【NTR・寝取られ展開注意】外伝1 ヴェンデリンの継嗣フリードリヒの『あてがい女』予習
ヴェルが30代となり、ヴェルとエリーゼの間に生まれた長男のフリードリヒの成人が近づいたある日の事。その日はエリーゼの肝煎りで、今年成人するヴェルの継嗣のフリードリヒの結婚について打ち合わせが開催されていた。
バウマイスター辺境伯家の継嗣の結婚準備についてなので側室も一堂に会している。と言っても少し先の結婚の準備の話であり、ヴェルの妻達の和やかな茶会と言った趣だった。
「あなた、フリードリヒの事ですが、時期は成人と共に結婚式を上げる事になりますね?」
「そうなるね」
エリーゼの問いかけに、アマーリエの淹れたマテ茶を飲みながらヴェルが答えた。フリードリヒは生まれた時に婚約者を決めてある。ヴェルとしては成人と同時にフリードリヒを結婚させ、爵位も譲り渡す心積りでいた。
「でしたら、フリードリヒに『あてがい女』を決めて頂かないと。」
一瞬にして和やかな席の空気が固まった。ヴェルの側室たちも皆、顔を伏せている。今は側室の扱いを受けるアマーリエがヴェンデリンの『あてがい女』を務めたのは公然の秘密であり、出産と共に妻の席に直った経緯から、この話題は常に緊張をはらむ。
「そ、そうだな。父親が用意する物らしいから、俺が探さないといけないよな。」
「それでドミニクともよく相談したのだけれど、ホーエンハイム家にゆかりのある女性が良いと思うの。」
エリーゼの後ろに立って控えているメイドのドミニクを、ヴェルは思わず見上げる。
「年上の未亡人が良いと聞くけれど、ドミニクは未亡人では無いし、流石に母親と同じ年代の、そう、ドミニクはフリードリヒの育ての親みたいなものだから、ちょっと年上すぎるんじゃないかな•••」
「ええ。なのでドミニクではなくて、ドミニクの娘はどうかしら?」
ドミニクの娘。その昔、ヴェルとエリーゼが結婚をした折、初夜を迎えた際にドミニクが花嫁の見届け役を務めた事があった。若夫婦の熱々ぶりを5夜連続で監視する役を勤めて、3日間の休みを得てドニミクもすぐに妊娠をしてエリーゼを喜ばせたのだった。
「(あの時の子か。)」
エリーゼがフリードリヒを身籠る前の出来事なので、フリードリヒからするとほんの少しだか年上になる。
「ドミニクの娘か。・・・しかし、それだとフリードリヒと年齢がさほど変わらない幼馴染だから、手ほどきする程の経験があるかという事になるとどうなんだろう。」
ドミニクの娘が結婚したという話は聞いていない。エリーゼはなんだかんだでその娘を可愛がっていたはずなので、嫁に出したのであれば話くらいはヴェルも聞いていた筈だった。
「お館様、娘のクロエは未婚の処女でございます。」
ヴェルはうーんと腕組みして唸ってしまった。フリードリヒは王太子の娘と婚約している。『あてがい女』の風習からすると、ここはフリードリヒに初夜を失敗させない為に経験豊富な女性が望ましい。大体、『あてがい女』とは生活に苦しい後家の救済措置でもあるのだ。
「エリーゼ、ドミニクの娘のクロエがそうしてくれるならフリードリヒにとってありがたい話だと俺は思う。だけれど、良い結婚の出来る若いクロエの処女を犠牲にして良いのかな?それに、やはり経験の必要な役目だと思うし。」
おかしいな、エリーゼであればクロエの幸せを考えそうなものなんだが。結ばれない相手に処女を捧げさせるのは、流石に可哀想に思える。ドミニクの娘であれば、普通にバウマイスター辺境伯家内で格好の相手が見つかる筈なのだ。
「それがね、クロエはフリードリヒを好きみたいで。」
「はい、娘のクロエは僭越ではありますが、フリードリヒ様のためにその身を捧げるのを喜んでおります。」
「フリードリヒも、クロエが相手なら喜ぶのかな?」
「それはもう間違いないわ」
自信たっぷりにエリーゼが断言した。なるほど。話が見えてきたぞ。相思相愛ながら身分の低い幼馴染とフリードリヒをどうにかしようと、母親であるエリーゼとドミニクの2人が揃って画策しているのか。
「俺は反対しないけれど、『あてがい女』は別に立てて、クロエは追々、フリードリヒの愛人という形でどうだろうか。」
うんうん、とイーナがうなずいている。恋愛小説の好きなイーナにとって、幼馴染のメイドと若主人との恋の成就は定番の展開なのだろう。
「ダメよ。だってフリードリヒの初めてもクロエの処女も、お互いに初めてを捧げあって欲しいのだもの。」
エリーゼがヴェルの言葉を切り捨てる。エリーゼ自身が、そうでなかった過去を気にしている側面もあるのだろう。その悔いを、息子フリードリヒの代で晴らそうというのだろうか。ヴェルは恐る恐るエリーゼの説得を試みた。
「でもね、未経験のクロエに『あてがい女』をさせるというのもそれはそれで危険だし。フリードリヒの婚約者は王族だから、王家への体裁上、他の婚約者を隠していたように捉えられるかもしれない。最初からクロエを近づけるのも、正妻を刺激してまずいかもしれないよ。」
エリーゼ自身がそうだったように、貴族の男性が初めて抱く処女は正室であるべきという不文律がある。だが、息子フリードリヒの事となると、エリーゼはヴェルの説得に全く耳を貸そうとしなかった。
「フリードリヒの童貞をどうするかは母親であるわたくしが決めます。わたくしはクロエが良いと思うし、クロエの母親のドミニクも、クロエ自身もそれを望んでいるの。」
「うーん。ただ、相手は経験がある女性じゃないとね。」
「経験は積ませます。要は、クロエがフリードリヒの為に練習をすれば良いと思うの。本当は私がフリードリヒに教えたいくらいだけれど、私はフリードリヒの母親ですから。だからあなたが私に協力して、一緒にクロエを練習させて欲しいの。」
「そ、そうか。俺も協力したいけどクロエが俺で練習するのは嫌じゃないかな。だってクロエはフリードリヒが好きなんだろう」
「クロエはお館様とエリーゼ様にフリードリヒ様の為にお教え頂けるのを心待ちにしております。フリードリヒ様に身体を捧げる資格が得られるならと。」
