※この作品はR-18です。

アマーリエ義姉さん 〜あてがい女の手ほどき〜   作:時田士郎

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カルラ嬢の事で連絡をくれたエーリッヒ兄さんの語る真相は、俺には意外な内容だった。

「驚かないで聞いて。ホールミア辺境伯は有名な男色家だったんだ。」

「え、でもカルラさんが被害に合っていますよね?」

「それはね。」

ホールミア辺境伯は美男子で武勇に優れた男性が好みなのだそうだ。弓術指南が複数いたのもそれが理由で、武術大会を優勝した男性に『自分の愛人にならないか』と声をかける事で有名だったらしい。

「とすると辺境伯の標的は、夫のカミラの方だったんですか。」

「そうなるね」

「でも、カルラさんを愛人にしましたよね?」

俺はやはりその疑問に辿りつく。

「ホールミア辺境伯には息子がいない。それでカミラ君とカルラさん夫妻を巻き込んだらしい。カルラさんを愛人にして子供が生まれたらよし、子供が出来なくても夫婦を引き離してカミラ君を好きな時に独占したかったらしい。カミラ君にしても、男色家のホールミア辺境伯が本気で妻に手を出すとは考えなかったのかもしれない。」

俺は唖然とする。

「徹底的に利己主義というか、大貴族ってのは凄い事を考えますね。」

「そうだね。それで愛人にされたカルラさんは妊娠しなかった。ところが、この動きに焦ったのがホールミア辺境伯の弟だった。」

「ああ、それであの弟の反乱に繋がるんですか。」

ホールミア辺境伯に男子がいなければ、反乱を起こした弟は本来は後継者でもあったはずだ。血統にうるさい寄子や家臣を手懐けるのに、格好の位置にいたわけだ。

「男色家であってもホールミア辺境伯は娘を作った実績がある。今回、家臣の妻を差し出させて寵愛したとなると、男子が誕生してもおかしくない。だから、辺境伯の弟もこのままでは後継者ではいられなくなると焦ったんだろうね。」

「あ、なるほど」

辺境伯の思惑と弟の思惑。変なところで辻褄が合って反乱に至ってしまった訳か。反乱を起こす動機のあった彼らにとって、はぐれ魔族による扇動は千載一遇の好機に感じられたのだろう。

「公然と家臣の妻に手を出す貴族家の当主はお家騒動に繋がりやすいよね。古参の家臣や寄子ほど釣られやすい。御家の恥だから、今回のように反乱が鎮圧されたとなかなか表沙汰にならないだろうけど。」

「弟の反乱が鎮圧され、カミラが死ぬと行く当てのないカルラさんはバウルブルクに来たのですね。」

カルラさんの立場は俺が思っていたよりずっと悪かったらしい。弟の反乱が鎮圧された今となっては、元凶の扱いさえ受けかねない。ホールミア辺境伯を誑かして反乱を引き起こした悪女扱いされたのだろう。

これはカルラ嬢には、そんな気が全くない純粋な被害者だったとしてもだ。なまじ美しく身分の高い地位にいただけに、してもいない事の責任を周囲から押し付けられやすい位置にいるのだ。特に新参の家臣やその美しい妻など嫉妬とやっかみの対象でしかない。

妻を差し出したカミラは反乱を引き起こしたと家中で糾弾され、孤立したのだろう。ホールミア辺境伯を守る事も出来ていない。カミラが自殺を選ぶほど追い詰められたのは理解できた。

「そうだね。それにホールミア辺境伯としては反乱鎮圧を機会にヴェルとの関係を強化しようとしたんだろうね」

「それはホールミア辺境伯が意図してカルラさんを俺の元に送り込んだという事ですか?」

「多分、ヴェルに知られる前にカルラさんを解放した方が色々得策と判断したんじゃないかな。弟の反乱に賛同する家臣が多かった原因も、やはりカルラさんにホールミア辺境伯が手を出した事にあったわけだし。」

反乱の原因となった家臣の妻を恩人であるバウマイスター辺境伯の元に帰るように放逐する、恩を売れないまでも言い訳はしやすい。家臣にも元凶は去ったと説明できる。おおかたそんな判断をしたのだろう。

