初心にかえってみた。
あと、かなり昔だけど最近エロが無いと言われていたので……。
言霊、というものがある。
力ある言葉。
力になる言葉。
それは、繰り返す度に力を持っていく。
繰り返す度に、力強くなっていく。
繰り返す度に、大きくなっていく。
少しずつ。
けれど、確かに。
自分でも分かるほどに。
私の中で、強く、そして大きく。
成長していく。
「トオル、好きだよ」
私が押し倒している青年に、囁くように語りかける。
柔らかなベッドの上。
昼間、レイナーレが干してくれた、太陽の匂いがするベッド。
その上で、私に押し倒された青年が困ったように私を見上げ、そして柔らかくその口元を緩めた。
――名前が呼ばれる。
黒歌、と。
聞き慣れた声。大好きな声。
大好きな人の口から私の名前が紡がれ、その人の瞳には私だけが映っている。
その事実が嬉しくて、名前を呼ばれるままにその首筋へ顔を埋めてた。
「うにゃぁ……」
自分でも驚くほどに甘い声が漏れてしまう。甘く、融けそうな――雌の声。
その事が恥ずかしくて、もっと強く首筋へ顔を埋める。
汗の匂い。トオルの匂い。
それらが、お布団から薫る太陽の匂いを消してしまう。頭の中が、トオルの匂いで一杯になる。
力強く大好きなご主人様を抱きしめて、馬乗りになった腹部に下着に守られた下腹部を擦りつける。甘い、甘い刺激。
全身でトオルに抱き付いて、抱きしめて、拘束して、大きく息を吸う。はしたないくらい、音に出して、トオルの匂いを胸一杯に吸う。
そんな私を、トオルは優しく撫でてくれる。拘束されていない腕で髪を梳くように。
気持ち良さよりも、心地良さが先に立つ。そんな、甘い刺激。
それがまた嬉しくて、もっともっとと、撫でてもらうのを催促するように首筋へ埋めた顔を擦りつけると、トオルが優しく抱きしめてくれた。
「ぁん」
そのまま、その大きな手が頭を撫で、耳を撫で、首筋へ……。
「んぅ……」
擽るような優しい動きに肩を揺すって抗議。けど、言葉にはしない。
だって、触ってもらえるの、嬉しいから。私の方がお姉ちゃんだけど、子供のように優しく扱ってもらえるの……凄く嬉しいから。
トオルの匂いを胸一杯に吸い込んで、優しく撫でてもらえる。
至福の瞬間。
幸せな、時間。
「トオル、トオル……」
何度も名前を呼ぶと、その度に頭が撫でられる。
女の子のように、少女のように。
元賞金首の大罪人。泣く子も黙る野良猫が、愛される悦びに身を浸す。飼い猫は、ご主人様に可愛がられて骨抜きにされてしまう。
「ぁ、ん……」
しばらくそうしていると、頭を撫でていたトオルの手が止まった。
それに抗議の視線を向けたら、じっ、とトオルが私を見ていた。
いつからだろう。我を忘れてトオルの匂いに浸っていた頭が、少しだけ冷静になる。
ちょっと、恥ずかしい。
我を忘れて甘えていた事実が、羞恥となって頬に朱となって集まるのを自覚する。
「にゃぁ――」
自分でも分かる、甘い声。
欲情した声。
雄を求める、雌の声。
鳴き声を漏らした口から舌を伸ばし、その首筋を舐め上げる。
汗は少し酸っぱくて、けれどどこか癖になる……そんな味。
「すき、すき――大好き」
子猫のようにぺろぺろと首筋を舐めると、トオルが擽ったそうに身を捩る。
けど、私は意地悪だから逃がさないようにその身体をベッドへ押し付ける。
出鱈目で規格外な『神器』を持つトオルだけど、その肉体は人間とあまり変わらない。腕力なら、私が強い。
ベッドに押さえつけて逃げられないようにすると、首筋を舐め――そしてそのまま頬を、目元を、顔全体を。
トオルの匂いを胸一杯に吸い込んだから、今度は私の匂いをトオルへ沁み込ませるように舐め続ける。
私の主、私のご主人様、私の……一番大切な人。私の全部。白音と同じくらい、大切で、大好きで、愛しい人。
