ツンデレ妹が夜だけめっちゃデレてくる 作:荒井アライ
妹が俺の匂いを嗅いでオナニーをしている。それに気づいたのは、割と最近だったりする。
そして、なぜそれに気づいたのか。そんなことは言うまでもない。
あれだけ音を立てて、俺のことを呼びながらオナニーをしているのだ。バレない訳がない。
とある晩。俺はふと意識が覚醒してしまった。ぱちりと薄目を開けた先にあるのは壁だった。何か音がする気がする。そんなことをぼーとした頭で考えていた。
そのときは、背中には熱を感じていなかった。俺の背中に抱きついてオナニーをしていなかったというわけだ。
後から知ったことなのだが、美香は俺に背中を密着させてオナニーをする場合と、密着させないオナニーの二種類が存在するのだった。
そして、その日はどうやら後者だったらしい。
「ああっ、だめだよ、お兄ちゃん」
……誰の声だろうか?
俺は寝ぼけているせいか、その声が実際に人が出している声だとは思わなかった。甘々な声色で俺のことを呼ぶ人などいない。そう断言できるものがあって、俺は静かに目を瞑ろうとしていた。
「ふぁっ、お兄ちゃん、そんなに乳首ばっかいじっちゃだめ、だめだよぉ」
やけにはっきりと聞こえてきた声を聞いて、俺はその声が後ろから聞こえてくるものであることに気がついた。
驚きの余りカッと見開いた目で振り返ろうとしたとことで、俺は何とかその衝動を抑え込んだ。
冷静に考えてみて、この家にいるには俺と両親と妹だけ。そうなると、俺の後ろで甘い声を漏らしているのは俺の妹ということになる。
妹が俺の部屋でオナニーをしている? な、なんで俺の部屋で?
美香も年頃だ。そうなると、オナニーをするのも自然かもしれない。でも、兄の部屋でオナニーをするのは普通ではないのではない。それだけは断言することができた。
「はぁ、はぁ、お兄ちゃん。すぅー、はー、お兄ちゃんっ」
「っ!」
首元にかけられる熱い息。大きく吸い込んで匂いを楽しんだ後に漏れるような息をかけられて、俺は二つのことを確信した。
美香は俺の匂いを嗅いで興奮していること。そして、俺をオカズにしていること。
「ああっ、乳首っ、乳首はだめだよ、お兄ちゃんっ。そんなカリカリしないでっ」
もう一つ、美香は乳首をカリカリされるのが好きだということ。
いや、それは今はどうでもいいか。
そんなふうに頭を混乱させていると、美香は息を荒くしていった。それに伴って大きくなっていく水音。夢中になっているせいか衣擦れの音まで大きくなっていき、漏れる息も熱くなっていく。
「はぁ、はぁっ、お兄ちゃんお兄ちゃんお兄ちゃんっ。だめ、イクッ、イクイクッ!」
声を殺しながら、美香は一瞬息を止めた。そして、シーツを強く擦る音が数回聞こえた後、美香は俺の背後で熱い息を漏らした。
「い、イッちゃった。お兄ちゃんに乳首いじられながら、無理やりイかされちゃった」
そんな恍惚としたような声で自らが入り込んでいた妄想の設定を吐露すると、美香は息を整えながら、衣擦れの音をさせて服を着直していた。
「おやすみ、お兄ちゃん」
そして、そんな言葉を残して美香は俺の部屋を後にした。
「……何が起きた?」
俺は自室のドアが閉められたのを確認した数秒後に、そんな言葉を一人で漏らしていた。ゆっくりと首を動かして、美香の姿を探したがそこには誰もいなかった。
まるで、俺が寝ぼけて見た夢だったかのように、そこにいたはずの美香の姿はなかった。
「夢、なのか?」
俺はそんな一縷の望みをかけて、部屋の電気を付けて美香がいた場所を確認した。
「そんなわけ、ないか」
美香がいたシーツの場所を確認すると、美香の下半身が置かれていたと思われるシーツの場所には、少し大きめのシミが残されていた。おそらく、それは蜜壺から漏れ出た蜜に相当するものだろう。
あれだけ水音を立てていたら、そりゃあシーツも漏らすよな。
「ていうか、美香がなんで……俺をオカズに?」
いくら困惑してもその答えが分かることはなかった。そして、これから俺が取るべき行動も分からない。
誰にその答えを聞けばいい? というか、誰かに聞いてしまっていいのだろうか。
「あれ?」
そして、俺は俺で抱えてしまう問題がそこで生じてしまった。
「嘘だよな? いや、きっと、これは朝勃ちみたいなもので……」
あろうことか、俺の愚息はこれまでにないほど反り立っていた。寝ているうちに鉄骨でも中に入れたのかと本気で心配するほど、かちこちである。
言い訳できる領域を大きく超えていた。朝勃ちなんてレベルじゃない。俺はこれまでにないほどに、本能的に興奮していた。
「嘘だろ。実の妹だぞ」
俺は実の妹のオナニーをする音を聞いて、本気で陰茎を勃起させてしまったらしい。
これは、美香のオナニーが俺にバレたらいけないと同等並みに、美香にバレたらいけないのものなのではないだろうか。
そんな考えの元、美香が来たときにこの勃起した肉棒の存在だけは気づかれてはならない。
そう固く決意したのだった。
……何か決意するものがずれてる気がする。