「カルラさんが安全にバウルブルクまで辿り着けたのも、バウマイスター辺境伯と縁があるからだね。彼女を敵視する家臣でも手を出せないのが理由だね。」

「俺がカルラさんに振られているからですか?」

「どこかの大貴族の想い人というだけなら弱かったかもしれないけれど、バウマイスター辺境伯は反乱を鎮圧した立役者だからね、流石にホールミア辺境伯の大恩人であるヴェルに関係あるカルラ嬢への手出しは出来ないよね。」

「しかし、それだとカルラさんがバウルブルクに来た理由が謎ですね。」

単純にカルラ嬢がバウマイスター辺境伯である俺を慕ってくれているのならいい。でも違うなら、理由を知っておく必要がある。

「クーデター以降はホールミア辺境伯領とバウマイスター辺境伯領の交流が盛んになっただろう?今は魔道飛行船の直行便があるんだ。」

「なるほど、エルがアルニム騎士爵領を継がされる関係で魔導飛行船の経路も追加されたんですね。」

魔道飛行船の運行があるなら、定期便の運行日に解放すれば行き先は誘導し易いだろう。それこそ、バウルブルク行きのチケットを渡せばカルラ嬢も素直にバウルブルクに移動しただろう。

「そうだね。それにヴェルもそうだけど、エル君がホールミア辺境伯の寄り子のアルニム騎士爵領を継ぐ。そうするとカルラさんの事が彼の耳に入る可能性がますます高くなるよね。やはりバウルブルクへ移動させるのが事後の解決法として手取り早かったんじゃないかな、カルラ嬢を含めた関係者全員にとって。」

「だから問題が表面化する前に先手を売ってカルラさんをバウルブルクに到着するように解放したんですね。」

「まぁ子供が本当に出来ていないかの観察期間は設けられたみたいだけど、ね。事情をよく知らない家臣や侍女に対しては自身の男色を隠すために『夫から寝取るのが醍醐味なのに、夫が死んで仕舞えば用無しだ』って説明していたらしいし。」

「そういう事をするから、反乱を起こされるんですよ」

俺は反乱に巻き込まれて死んだカミラと、その責任を一身に負わされたカルラ嬢が気の毒でならなかった。

「それで当家やカールの家でカルラ嬢を雇用する場合は、何か障害がありますか?」

「特にないと思うよ。」

エーリッヒ兄さんが即答する。

「ブロワ家の籍を抜いた嫁いだカルラさんが自分で応募するのだから問題はない。仮にヴェルの愛人になったとする。それで子供を作ったりしても問題はない。ただその場合は、ホールミア辺境伯家は無視して良いけれど、ブロワ辺境伯家に何らかの会釈がいるね。」

「というと?」

「ブロワ辺境伯とは親戚付き合いする必要があるから、利権の譲渡なり、一定の配慮は必要になるという事さ。まぁ、金で解決がつくといえば伝わるかな。」

「なら、俺とカルラさんの未来に何も問題はありませんね。」

裏の事情を知るとカルラ嬢の経験は実に酷い話だった。しかし事情を知れば知るほど、この話はカルラ嬢自身に伝えるべき話だと俺は確信をしていた。



「そんな、カミラがホールミア辺境伯の男色のパートナーだったなんて。」

カルラ嬢は蒼白な顔で小屋の椅子に腰を下ろした。確かに当事者からすると刺激の強い話だっただろう。カルラ嬢は目を瞑るとしばらく考えを整理していたが、目を開けてこう言った。

「思い当たる事は、幾つかあります。」

今振り返るとカルラ嬢はホールミア辺境伯に自分が欲情されていると感じた事はあまりなかったらしい。どちらかというと義務的な対応だったそうだ。そして俺に抱かれた事で、一般的な男性の行為との差異に思い至ったそうだ。

ホールミア辺境伯には陵辱され辱めれたと感じてはいるが、実際の行為は至って淡白だったそうだ。むしろ本番より前戯に時間をかけて、上手く勃起せずに挿入失敗に終わることも多かったそうだ。行為自体も、以前聞いたように前より後ろの穴を好んだらしい。

「私が下手で性的な魅力がないからだと、そうよく罵られていたのですが。あれはもしかしたら。」

「元々、男色家だから女性の身体にさして興味を持てなかっただけなのでしょうね。」

俺でもクラクラと目眩のするような事実だった。ホールミア辺境伯がカルラ嬢に対して抱いていたのは、カミラの大事な物を奪い辱めるという歪んだカミラへの愛情の発露だったのだろう。

