は悲鳴を上げた。しかし吉田はすかさず友希那の胸元に顔を埋め、鼻で空気を吸引した。
「んーっ、はぁあああっ。おおっ! 友希那ちゃんは良い臭いがするなあっ!」
吉田は良い臭いだっ、良い臭いだっ、と連呼しながら友希那の体臭を嗅いだ。
「き、気持ち悪いっ! 汗の臭いなんて、嗅がないでよっ……」
友希那はその行為の意味がわからなかった。ただ臭いだけの自分の汗の臭いを嬉々として嗅いでいる吉田のことが、何かおぞましい人間ではない別の生物だと思えてきていた。
「なあ友希那ちゃんっ。これで終わりなんて言わないよなっ? 僕のおちんちん、まだまだ遊びたいって言ってるんだぜ?」
吉田は友希那から離れながら自分の陰茎を指さした。それはいつの間にか再び持ち上がっており、先端からカウパー汁の透明で細い糸が垂れていた。友希那の汗まみれの体臭を嗅いで回復したようだった。そのことが信じられず、友希那はひたすら絶句した。
「なあなあ。セックス、しようよ……」
「嫌っ……」
友希那は身動きができなかった。完全に委縮していた。下半身全裸で佇む吉田に、心の底から戦慄していた。逃げよう、と素早く思考したが足は動かなかった。吉田の陰茎がびくんと激しく動いた。眼前の友希那を好き勝手に虐げたくてしょうがないようだった。その激しく蠢き陰茎を見た友希那は、まるで別の生物のようだ、と思った。
吉田がにやりと笑った。そして友希那に接近した。
「こ、こないでっ」
友希那は動こうと思った。しかし依然として手足は動かなかった。吉田は素早く友希那に駆け寄ると再び抱きしめた。汗ばんだ太い両腕が友希那の背中に回った。途端に友希那の鼻孔には、あの酸っぱいような汚臭が香った。それは吉田の発する体臭だった。友希那は吉田の腕を取り払おうとした。そこでようやく身体が動いた。しかし吉田の腕は強力だった。自分の腕を動かして払おうとしても少しも離れてくれなかった。
「へへへ、友希那ちゃぁんっ」
「な、何よっ――」
吉田が顔を友希那の顔に近づけた。すると体臭を数倍強めたような激臭が漂った。友希那は腹の底からこみ上げてくる吐き気を感じた。眼前には吉田の唇が迫ってきていた。
「またキスだっ。またキスするんだっ!」
「んむうっ!」
二人はすぐに接吻した。吉田は友希那の肉厚な唇を貪った。友希那は吉田から顔を背けようとした。しかしその瞬間、吉田が友希那の頭部を左右からがっちりと掴んだ。二人の間に距離は無かった。吉田の腰の硬い陰茎が、友希那の股の位置に触れていた。それは先ほどよりも強い不快な熱を帯びており、友希那の体操着のズボンに擦れる度にびくびくと震えていた。
吉田は友希那の口内に舌を突き入れた。そして柔らかい舌をしゃぶった。その仕打ちを受けた友希那は全身に鳥肌が繁栄していくのを感じた。唾液の汚臭が口いっぱいに広がり、不快感によって悪寒が身体を刺し貫いていた。自分の中の、接吻とは好きな異性とするものだ、という常識が音を立てて崩れていた。今自分がしているのは常識というレールから外れた不条理な行為だった。到底許される行為ではなかった。吉田は喜んでいた。友希那を理不尽に巻き込んで、自分だけの物にする感覚が心地良くてしょうがないようだった。
友希那の口内にあるのは不快な吉田の舌の感触だけだった。唾液を強制的に飲まされると吐き気がさらに強まった。やはり遺伝子の次元で吉田のことを嫌悪していた。そんなおぞましい存在とゼロ距離で抱き合い、唇を合わせている現実がどうしようもなく嫌だった。今の友希那は全てを吉田に支配されており、その感情も、その情緒もこの男によって管理されていた。
吉田がようやく口を離した。
「くっ……、このっ!」
その途端友希那は吉田の頬に平手打ちをした。自分の初めての接吻の機会を強奪した吉田のことが純粋に許せなかった。吉田のぶよついた頬を叩くと、パシン、という乾いた音が鳴った。しかし吉田は顔色を変えなかった。それどころか友希那に平手で打たれたことでさらに元気になっているようだった。
吉田はにやりと笑った。
次の瞬間握り拳が飛んできた。
「うぶっ!」
それは友希那の鼻頭に激突し、ガツンという脳の衝撃と共に友希那は後方に倒れた。友希那は吉田が殴ってきたという事実を遅れて察知した。
吉田は素早くしゃがむと友希那を組み伏せた。
「ぐへへっ……。今から友希那ちゃんを、僕のものにするよぉ……」
吉田の豪胆な腕力は友希那のか細い非力を簡単に蹂躙した。友希那は一瞬で吉田に力勝負で敗北した。友希那は吉田の陰茎を素早く見た。それは先ほどよりも一回りほど大きくなっていた。友希那はこれから自分がされる行為を素早く連想した。吉田の雄々しい竿によって自分の輝かしい『花園』が汚され、身勝手に性を吐き出されるだけの『便器』に成り下がる瞬間の映像が脳裡に現れた。
(い、嫌よっ……。そんなの、絶対嫌あっ!)
