「(今日、ヴェル君が結婚してしまうわ)」
ヴェルの独身時代の終了。それはアマーリエの『あてがい女』の期間の終了を意味する。今日は主だった親類はヴェルの結婚式に出かけていて、館にはアマーリエしか残っていない。
「(多分、ヴェル君からは愛人になれって言われるんだろうけれど)」
ヴェルの好意や意思は感じていた。それもいいなとアマーリエも思う。特に周囲からは色々言われていて、ヴェルとの関係を続けたほうが得策なのも分かっている。何よりアマーリエ自身がそれを望んでいる。
「(でも、変わっちゃうのは嫌だな)」
愛人も『あてがい女』と似たような立場だが、ヴェルとの関わり方は変わる。5人の妻の目を盗んで会うのだ。どれだけ会う機会があるかも分からない。
「ヴェル君を陰から見守れるような、そんな関わり方が良いのだけれど」
物憂げに今日も小屋を掃除するアマーリエの気持ちは、中々晴れそうにはなかった。
16歳の誕生日を迎え、バウルブルクでの盛大な式を終えたヴェルは、自宅でエリーゼとの初夜を迎えていた。ヴェルはエリーゼと2人、寝室のベッドの上で向き合う。
「ええと……これからもよろしく」
「はい、こちらこそ」
大貴族の初夜には見届け役がつく。エリーゼのメイドのドミニクが、今夜から5日連続で確認をする事になっていた。未婚では務まらない役目なので、ドミニクは先月に幼い頃からの知り合いと結婚までしている。
「外に耳があるけど、気にしない方針で」
「はい、そうですね」
第三者の存在に緊張するヴェルに比べ、エリーゼには緊張の様子が見られない。貴族としての生まれ育ちが、メイドの目を気にしない鷹揚な性質を生むのだろう。
ヴェルは他人の目がある為に躊躇する。硬い挨拶しかしないヴェルの様子に、エリーゼは少しヤキモキしたようだった。
「これからも苦労をかけると思うけど……」
「ヴェンデリン様と過ごしたこの四年近くはとても楽しかったです。私は苦労だなんて思っていません。これからもきっとそうです」
エリーゼはキッパリとそう宣言した。この言葉の半分はドミニクに聞かせる言葉だろうな、とヴェルは感じる。ドミニクを通じて実家にも伝わる筈なのだろう。そこにはメイドに対する女主人の矜持も含まれているように思われた。
「ありがとう」
「ただ……」
「ただ?」
「私たちを蔑ろにして、あの方の所にばかり行かないようにしてくださいね」
「……」
エリーゼからアマーリエの事を指摘され、ヴェルは完全に沈黙してしまう。『あてがい女』の件をエリーゼも黙認すると、そうヴィルマから聞かされていても、エリーゼの口から直接釘を刺されるとそのインパクトは絶大だった。初夜というタイミングもあって何も言い返せない。エリーゼの発した言葉の意味を考える。
「ヴェンデリン様、今は私だけを見て、私だけに夢中になってください」
ネグリジュ姿で少したどたどしく、懸命にヴェルに訴えかけるエリーゼの仕草は可憐だった。そもそもエリーゼは類稀なる美少女なのだ。ヴェルは何も答えず、エリーゼの唇を自分の唇で塞ぐとベッドに押し倒した。
エリーゼの唇は柔らかかった。舌を入れるヴェルになされるがまま、そっと初々しい反応を返す。
ネグリジュは単身者用ではなく、胸が大きく開いた夫婦生活用の品だった。恐らくは経験者のドミニクが用意したのだろう。エリーゼの巨大な胸で前が大きく膨れている。ヴェルはエリーゼの胸に手を当てる。
エリーゼは体を左右に揺すると巧みに肩紐を解いて、ネグリジェを腰の辺りまで下ろす。胸が露わになった。
「(デカい。)」
ヴェルもエリーゼの胸が大きいのは知っていた。いや、そう知ったつもりでいた。しかし実際はこうして生で見るまでその凄さを理解していなかった。夢中でむしゃぶり付く。ヴェルのそんな様子をエリーゼは嬉しそうに、どこかくすぐったげな様子で受け入れる。
「凄いよ、エリーゼ」
「その、くすぐったいです」
胸に執着するヴェルの様子が、まるで子供のように見えたのだろう、胸をしゃぶられながらエリーゼがクスクスと笑う。緊張の糸が解れた様子だった。ヴェルの両手がエリーゼの胸を揉む。ただひたすらに揉み、感触に酔いしれる。
「あん」
エリーゼが控えめに鳴いた。その反応が可愛らしくて、ヴェルはつい胸に執着をしてしまう。