そしてバウマイスター辺境伯である俺に弟の反乱から助けられ関係が構築されると、俺との付き合いの邪魔にならないようにカルラ嬢は放り出されたのだ。そこには家臣達に反乱を起こされた理由をカルラ嬢に押し付け、放逐したという事で解決済みにしたいという意図もあったのだろう。

事実を知ったカルラ嬢は、今なら気持ちを変えてくれるかもしれない。そう考えた俺はカルラ嬢の前に跪き、彼女に愛を告白した。

「カルラさん、俺と結婚して貰えませんか? 俺はカルラさんを幸福にしたいと思っています。」

カルラ嬢は、その澄んだエメラルドグリーンの瞳を大きく見開いて俺を見た。数秒間の沈黙。そして彼女はゆっくりとかぶりを振った。

「いいえ、バウマイスター伯爵様。それは出来ません。今は与えられたカール様の『あてがい女』の職務を全うする事、それだけが私の目的なんです。カール様にお会いした事はありませんが、清潔な若殿に性の手ほどきをするお役目、いまはとても大事なお役目だと思っています。キチンとした性の知識がないと、私とカミラやホールミア辺境伯のようになります。」

『でも』とカルラ嬢は言葉を重ねる。

「でも、カール様とイヴァンカ様は仲の良いご様子。『あてがい女』や妾は要らないと暇を出されるかもしれません。そうしたら私は行く場所がなくなります。その時は愛人でもメイドでも構いません。私をお側に置いて頂けますか?」

「ええ、必ず。」

俺は真剣に答える。でも俺には分かっていた。カルラ嬢のような素晴らしい女性は探してもそうはいない。カールは絶対に手放さないだろうし、カールの保護者として俺もカールがカルラ嬢を手放す事をを許すつもりはなかった。

「俺の事が恋しくなったらいつでも戻って来てください。子供を作りましょう。でも、カールはカルラさんの事は手放さないはずです。カールはカルラさんを託すに相応しい相手ですから。」

こうして、俺は再びカルラ嬢を失った。


【NTR・寝取られ展開注意】外伝6 甥っ子カールの『あてがい女』後編

エリーゼとアマーリエ義姉さんを伴ってカールのサウスマインバッハ領へと向かう。今日訪れる事はカールとイヴァンカに予告済みだった。

 

2人の住む館に到着すると少し困惑した表情のカールに出迎えられた。

 

「実はイヴァンカの体調があまり良くないらしく、今日の集まりに自分は参加したくないと言うんです。」

 

俺の耳にも、それはなんだかズル休みする時の言い訳のように聞こえた。

 

アマーリエ義姉さんとエリーゼは俺にはよく分からない目つきでスッと視線を交わすと無言のまま奥に向かった。

 

叔父で寄親のバウマイスター辺境伯である俺の正妻エリーゼ。当主の母親であるアマーリエ。この家の使用人ではこの二人の行手を阻む事など出来ない。ちゃんとイヴァンカの様子を見定めてくれるだろう。

 

イヴァンカの事は2人に任せ、俺はカールと2人男同士の会話をする事にする。

 

「カール、15歳を迎えて成人したらお前はサウスマインバッハ騎士爵家当主だ。」

 

「はい、叔父上には感謝しております。」

 

「俺に出来るだけの事はする、これはアマーリエ義姉さんとの約束だからね。」

 

マインバッハ家が養育することが大きな理由とは言え、年頃の子供達を母親から引き離す事になった点については俺にも責任があった。

 

「今日はこれからイヴァンカさんとは別々に、貴族家当主になる為の準備をしてもらう。女性には女性の、男性には男性の準備がある。」

 

「私にも準備が必要なのですか?」

 

「そうだ。心構えや作法を担当者から学んでもらう事になる。初夜を迎えるまで、それぞれの準備についてはお互い何も話さないように。女性の準備に秘密が必要なのはカールにも分かるだろう?」

 

「はい、叔父上。しかし、そんなに心配しなければならない事があるのでしょうか?私としてはつましく2人で式を上げられたらそれで十分なのですが」

 