既に打ち合わせ済みだったのだろう。ドミニクがエリーゼに代わりヴェルに応える。
「私がクロエを教えるとなると、男性役はヴェンデリン様に務めて頂かなくてはなりません。でもクロエの処女はフリードリヒの物ですから、そこは弁えてくださいね、あなた。」
一連のエリーゼの発言に再び場の空気が重くなる。先程は賛成している素振りだったイーナも今度は目を伏せていた。
「私たちお邪魔かな」
「そうだね。娘しかいない私達はそろそろ席を立った方が良いかも。」
イーナの言葉にルイーゼが同意し、他の側室達も逃げ出しにかかった。
「私は息子の為に『あてがい女』をどうするか興味ありますわ。」
次男のカイエンを産んだカタリーナだけはまだまだ居座るつもりなようだ。アマーリエも沈黙を守っているが、話の展開がどうなるか気がかりなようだった。他の側室達はそそくさと退室してゆく。
「と、ともあれだ。こういうのは本人達の意思が大事じゃないかな。」
「ええ、そう思います。クロエは隣室に控えさせています。すぐに会ってやってくださいな。」
エリーゼとドミニクの手回しの良さに、ヴェルは一歩も譲る余地のない決意の固さを痛感した。
「失礼します」
ドミニクに促され、メイド服姿のクロエが入室し礼をする。クロエの容姿は母親のドミニクによく似ていた。ダークブラウンの髪で胸が大きい。顔の輪郭や目がドミニクと違うのは父親に似たのだろう。
クロエはドミニクの元で見習いメイドを務めていると聞いている。使用人とはいえ、そこは筆頭家臣のエルや家宰のローデリヒの子供達と同様に、この館の子供の1人といった形なので本人にも館にいる事には大きな違和感は無かった。
「クロエ、俺は今エリーゼとドミニクから話を聞いたんだけど、息子のフリードリヒにその、大人の男になる為の手ほどきをしてくれるつもりがあるんだって?」
「はい、お館様。そのお役目喜んで務めさせていただきます。」
ヴェルはチラリとエリーゼと視線を交わす。エリーゼは『大丈夫でしょう』といいたげな自信満々な顔をしていた。決意してヴェルはクロエに問う。
「『あてがい女』は経験豊富でないと務まらない。だからその、エリーゼが言うには、エリーゼと俺がしている所を見せたりして、クロエに俺が教えればいいというのだけれど、クロエはそれでも構わないのかな。」
クロエの返答は躊躇いがなかった。
「はい、フリードリヒ様にこの身を捧げられるのでしたら、私はお館様に抱いていただく覚悟です。それが『あてがい女』なのですから。」
それを聞いたアマーリエが横でハラハラと涙を流す。クロエの決意にかつての自身の姿を重ねているのだろうか。カタリーナも、男子を持つ母親としてクロエの決意に感銘を受けた様子だった。
「クロエは、ちゃんと良い結婚相手を探せると思う。俺が相手を探してもいい。それでも、フリードリヒの為にこの役目を勤めてくれる、そういう事でいいのかな? エリーゼやドミニクに気兼ねしなくても大丈夫だから、クロエの素直な気持ちを聞かせて欲しい」
クロエがチラリと泣いているアマーリエに視線を向ける。その視線の意味するところは明白だった。
「私は本心からこのお役目を望んでいます。その、フリードリヒ様と一時でも一緒に過ごす事が出来るなら、私は普通の結婚ができなくてもいい。それが私の幸せです。」
アマーリエという実例が身近にいるのだ。身分が低いにしても、フリードリヒに身体を捧げ、子を授かり、いずれ側室に迎えられる未来を夢見ているのだろう。
フリードリヒは辺境伯になるだけでなく、王太子の娘婿である。王太子はいずれ王となる訳で、先々フリードリヒは国王の義理の息子となる。そうなると、フリードリヒとクロエの身分は更に隔絶する。他の方法ではフリードリヒとクロエが結ばれる可能性はまずないだろう。
ヴェルが先ほど提案した『追々、愛人に』という線では、正妻の許可が得られるかも中々難しいところだった。ドミニクの立場がバウマイスター伯爵家のメイド長といえ、夫は子爵家の庭師の次男なのだ。その娘のクロエとなると陪臣としても格が高いとは言えない。
フリードリヒとクロエが密通したところで、王族との結婚までには精算され、何も無かった事にされる。婚姻後の密通は、正妻にどう処罰されるかも分からない。それならば若いうちにバウマイスター辺境伯家の中だけでも公式の立場にして欲しいという気持ちも分からないではない。役割上とはいえ公的な関係があった過去があれば愛人という形にも持っていきやすいと考えているのだろう。
「君の気持ちは分かったよ、言いにくい事をちゃんと話してくれてありがとう。クロエ。」
「あなた、よろしいですわね?」
エリーゼから確認が入る。この場にいるドミニクは元々エリーゼの側近でクロエの母だし、アマーリエとカタリーナも今のクロエの話で支持に回ったようだ。他の側室達も正室のエリーゼの決定に異議を唱える事はないだろう。
「分かったよ、でも、フリードリヒと話してからだぞ。」
「では早速、フリードリヒをここに呼びましょう。」
エリーゼのあんまりな言葉にヴェルは全力で止めに入った。
「いやいや、それはダメだって。年頃の息子は繊細なんだから、母親の前でそういう話は触れられたくないんだよ。上手くいく話も却って拗れてしまう。こういうのは父親がこっそり聞くものなんだ。」
エリーゼは意外そうな顔をした。
「そう、なのですね。」
仲の良い親子だけに、息子のその手の感情には理解が及ばないのだろう。これは息子のフリードリヒに生々しい両親の夫婦の営みを見せて平気かという問題でもある。今のエリーゼなら息子に見られても全く気にしないかもしれないが、フリードリヒは絶対に気にするだろう。そうでなくては俺が困る。
「クロエの気持ちは分かったから、俺も実現するように努力する。ただフリードリヒがどう思うか次第だ。まぁ、クロエは綺麗だからそこは大丈夫だと思うけど。」
「ドミニク、クロエ、ありがとう。もう下がって大丈夫よ。あとはわたくしに任せておいてね。」
「はい、失礼致します」