「その、ヴェンデリン様も興奮されているのですか。」
おずおず、といった仕草でエリーゼがヴェルに尋ねる。気がつくとパンツから屹立したヴェルの男性器がはみ出していた。硬い物がエリーゼの腹に当たっているから、流石にそれは気がついたのだろう。
「わたくしは、どうしたら良いのでしょう?」
ヴェルは下着を脱ぎ捨て、エリーゼの手を掴むと、そっとヴェルの男性器に導いた。
「エリーゼ、乱暴にしないで。優しく上下に滑らせて欲しいんだ」
「こう、でしょうか?」
エリーゼの手つきは壊れものを触るようにあくまで繊細だった。白く細い指先が、恐る恐るサワサワとヴェルの体の中心を撫でる。エリーゼのような金髪の美少女を押し倒しながら、優しく自身の男性器を愛撫されている。ヴェルの興奮が昂る。
「(勢いに任せちゃ、いけないんだよな)」
アマーリエの教育がなければ、制御が効かずにエリーゼの膣穴に無理にでも挿入しようとしていたかもしれない。
「(危なかった)」
エリーゼの記憶に残る初夜であり、処女に無理矢理というのはまずいとヴェルにも分かっていた。
「(やはり確認が大事だな)」
「それじゃエリーゼの身体を良く見せて」
胸の辺りで止まっていたネグリジュを、今度か下から捲り上げる。
「ん、恥ずかしいです•••」
エリーゼが顔を赤らめ消え入りそうな声を出す。それでもイヤと言わないのは、ドミニクに間違ったサインを出さないようにだろう。そして夫婦生活には、女性器を相手に晒す必要があると、初心なエリーゼなりに理解をしていた為でもある。
毛の薄い体質なのだろう、エリーゼの秘所は毛がなかった。そしてスッと一本の線が走り、その先に僅かに女性器が顔を覗かせている。その慎ましげな様子はエリーゼの人柄とも一致した。エリーゼは無毛なので女性器の形が分かりやすい。
「エリーゼは毛がないんだね。とても綺麗だよ。」
「その、女性は下の毛が多い方がお好きですか?」
「俺はどちらでも気にしないよ。エリーゼらしくてとても綺麗だと思う。」
「•••そう、良かったです。」
ホッとした様子でエリーゼが身体の緊張を緩める。
「触るね。」
「はい」
寝かせたエリーゼの秘所をヴェルの指がそっと確認する。上からそっと触るだけ。エリーゼの女性器はヒクヒクとした感触を示すが、まだ閉じられていた。
「(いきなり指を中に入れるのも、マズいよな。)」
ヴェルは口を近づけて、エリーゼの女性器にキスをする。
「いや、その、汚くありませんか、ヴェンデリン様」
ヴェルを押し留めるべきか葛藤するエリーゼを、ヴェルは優しく嗜める。
「これを聞いているドミニクも何も言ってないでしょ。女性の大事な所を男性が愛撫するのは当たり前の夫婦の夜の営みなんだよ、エリーゼ。」
「そうなんですね、でも、ヴェンデリン様にそんな事をして頂くなんて恥ずかしい。」
消え入りそうなエリーゼの声。秘所を晒している羞恥心に加え、そこを愛撫される気持ち良さ。初夜だからこそ、いつもは壁となる貞操観念が妨げられ、剥き出しの感情が顔を覗かせる。
ヴェルは少し大胆に、エリーゼの女性器の突起を露にする。あまり触れないように周辺から舌でそっと刺激した。
「どう、気持ちいい?」
「はい、ずっとこうしていたいくらい•••。」
大胆なエリーゼの告白にヴェルは少し微笑ましく思う。アマーリエの教えを引用してエリーゼに伝える。
「夫婦の営みは相手が気持ち良くないと、もう片方も気持ち良くならないんだ。エリーゼは肩を抜いて、気持ちいいに浸っていてね。」
「はい、ヴェンデリン様」
ヴェルは指でそっと女性器を開く。先ほどより緊張の緩んだ女性器はじんわりと濡れ始めていた。内臓を曝け出すようなピンク色。エリーゼの秘所は清潔で若々しい色をしていた。
指と口を駆使してエリーゼの女性器を優しく刺激する。だいぶ時間を使って緊張もほぐれてきたかな、とヴェルはそう判断した。
「エリーゼ、そろそろ入れたい」
「これが、私の中に?」
エリーゼがそっとヴェルの男性器に手を這わせる。
「怖いかい?」
「ヴェンデリン様のはとても立派で、その、大きくて硬いですから。私、大丈夫でしょうか?」
「最初は痛いかもしれないけれど、俺もなるべく優しくするから。エリーゼも我慢してみて。みんなやってる事だから、我慢をしていれば平気になるはずだから。」
