ツンデレ妹が夜だけめっちゃデレてくる 作:荒井アライ
妹を失禁させるまでイかせた後、美香の痙攣が治まってから手の拘束を解くと、美香が俺に抱きついてきた。
『私が落ち着くまで、ぎゅってしてくれないと許さない』
息が荒いままの美香にそんな事を言われて、俺は美香の呼吸が落ち着くまでベッドで美香を抱きしめていた。それから、しばらくして、美香の呼吸が落ち着いてきたのが分かったので、俺はそっと美香を抱いている腕を緩めた。
「えっと、大丈夫か?」
「大丈夫じゃない。大丈夫なわけないでしょ」
美香はこちらに抗議でもするかのようなジトっとした目を向けてきた。
その頬が赤く染まっているのは、先程失禁させられるまでイかされたことを思い出しているのだろう。そんな恥じらいの色を感じる瞳をしていた。
「昨日は美香に恥ずかしい所見せちゃったから、美香の恥ずかしがる所も見たいなって思ってな」
「妹を失禁させたいとか、お兄ちゃん変態過ぎ」
美香はこちらを睨む目を強めていたが、本気で怒っている様子はなかった。多分、恥ずかしさを紛らわすために怒っているフリをしていのだろう。
いや、本当に少しは怒っているのかもしれないな。
「……ほんとうに、理由はそれだけ?」
美香は俺の胸にそっと手を置いて、何かを確認するようにそんなことを言ってきた。それだけの理由でやるにしては、俺が必死過ぎたように見えてのかもしれない。
乱れる美香を俺がどんなふうに見ていたのか。美香視点で見た俺は、美香を辱めるためだけに動くようには見えなかったということか。
「あとは、まぁ……美香のことも堕とせたらなって」
「私を?」
美香は予想外のことを言われたといった様子で、驚いて目を丸くしていた。
美香が俺を堕とそうとしている。それは美香から直接言われたことで、実際に俺も落とされそうになっていた。
しかし、美香がいつまで俺に対してそんな気持ちを抱いていてくれるか分からない。だから、美香が俺に見切りをつけてどこかに行かないように、繋ぎとめようとしていたのだろう。
その結果、どこかで美香を堕としてしまおうといった考えが根幹にあったのだと思う。
妹を堕とすために、イかせ続けるだなんて中々の外道みたいな兄だと自分でも思う。
「……私、とっくに堕とされてるけど?」
「え? あ、ああ、そうだよな。俺のこと好きって言ってくれたのは覚えてるんだけど、もっと繋ぎ留めたいとか思ったんだと思う」
「いや、そうじゃなくて、それもそうなんだけど」
美香は恥じらうように俺から視線を外して、頬の熱の温度を上げた。そして、美香はそっと喉元に手を当てて、何かを思い出すように唾を呑み込んだ。
「お兄ちゃんの精子でイかさるやつ……お兄ちゃんの濃い匂いが口とか、喉の中を無理やり犯して、その匂いで頭くらくらってさせられて、気持ち良くなっちゃうやつ。あんなの何回もやられちゃったら、その……堕ちちゃうから、普通の女の子だったら」
恥ずかしそうに耳の先を赤くさせながら、美香は俺の精液の味を思い出したのか、微かに恍惚とした笑みを浮かべていた。
「お、俺の精液飲んで、そんなふうになってたのか」
「多分、ずっとお兄ちゃんの匂いでオナニーしてたから、あんなイキ方できるんだと思う。他の人でなんて考えられないし、絶対にあんなイキ方できない」
美香はそこまで言うと、顔を上げてこちらを見つめてきた。揺れる熱い瞳をそのままに、俺を欲するような瞳で見つめていた。
「だからね、お兄ちゃん。私はすでに心も体もお兄ちゃんに堕とされてるってこと、もっと自覚してね?」
そんな心の内にしまっておくべきことを、まっすぐに言われてしまい、俺は自分の心が揺らされたのが分かった。
鼓動が大きく、脈拍が速くなっていくのを感じる。妹相手に向けるべきではない感情が、ちらちと顔を見せて、俺の顔を熱くさせた。
そんな俺の気持ちの揺れ動きをどう感じ取ったのか、美香は大人びた笑みを浮かべて言葉を続けた。
「もしかして、お兄ちゃんもすでに堕とされていたりするのかな?」
「……もしかしたら、そうなのかもしれないな」
美香に言われるまでもなく、俺は美香に妹に向けるべきではない感情を抱いているのは確かだった。
「恋愛感情って、なんなんだろうな」
「お、お兄ちゃんが哲学みたいなこと言い始めた」
「真面目な話さ、美香のことは性的にも見てるし、いなくなれば寂しく思うし、他の人に取られたくないっていう独占欲だってある。けど、それが恋愛感情なのかって言われると、いまいちピンとこないんだよな」
「それを人は恋愛感情って呼ぶんじゃないかな?」
「……そういうものなのかな」
美香の言っていることは分からないこともない。傍から見れば、そう思うかもしれない。というか、確実にそうなのだろう。
「俺が美香に恋愛感情を向けたらさ、どうなるんだろ」
「ずっと、イチャイチャラブラブなえっちをすることになると思うけど?」