エリーゼの言葉に、ドミニクとクロエの母娘は退室する。
「それでは午後にでもフリードリヒと話し合いをしてくださいね。」
「ああ、分かったよ」
「それからカタリーナさん、アマーリエさん。ご相談があるのだけれど。」
「なんでしょう?」
「お2人は今回の件は賛成してくださっているという事で良いのですよね?」
「はい」
「勿論ですわ」
口々に肯定するアマーリエとカタリーナ。
「クロエの特訓の為に、お二人のヴェンデリン様との夜の時間を譲ってください。クロエには入念な準備をさせたいので。」
エリーゼの言葉に、カタリーナとアマーリエもちょっと言葉を失っている。ヴェルの嫁達との予定は均等になるように正妻のエリーゼが管理しているが、これまでは平等に対応してきただけにエリーゼの横暴ぶりというか、普段との落差が激しい。
「大丈夫、他の皆さんにも同じお願いをするつもりだから不公平にはならないわ。これもフリードリヒとクロエの恋の成就の為なの。お願いします。」
「はい、勿論です。」
「わかりました、応援しておりますわ」
アマーリエとカタリーナの賛同を得て、エリーゼは実に満足そうだった。
午後、ヴェルはこっそりとフリードリヒを自室に呼び出した。
「お呼びでしょうか、父上」
「今日はお前に折り入って話があるんだ。座ってくれ。」
ヴェルはフリードリヒを椅子に座わせると、魔法も使って誰も話を聞いていない事を確認し、会話の内容が漏れないようにする。その様子を訝しんだフリードリヒが尋ねる。
「あの、何かとても重要な事なのでしょうか?」
「うん。以前から話している通り、成人したらバウマイスター辺境伯の爵位はフリードリヒ、お前に引き継いでもらう。この広大な領地を持つ大貴族になると大変なことが一つある。何だか分かるかい?」
そう言えば以前、父上と同じような会話をした事があるな、とヴェルは懐かしく思い出す。あの時はアマーリエ義姉さんの名前を告げられて驚くと同時に、あの人を抱けるのかと喜びもした。
抱いていいのか、兄嫁に対してそんな行為が許されるのかという葛藤もあったけど、嬉しい。それが本心だった。今回の父の贈り物は息子を喜ばせる事が出来るのだろうか。
「円滑に領地を治めることですか?」
「それは勿論大切だ。だが、その前に子を成して次代以降も家を存続させる必要があるわけだ。子がいないと家が続かないからな」
「はい、母上からも結婚の準備を入念にしなさいと、そう言われております。」
「その準備の事なんだけどね。単刀直入にいうぞ。お前が花嫁との初夜に失敗しないように女性の身体を知らなければならないんだ。こういうのは少し年上のお姉さんに教わる事になる。」
「はい、そうなんですね•••。」
なんだかフリードリヒの顔が少しショックそうだが、このまま話を進めて大丈夫だろうか。
「手ほどき役は『あてがい女』という役割なんだ、聞いた事はあるかな? こういうのは相手が難しい。商売女では病気の心配もあるし、口が硬くないと話が漏れてしまう。ある程度近くにいておかしくない間柄でないと周囲に怪しまれる。会う機会も作りにくい。普通は年上の未亡人が後腐れがなくて良いと言われていてね、経験豊富だから色々手ほどきしてもらえるし。」
「経験豊富で年上というと、例えば父上の側室の誰か。イーナさんや、母上のメイドのドミニクでしょうか?」
フリードリヒは年上好きなのか?いやいや、親子とはいえ俺の側室は譲らないぞ。
「いやいや、それは後々気まずいんじゃないか。もう少しフリードリヒに近い年齢がいいと俺も思うんだ。」
「はい」
この反応はどちらなんだろう。少し失望しているような。このまま話を進めて良いのだろうか。
「相手をどうするかはエリーゼとも相談をしてね。どうだろう、もしフリードリヒが嫌でなければ、お前も良く知っているドミニクの娘のクロエに頼もうかと、そう思うんだ。」
フリードリヒの目が熱を帯びた。
「嬉しいです、父上。」
「お、おう、そうか。フリードリヒはクロエが良いんだな。」
「はい、クロエが良いです。」
良かった。エリーゼの情報は正しかったみたいだ。
「ただ、その何だ。クロエは未婚だろう。もちろん処女だ。だから事前に練習して経験を積ませないといけない。それで大丈夫かな?」
「大丈夫か、とは何がでしょうか、父上。」
本心から不思議そうにフリードリヒが尋ねる。
「エリーゼとも話したんだけどね、クロエが経験を積むにあたって俺が、そのエリーゼの監視の下で、色々教える方が良いのではないだろうかと。未経験者だと、ほら、王家への聞こえが良くないからね。もちろんフリードリヒが嫌なら他の方法も…」
実の息子にこういう話をするのは実にやりにくいな、とヴェルは思う。貴族でなければ息子に金を渡して『遊んで来い』と娼館にでも、いやいや、それじゃいかんな。子供ときちんと向き合う必要があるだろう。ヴェルがそうだったように、フリードリヒにとっても大切な経験なのだ。
「大丈夫です。父上にクロエを指導して頂けると助かります。」
「その、フリードリヒは、指導とはいえクロエが俺に抱かれるのは嫌じゃないかな。エリーゼからは『クロエの処女はフリードリヒに捧げるべきなのでそこは守るよう』にと言われている。だから俺もそこは注意するので安心して欲しい。」
「あー、いえ特には注意されずで大丈夫です、クロエへの対応はいつも通りで。むしろちゃんと最後まで抱いてやってください。」
気負ったヴェルの言葉は、フリードリヒの返答に肩透かしを食う。
「え?、いいの?」
「父上、クロエと結ばれる機会があって感謝しかありません。王家や他の貴族達の手前、体裁を整える必要も分かっています。むしろ父上にクロエを抱いて頂く方が、面倒がなくていいと思っているんです。」
「お、おう。」
「思うんですよ。妻となる王女の立場から見てどうでしょう。嫁ぐ家の中に、夫が子供時代を一緒に過ごして仲がよく、処女と童貞を捧げあった恋人がいたら目障りで仕方がないと思いませんか。結婚生活が最初から上手くいかないでしょう。」