「はい、ヴェンデリン様の赤ちゃんを授かる為に頑張ります。」
エリーゼにとって男女の営みは、快楽よりも子孫を残す為の義務なのだろう。
「じゃあ、挿入するね」
ヴェルの男性器はカチコチだった。初夜の為にアマーリエから式の前の一週間は性交渉禁止を言い渡されてこの日を迎えている。
清らかなエリーゼの裸体を前にヴェルの男性器はダラダラと先走り汁を流している。目の前にいるのがアマーリエなら、ヴェルはもう我慢せずに躊躇なく挿入していた。
「エリーゼは大事にしないといけないからさ」
「ヴェンデリン様」
エリーゼがヴェルを見る。
「私は旦那様の為なら大丈夫です。ヴェンデリン様のしたいようになさって下さい。」
他の女、特にアマーリエには負けない、エリーゼの目がそう言っていた。
「分かった」
そう返事しながら、ヴェルはそっとエリーゼに身体を沈めていった。女性器にヴェルの男性器を押し当て、挿入を試みる。正しい場所を突いているのに、ヴェルの男性器は抵抗を受け、なかなかアマーリエを相手にするように深く沈んでいかない。
「ん」
女性器が潤っていても痛みがあるのだろう、エリーゼが眉間に皺を寄せる。
「エリーゼ、痛いかい?」
「はい」
あっさりとエリーゼは痛みを認める。
「身体の中が裂けるような感じです。でも大丈夫、旦那様続けてください。」
「ん、分かった」
健気なエリーゼの様子が可愛らしくて、ヴェルはエリーゼにキスをする。エリーゼもヴェルのキスを受け入れながら、痛みと緊張から少し身体をこわばらせたままでいた。
「時間をかけるからね、エリーゼも身体の力を抜いて俺を受け入れて」
「こう、でしょうか」
少しエリーゼが力を抜く。その隙を逃さないとばかり、ヴェルが体重をかけて押し込むと男性器がエリーゼの女性器の中にメリメリと埋没していった。
「きゃっ」
エリーゼが小さく悲鳴を上げる。
「入ったよ、エリーゼ。」
「ヴェンデリン様、痛かった。わたくし、身体の中が裂けてしまったかも。」
涙目になりながら『痛い、痛い』と訴えるエリーゼ。その一方で、エリーゼの膣内に潜入を果たしたヴェルの男性器は限界だった。元々興奮しきっている上に、先程まで処女だったエリーゼの若く未経験な膣内が脈動をヴェルに伝えてきている。
「ちょ、動かないで。」
「はい」
エリーゼは大人しくしてもエリーゼの膣は大人しくしてくれない。刺激が強い。それ以上にヴェルの男性器が我慢が効かない。このままだと暴発する可能性しかなかった。
「まだ痛い?」
「はいっ!」
痛みを尚も訴えるエリーゼに対し、ヴェルはエリーゼには非情な決断をする。
「俺が一度射精しちゃおう。そしたらエリーゼも少し休めるから。少し、我慢してね。」
涙目でコクンとうなずくエリーゼを確認すると、ヴェルは腰を動かし始めた。
「きゃっ、きゃっ、いや。」
ヴェルに組み敷かれたエリーゼは懸命に痛みに耐える。
「いくね、エリーゼ。」
「ヴェンデリン様、早く、早くお願いしますっ」
エリーゼに大きく包まれながら、ヴェルは暴発気味に絶頂に達していった。エリーゼは呆然としながら、膣内にヴェルの精子が広がる感覚を、脈動と熱の広がりとして感じていた。
「(これが、ヴェンデリン様の子種)」
股には裂けるような痛みがある。愛情や快楽も混じってはいるのだが、望んで受け入れたヴェルの男性器とはいえ、膣に異物感があるのは拭えない。ただ、ヴェルを無事に膣内射精に導き、一仕事を終えたという満足感はあった。
「お願い。まだ痛いから、動かないでじっとしていてください。」
エリーゼはヴェルに懇願する。
「うん、分かった。」
「あのその、回復魔法を使用してもよろしいでしょうか?」
余りの痛みに耐えかねて、エリーゼは回復魔法の使用を決意した。ヴェルを迎え入れたままのこの体勢なら、処女膜の再生はなく、破瓜の痛みが再現する事は多分ないはずだ。
ヴェルがうなずくのを見て、エリーゼは回復魔法を詠唱する。ヴェルと繋がったまま、温かな魔力の光が傷を癒やし出血を止めたのを確かに感じた。エリーゼはようやく少し落ち着く。
「ヴェンデリン様は、気持ち良かったですか?」
「うん、エリーゼ。とても良かったよ。俺は我慢できずにすぐにエリーゼにイカされてしまった。」
ヴェルに笑顔を向けられ、エリーゼは本心から嬉しくなる。