はしたなく息を乱しながらその顔を舐め、そして……。
「トオル、大好き、好き……トオルぅ」
……その唇に、私のソレを重ねる。
乾いていて、少し硬い。男の人の唇。
その唇に、私は自分の唇を押し付けるようにキスをして、もっと強く押し付ける。
初めてキスをする少女のように。快感の得られない口付けを。
けれど、心が満たされる。
気持ち良さはないけど、胸の奥が温かくなる。
幸せ。
大好きという気持ちが、大きく、強く、胸から溢れそうになる。
でも、だめ。
この気持ちは、私のモノ。
大切な、宝物。
溢れさせるのは勿体無くて、溢れる直前に唇を離す。
「はあ――」
漏れた吐息は火が付きそうなほど熱い。自分でも驚いてしまうほど。
その吐息を間近で浴びたトオルが、今度はトオルから唇を重ねてくれる。
触れるだけのキス。可愛い、子供のキス。
けど今は、そっちの方が嬉しい。
何度も、重ねるだけのキスを繰り返す。
トオルの乾いた唇が私の唾液で湿るくらい繰り返すと、そこでようやくキスの雨が止んだ。
「ふぁ……ぁ……」
力が抜ける。頭がぼーっとなる。
ちょっと酸欠気味。
それくらい、キスに集中してしまった。
そんな、気の抜けた顔を正面からトオルに見られている事に気付いているけど、でも身体に力が入らない。
トオルを抱きしめているのは私なのに、力が入らないから私がトオルに捕まってしまっているかのよう。
ちょっとだけ開いた唇から舌を出す。
その唇に、トオルがキスをしてくれた。
さっきまでの重ねるだけという子供のキスじゃない。
唇を重ねて、私の中に舌が入り込んでくる大人のキス。
口内に入り込んだトオルの舌が、私の舌をすぐに捕まえた。ううん。逃げるつもりなど無い。自分から唇を開いて招き入れて、舌を差し出す。
舌だけじゃなくて唾液も混じり合い、僅かに開いた唇から粘着質な音が耳に届く。
普通の人よりも聴覚に優れる耳は、私とトオルの舌が奏でる音を僅かも聞き逃さない。
「ト……ほるぅ」
重ねた唇の隙間から、愛しい人の名前を呼ぶ。
乱れた吐息、鼻息、呼吸。
トオルと私が重なって、融け合って、一つになってしまいそうに錯覚しながら深いキスを続け――その身体が反転した。
「ぁ……」
押し倒された。
腕力では、身体能力では私が優れているはずなのに。
なすすべもなくベッドに押し倒され、雄に見下ろされる。
一人で居た時、『禍の団』に居た時、野良猫だった頃。
女の私は強くなければいけなかった。男の人に負けないくらい、強気に振る舞っていなければ、弱みを見せないようにしていなければいけなかった。
なのに――。
「……きて、トオル」
――押し倒されて、自分から全身の力を抜いて、私を押し倒すトオルに無防備な姿を晒す。
先ほどのスキンシップで乱れた着物の合わせ目から覗く、ちょっとだけ自慢の、レイナーレにも負けていないと思う深い谷間にトオルの視線が向く。
いつもは、見せつけていた。自分から押し付けていた。恥ずかしかったけど、恥ずかしがるトオルの姿が嬉しくて……けど今は。
「ぁ、あんまり、見ないで……」
冗談めかして、視線を逸らす。
両腕で着物の合わせ目を整えようとすると、その手がトオルの手に捕まれた。そのまま、頭上に押し付けられる。
痛くは無い。
――それは、嫌なら抵抗しても良いという、合図なのだろうか。
その優しさが、愛おしい。
抵抗はしない。
けど……。
「恥ずかしいよ、トオル」
甘い、甘い、甘えた声。
そう口にすると同時に、さっき私がしたように、トオルが私の首筋に顔を埋めてくる。
熱い吐息、乱れた呼吸。トオルが、興奮している。興奮してくれている。……私の身体で。
幸せな気持ちが、一段強くなる。
「ゃ、ゃぁ……」
でも、やっぱり恥ずかしいのは恥ずかしい。
汗臭くないかな。
高鳴る心臓の音が聞こえないかな。
顔……赤くなってないかな。