「いや、そうじゃなくてさ……恋人とかになるのかなって」
美香と一緒にデートしたりするようになるのだろうか。俗に言う恋人らしいイベントをこなして、乳繰り合うのだろう。
それはきっと、楽しいとは思うが、恋人と何かするというよりもただ兄妹で出かけているだけになりそうな気がする。恋人がするデートとは異なってしまう。
将来的にそんな未来しか見えないというのに、この抱いている感情は恋愛感情と言ってしまってもいいんだろうか。
「ならないよ。ていうかなれないよ。……私達兄妹だもん」
「え?」
「付き合うこともできないし、結婚もできない。私は妹だからね」
「それって……美香は、俺と両想いになる気はないってことか?」
ずっと俺のこと好きだった美香は、俺と将来的に結ばれることがないことを知ってショックを受けたと言っていた。
それでも、俺が美香を異性として見ているということを知って、俺を堕とそうとしていたはずだ。
だから、美香の覆せない真実を語るような言葉に対して、俺は少しだけ情けないような声を漏らしてしまっていた。勝手に舞い上がりそうになっていたのは、俺だけなのではないかと。
「違うよ。別に、結婚するだけが結ばれる方法じゃないってこと」
「どういうことだ?」
「私はね、少しだけ異常な兄妹愛を目指したいなって思ってる」
「異常な兄妹愛?」
「そう。異性としてじゃなくて、兄妹として本気で愛し合っちゃうの。本気で愛し合って、本気でえっちして、互いに独身のまま兄妹として一緒に暮らすの」
美香は秘密の未来を語るかのように、そんな言葉を口にした。
俺達兄妹はどれだけ愛し合っていても、結婚をすることはできない。それでも、兄妹として一緒に暮らしていくことはできる。
周りにバレない様に、いつまでも仲の良い兄妹として暮らす。
俺たちのことを仲の悪い兄妹だと思っている両親からしたら、違和感しか抱かれない未来ではある。でも、俺たちが幸せになるにはこの未来しかないような気もした。
兄妹として添い遂げる、か。
「……それは妹として、美香を愛してくれってことか?」
「足りないよ、そんなんじゃ全然足りない。本気で愛し合って、えっちだってしちゃうんだよ?」
美香は話をしっかり聞いていたのかと言いたげに頬を膨らませた後、俺の耳元に顔をそっと近づけてきた。美香の息遣いを感じる距離まで近づいて、美香は言葉を続けた。
「妹以上に、恋人以上に私を愛して」
「っ!」
俺の潜在意識に呼び掛けるように、目の前にいる俺をその気にさせるように、美香は俺の耳元で熱い吐息と共にそんな言葉を囁いた。
俺はぞわぞわっと膨れ上がっていく感情を誤魔化すように、機微を感じ取られないように美香から目を逸らして、誤魔化すように口を開いた。
「こ、恋人なんていたことないから、恋人以上って言われても、分からないな」
「じゃあ、恋人みたいなことしてみればいいんじゃないかな?」
「恋人みたいなこと?」
美香は俺の反応を楽しむような笑みを浮かべながら、そっと俺の手を握ってきた。両手で胸の前で恋人繋ぎして、その手の平の熱を俺に伝えてきた。
俺が心の中で膨れ上がっていく何かを感じていると、美香はその手を解いて俺の首元に手を伸ばして抱きついてきた。
「手を握って、抱き合って……キス、してみたり」
美香はそう言うと、抱きついてきた腕を緩めて、俺を正面から見つめてきた。
熱を帯びた揺れる瞳で、何かを期待するかのように頬を熱くさせている。美香はいじらしい表情で、俺のことをまっすぐに見ていた。
「確かめてみる?」
そんな事を言われて、美香の顔が近くなった気がした。しかし、後から気がついたことだが、近づいていたのは俺の方だった。そして、それに気づいた頃には、美香がそっと目を閉じて顔を少し上に向けていた。
妹が俺の口づけを受け入れようとしている。そんな妹の姿を前にして、ずっと心の奥にあった気持ちが俺の背中を押した気がした。
背徳感や罪悪感とは違う、歪んだ兄妹愛。それが恋愛感情なのかは分からないが、目の前にいる女の子にキスをしたいと思う気持ちは、限りなく恋愛感情に近いものなのだろう。
俺は美香の唇にそっと自分の唇を重ねた。
妹とただ触れるだけのキスはとても犯罪的で、少しの中毒性を俺の脳に焼き付けた。
唇を離した美香は恥じらいと照れの感情で顔を赤くしながらも、屈託のない笑みをこちらに向けてきた。
「お兄ちゃんからしてくれるの、ずっと待ってた」
そんな健気な妹の姿を見て、俺はそっと美香の頭を撫でた。
兄として妹を慈しむ気持ち、それと美香に対して感じる異性としての魅力。
美香を性的にも見て、なくなれば寂しく思うって、独占欲を抱いて。それらの感情は恋愛感情なんて綺麗なものじゃなくて、歪んだ兄妹愛そのものだった。
どうやら、俺は気づかないだけで美香に対して歪んだ兄妹愛を感じていたらしい。
そして、俺にとってはその兄妹愛こそが、恋愛感情だったのだと気づいたのだった。