それは他の何よりも強い喪失の体験だった。友希那は必死に両手を振り上げた。しかし自分にのしかかる吉田の体重は圧倒的だった。友希那の枝のように細い腕など全く意に介していないようだった。吉田は友希那の体操着を上下どちらも剥いだ。布がびりびりと裂かれる音が室内に響いた。友希那の下着があらわになった。今日の下着は空色だった。吉田は次いでその友希那のパンツも破った。友希那の小さな、未熟な少女の割れ目が現れた。
「ま、待って……。お願いっ、やめてっ」
「へへへ……」
陰茎の先端の、丸々と肥えた赤い亀頭が友希那の膣口に触れた。その瞬間友希那の背筋に鋭い寒気が走った。それは骨髄に直接冷水を流されたような感覚だった。驚異である吉田の汚らしい象徴が、自分の最も大切で、これから現れるであろう最愛の人のためだけの秘密の場所に触れていた。それはどう考えても不法な感覚だった。本来自分の人生に一切介入することのないはずの汚物の塊の吉田が、どういうわけか自分の神秘に身勝手に触れて、弄んでいた。
(いやだあ……。こんなの嫌っ……。誰かっ、誰か助けてっ!)
吉田はそのまま腰を少しだけ友希那の方に押した。すると亀頭が小さな割れ目を押しのけた。少陰唇がぐにゃりと歪曲していた。膣口に触れたままの陰茎がさらに激しく震えた。それは陰茎が何が何でも友希那の『ナカ』に入りたがっている証拠のように思えた。待ちきれない感情を抑え込んでいる吉田はにやけていた。友希那の、友希那だけに許されたはずだった部位に直接触れていることがどうしようもなく嬉しいようだった。
「お願い許してっ……、中以外だったら、何でもするからっ」
友希那は必死に提案した。しかし吉田はその友希那の代替を無視した。
「おらっ!」
吉田は勢い良く腰を突き入れた。猛る陰茎が割れ目を完全に押し開き膣内に侵入した。その瞬間友希那には鋭い痛みが走った。それは股間の辺りにあった膜のようなものがぷっつりと切れる感触、破瓜の感触だった。吉田は強引に友希那の膣の最奥地に一気に陰茎を進めた。友希那には激痛が走った。膣がほとんど濡れていないため、ねじ込まれた陰茎が擦れると灼熱の痛みが走った。
「ああっ! 友希那まんこだあっ……」
吉田はようやく到達した友希那の花園の心地に浴していた。吉田の陰茎の形に歪み、拡張された友希那の膣はその痛みに悲鳴を上げていた。
「痛いっ! 痛いわっ! 抜いてっ、こんなものっ、今すぐ抜いてえっ!」
「抜くわけねぇだろっ! これから楽しむんだからよっ!」
友希那に上からのしかかるようにした吉田は高速で腰を振るった。
強引に広げられ、硬い物質をねじ込まれた膣のひだが吉田の竿を擦っていた。しかしそれは友希那にとって激痛以外の何でも無かった。股間が熱を帯び、切り裂かれるような感覚となっていた。とにかく今すぐ抜いてほしかった。しかしいくら叫んでも、吉田は夢中になって腰を動かすだけだった。吉田の腰遣いは完全に『交尾』だった。友希那のことを都合の良い雌か、あるいはみてくれが良いだけの肉便器であると認識し、自分の意のままに蹂躙できると確信しているが故の動物的な芸の無い動きだった。こんな不愛想な感覚が自分の初めての性行為だと考えると、脳の奥でひやりとした落胆の感情が溢れた。圧倒的な力で負かされている現実がどうしようもなく不潔なものだと思え、今すぐ逃げ出したい衝動に駆られた。
(やだあっ……。こんなの嫌あっ……)
強烈な竿の蠢きと、激しい腰の動きの前に、友希那の、いつもの冷静で大人びた矜持は全く無かった。そこにあるのは無垢で無力な少女が、ひたすらにおぞましい驚異に完全に敗北しているだけのあられもない姿だった。
