クラスメートに弱みを握られ恥ずかしいことを要求されちゃう件 作:チャンドラ=グプタ
次の日、俺はスマホにセットしておいたアラームと共に目を覚ました。
ベッドから起き上がり、カーテンを開けると眩い光が差し込んできた。
なんと爽やかな朝だろうか。まさにデート日和という感じだ。
今日は明里とデートをする日ということで、俺は期待に胸を膨らませていた。
優香には明里とデートするため、放課後に例の部屋には行けないことを昨日、スマホのメッセージで伝えておいた。
朝食を取った後、俺は学校に向かった。
教室に入ると俺の席の近くで優香と明里、そして早希の三人が話しているのが見えた。
「あ、おっはよー! 宏君」
席に近づくと、明里が挨拶をしてきたため、俺も「おはよう」と挨拶を返した。
「宏君、おはよー。ねぇ、明里。本当に今日も部活、休みにするの? 私からみんなに部活に来るよう伝えようかなって思ってたんだけど」
「ありがとう、早希。けど、今日は宏君とデートするから!」
明里が俺と腕を組んできた。
サラサラとした明里の髪からシャンプーの良い香りが漂い、ドキッとする。
「え……」
明里が堂々とデートをすると宣言すると、早希は目を丸くした。
さらに明里の発言を聞いた周囲の男子生徒も俺に視線を集めた。
おいおいおい。俺、死ぬわ。
「あははは! 早希、もしかして宏君が取られそうでショックー?」
違う、そうじゃない。頭の中で某有名歌手が出てきた。
明里は盛大な勘違いをしている。
早希が好意を抱いているのは俺ではなく、明里の方である。
「い、いや……バレーが恋人の明里がデートなんて珍しいなーって思ってさ」
「え、明里って去年までバレー部の先輩と付き合ってたじゃん。早希、知らなかったの?」
「え、そうなの!? 聞いてない。私、聞いてないよ!」
早希がものすごい勢いで明里に詰め寄った。
明里は余りの勢いに若干引いていた。
「ま、まぁ……けど、結局先輩とはほとんど何もしないまま別れちゃったし。早希が気づかないのも無理ないよ」
「ふーん。優香には言って、私には言わなかったんだ……」
「そ、そういう訳じゃ……」
「冗談だよ! 明里のことだし、部活のみんなには隠しておきたかったんでしょ。けど、私くらいには教えて欲しかったなー」
早希は笑ってこそいるが、目から光が消えているように見えて何だか不気味であった。
「ごめん、ごめん。もしも宏君と付き合うことになったらちゃんと報告するからさ!」
明里は冗談っぽく言うと、前方から並々ならぬ殺気を感じた。
凄まじい殺気を飛ばしていたのは雅理と灯政であった。
般若のような形相で俺を睨んでいる。
これは掃除の時間、覚悟しておかないとな……
もっとも、あの二人よりも早希が俺に対してどんな思いを抱いているのか考える方が恐ろしい。
「まー、そうなったら面白そうだね」
「なーに? 優香。もしかして、宏君が取られそうで妬いているのー?」
「そんな訳ないっしょ」
優香が真顔で答えた。
優香の言う通りだ。そんな訳がない。
なにせ優香は俺のことを面白い
「素直じゃないなぁ。優香は。それが優香の良いところだけどね」
「なーに言ってんだか……」
チャイムが鳴り響き、俺にとって長い一日の授業が始まった。
午前中の授業が受わり、お昼休みがやってきた。
俺は例の部屋に向かうべく廊下を歩いていた。
授業の休憩中、優香から例の部屋に来るように言われていたのである。
「ちょ、優香。そこはダメだって……」
「ほうほう、相変わらず早希はお尻が弱いようで」
部屋の中に入ると、優香が早希のスカートの中に手を突っ込み、尻を揉んでいる様子が目に入った。
早希は息を激しく乱していて、とても気持ち良さそうであった。
「あ、宏君」
俺に気づいた優香は尻を揉むのを止めた。早希は恨めしそうに俺を見つめた。
「ちぇ……良いところだったのに」
「お取込み中に悪かったな……それで優香、ここに呼んだのはどんな要件なんだ?」
訊いてはみたが、大体の想像は付いていた。
「今日は放課後にチェックできないからね。お昼休みにおちんちんチェックさせてもらうよ!」
「えっと、早希もいるのに?」
「もう昨日、見られてるでしょ! ほら、早くしなさい」
いや、確かにそうなんだけどさ。
俺はズボンとパンツを脱ぎ、優香と明里に股間を見せた。
二人は俺の股間に顔を近づけ、マジマジと観察した。
美少女二人に局部を曝け出しているというこの状況は、側から見れば異様な光景であることは間違いない。
「うふふふ……ちゃんとオナ禁してるんだね。偉い、偉い」
「う……」
