クラスメートに弱みを握られ恥ずかしいことを要求されちゃう件 作:チャンドラ=グプタ
Q.人生において、男の性欲が一番強い時期は果たしていつか?
A.それは間違いなく中学生の時であった。
この俺、
あの頃は本当良かったな……
公園のベンチで、缶コーヒーを片手に物思いにふける。
高校卒業後、俺は東京の大学に進学した。
大学三年になり、今は就職活動中なのだが、まだどこからも内定が出ていない。
このままでは、ニートまっしぐらである。
スーツのポケットに入れていたスマホがブルルと振動した。
スマホを取り出し、電源を入れると、応募した企業からのメールで会った。
――今回の選考についてですが、選考の結果、ご希望に添いかねることとなりました。柏木宏様の今後一層のご活躍をお祈り致します。
「ちくしょう……またダメだったぁ」
もう何度、企業にお祈りされたか分からない。
こんなにお祈りされたら、どこかから一つくらい内定を貰ってもおかしくないと思うのだが。
「はぁ……空は青いな」
俺の頭上には雲一つない青空が広がっている。
高校時代、俺には東京に強い憧れがあった。
猛勉強の末に俺は志望校である東京の大学に合格することができた。
東京での大学生活はそれなりに楽しかったが、自分の思い描いていた刺激に満ちた生活とはかけ離れていた。
今は東京の企業を中心に就活を続けているものの、大学卒業までに内定が出なかったらもう地元に帰ろうかなと考えている。
再びスマホが振動した。
何だろうか。もう選考中の企業は無いはずだが……
スマホを確認するとメッセージが届いており、なんと相手は
――おひさ。今、東京にいるんだけど今日の夜に会えたりする?
ドクンと心臓が大きく鼓動した
。
優香は中学時代からの同級生であり、高校卒業してからはほとんど連絡を取っていない。
俺と優香は交際こそしていなかったものの、何度もエッチしたことがあり、例えるならセフレに近い関係だった。
『久しぶり。特に予定は無いから会えるよ』とメッセージを返すと、すぐに待ち合わせ場所と時間に関するメッセージが返ってきた。
俺は公園を後にし、ひとまず帰宅することにした。
帰宅後、俺はリクルートスーツから私服に着替え、待ち合わせ時間までダラダラと過ごした。
「さてと……そろそろ行くか」
優香が指定した店は雑居ビルにある大衆居酒屋であった。
俺の家から電車で三つ離れた駅の近くにある。家を出てから二十分ほどで到着した。
「いらっしゃいませー! 一名様でしょうか?」
店に入ると、元気そうな大学生くらいのバイトが出迎えてくれた。
優香のメッセージによると、鈴木で予約しているらしい。
「えっと、鈴木で予約しています」
「ご予約の鈴木様ですねー! こちらになります」
店員が奥のテーブル席に案内してくれた。
俺に気づいた優香が軽く手を振った。
優香と向かい合わせになるように座った。
久々に優香を見て、物凄く綺麗になったなと思った。
綺麗な長い黒髪、クリッとした大きな双眸、シミひとつないキメ細やかな肌――優香の美貌は高校時代からさらに磨きがかかっていた。
「久しぶりだねー、宏君! 久々の再会を祝って乾杯しよっか。飲み物、何にする?」
「久しぶり。えっと、じゃぁ……とりあえず生で」
「オッケー! すみません、店員さーん!」
優香が店員を呼び、飲み物と料理を注文してくれた。
飲み物が運ばれてきたところで、俺達は乾杯をすることにした。
「それじゃ、私達の再会を祝福して……かんぱーい!」
「か、かんぱーい……」
お互いのグラスジョッキをぶつけ合い、生ビールを喉に流し込んだ。
こうしてサシで優香とお酒を飲むのは初めてである。
優香はさながら仕事帰りのサラリーマンのようにグビグビと美味しそうにビールを飲んでいた。
「いやー。色んな国のお酒も飲んでたけど、日本のビールが一番美味しいや!」
「そういえば、世界中を旅してたんだよな」
優香は高校卒業後、進学も就職もせずに世界へと旅立った。
優香が言うには、やりたいことを見つけるための旅らしい。
旅行の資金源は主に投資で稼いだもので、優香は高校時代に株やビットコインなど色んなものに手を出していた。
「そうだよー。個人的にはマチュピチュが一番良かったかな」
「マチュピチュって、ペルーにある世界遺産だっけ?」
前にテレビの特集で見たことあるような気がする。