「これで私は赤ちゃんを授かったでしょうか?」
「うーん、どうだろう。やはり1回ではなかなか出来ないみたいだから。頑張らないといけないね。」
あっさりとそう告げるヴェルの様子に、エリーゼはため息をつく。
「そう、なのですね。子作りというのは女性にはとても大変な作業なのですね。」
エリーゼは性交渉がこれほど痛みを伴うとは知らなかった。ヴェルの手際は良かったように感じられるのに、この痛みなのだ。
「(確かにお祖父様が言われた通り、アマーリエさんがヴェンデリン様の準備を整えてくれて正解だったのかも。)」
エリーゼは初体験を経て、アマーリエという『あてがい女』の存在に初めて感謝をした。
「エリーゼは気持ち良かった?」
「ごめんなさい、まだ痛いばかりで正直よく分からないんです。でも、ヴェンデリン様と繋がっていると体温が伝わって安心します。」
エリーゼは正直に告白する。
「それじゃ、回数を重ねて早く気持ちよくなれるようにした方がいいよ。俺もまだしたらないしこのままもう一度再開しようか。」
エリーゼの中に挿入したまま、再び男性器をカチカチに硬くしているヴェルにエリーゼは驚く。
「あの、その、ドミニクから『男性はそう何度も出来ないので、女性は物足りなくても催促などしない方が良いです』と聞いたのですが、ヴェンデリン様はそんなにして大丈夫なのですか?」
「うん、エリーゼと愛し合いたくてもうこんなに硬くなってるよ。」
ヴェルが軽く腰を動かしエリーゼを刺激すると、エリーゼは痛みから顔を顰める。
「それにね、結婚にあたって師匠から授けられたのが『精力回復』の魔法だったんだ。最初に使うのはエリーゼと決めていたんだ。今夜はエリーゼをいかせるまで、頑張るからね、俺。」
「・・・大丈夫です、私はヴェンデリン様の全てを受け入れます。」
腹をくくったエリーゼを早く快楽に導こうと、ヴェルは懸命に腰を振り始めた。
その夜、2人の試行錯誤は続いた。3回目の挑戦で、エリーゼの吐息に甘い声が混じった。4回目の挑戦で、エリーゼはヴェルの挿入に痛みよりも快楽を感じ始めていた。5回目の挑戦でエリーゼは初めて絶頂を味わい、その後眠くなるまで2人の試行錯誤は続いた。
真夜中を越えて朝が白みかけた頃、2人で重なり合うように眠り、いつもの時間に目を覚ます。ヴェルの目の前にエリーゼの顔と見事な胸があった。朝日の中でも形崩れせずにそそり立っている。
「ヴェンデリン様」
「おはよう、エリーゼ。ええと、大丈夫かな?」
「私は大丈夫なのですが……」
夜更けまで起きていた事、そして試行錯誤を重ねた為に乱れたベッドの惨状をエリーゼは気にしていた。
「朝風呂に入ろうか?」
「はい」
ヴェルとエリーゼはガウンを纏うと連れ立って風呂に向かう。
「ドミニクも新婚なのに、悪いことをしました」
戸口ですれ違いざま、エリーゼはドミニクに声をかける。それは見届け役の役割を労う言葉だった。
「いえ……エリーゼ様が無事に奥様になられたということで……」
ドミニクもエリーゼの初夜が済んでホッとしている様子だった。この後はドミニクはローデリヒから魔道通信機を借りて、エリーゼの実家に連絡を入れる手筈となっている。報告内容の確認の為に寝室に立ち入ったドミニクは粘液に塗れたシーツの惨状に顔を引き攣らせた。
「(お館様はどれほどの性豪なのだろう、それを受け止め切ったエリーゼ様、とても頑張られたのですね。)」
男性というのはせいぜい1度か2度済ませたら,早々に寝てしまうものだと考えていた。回数を記録するドミニクは、エリーゼの身体が壊れてしまわないか気が気ではなかった。エリーゼが回復魔法の使い手でなかったら、とても最後まで見ていられなかっただろう。初夜を迎えた主人の苦労を思い、ドミニクは自身の目に浮かんだ涙を拭いた。
物語終盤としてヴェルと花嫁達の初夜を書いていきます。少し時間がかかりそうです。
アマーリエは立場的には結婚式には出られない印象ですが(クルトの被害者の報復的にも花嫁を無用に刺激しそうですし)、アマーリエの子供は将来土地を分与される対象という事で親族として式に出たのではないかなと考えています。子供の結婚式参加は身内としての点数稼ぎみたいな側面や、式の様子を語り継ぐ役割を担わされている側面もあるのでしょうね。