「それはそうかもしれないな。貴族の正室は、最初に処女を捧げる相手が自分でないとその相手を問題視するというし。」
「そうですよね。なので、ここで父上に一肌脱いでいただきたいんです。彼女は単に父上が楽しんだ後に息子の教育用に据えた『あてがい女』だ。ただの道具でしかないと知ればどうでしょうか。『あてがい女』は父親からのプレゼントです。クロエが父上に抱かれる事でこの話の真実味が増します。身分も低く、舅に抱かれて非処女になったクロエの立場なら、正妻の脅威にはなりません。その形なら、クロエの存在を傍に置いておいても王女に認めてもらえると思うんです。」
フリードリヒは誰かに入れ知恵されたかのようにスラスラと自説を述べた。
「な、なるほど。この話を聞いてすぐにそこまで考えたとは驚いた。しかしエリーゼが、だな。」
「母上は説得します。父上、よろしくお願い申し上げます。」
フリードリヒがクロエの『あてがい女』就任に前向きだし喜んでくれるのは良かったとヴェルも思う。しかし少し厄介な事態になっている気がする。
これは俗に言う深みにハマった、というやつかもしれない。エリーゼとフリードリヒの思惑の板挟みになった気がする。
フリードリヒが退室した後、待ちかねたようにエリーゼとドミニクがヴェルの書斎を訪れる。
「それで、どうでしたか?」
「あ、うん。フリードリヒはクロエを受け入れたよ。クロエが『あてがい女』になると知ってとても喜んでいた。クロエの練習に協力して欲しいともフリードリヒから熱心に頼まれた。」
「良かった、では早速今夜から。」
手を叩いて喜ぶエリーゼに、クロエの処女を奪って欲しいとフリードリヒに頼まれた事をエリーゼに伝えるべきか悩む。
「(まあ、まずはクロエの意思を確認してみないとだよな。)」
エリーゼの差配で、早速その日の夜からクロエの練習に付き合う事になった。『身体を綺麗にしておいてください』とのエリーゼの指示でヴェルは風呂に向かう。浴室に向かって廊下を歩いているヴェルを待っていたのだろう、イーナとルイーゼが話しかけてくる。
「それで、どうなったの?」
イーナの問いかけにヴェルが答える。
「フリードリヒはこの話に賛成してた。クロエは早速今夜から練習する事に。」
「ああなったらエリーゼは止められないよ。頑張って、ヴェル。」
ポンと背中を押されて、ルイーゼに応援される。
「あ、フリードリヒは年上が好きみたいだ。『候補は父上の側室の誰かですか?』って」
ゾゾゾとイーナとルイーゼを寒気が襲う。
「私達はそこまで子供は好みじゃないから」とルイーゼ。
「流石にそれは命令されても嫌かな。」とイーナ。
「フリードリヒにそういう目で見られてるかもしれないからさ、格好とか気をつけてくれよ」
「そうか、娘と同年代にも魅力を発揮してしまうなんて魔性の女だな」
自惚れてポーズを取るルイーゼ、思い当たる事でもあるのか少し考え込んだ様子のイーナと別れて風呂に入る。ヴェルの側室といっても若い年代もいるので、恐らくもう少し若い年代を想定していたのだろうが、ヴェルは何も言わない事にした。
いや、本当にそうだろうか。まあ、『あてがい女』がついて、フリードリヒもそういう事を覚えたら側室に目が行き易くなるかもしれない、間違いがないよう注意喚起してもおかしくはないだろう。
浴室にはアマーリエが準備を整えて待っていた。エリーゼの指示で、ヴェルの身体を綺麗にしておくようにと指示が出たのだ。こういう役回りは、ヴェルの『あてがい女』であり、過去にメイドも勤めていたアマーリエが担当することが多い。ドミニクに任せられないし、側室の誰かがやる方が良い作業だからだろう。
ヴェルとアマーリエは気のおける仲だし、ヴェルもアマーリエに身体を洗われる事に抵抗はない。ヴェルを専有できる貴重な機会でもあるので、アマーリエにも得な取引のようだった。
「主様、お待ちしておりました。」
すっかり『あてがい女』だった頃に戻った様子で、アマーリエがヴェルの服を脱がせにかかる。
「ふふふ、アマーリエ義姉さんと2人きりでこの時間にお風呂だなんて昔を思い出しますね。」
「私もすっかりおばさんになっちゃったから、恥ずかしいわ」
「アマーリエ義姉さんは変わらず綺麗ですよ」
ヴェルは本心をいう。それは出会った頃に比べれば違いはあるが、アマーリエがヴェルに魅力的な存在なのは間違いなかった。
「ふふふ、ヴェル君は相変わらず口が上手ね。」
今でもアマーリエとは定期的に逢瀬を楽しんでいる。慣れ親しんだもののじゃれあいに近いかもしれなかったが、アマーリエの中にはヴェルの、ヴェルの中にはアマーリエへの愛情があり、共通の思い出がさらに2人を強固に結びつけていた。
「今日はヴェル君に抱いてもらえないのは寂しいわ」
アマーリエがポツリと口にする。
「いや、アマーリエ義姉さんさえ良ければここで抱いても」
「ダメよ、今日はクロエちゃんに教える日でしょう。レクチャーするヴェル君には万全の体制でいてほしいもの」
アマーリエに諭され何もせずに風呂を終えた後、ヴェルは寝室でエリーゼとクロエの到着を待つ。控えめなノックと共にクロエが入室した。エリーゼとドミニクが続いている。
「お館様、ご指導よろしくお願い致します」
深々と頭を下げるクロエをヴェルはなんとも複雑な気持ちで見ていた。
「クロエ、最初はわたくしが指導しますから言う通りにしてくださいね。」
クロエも緊張しているのだろうが、エリーゼの発言にクロエは素直にうなずいている。
「クロエ、殿方はお疲れであったり、お酒を飲んでいたり、寝室が暗い時には相手を間違える事もあります。むろん、そのような時もお館様のお求めなのですから拒んではいけませんよ。ただ、ランプの灯りを消さなければそういう間違いは起こらないはずです。その点、教えを乞う際はよく注意しておくのですよ。」
「はい、お母様」
ドミニクの注意はやけに具体的でまるで実体験に基づいているような生々しさがあった。それに娘に与える注意の体裁は保っているが、なんだろう、クロエに処女を捨てるように仕向けている印象をヴェルは受けた。フリードリヒの話が余計な先入観を生んでしまっているのだろうか。