優香に褒められて興奮したせいか、股間がムクムクと大きくなっていった。
勃起する様子を見た早希は「すっご……」と小さく呟いた。
「いよいよ、明日だね」
「ほ、本当に抜いてくれるんだよね?」
優香に抜いてもらう。
それを励みに六日間もオナニーを我慢してきた。
ここで約束を反故にされたら発狂する自信がある。
「勿論。けど、あと一日。気を抜かないでね? 精液の方も」
「優香。私も宏君を抜くところ見たーい!」
「ダメだよ、早希。明日は二人っきりで楽しみたいから……ね?」
優香が可愛らしくウィンクをした。
『二人きり』という単語に思わず期待してしまう。
もしかしたら、抜く以外にも何かしてくれるのではないだろうか。
「えー、ずっるーい!」
早希は頬を膨らませ、不満そうな表情をした。
「それに早希、明日は部活じゃないの?」
「まぁ、そうなんだけどさ……部活に行く前に宏君が射精するところ、見たかったなぁ」
「二人でエッチする時まで我慢しなさい」
「はーい……にしても、明里とデートできるなんて良いなぁ。私も男に生まれたかったよ」
「なぁ。早希は俺に怒ってないのか?」
俺から誘ったわけではないとは言え、早希の好きな人とデートをするのである。
俺に対して怒りを感じていてもおかしくないと思ったのだが。
「別に怒ってないよ。私は絶対に明里と付き合うつもりだし、それに……」
早希は立ち上がると、ぎゅっと右手で俺の股間を握ってきた。
絶妙な力加減で全身の血液が股間に集まってくるかのようであった。
「う……」
早希の手の感触が股間から伝わり、余りの心地良さにただ握られただけなのに先端部分からヌルヌルとした白い液体が少し出てきた。
「もしも宏君が明里と付き合ったらエッチの時、混ぜてもらうつもりだから!」
早希は堂々と3P宣言した。
美少女二人と同時に性行為をする……男子にとっては夢のようなシチュエーションである。
「宏君の精液、もーらい!」
「んあ!」
股間にさらなる刺激を感じた。
優香は股間の先端部分から出た精液を人差し指で触れ、指に付着した精液を美味しそうに舐め取った。
「はぁ……美味しいな。宏君の精液は」
優香に精液の味を褒められてとても嬉しい気分になった。
もっと舐めて欲しい。できれば口で直接。
「あー! 優香だけずっるーい。私にも舐めさせてよ」
「えー? しょうがないなぁ。宏君。あとちょっとだけ精液出して」
「いや、無理言わないでくれよ……」
出す精液の量をコントロールするなんて、そんなの不可能である。
「なら、しょうがないなぁ……」
優香はスマホを取り出すと画面を俺に見せてきた。
『あーもう、明里。良い加減にして。早くシャワー浴びよう』
『はい、はーい』
動画内の早希がパンツの裾を掴み、足元までずり下ろした。
パンツのみ履いていた状態の早希は生まれたままの姿となった。
早希の豊満な胸と秘所がバッチリとスマホに映っており、秘所には全くもって毛が生えていなかった。
ツルツルというのは本当だったようである。
「こ、これは……」
この動画には見覚えがあった。
確か前に優香の家に遊びに行った時、途中まで視聴していた脱衣所での盗撮映像である。
「うふふふ。そうだよ。見覚えあるでしょ?」
「あー! それ、優香が撮ったの? 勝手に撮るなんてひどーい!」
「いいじゃん。宏君、今めっちゃ興奮してるんだしさ……」
やばい。早希の裸を見たせいでめっちゃドキドキする。
しかも、目の前にはその本人が俺の股間を握っている。
動画を見たことで制服を着ている早希の全裸姿が安易に想像できてしまった。
ピュッと股間から先ほどよりも多めに精液が飛び出て、早希の手に滴り落ちていった。
『うわー! 早希のアソコ、ツルツルでいいなー』
『そんなことないよ……私、ツルツルなの気にしているんだから』
『私はまた最近、生えてきちゃって……そろそろ剃ろっかなー』
画面に映る明里がパンツの裾に手を掛け、脱ごうとした。
夢にまで見た明里の
早く見たいと思っていたら優香はスマホの電源を切ってしまった。
「あぁ……ちょっと!」
「明里の裸まで見せたら宏君のちんちん爆発しそうだからここまでね!」
「そ、そんなぁ……」
早希は俺の股間から手を離し、手に付着した精液を愛おしそうに舐めていた。
「宏君のせーえき、本当美味しいな」
早希にも精液の味を褒められて嬉しかったが、動画を丁度良いところで切られてもどかしい思いに駆られた。
「そんな悲しまなくても私が明日、気持ち良くしてあげるからさ」
優香はシコシコと手で扱く動作を見せてきた。
優香の手コキ、果たしてどれくらい気持ち良いのだろうか。