吉田の太ましい腰が打ち付けられる度に、膣の中で竿が暴れる度に、友希那の身体はがくんと揺れた。吉田の驚異的な動きを全身で感じているようなその振動が、友希那はとにかく嫌だった。脳の中で必死に吉田との行為から思考を背けようとしても、その振動によって全ての逃避の思考が失速し、連れ戻されるように脳裡が吉田との行為に集中してしまっていた。
「こんなのっ、こんなの駄目よ……。無理やりなんてっ、無理やりなんてえっ」
「ふははっ。最高だっ! やっぱり友希那まんこは最高だあっ!」
吉田の腰遣いは止まらなかった。友希那の雌としての機能を隅から隅までしゃぶり尽くす勢いだった。膣の中でさらに肥大化する陰茎は、友希那の子宮に精子を植えつける準備を着々と進めていた。
自身に覆いかぶさって大きく動く吉田に対して、友希那はいつしか、その地獄のような行為がさっさと過ぎ去るのをただ待つようになった。虚ろな目で思考するそれは諦めだった。吉田の汚い手腕が自身の美しい領域に触れた時から感じていた、全身が痺れて脱力するほどの強烈な諦めの感情だった。そして脳路でその諦めを感じているということは、友希那は本能の所から吉田に敗北しているということだった。吉田に自分の、生物としての尊厳をすっかり明け渡しているということだった。しかしどうすることもできなかった。ここから自分が優勢に立ち、陰茎によって破瓜をされた事実が取り消しになることなどありえなかった。その耐え難い現実は友希那の脳裡に異様な存在感を放ちながら入り込み、この先も消えることは絶対になかった。
「このまま孕ませるっ! 孕めっ! 友希那孕めえっ! 孕めえっ!」
(い、嫌だっ……。子供なんて、こいつとの子供なんてっ……)
涙が流れた。それは大粒で、頬を伝る透明な雫だった。それを皮切りに友希那はしくしくと泣いた。目の前の吉田になす術も無い自分のちっぽけな力に泣いていた。いくら音楽で大きくなっても、所詮自分はか弱い『少女』なのだと思い知った。そして弱弱しい少女として、吉田に貪られるのだろうと思った。
(もう嫌あっ……、許してっ。許してよおっ)
すると吉田が友希那の涙を舐めた。頬にぞりぞりと触れる舌の蠢きが心底気持ち悪かった。しかし顔を払う気力すら無かった。そのため友希那は無抵抗で吉田に頬を舐められた。吉田は無遠慮で友希那の涙を舐め尽くした。腰の動きはさらに加速していた。友希那の膣の具合がよっぽど良いようだった。そしてすでに限界のようだった。次第に低く呻き始め、友希那の両肩をぎゅっと握った。そのじっとりとした汗の感触によって、友希那は背筋がざわざわと硬直するのを感じた。吉田の顔は緩んでおり、射精間近のようだった。
「うううっ! イくっ!」
吉田は友希那に腰をぴったりと合わせた。すると膣内で激しくのたうち回る陰茎の先端から大量の精液が流れた。吉田は射精中だというのに激しく腰を振るった。二、三度友希那に打ち付けると再び腰を添わせた。友希那のひだによって竿が刺激され、睾丸の奥に溜まっていた精液までもが尿道を伝って吐き出された。
(たくさん出てるっ! 私の中、汚されてるっ……)
友希那は腹の辺りに広がる不快な熱を感じていた。それは、自身の父から受け継いだ高貴な音楽の遺伝子を、汚らしい遺伝子でぐちゃぐちゃに破滅させられている感触だった。腹に染み込んでいくはっきりとした精液の感触があった。こうなってはもう後戻りはできず、一生この『汚れ』を背負って生きていくしかなかった。
それは粘り強い性欲を一気に放出する射精だった。吉田は友希那という、自分にとっての極上の雌に持てる性欲の全てを吐露していた。友希那の温かい膣に包まれた陰茎はびくびくと震え、長い長い射精を続けていた。