「お館様のご気分が優れない時はワインをお勧めしてね。ここに置いておきますよ。」
「そうね。流石にあなたもクロエも緊張するでしょうから、少しワインを飲むといいわ。」
ドミニクの言葉にエリーゼも同意する。
「クロエにお酌をしてもらって、少しくつろぐといいわ。私はドミニクに手伝って貰って着替えてきます。でもクロエ、私が戻るまではお館様に求められても服は脱いではいけませんよ。」
「はい、奥方様」
ドミニクを引き連れてエリーゼが去る。ヴェルはクロエに勧められるままにワインを口にする。
「クロエもワインを飲むといいよ」
「はい、お館様、いただきます」
素直にクロエもワインを口にする。
「もうエリーゼから聞いていると思うけれど、フリードリヒと話してね。クロエが相手と知ってとても喜んでいたよ。」
「はい、嬉しいです、このお役目をとても光栄に思っています。」
ヴェルは少し逡巡し単刀直入に聴くことにした。
「それで、クロエはやはりエリーゼの言う通りフリードリヒに処女を捧げるつもりなのかな?」
ヴェル自身どうかと思う聞き方ではある。下心丸出しと捉えられても仕方ないが、クロエの気持ちを確認しないことには始まらない話でもある。
「その事ですが、出来れば私はお館様に処女を捧げられたらと考えております。」
クロエの返答はヴェルには意外なものだった。
「いやこれはクロエの希望通りにしていいんだよ。俺は無理にクロエの処女を奪おうとかそういうつもりじゃないんだから。」
「はい。お館様のお心はわかっております。母とも相談しましたが、フリードリヒ様の為に処女を捧げる価値があるのは、やはりお館様だけなんです。」
エリーゼの考えで問題となるのは、『フリードリヒに初めて処女を捧げるのが正妻であるのが望ましい』という点だ。
クロエがフリードリヒに処女を捧げると、本来正妻の処女を先に受け取る筈のフリードリヒに対して権利の侵犯が発生する。当然正妻の怒りを買う。それを回避する為には、疑問の余地のない状態で処女を喪失しておく必要があるのだ。前例踏襲は安全であるが、前例を踏み外すとどのような怒りを買うかが分からないのが貴族の社会であった。
なるほど。クロエなりに考えての事なのか。クロエが処女を捨てる場合、行きずりの男は大いに問題があるのだろう。まともな経験を積めるとも限らないし、フリードリヒの為に処女を捧げた事にならない。
フリードリヒの『あてがい女』になる目的で、貴族でありフリードリヒの父であるヴェルに処女を捧げる場合。フリードリヒの為に処女を捧げた証人は得られるという事なのだろう。クロエの処女を散らせた責任はフリードリヒ単体ではなくなるが、ヴェルとフリードリヒ父子に分散されるという考えになるようだ。
「(奇しくもフリードリヒとクロエの考えが一致してしまったのか。)」
「分かったよ、クロエ。俺に出来る事は協力しよう。でも、先にエリーゼを説得しないといけない。そこを乗り越えなければならないのは承知しておいてほしい。」
「ありがとうございます」
クロエがパッと顔を輝かせた。
「エリーゼ様の説得にあたっては母も応援してくれる筈です。」
「(やはりドミニクはクロエを抱くように唆していたんだな)」
ヴェルの印象は正しかったらしい。
「(後はエリーゼを説得するだけだけれど、ドミニクとクロエの協力があっても上手くいくんだろうか。)」
ドミニクを従えて戻ってきたエリーゼはネグリジェ姿だった。
「エリーゼ、その、ドミニクは控えてもらう方がよくないかな?」
「何を言っているの、あなた。ドミニクと私はあなたに抱かれた事があるもの。私がクロエを教えるのに、ドミニクが同席するのは当たり前じゃない。」
エリーゼの言葉にヴェルは赤面する。この辺りは前世との常識の違いが甚だしい。特にドミニクの娘のクロエに聞かせて良い言葉ではない。
いや、これこそがクロエへの教育なのだろうか。確かにバウマイスター辺境伯家の『あてがい女』になるのなら、性欲の捌け口を満たす道具になりきる必要がある。この手の覚悟は必要なのかもしれない。
「お母様もお館様と」
クロエはエリーゼの言葉にショックを受けた様子だった。それはそうだろうとヴェルも思う。
「ドミニクには、私が妊娠してヴェンデリン様のお相手が出来ない時に代わりを務めて貰いました。」
エリーゼが物問いたげなクロエに説明する。
「妻達の秩序を保つ上で正室の時間を側室に譲るのは良くないですし、全ては私が見ている前でしてもらった事なの。」
「え」
「正室の妊娠の間に、特定の側室と仲が良くなり過ぎてはいけないもの。その時のドミニクはクロエ、貴方を出産した後でした。私が再びヴェンデリン様の相手を務めるまでの期間はずっと夫の元に戻らず館に詰めてもらったの。」
「はい。」
「ドミニクが私と共にバウマイスター家に移ってきたのはそのような身代わりもお願いしての事。貴族の当主の妻はそういうものなのよ。今のうちに慣れておいてね、クロエ。」
「はい、かしこまりました。奥様」
クロエがエリーゼに深々と頭を下げる。大丈夫だろうか、ショックを受けていないだろうかとヴェルはクロエの横顔を見つめるが、クロエはどこか嬉しそうだった。
「(あーこれは、つまりフリードリヒとの未来に可能性を感じてワクワクしているのかな)」
ドミニクの立場でヴェルの相手をしていたのなら、クロエがフリードリヒを相手にしても問題のないという感覚のようだった。
正妻であるエリーゼとドミニクの関係は良い、というかこの場合は元々エリーゼの代理を務められるように期待して送り込まれた関係になる。
クロエとは正妻の関係性において立場は違う。やはりクロエはヴェルにとってのアマーリエになるのだが、それはそれとして母親が貴族家の当主に抱かれていたというのはこの場合はクロエの追い風になるようだった。
「さ、それでは始めましょうか、あなた。」
エリーゼがヴェルに微笑みかける。ヴェルはエリーゼにうなずき返すことしか出来なかった。
