「さあ、始めよう! 逆髪の結羅の物語を!」
そう宣言した新垣美咲(逆髪の結羅)だが、まずは確認しないといけない事がある。それは、「今がいつなのか?」だ。原作開始前なのか? 後なのか? 原作開始後だとして、結羅がかごめと接触する前か? 後か?
それは非常に重要で、割と簡単に確認できる。それは、結羅の胸の谷間をチェックすることだ。彼女が右手を谷間へと入れ、その柔らかで弾力のある胸の感触を楽しみながら、ガサゴソと谷間の中を探す。
「あん!」
胸から受ける快感に思わず彼女は嬌声を漏らす。だが、これは大事な確認作業だ。決して、決して、逆髪の結羅の巨乳を堪能したい訳ではない。そう美咲は自分を納得させる。
「櫛だけ?」
胸の谷間、そこには櫛だけが入っていた。他には何もない。
という事は、今は日暮かごめとの遭遇前のはずだ。原作の展開からして、かごめとの遭遇後なら、結羅の谷間には四魂のカケラが入っているはずだからだ。
でも、この櫛は何なんだろう? 美咲がそう疑問に思ったのは一瞬だけだった。次の瞬間には、美咲の頭の中には、櫛の使い方や、その能力が入り込んできたからだ。いや、入り込んできたのではない。それは、最初から逆髪の結羅の身体が記憶していた知識だった。
結羅の胸の谷間にあった櫛、それは結羅が髪を操ったり鬼火髪を出す時に使う櫛だった。
「ふうん? この櫛をこう使うのね……」
結羅はそう独白しながら、櫛を使って近くの髪を梳いていく。
シャッ。シャッ。
軽やかな音。すると、彼女が思ったとおりに髪が蠢いていく。
「凄い……! これが逆髪の結羅の能力……!」
彼女は、自身の髪を操る能力にひと通り満足すると、今度は空中へと跳び上がる。右手に繋がった髪に引かれながら七十メートル程も跳躍した結羅は、自らの巣の上にタン!という音と共に着地。崖下を見下ろす。
「鬼火髪!」
結羅は、炎を出す事をイメージしながら、櫛を使って髪を梳く。すると、思いどおりに炎が出現する。
炎は崖下にあった直径三メートル程の大岩を直撃し、それを一撃で粉砕する。後には、焼けて赤くなった小石だけが散乱していた。
「ふふふふ。強い! あたしは強い! これなら、日暮かごめになんて負けない! 見てなさい、日暮かごめ! よくも、あたしを殺してくれたわね! あんたの身体をズタズタに切り刻んで、その肉片を犬夜叉に喰わせてあげるわ!」
結羅は獰猛な笑顔を浮かべ、満月の下でそう宣言する。もちろん、日暮かごめは、泣き叫んで必死に命乞いするだろう。でも、許してなんてあげない。無茶苦茶にして殺してやる。
「あ、そうだ。」
結羅は面白い事を思いつき、その美しい顔に凄惨な笑顔を浮かべる。
「かごめか死ぬ前に処女膜を破ってあげよう。相手は犬夜叉が良いかな? ……あ、駄目ね。犬夜叉とかごめが一緒にいるところを狙うのは危険だわ。原作のあたしみたいに、二人の協力プレイで殺されてしまうわ。二人がばらばらに行動しているところを狙わないと……」
結羅はそう独白し、しばし黙考する。
「まあ、適当な村人にレイプさせれば良いかしら?」
余裕がなければ無理に強姦までしなくてもいいだろう。あくまでも、日暮かごめを殺すのを最優先としよう。
彼女がそう考えたとき、急に巨大な妖力が湧き上がって周囲を照らす。それは、空中で何かが爆発したようだった。満月の夜空を、流星雨が四方八方へと流れていく。
「これは……? 四魂の玉が砕けたの……?」
この妖力の大きさ、明らかに四魂の玉の反応だ。それが四方八方へと飛び去っているという事は、今は、原作漫画では屍舞烏(しぶがらす)を倒したところだ。
これは都合が良い。彼女は考える。それならば、翌日の朝から昼の時間、日暮かごめは川で水浴びをする筈……。それを犬夜叉が盗み見したので、二人は喧嘩別れしてかごめは現代へと帰ろうと井戸に向かうのだ。その一人になった所を狙おう。
結羅はそう決意し、まずは巣の中で睡眠をとる事にした。
「でも、その前に……。」
彼女は、先ほどからずっと気になっているのに、確認するのを先延ばしにしていた事を片付けることにした。
そーと、そーと。
結羅は、自分の超ミニスカートの裾へと手を伸ばして、その裾を持ち上げる。目的は、エロティックなものではない。そう、決してスカートの下を見たい等というエロ目的ではない。先ほどから、美咲は気になっていたのだ。この超ミニスカートの下……。物凄くスースーする……、と。もちろん、股下がわずか三センチ程しかない超ミニスカートなのだから、股間が涼しいのは当然ではあるのだが……。
美咲は冷や汗を流しながら、疑問に思う。
もしかして、この下、何も履いてない可能性がある……。そう思考しながら、彼女はスカートの下に視線をやる。
「やっぱり……!」
スカートの中を見た美咲は、その結果に戦慄した。ミニスカートの下。そこにパンツは無かった。フンドシも無かった。逆髪の結羅は、超ミニの下に何も履いていなかった。
「うそ……。逆髪の結羅は、こんな格好で男(犬夜叉)の前に立って、あまつさえ、跳んだりしてたの……!?」
結羅の中の美咲の精神は、この事実に戦々恐々とする。しかし、まさか、原作で結羅が履いていない下着を今から身につける訳にもいかない。何せ、今日からは、彼女こそが逆髪の結羅なのだから……。
「あたしは結羅、逆髪の結羅。鬼族の娘。半妖みたいな出来損ないの屑に、スカートの中を見られた所で平気だわ。」
そう強引に自身を納得させた彼女は、今度こそ、明日の襲撃に備えて睡眠を取ることにした。