思いっきり射精して、優香のことをびっくりさせてみたい。
「私とも来週エッチしてね。約束だよ?」
「う、うん……」
今日は明里とデートをして、明日は優香に抜いてもらい、来週は早希とエッチをする。
そんな夢のような日々が俺を待っている。
昼休みが終わり、午後の退屈な授業を一通り受け終えると掃除の時間がやってきた。
「宏君! 明里さんとデートなんて、一体全体どういうことなんだい?」
雅理が俺に問い詰めてきた。
いずれ来るとは思っていたが、どう説明すれば納得してくれるだろうか。
「部活の悩みとか聞いているうちにそうなったっていうか……でも、本人は冗談っていうか別にデートのつもりはないと思うよ」
出来るだけ簡潔に状況を説明した。
しかし、雅理もその隣にいる灯政も納得していないのか未だに仏頂面である。
「そうか、そうか、つまり君はそういう奴なんだな」
雅理はまるでエー◯ールのようなセリフを吐いた。
あの話に出てきたクジャクヤママユを明里とするならば、さしづめ俺はそれを勝手に持ち出した主人公といったところか。
「見損なったよ、宏君。君は早希さんがタイプだったんじゃないのかい? 早希さんへの思いはそんな軽いものだったのかい!?」
あっさりと優香から明里に切り替えた灯政にだけは言われたくないと思いつつも、俺は何とかこの場を穏便に済ませる方法を必死に考えた。
この場はひとまず、明里はただの友人だと言い張るしかないか。
「明里は何ていうかただの友達で……本当にデートとかそういうんじゃないから! 信じて…………ね?」
雅理は「うーん」と低い声で唸った。
「まぁ……宏君がそこまで言うのなら」
渋々ながらも納得する雅理、
「ちくしょう……俺も明里さんと友達になってデートしたいよぉ……」
と悔しそうに嘆く灯政であった。
掃除の時間が過ぎ、ホームルームも終わると、待ち望んでいた放課後の時間になった。
優香と早希はすぐさま教室から出て行った。
例の部屋で話していたのだが、二人は優香の家で仲良しするらしい。
自分の席で教科書を鞄に入れていると、明里が近づいてきた。
「宏君、準備できたら良い?」
「う、うん……ちょっと待って」
教科書を鞄に入れ終えると、明里と一緒に教室を出ることにした。
俺が明里と並んで廊下を歩いていることに対し、他の生徒は好奇と嫉妬の目を向けていた。
「宏君。サオンでデートしようと思うんだけど、良いかな?」
「うん。というか、むしろそこしかないでしょ」
俺が住んでいるところは田舎であるため遊べるところが少なく、サオンモールが娯楽の支えとなっている。
サオンモールは各地の地方都市に点在している大型ショッピングセンターであり、映画館もあるなど学生の定番の遊び場となっている。
「あははは! そうだよねー。それじゃ、行こっか」
学校からサオンまではやや距離があるため、バスで移動する。
整理券を取り、二人用の席に座った。
バスが発進し、前方に軽い慣性が働いた。
「宏君。私、見たい映画があるんだけど、良かったら一緒に見てくれない?」
「良いけど、何の映画?」
明里は俺にVサインを見せた。
「ツーピースだよ!」
そうだった。今日からツーピースの映画が公開されるんだった。
原作者が監督・脚本を手がける『ツーピース フィルム:マゼンタ』は某有名歌い手が声優を務めると、ネットニュースなどでかなり話題になっていた。
「そっか。今日から公開だったね。俺も楽しみだな」
「でしょ、でしょ! ずっと見たいと思ってんだー」
バスの中で俺と明里はツーピースの話を始めた。
かなり話が盛り上がったが、いつの間にかバスはサオンのバス停に到着していた。
俺達は運賃を支払い、バスから降りた。
映画が始まるまで少し時間があるため、服屋に入り時間を潰すことにした。
明里は鼻歌交じりに服を手に取り、楽しそうに見つめていた。
「ねー、宏君。これとかどうかな?」
明里が手に持っていたのは黒いプリーツスカートと白いTシャツであった。
「うん。似合うんじゃないかな?」
「そっか。ちょっと試着してみようかな……」
明里は服を試着室に持って行った。試着室のカーテンを閉め、着替えを始める。
あのカーテンの向こう側で明里が着替えている――そう考えると何だかソワソワする。
落ち着かない様子で待っていると、カーテンが開いた。
「ど、どうかな……」
黒いプリーツスカートと白いTシャツを着た明里は平たく言って、とても可愛らしかった。
スカートの丈は学校の制服よりも短く、明里の綺麗な脚が一層際立っていた。
「う、うん……すごい似合ってると思うよ」