確か、空中都市と呼ばれている人気の高い世界遺産だったはずだ。
「そー、そー! インカ帝国の遺跡でさ。知ってた? インカ帝国の皇帝の名前ってマンコなんだよ! マンコ! 王様だから御マンコだね!」
「あ、あんまり人前でマンコって連呼しないでくれないか……」
優香は「うひひ」と下品な笑みを浮かべ、ビールを一気に喉へと流し込んだ。
「マンコを連呼。宏君に付いてるのはチンコ。YO!」
何がYOだ。
下品なラップを披露する優香に、俺は思わず苦笑した。
「優香は変わらないな。人生楽しそうで何よりだよ」
「宏君は楽しくないの? 大学生活」
「いや……それなりには楽しいよ。けど、今就活中でさ。まだどこからも内定貰ってないんだ」
「就活かー。あれ、中々大変そうだよね。宏君はやりたい仕事とかあるの?」
就活前には自己分析もしたし、業界研究も行った。
それでも心の底からやりたいという仕事を見つけることができなかった。
ただ、闇雲に大手企業を受けているだけだ。
「正直……無いかな。だから、一つも内定が出ないんだと思う」
優香は「そうなんだ」と呟き、枝豆を口に放り込んだ。
「けど、あれだよ……宏君は立派だよ。私さ、働きたくないんだよね」
「いや、まぁ……それは知ってるけど」
高校時代の優香は口癖のように『働きたくない』と言っていた。
俺だって働かずに暮らせるならそうしたいが、そうも言ってられない。
「そもそも、労働は悪だと思うんだよね。長時間、職場に拘束されてさ。しかも、クソうっざい上司に良いように使われて……それでせいぜい給料二十万くらいなんでしょ? そんなのやってられないよ」
「言いたいことは分かるけど、働かないと食っていけないだろ。優香は投資で儲けたお金があるのかもしれないけど……」
「いや? もう無いよ」
「え、無いのか?」
具体的な金額こそ聞いてはいないものの、高校時代の優香はかなり投資で稼いでいたはずだ。
そうなると、世界旅行で使い果たしたのだろうか。
「うん。この前、ラスベガス行った時にさ。思いっきりスっちゃったんだよね。いやー、あれは流石にショックだったなー」
ギャンブルでスったって……どこぞのカ〇ジだよ。
「じゃ、じゃあさ……どうするんだ、これから。また投資で儲けるのか?」
「それも悪くないけど……実は起業しようと思って」
「き、起業!?」
斜め上すぎる発想だと思った。
ギャンブルでお金をスったから起業するなんて……
相変わらず、優香の考えることは俺の予想を遥かに超えてくる。
「うん。私がOLになっても、美人すぎてセクハラされると思うからね。だったら、もう自分で会社を興すしかないと思ったわけだよ」
「そ、そうか……」
美人すぎてセクハラされるって、すごい自信だな……
いや、確かに優香は高校時代と比べてとても艶っぽくなった。
大学でも優香ほどの美貌を持つ女性はいない。
「宏君を飲みに誘ったのはね、勧誘の為でもあるんだ。良かったら一緒に起業してみない?」
「起業……優香と……」
一瞬、自分の心の中でワクワク感が過った気がする。
だが、きっとそれは間違いだ。
起業なんて、そんな上手くいくはずがない。
「そー、そー! 宏君って経営学を専攻してるんでしょ? 宏君には社長やって欲しいなー」
「お、俺が社長かよ!? そもそもさ、何の会社を作るつもりなんだ?」
俺が訊くと、優香は『パチン』と指を鳴らした。
「IT企業だよ! 一時期、シリコンバレーに住んでたんだけどさ。現地の人達から起業のことを色々教わったんだよね」
「シリコンバレーって、あのアッ○ルとかグー○ルとかある、あの……」
「うん。旅行の資金が無くなりそうになってさ。マ○クロソ○トの社員さんに昔作ったアプリを何個か買い取ってもらってね。その時、誘われて二ヶ月間だけ働いてたんだ」
「えぇ……」
あまりに凄すぎてドン引きした。
優香のしたことは一流大学卒の人でもなかなかできることじゃないだろう。
俺と優香が如何に次元の違う人間であるかを実感した。
例えるなら、戦闘力のインフレに付いていけなくなった地球人のような気分だ。
「優香、お前……本当にすごいな。それに比べて、俺はダメダメだ。残念だけど優香の役には立てないよ」
「なーに、言ってんの! 私から見たら、宏君の方が遥かにすごい人間に見えるよ」
優香はたこわさを食しながら、説得力皆無なことを言ってきた。
俺がすごい人間だと?