こんな時でも、お姉さん風を吹かせたい。そう思ってしまう私は、恥ずかしくて身を捩る。
けれど、その程度の抵抗ではトオルの攻勢が止まらない。
大きく息を吸って私の汗の匂いを嗅いだかと思うと、今度は首筋を舐められてしまう。興奮して汗が浮かんだ肌を舐められ、くすぐったいよりも恥ずかしいの気持ちが強くなった。
「トオル、だめ……汚いよ……」
否定される。否定されて、もっと強く首筋を舐められる。
恥ずかしい。でも……ご主人様に舐められて興奮してしまう。
変だ。変になる。興奮してしまう。
逃げる事は、簡単なはずだ。私は猫の妖怪。一応人間であるトオルより、身体能力は優れている……はずなのに。
逃げられない。逃げたくない。
口では嫌だと、やめてと言いながら、けど気付くと自分からトオルが舐めやすいように身体を動かしてしまう。
着ている着物がもっと乱れて、トオルの胸に当たって形を変える。そうして着物の裏地と興奮に敏感さの増した乳首が擦れて、気持ちが良い。
気付くと、押さえつけられたまま、自分から身体全体をトオルに擦りつけていた。
胸だけじゃない。足も、腰も。
「ん、んぅ……」
なんとか喘ぎ声だけは我慢しながら、目を閉じてその快感に身を委ねる。
トオルの舌が踊る。
首筋、口元、頬、髪、耳。舐めて、食んで、噛んで、また舐めて。
さっき私がした以上に、トオルは私を味わってくれる。
心地良い。
気持ち良い。
幸せで、愛おしい。
息が乱れる。荒くなく。
身体を擦りつける動きも激しくなって……はだけた胸元にトオルの舌が向いた。
唾液の跡を残しながら、口元、顎、首筋を通って胸元へ。
「やあ……舐めないでえ」
汗を舐められる。その羞恥に我慢できず声を出すと、トオルの視線が私を射抜く。
その瞳に映っている私の顔は……女のソレ。雌の顔。欲情した、獣の貌。
強い者に犯される。その幸福に、身も心も浸った貌。
私の方が腕力はあるのに、けど逆らえない。
支配される、蹂躙される――その興奮に、吐息が更に乱れていく。
私の両腕を捕えていたトオルの手が、動く。拘束が、解かれる。
けど、抵抗はしない。
全身を強張らせながら、けど両腕は頭上で重ねたまま。
乱れた着物もそのままに、視線を伏せる。
愛されたい。抱かれたい。その気持ちよりも――犯されたいという気持ちが強い。
トオルの手が、着物の合わせ目を左右に押し開く。
着物の中で蒸れた空気が解放され、胸に冷たい空気が当たる感触。
目を開かなくても、私の胸が露わになったのを実感させられる。
そして、トオルが……私を組み敷いているご主人様が、その胸を見ているのだと。視線を、強く感じた。
身を捩る。
レイナーレにも、ロスヴァイセにも負けていない自信のある胸が揺れる。その刺激がもどかしい。
触ってほしい。揉んでほしい。痛いほどに胸を揉み、乳首を捏ね、舐め、しゃぶってほしい。
その気持ちとは裏腹に、トオルは何もしてくれない。
目を開けると、トオルは私を組み敷いたまま、見下ろしたまま、じっと私を見ていた。
まるで――私にどうしてほしいか言わせたいみたいに。
「…………意地悪だにゃあ」
冗談めかして言うと、視線を逸らす。
私の方がお姉ちゃんなのに。何時もからかっているのに、からかわれた顔を赤くしているのはトオルの方なのに――ご主人様は、やっぱりトオル。
どれだけ主導権を握っても、逆らえない。
……逆らいたくない。
こうやって征服されるのも、嬉しくて、幸せだと感じてしまう。
「むねを、もんでほしいにゃ……ぁ」
口にすると、胸を揉んでくれる。
でも、それだけ。
顔から火が出そうなほど、恥ずかしい。
「ちくび……」
人差し指が、少しだけ乳首に掠る。でも、それだけ。
唇をちょっとだけ尖らせて、抗議の視線を向ける。
トオルは、楽しそう。
いつもの表情。私を……可愛がってくれている時の表情。