ベッドに横たわったヴェルは3人の女性に股間をマジマジと観察されていた。
「(恥ずかしいな、これ)」
ヴェルは本来なら貴族家の当主なのだが、ここではクロエの教材扱いであり、正妻エリーゼの言われるままに従う立場だった。
「クロエ、これが男性器よ。大きいでしょう。これが女性の中に入るの。」
「お館様のはご立派ですので、フリードリヒ様のはもう少し小ぶりだと思います。」
エリーゼとドミニクに寸評される。
「おほん。フリードリヒはまだ成長するだろうから、クロエがフリードリヒの成長を助けなさい。」
ヴェルは息子の名誉の為にフォローをする。息子と男性器の比較をした事はないが、常識的に考えて大人と子供では違うだろう。
「はい、分かりました。お館様」
素直な返事を聞いてクロエは良い子だな、と思う。そんな良い子をこれから手籠にするわけで、貴族というのは本当に。。。
「あなた、クロエがかわいいからと言って鼻の下を伸ばしてはダメですよ。クロエはフリードリヒの物、弁えてくださいね。」
ヴェルのそぶりを見てエリーゼが釘を刺す。
「ああ、分かってる。」
「それではドミニク、男性器への奉仕の仕方をクロエに実演して見せてあげて」
「かしこまりました、エリーゼ様」
ドミニクがヴェルの前に跪くと、ヴェルの男性器に手を伸ばす。そう、エリーゼはこの年月、ヴェルと夫婦生活を続けていても頑なに人前でヴェルの男性器にフェラをする事はなかった。正妻としての権威を気にかけているのだろう。
「(ま、そういうところがエリーゼの可愛いところなんだけどね)」
ヴェルの男性器が反応するのをエリーゼが取り違える。
「あなた、ドミニクが久々に相手をしてくれるからと言って喜んではダメよ」
「いや、これは違うんだ、うっ」
「失礼します」
ヴェルが弁解する間に、ヴェルの男性器がドミニクの唇に飲み込まれる。普段ヴェルにデレる素振りを全く見せた事のないドミニクによる奉仕。
普段は距離があるのに、突然ゼロ距離で丁寧な奉仕を受けるこのギャップはたまらない。ドミニクは口でしゃぶってから、丹念に舌先でヴェルの男性器を転がす。
「そこ、気持ちいいよドミニク」
了解したドミニクはヴェルの敏感な部分を攻め立てた。
「あなた、このまま射精していいのよ。クロエにいく姿を見せてあげてね」
ヴェルの背後から押し当てられるエリーゼの巨乳。ドミニクが手による刺激を追加する。
クロエに観察されながら、エリーゼの射精許可で興奮していたヴェルは絶頂に達した。ドクドクと溢れ出るヴェルの精子をドミニクの口は受け止め切った。
クロエに精子を見せる為だろう。ドミニクが口を開くと精子を自身の手のひらにぶちまけた。勢い余って服を着たままのドミニクのメイド服にヴェルの精子が撒き散らされる。
「これが子種なんですね」
クロエがしげしげとドミニクの手の上の精子を観察する。手にとって感触を確かめているようだ。ネバネバの塊を指で開いて遊んでいるように見える。
「そうよ、クロエにはフリードリヒにも口で満足できるような技術を身につけてほしいの。」
「クロエ、まずはお館様の男性器のお掃除をしましょう。射精された後、このように汚れた男性器は口で清めるのです。母はお前に見せる為に子種を吐き出してしまいましたが、本来はこれは許されないこと。子種は無駄にしないようにしっかり飲み込んでしまいなさい。」
ドミニクが手と服をタオルで拭いている間、クロエがドミニクと位置を交代しておずおずとヴェルの男性器に手を伸ばす。
「失礼します」
髪をかき上げるとクロエはヴェルの男性器に舌を這わせた。ヴェルの鼻腔をくすぐるクロエの匂い。嗅ぎ慣れない若い女性の体臭にヴェルも興奮する。
クロエは硬度を回復したヴェルの男性器にドギマギした様子だった。
「あの、これはどうすれば」
「殿方があそこを固くしたのは、抱きたいとあう意思表示なの。ドミニクがしたようにクロエも奉仕できるか試してみて。」
「けして歯をあててはいけませんよ」
エリーゼに促され、ドミニクの注意の元クロエのぎこちない奉仕が始まる。
じんわりとした快感がヴェルを包む。たどたどしいが、不慣れな様子もそれもまた心地よい。
「気持ちいいですか、お館様?」
「大丈夫、気持ちがいいよ、クロエ」
ヴェルはクロエを褒めて伸ばす事にする。ドミニクがクロエの背後に回ると紐を緩め、クロエのメイド服を脱がす。ここに来ると分かっていたからだろう。クロエはメイド服の下に下着をつけていない。ヴェルに奉仕しながら、クロエは母親の手で裸に剥かれた。
「あなた」
エリーゼに促されてヴェルはクロエの胸に手を伸ばす。母親譲りの巨乳はエリーゼほどでは無いが、ドミニクの胸と同じく確かな満足感をヴェルの手に与えてくれた。
胸を弄られて顔を赤らめるクロエを気にせず、ヴェルは胸を堪能した。この胸はもっと弄りたい。
「クロエ、お館様はお前の胸を触りたいのです。口を離して仰向けになりなさい。」
ドミニクに促されて、クロエは咥えていたヴェルの男性器を離すとヴェルの前に横になった。慎み深いクロエの女性器もヴェルの前に丸見えになる。
「あなた、まだ胸だけですよ」
「分かっているよ」
ヴェルはクロエにのしかかるとクロエの胸を愛撫し始めた。挿入を警戒しているのだろう、ヴェルの男性器はエリーゼにしっかりと握られてしまう。
エリーゼの手で慰められながら、クロエの胸に挑むのもそれはそれで気持ちが良かった。
「や、やん、気持ちいいです、お館さまぁ」
初めて胸を愛撫され、クロエの吐息に甘いものが混じる。これまでのやり取りですっかり興奮していたのもあるのだろう。
「(もう挿入できそうだな)」
しかしエリーゼがそれを許さない。
「それではクロエに挿入を説明しましょう。」
「エリーゼ様、私が致しましょうか?」
「ドミニクはいいわ、ここは私の出番だと思うの。」
ヴェルに抱かれると思っていたのだろう、少し不服そうなドミニクを下がらせ、エリーゼがクロエと交代する。