「そうかな。えへへ……宏君に褒められるとなんか照れる」
明里は照れ臭そうに自身の髪を撫でた。
あぁ。やばい。明里、めっちゃ可愛いな。
優香も早希もかなりの美少女なのだが、色々とぶっ飛んでいるため、正統派美少女の明里は恋愛的な意味でドキドキする。
「けど、スカートの丈が短くてちょっと落ち着かないかも。パンツ見えそうで心配になるね」
「そ、そうか……」
授業中にスカートを捲って思いっきり生脚を曝け出しているのに、パンチラしないか不安らしい。
そういうところ、なんか少しズレてるな。
服屋を見た後、明里は水着を見たいと申し出たため、スポーツの専門店に入ることにした。
「水着も色々と種類あるね。宏君はどれが良いと思う?」
「えーっと、そうだね……」
本音を言えば、生地面積の少ないビキニが好みなのだが、馬鹿正直に言えばドン引きされることだろう。
「これとかかな」
悩んだ挙句、俺はオーソドックスなセパレート式の水着を指差した。
それなりに生地面積があり、我ながら下心を感じさせないチョイスだと思った。
「そっか。宏君はこういう水着がタイプなんだね」
「ま、まぁね……」
本音は生地面積の少ない(以下略)
「ねぇ、宏君。夏休みに入ったらさ、一緒に海行かない?」
「海?」
「うん! 優香と早希も誘ってさ。楽しそうじゃない?」
「そ、そうだな……」
とても魅力的な誘いではある。
美少女三人の水着を拝めるなんて、一生無い機会かもしれない。
そんなことを考えていると明里はなぜか自身の胸を揉み始めた。
「あーあ。私も早希みたいに胸大きかったらなぁ……ビキニで宏君を悩殺できるんだけど」
「の、悩殺って!」
確かに水着と聞いて真っ先に思い浮かべたのが早希の水着姿なのだが、きっと男子なら理解してくれるはずだ。
爆乳女子の水着姿なんて見たいに決まっている。
「あははは! 冗談だよ。それじゃ、そろそろ映画見に行こうか」
時間を確認すると、上映時間の十分前であった。
券売機でチケットを購入し、映画館へと入った。
今日は平日のためか、劇場内はそれなりに空いていた。
近日公開予定の映画予告が流れると、やがて岩に波がぶつかるシーンへと切り替わり、ついに映画が始まった。
壮大なBGMと共に初めてツーピースを見る人のためか、これまでの冒険を簡単に振り返るあらすじが流れた。
映画は一時間半ほどで終了し、映画館を出た後、俺たちはサオン内にあるファミレスに入った。
「いやー! めっちゃ面白かったね、宏君」
明里は映画を絶賛していた。俺も明里に同感であった。
ストーリーも脚本も申し分なく、最近見た映画の中では一番だったと言ってもいい。
「うん。すっごい面白かった。まさか、終盤であの技を使うなんてな」
「だよねー! 古参ファンにとっては嬉しいサプライズだよね、本当」
嬉々として映画の感想を語りあっていると、注文していた料理が運ばれてきた。
俺が注文したのは人気メニューの一つであるミラノ風ドリアである。
「宏君が注文したドリア、美味しそうだね。一口食べてもいい?」
「うん。良いよ」
「ありがとう。それじゃ、いただきまーす」
明里はスプーンでミラノ風ドリアを掬い、美味しそうに食べた。
「めっちゃ美味しいね。宏君も私のやつ、一口食べてみる?」
「うん。それじゃ、俺もいただきます」
俺は明里が注文したオムライスを一口貰った。
卵がトロトロしていて、とても美味である。
ここのファミレスは低価格ながら味の方はかなり美味しい。
「めっちゃ美味しいね」
「でしょー! ここのオムライス、好きなんだ。それと宏君。今日は付き合ってくれて本当ありがとうね」
「こちらこそ。すっごく楽しかったよ」
こんな風に女子と二人きりでショッピングを楽しんだのは人生で初めてであった。
今日が人生最良の日だと言っても過言ではない。
「あのさ……宏君って、優香のことが好きなの?」
唐突な質問に俺は何と答えるべきか悩んだ。
「それは恋愛的な意味でってことか?」
「うん」
明里が深く頷いた。
俺は優香にオナニーなど、恥ずかしいことを要求されることに興奮を感じている。
しかし、優香のことが恋愛的な意味で好きかと聞かれたらおそらく違うのだろう。
どちらかというと、デートなどそういったことは明里としてみたい。
「いや。恋愛的な意味でなら好きではないんだと思う」
「そっか」
優香はなぜか安心したように微笑んだ。
この流れは……まさか……
「宏君、私ね……」
明里に告白されるのだろうか。
「びっくりするかもしれないけどね……優香のことが好きなの」
「え…………?」
本当にびっくりであった。明里が優香を好きだと!?