優香と比べたら、俺はどう見ても凡人だ。
「何言ってるんだ。俺なんて……」
優香は「いやいや」と否定し、だし巻き卵に醤油を垂らした。
「普通に大学行って、就職活動をする。そんな当たり前のことができない人間が目の前にいるじゃん? 私から見れば、宏君の方が立派に見えるわけですよ。仮に私が就職して普通に働いても……まぁ、上手くはいかないだろうね」
「だから、起業するってことか?」
「まぁ、それもあるんだけどさ……」
優香はビールを飲み干し、「すみませーん!」と店員を呼んだ。
すぐに店員が俺達のテーブルに来てくれた。
「生一つ追加で! あ、宏君はお代わりいい?」
「俺はまだ大丈夫かな……」
その後も俺達はたわいもない会話を続けた。
二時間ほど飲み食いしたところで、俺達は店を出ることにした。
たくさんお酒を飲んでいた優香はぐでんぐでんに酔っていた。
明らかに優香の方が多く飲んでいたが、「割り勘でいいか? ヒロシマン」と言ってきたため、割り勘にした。
「よーし! 宏君、もう一軒いこーう!」
優香に肩を貸して歩いているが、かなり酒臭い。
悪いが今日はもうお開きとさせてもらおう。
「優香、めっちゃ酔ってるじゃん。送ってやるから、どこに向かえばいいか教えてくれ」
「んー? 今日は帰るところとかは特にないよ」
「え……ホテルとか取ってないのか?」
「うん。ネカフェとかに寝泊まりしようかと思ってた」
「いやいや、それは危ないだろ……」
さすがに女性一人でネカフェは危険だろう。
今は女性専用ブースとかあるとはいえ、優香はかなり泥酔している。
やはり、ここはビジネスホテルにでも送ってやる方がいいな。
「大丈夫だよ。日本は治安良いし……あ! ねぇ、あそこで少し休まない?」
「お、おい。ここって……」
赤紫に怪しく輝くネオンの電飾――優香が指差したのはラブホテルの看板だった。
スリスリと優香は頬を擦りつけてきた。
「私と飲んだ時点で、こういうのもちょっとは期待してたでしょ? ほら、中に入ろうよ」
「いや、でも……」
右手で俺の愚息を刺激する。
かなり心地良い感触に愚息がムクムクと大きくなる。
「久々に宏君とエッチ……したいなぁ。ねぇ、入ろうよ」
耳元で囁く優香の声に俺はゾクゾクした。
それと同時に優香と激しく交わっていた頃のことを思い出す。
雄としての本能が優香の身体を求めている。
「そう……だな……」
本能には抗えず、流されるがまま優香と共にラブホテルの中へと足を踏み入れた。
IFルート編もこの章で終わりとなります。
ちなみにマチュピチュのくだりは本当の話ですので、気になる方は調べてみてください。