エリーゼはヴェルにとって抱き慣れた身体で子供も産んでもらった。しかしエリーゼの体には今もどこか清純な空気があって、それがヴェルを興奮させてくれる。何より立派な胸はいまだに健在だった。
「エリーゼ」
「あなた興奮しすぎてはダメよ。」
そう言いながらもエリーゼはヴェルに為されるがまま押し倒される。ヴェルがエリーゼの胸を堪能している間、エリーゼは手でヴェルの男性器を慰めてくれた。
「入れたい。」
「はい、あなた。喜んで。」
エリーゼが高々と尻を持ち上げるとヴェルはエリーゼに一気に突き入れた。エリーゼの綺麗な顔が快楽に歪む。ヴェルに挿入されただけで感じているのだ。
「ああ、気持ちいいわ」
傍ではドミニクが小声でクロエにレクチャーしている。きっと抱かれる時の作法などを教え込んでいるのだろう。
ヴェルはエリーゼの身体を楽しむ事に集中する。エリーゼの身体の締め付けで、エリーゼが感じている事がヴェル伝わる。エリーゼも少なからずこの状況に興奮している様子だった。
歓迎するエリーゼの中に突き入れる。動き回るエリーゼの胸に溺れながら、エリーゼの膣を堪能する。
「エリーゼ我慢できない」
「ええ、わたくしもいってしまいそう」
上り詰めたエリーゼが、クロエとドミニクに見守られながらブルブル身体を震わせる。しっかりとエリーゼを絶頂に導くと、ヴェルもエリーゼの膣内で熱い精を撒き散らした。
ずるり、とヴェルの男性器が引き抜かれた。放心しているエリーゼにヴェルがキスをしている間に、ドミニクに促されたクロエがヴェルの男性器への奉仕を開始する。
ドミニクがクロエに心得を解いている横で、ヴェルは『精力回復』を使って精力を回復した。流石にこれ以上連戦するとなると『精力回復』に頼る必要がある。
少し回復したエリーゼがクロエを呼び寄せて、自身の女性器を観察させている。膣内射精がどうなるかを身振り手振りを交えて感触を説明している様子だった。
「お館様、失礼します」
ヴェルが振り返ると、ドミニクの唇でヴェルの唇が塞がれる。モゴモゴしている間にドミニクは素早くヴェルの男性器の反応を確かめる。
ヴェルの反応が良いのを確認すると、ドミニクはヴェルの口を塞いだままで手早く下着を脱ぐとヴェルの上に跨ってそのまま挿入を果たした。
熱いドミニクの膣の感触にヴェルは浸される。
「ドミニク、これは一体」
「お館様にクロエの処女捧げるために、場の雰囲気をもっと乱す必要があります。それに、私にも役得がありませんと。」
ヴェルの身体の上でメイド服姿のままでアンアン喘ぐドミニクの姿にエリーゼもクロエも気がついた様子だが、エリーゼは放任する様子だった。ヴェルは前々から気がついていたが、エリーゼはドミニクに対してはとんでもなく甘い。
ドミニクのする事は自分の為にしていると認識している節があるので、ドミニクが稀に大胆な行動に走っても叱られている所を見た事は無かった。今回もドミニクは事前にエリーゼの許可を得ていたのだろう。
エリーゼが実演した正常位に対して、ドミニクが実演する騎乗位についてはエリーゼがクロエに解説している様子だった。
「(エリーゼが止めないって事は、このままドミニクの中に出して大丈夫って事だよな)」
「ドミニク、感じているね」
「いや、お館様がいけないんです。もっとエリーゼ様の所に通って、私も抱いてくださらないと」
ドサクサ紛れに愚痴を言われる。ドミニクは館にずっと詰めている。休日の時にしかカスパルと会えないので、夫婦生活に寂しさを抱えているのだろう。
「久々にお館様に抱いて頂ける機会ですので」
いつになくドミニクの視線が熱っぽい。裸こそ見せていないものの娘の前で痴態を見せる事に興奮してるのだろうか。
「(これは油断しているとフリードリヒにも手を出すんじゃ)」
ヴェルの身体の上で淫らに乱れながら、ドミニクが腰を動かす。その様子はクロエに見せたいというより、見せつけたいという動きだった。ヴェルはドミニクに蹂躙された。
ドミニクの動きに連動してメイド服の中で弾けるように揺れる巨乳が、背中で乱れる髪が、ドミニクの絡みつく女性器がヴェルの官能を高める。
「いい、凄くいいです、お館様」
自らを解放して嬌声を上げるドミニク。ドミニクの膣内が轟くのを感じて、足をピンと張ってヴェルも射精に巻き込まれる。
「いく、いくよドミニク。」
「はい、中に、しっかり中に出してくださいお館様」
絶頂したドミニクがヴェルに倒れ掛かるのと、ヴェルがドミニクの膣内に射精するのはほとんど同時だった。
ドミニクはハアハアと息を整えながらも、淫らな目つきでヴェルに口づけをねだる。ヴェルが答えてキスを交わす間に、ドミニクは腰を上げてヴェルの男性器を引き抜いた。
母の女性器から溢れ落ちるヴェルの精子に、クロエが慌ててタオルをあてる。それでもドミニクのスカートは少し汚れてしまっただろう。クロエからタオルを受け取ると、エリーゼもドミニクもクロエに目でヴェルの男性器への奉仕を促した。
ドミニクの膣内で暴れまわって精を放ち、すっかり硬さを失っていたヴェルの男性器にクロエが顔を近づける。
「男性が射精した後は敏感になっているから、そっとご奉仕するのですよ」
ドミニクの指示を受けてヴェルの男性器に舌を這わせるクロエ。エリーゼやドミニクの教えもあって1回目より的確に男性器を奉仕している。まだ男を知らぬクロエの奉仕を前に、ムクムクとヴェルの男性器が回復する。
「(今ここでクロエを抱くとマズいかな)」
恐る恐るエリーゼの様子を確認すると、何やら小声でドミニクとやり取りをしている。どうやらドミニクがクロエの処女喪失についてエリーゼに嘆願しているようだった。
「あなた、フリードリヒもクロエが非処女の方が良いと言ったのは本当なのですか?」
エリーゼからヴェルに確認が入った。
「本当だよ」
ヴェルはエリーゼにありのままを告げる。
「そう、フリードリヒがそう言ったのなら仕方がないわ。私としてはクロエの処女はフリードリヒにと思っていたけれど。実際に抱かれないと、この先は練習にならないでしょうね。確かにあの子、『クロエの事は父上にお任せてしていますので』と言っていたのよね。」