「つねって……あっ――んぅっ」
人差し指と親指で。本当に、子供がするように乳首で遊ばれる。
口から喘ぎ声が漏れる。そんな、児戯のような愛撫なのに気持ちが良過ぎて堪らない。出来上がった身体が、ようやく与えられた快感を従順に受け止めてしまう。
トオルの下で肩を跳ねさせ、拘束されていない足が『女王』の手で整えられたベッドシーツを蹴り乱していく。
「舐め――んぅん、そう、舐めて……吸ってっ」
私が言うままに、トオルが愛撫してくれる。
右胸は揉まれ、左胸は舐めしゃぶられ。全身を味あわれてしまう。
私は、美味しいだろうか。
ご主人様に、満足してもらえるご馳走だろうか。
喘ぎ声を我慢するように右の人差指を噛むと、それを見咎めたトオルに右手が掴まれた。
「ゃ、やぁ……喘ぎ声、恥ずかしぃ」
また、胸を愛撫される。
口が勝手に開き、恥ずかしいといいながらも声を漏らしてしまう。
トオルが、ご主人様が聞きたいと言うなら、私は、飼い猫は言う通りにしないといけない。
そんな決まりは無いけれど、でも……聞いてほしい。
私の声。甘く溶けた、雌の声。
聞いて――犯してほしい。
「んぅ……トオル、トオル――好き、大好きぃ……」
口にする。言葉にすると、頭の中がそれ一色に染まっていく。
トオル、トオル、トオル。
好き。
大好き。
……愛してる。
「ぁ……」
どれくらい、そうして――そうされていただろう。トオルの、胸への愛撫が止んだ。
胸だけで興奮の極致に至りつつある身体の興奮に、息を吐く。
見上げると、自身の涎で口元を汚したトオルの姿。視線を逸らすと、唾液に塗れた私の胸。
平時よりも興奮によって一回り膨らんだ乳輪と、堅く、大きくなった乳首。
流れる空気の感触すら、舐めしゃぶられて敏感になった乳首には刺激的で、今は何もされていないというのに自分からもっと刺激が欲しいと震えているかのよう。
そんな、浅ましい快感反応を示している胸をぼーっと見ているとトオルが私の上から退いた。
目指すのは……もっと、敏感な所。
着物の裾が捲り上げられ、黒ショーツに包まれた秘所を露わにされる。
触られた記憶は無い。けど、ひんやりとした感触で……そこがどういう状態かは簡単に想像できてしまう。触られても居ないのに濡れてしまったという事実が、私の強がりをあっさりとトオルに知られてしまいそう。
「……トオル……」
けれど、それでも余裕の態度を崩さずに愛しい人の名前を呼ぶ。
トオルの目が、私の目を見る。
「もう、我慢できないにゃあ」
ちょっと冗談めかして、まだまだ余裕があると強がって、少しだけ腰を浮かせる。我慢できない。早く、早く――濡れて、震える腰は言葉にしなくても如実に本心を伝えてしまっているはずだ。
現に……トオルの視線は、私のアソコに向いてしまっている。
恥ずかしい。恥ずかし過ぎて、消えてしまいたい。
けど、そんな感情など顔に出さず、経験豊富なお姉さんを演じる。だって、その方が――なんというか、余裕のある、大人の女みたいじゃないか。
濡れて気持ち悪いショーツが脱がされる。
着物に隠れて私からは見えないけど、トオルの目には……しっかりと見られている。
それが恥ずかしくて、自分から下着を脱がせやすくしたのに、トオルから逃げるように顔を逸らす。
「……きて……」
トオルに見られている秘所がもっと見やすいように足を開く。
自分の指でアソコに触れ、見せつけるようにゆっくりと開いていく。
「トオル」
名前を呼ぶ。呼ばれる。
濡れてひんやりと冷たいアソコに、堅いモノが触れる。熱くて、堅い――トオルが、私を見ている。
そんな愛しい人の首に腕を回し、身体を固定する。入れ易いように下半身を密着させ、私の愛液でトオルの男根を濡らす。
亀頭が陰核に触れ、トオルの陰毛が陰唇を刺激する。
チクチクと、なんというか……くすぐったい。