やがて吉田の射精が終わった。友希那の膣がよっぽど極楽だったらしく、自身の生命エネルギーすらも吐き出す勢いの射精だった。友希那の膣に精液を充填した吉田は満足げな顔で陰茎を膣から抜いた。自分専用の雌に『精液マーキング』をしたことでこみ上げてくる快感と共に、強烈な達成感を噛みしめているようだった。
吉田の陰茎はすっかり萎んでいた。その全体は精液と友希那の粘液でぬめめっていた。
「ふぅ……。いやあ、気持ち良かった。さすが、ガワが良い女はまんこの方も別格だね。ありがとね、友希那ちゃん!」
友希那の筋肉は弛緩してくたくたになり、指先すら動かせなかった。吉田との強制的な『交尾』によって全身がひどく疲弊していた。そしてそんな友希那の脳裡にはただ悔しいという感情だけが残っていた。自分の純潔を汚辱されただけではなく、膣内に出されたことで強姦は完全に終了し、『使われた側』の友希那に残っているのはひたすらに続く絶望だった。もう取り消すことのできない自分の初めての性的体験の暗澹とした記憶と、それに付随する暴力的で道徳心の無い吉田の腰遣いや膣にねじ込まれた陰茎の熱い感触が脳裡に蔓延り、友希那の美しかった日常と栄光を汚していた。さらに中に出されたことで友希那には一生消えない『強姦の烙印』が押され、たとえこの先どんな幸福にまみれたとしても、音楽で大成したとしても、頂点に到達したとしても、その一番奥に潜む吉田の暴行の記憶が邪魔をし、再度絶望して苦しむはずだった。
すると吉田が床に放ったズボンから携帯電話を取り出し、素早く操作すると友希那に向けた。次の瞬間カシャリ、という音が鳴り白い閃光が放たれた。どうやら吉田が今の友希那の姿を写真撮影したようだった。
「ああっ。レイプ後の友希那ちゃん見てたらまた立ってきた……。ね、ねえ、ひとまず舐めてくれない?」
友希那は虚ろな目で吉田の腰を見た。そこにある陰茎はいつの間にかすっかり英気を取り戻しており、限界まで勃起してびくびくと震えていた。その全身は粘液でぬめめっていた。友希那は嫌だった。吉田の精液が付着したものなど口に含みたくなかった。
「おい。どうした? 聞こえたか? 舐めろって言ってんだよ」
吉田が豪胆な声色で叫び、友希那の両開きになった足を平手でぺちぺちと叩いた。友希那はぼうっとする頭で必死に思考した。写真を撮影されてしまった以上、もう自分は、このまま吉田専属の『肉便器』になるしかないような気がした。音楽と友情と平穏で保たれていた自分の日常はもう戻ってこないような気がした。くたくたになった身体と思考で反撃することなどできず、警察に駆け込んだとしても自分がこれまで被った、尊厳を根っこの位置から破壊する屈辱的な被害を語ることなどできず、つまりもう、どうすることもできなかった。
友希那は腹に力を入れて起き上った。そして吉田の方に土下座をするように屈むと、腰の位置に頭を落とした。これじゃあまるで犬のようだ、と思った。この男に忠誠を誓う犬のようだ、とぼんやりと思った。眼前には激しく勃起した陰茎があった。その太い竿部分には血管が走り、黒ずんだ全体は禍々しかった。こんなものが自分の未開発の膣をえぐり、激痛と共に『中出し』したのかと思うとやはり悔しさがこみ上げてきたが、落胆した思考ではどうすることもできなかった。
友希那はその怪物の先端をゆっくりと唇で食んだ。丸っこい亀頭を撫でるように数回這うと、そのまま一気に奥まで咥えた。舌にぬるついた感触が現れ、同時に顔をしかめたくなる刺激的な不味さが広がった。
「おほっ! 友希那の口まんこっ! 最高っ!」
吉田の上擦った声が響いた。