早希は明里が好きだし、何という三角関係だろうか。
当の俺は完全に蚊帳の外である。
「びっくりしたよね。私、女なのにさ……」
「い、いや……別に変ではないと思うけど」
「そうかな。宏君は同性同士の交際っておかしくないと思う?」
「うん。思うよ」
本人同士が好きであるなら別に性別は重要ではないと考えている。
それよりもてっきり明里から告白される流れだと思っていたため、泣きたくなりそうだ。
いや、だってさ。
デートに誘ってくるわ、思わせぶりな発言も多々あったし、やっぱり健全な男子なら期待しちゃうよね!?
「そっか。バレーしてる時の優香は本当にカッコよかったの。今でも私の憧れで、好きな人。でも、イケない恋だって思ってたから男子バレー部の先輩と付き合って普通の恋愛しようとしたけど、やっぱりダメで……」
明里は目に涙を浮かべていた。
部員と揉めた時ですら泣いてなかった明里が泣いている。
かなり苦しんでいたのだろう。
今でこそLGBTという言葉が知れ渡るようにはなったが、同性愛に嫌悪感を抱く人はまだまだ多い。
「それで、明里は優香と付き合いたいのか?」
「いや、さすがにそれは……」
明里は優香との交際を躊躇っているようであるが、実際のところは不可能ではないだろう。
その場合、早希がショックを受けることにはなるのだが。
「気持ちを伝えたら、私のこと気持ち悪いって思うかも……」
「そんなことで優香が明里のことを気持ち悪いだなんて思ったりしないよ」
「本当に?」
「明里が一番良く知ってるんじゃないのか。小学校からの付き合いなんだろ?」
明里と優香がどんな小学校時代を過ごしてきたのかは知らないが、今日までずっと仲良くしてきた二人である。
強固な二人の仲は簡単に揺らぐことはないだろう。
「そう……だよね。本当はさ。今日、宏君に告白しようかなって思ってたんだよね」
「そうなんだ。正直、ちょっと期待しちゃったよ」
「ごめんね。ショックだった?」
「そりゃあね」
俺は出来るだけ冗談っぽく言った。
正直、俺は今にも泣きだしそうであるが、必死に涙をこらえていた。
「けど、これだけは信じて欲しいの。宏君は男子の中で一番好きだよ。何たって、優香が唯一仲良くしている男子だからね!」
嬉しそうに優香のことを話す明里はまさに恋する乙女であった。
「そっか。本当に明里は優香が好きなんだな」
「ま、まぁね……」
俺が指摘すると、明里の白い頬が瞬く間に朱色に染まった。
輝かしい女子同士の友情と愛情に俺が入り込める余地は無さそうだな。
料理を食べ終えると、お会計を済ませて店を後にした。
明里はサオンから近いところに家があるため徒歩で帰るのだが、俺はバスで帰るため、ここで解散することにした。
「それじゃ、また明日」
「また明日ねー! 宏君、バイバーイ!」
明里の姿が見えなくなるまで俺は彼女の背中を見続けた。
やってきたバスに乗り込み、心にぽっかりと空いた喪失感を感じながら帰宅する。
落ち込むな、俺。
元からあんな美少女と付き合うという方が無理だったんだ。
「ううぅ……!」
その日の夜。俺は明里の陰毛が入ったガラスの小瓶を握りしめ、枕を濡らしながら就寝した。