エリーゼの許可が出た。クロエとヴェルは思わず顔を見合わせる。早く挿入したいという点で2人の気持ちは一致していた。
「お館様お願い致します、優しくしてやってください」
ベットに横たわり、ヴェルを見上げるクロエ。その身体に手を当ててヴェルに向かって開くようにするドミニク。そしてヴェルの背後から、ヴェルが行き過ぎた動きをしないように見張るエリーゼ。
「分かったよ」
ヴェルは再び開かれたクロエの身体にのしかかる。エリーゼが素早くヴェルの背後からヴェルの男性器を掴む。
クロエの胸を堪能しながらもエリーゼに手でしごかれるヴェル。胸からクロエの女性器に移り、処女のクロエを刺激して十分な潤いを与えようとする。そんなヴェルの背後からエリーゼの手と胸が背後からヴェルを主張して、ヴェルのペースを乱し続けた。
「あなた」
濡れ濡れになったクロエを見て安心したのだろう。ドミニクがエリーゼにうなずき、エリーゼからヴェルに許可が下される。
「クロエに入れてあげてください」
「ゆっくり、ゆっくりですよ」
ドミニクに促されてヴェルはそっとクロエの中央に身体を進める。クロエの反応は少し硬かったが、その女性器はよく濡れていてヴェルをすっかり受け入れてくれそうだった。
エリーゼに腰をコントロールされながら、ゆっくりとヴェルはクロエの中に沈んでいく。
「うっ」
苦痛の声を漏らしながらもクロエは抵抗せずにヴェルを受け入れた。ミリミリと押し広げる感覚が伝わる。
ヴェルとクロエの結合箇所はドミニクに監視されていた。白いハンカチをあてて、クロエの処女の血を布に吸わせている。クロエが処女だった証として、フリードリヒに提示する証拠とするのだろう。
「入ったよ」
ほうっと息を放ってヴェルが緊張をほぐす。クロエはまだ苦痛に震えているから、ここは動かずそっとしているのが良いだろう。
「あなた、少し我慢してくださいね。あなたが本気で動いたら、クロエが壊れてしまうかもしれないもの。」
「分かっているさ」
エリーゼにせがまれてヴェルはエリーゼと長々とキスを交わす。エリーゼも本当は自分を相手にして欲しいと思っているのだろう。普段あまり蔑ろにされる事がないので、少し妬いている様子もあった。
「クロエ、気分はどうですか?」
「少し痛いですが、私は大丈夫です。お母様」
ヴェルの身体の下では、ドミニクがクロエの額の汗を拭いている。ドミニクも娘が心配なのか励ましている様子だった。
クロエの膣はヴェルにとって凄く収まりが良かった。若々しく押し広げた感触はあるものの、実態としてはとても良く馴染む。若いクロエの身体の反応もあって、すぐに射精しそうになる。
「お館様、私はフリードリヒ様に満足頂ける身体でしょうか?」
クロエがヴェルを見上げて尋ねる。その様子は息子に恋する乙女の様子に見えて、何か騙しているような気がしてヴェルは後ろめたさを覚える。
「ああ。大丈夫、フリードリヒも必ず満足する」
ヴェルはもう我慢できなかった。早く射精してクロエを解放する方が良いだろうとも思う。
「いくよ」
「え?」
予告するとヴェルはクロエの身体を堪能するように身体を動かし始める。
「え、あ、あ、あ」
ヴェルに組み敷かれたクロエが悶える。クロエの反応には苦痛と共に、確かに快楽が潜んでいた。
「クロエもっと膣を締めてお館様を楽しませるのですよ。」
「は、はい、お母様。」
ドミニクの無茶振りに涙目で応えながら、クロエが懸命に努力する。ヴェルはその健気な様子を眺めながら
「いくよ」
とクロエに予告した。
「は、はい。お館様、あ、あ、あー」
ヴェルの動きがより荒々しくなる。懸命にギュッとクロエが抱きつく。ただでさえ狭くてキツいクロエの女性器が収縮した。ヴェルは男を知らなかったクロエの奥底に長々と精を放った。
「どうでしたか、クロエ」
失神していたのだろう。クロエが気がつくとソファでドミニクに介抱されていた。
「凄く気持ち良かったです、お母様」
クロエは率直に感想を述べた。フワフワとしてよく分からないが、絶頂したような感覚の名残があった。
「お館様は逞しい方ですからね。母もお館様に抱いて頂ける日を楽しみにしています。」
素直すぎるドミニクの告白にクロエは目を丸くする。
「お館様とエリーゼ様は今お二人で楽しまれています。今日はもう良いですから部屋にお帰りなさい。続きはまた明日改めて」
「分かりました、お母様」
ドミニクとクロエは身なりを整えると連れ立って寝室を後にした。
ドミニクパートを書いている時に温めていた次世代のお話です。
WEB版でドミニクはヴェルの初夜5連戦後に妊娠出産しています。その時の子供は性別も名前も不明ですが、今回クロエというドミニクの娘として登場させました。一連の二次小説の中で、ドミニクはヴェルの相手をしています。タイミング的にクロエはドミニクの子供であってもおかしくありませんが、作中でエリーゼはその心配をしていません。
その理由として原作には『先祖返りであるヴェンデリンには強大な魔法に力が宿っており、子供は皆魔法使いとして産まれる』という設定があります。この世界にDNA鑑定は存在しませんが、魔法の力を受け継がないクロエはヴェルの子供ではありません。
アマーリエはヴェルに抱かれても魔法を発現しませんでした。ドミニクやクロエはヴェルに抱かれていたとしても魔法が発現しなくても不思議はありません。
ただヴェルにクロエを抱くようにそそのかしたフリードリヒの思惑として、身近なクロエが魔法を使えるようになると便利だという認識はあったようです。ヴェルの性交渉で相手の魔法力を強める能力はチート級で、こんな風に息子の世代にも影響を与えている、と妄想しています。
フリードリヒのパートは本来最後にしようと思っていたのですが、あまりにもイーナの初夜を書きたく無さすぎてこちらが先に完成しました。(驚くほどスラスラ書けました)今回は前編という扱いで、クロエが『あてがい女』を務める後編も作成予定でいます。ご期待ください。