その感触を楽しみながら、耳元に唇を寄せる。
「入れて、トオル」
囁くように、甘い言葉を呟く。
トオルが、抱き着く私を強く抱きしめてくれた。
同時に、私の胎内に入り込んでくる愛しい人の肉の槍。数度目の性行だから、圧迫感は僅か。
程良い大きさのソレは、私にピッタリ。
すぐに根元まで飲み込むと、ちょうど先端が子宮の入り口付近まで届く。
胸への愛撫で子宮が降り、もう……身体がトオルの子種を欲しがっている。
気付かれちゃってるかな。私が、余裕が無いって事。トオルに抱き付いていないと、身体を起こしているのも辛い状態だって。
トオルが動き出す。
恥ずかしい水音は、私の腰から。
力強い動作で私を下から突き上げるトオルは、やっぱりオトコノコだね。
喘ぎ声を押さえている余裕も無く、必死に首へ抱き付きながらなんとかトオルから落ちないように身体を密着させる。
着物が乱れ、汗に濡れた上半身を押し付けると、トオルの肌へ直に胸が触れてそれだけで気持ちが良い。
「はあ――あぁっ、あ……」
好き、大好き、愛してる。
愛してる。一番、一番愛してる。
「好き、トオル……一番好きなの」
熱に浮かされたように、言葉を紡ぐ。本心を口にする。
隠すつもりは無いし、今までだって何度も口にした愛の言葉。
けど、それでも、何度もトオルに伝える。
この言葉を口にする度に、私の中で強くなっていく。大きくなっていく。大切になっていく。
宝物のような大切な想いを、宝物以上に大切な人へ伝える。
私が愛の言葉を紡ぐたびに、トオルの動きが激しくなっていく。
「好きなの――だからもっと、もっと私を愛して。愛しているから」
言葉がバラバラになる。
トオルの限界が近付いてくるのが分かる。
一緒に。
そう思って、私は自分の腰を揺らしてイイトコロにトオルの陰茎を導く。
はしたないかな、などと考える余裕も無い。
一緒に気持ち良くなりたい。イきたい。その事だけを考えて腰を振る。
トオルの息が荒くなる。
私が愛を囁くように、トオルも私の名前を呼んでくれる。それが嬉しい。
ああ、本当に……幸せだ。
「ぁぁ――トオル……トオル、とおる」
満たされていく。
心も、お腹も。
胎内にある熱い温もりと、部屋の中に響く荒い吐息。
私は絶頂の余韻に浸りながら、力の入らない腕で必死にトオルを抱きしめる。
トオルも、そんな私を抱きしめてくれる。
繋がったままベッドへ並んで横になると、視線が重なった。
「……とおる」
名前を呼ばれ、目を閉じる。
少女のように唇を僅かに尖らせると、キスをしてくれた。
「えへへ」
抱かれるのが、好き。
気持ち良いし、大人の関係って感じだし。
けど、こうやってキスされるのも好き。
愛されているって、感じられるから。子供のように笑うと、トオルが髪を撫でてくれる。
事後の熱に包まれながら、優しくされるのも好き。
一回射精して萎えた陰茎が抜かれると、子宮まで届いた精液が僅かにもら出してきた。
それを勿体無いと思い、下半身に力を込めて少しでも零さないようにする。
「好き」
何度も言った言葉。
何度も伝えた言葉。
けど、トオルも好きだと言ってくれる。
「大好き」
この言葉も、言ってくれる。
「愛してる」
また、キスをしてくれた。
「んふふぅ」
胸に、顔を埋める。
汗の匂い。トオルの匂い。
その匂いをもっと強く感じられるように顔を胸に擦りつけると、そんな私の頭をトオルが胸に押し付けてくれた。
とくん、とくんと心臓の音が聞こえる。
私の心音も伝わっているかな?
それとも、重なって、一つになって、そのまま溶け合ってしまうかな……。
「すき、だいすき……トオルが私を好きって気持ちより、私がトオルを好きって気持ちの方が強いんだにゃー」
そう言うと、笑って――押し倒された。
やっぱり黒歌さんが好きです。
この状況を、某無限さんに見られていたのかもしれません。(ぇ