「そうだなぁ。イヴァンカさんの肩身が狭い思いをしないように結婚式には入念な準備も必要じゃないかな。」

 

俺は自分の結婚式で花嫁のベールを妻達が用意するのに大変だった経緯を説明する。イヴァンカさんは実家から離れて暮らす立場だ。バウマイスター辺境伯家が支援することにして、エリーゼにその辺りをサポートしてもらう必要があるだろう。

 

「俺はあまり詳しくないからエリーゼとアマーリエ義姉さんに頼りきりだけど。」

 

「確かに女性は色々と用意するのも必要ですよね。」

 

「式当日の衣装も、こちらで面倒を見よう。」

 

瞬間移動が使える俺が、王都でもバウルブルクでも好みの店に2人を連れて行ける筈だった。衣装代くらいバウマイスター辺境伯家で出してやっても問題ないだろう。

 

「ヴェンデリン様、あまり先の事を話してしまうと楽しみが減りますよ。」

 

そこまで話した所で、イヴァンカさんとアマーリエ義姉さんを引き連れたエリーゼに注意される。イヴァンカさんは少し罰の悪そうな顔をしているが元気そうだった。これなら今日の集まりは問題ないだろう。

 

「では今日はパウル兄さんの領地にいくよ。俺の父上と母上、カールの祖父母とイヴァンカさんの顔合わせだ。それが済んだら、カールとイヴァンカさんにはそれぞれ別に式に向けた準備に入って貰うからね。」

 

「はい」

 

「分かりました」

 

俺はみんなを引き連れて、パウル兄さんの館へと瞬間移動した。

 

 

〜カール視点〜

 

久しぶりに会うお祖父様お祖母様はお元気そうで、館に入ると僕は大歓迎を受けました。

 

「あの小さかったカールが初陣を済ませ、こんな素敵な婚約者を連れてるとは驚いた!」

 

特にお祖父様は、僕がイヴァンカを連れて会いに来た事を喜んでいるようでした。僕の小さい頃の様子を身振り手振りを交えて話すお祖父様の歓迎ぶりに、イヴァンカも緊張を解いた様子、エリーゼ様や母上との会話もさつなくこなしています。

 

「ヴェンデリンがついているから心配ないと思うが、領内の開拓も滞りなく進んでいるのだろうな?」

 

「はい、お祖父様」

 

「それは重畳」

 

サウスマインバッハ領の開拓の具合も質問され、パウル叔父上の家族も交えた楽しい団欒の場となりました。

 

「カール、それじゃそろそろ行こうか」

 

ヴェンデリン叔父上に声をかけられたのは、団欒が一区切りした折でした。

 

「分かりました。イヴァンカ、また後でね。」

 

「はい、カール様」

 

ヴェンデリン叔父上に促されて席を立つと、お祖父様が戸口まで追いかけてきます。

 

「いよいよだな、ヴェンデリン。」

 

「はい、父上。カールも成長したんだなと感慨深いですね。」

 

「しっかりとな、カール。私もヴェンデリンも今日のお前の働きには期待しているのだから。」

 

お祖父様はじっと目を覗き込むと『立派に務めてこいよ』と僕の背中を叩いて送り出してくれました。

 

 

ヴェンデリン叔父上に連れてこられたのは、パウル叔父上の領内でも使用人の立ち入りの禁じられた一角でした。昔住んでいたので土地勘がありますが、この辺りは子供の頃には立ち入った事のない場所です。

 

「あの小屋が見えるかい、今日の目的地はあそこなんだ。」

 

「はい、叔父上。」

 

「今日はそうだな、2時間ほど講習を受けてくるといい。もし汗をかいても風呂やトイレは中に用意してあるから心配しなくていい。講師の先生の言う事は、俺の言う事だと思ってどんな内容でも指示に従うこと。」

 

「分かりました」

 

「魔道通信機は持っているね?終わったら迎えに来るから連絡するように。講師の先生にもそう伝えておいて。後は講師の先生に全て委ねて大丈夫。綺麗な女性だから安心して。」

 

『じゃ、楽しんで』ヴェンデリン叔父上はパチっとウインクすると手を振って立ち去って行きました。僕は少し戸惑いましたが、叔父上に言われた通りに講師の先生待つ小屋の戸をノックしました。

 

小屋の戸を開けたのは、見るからに貴族階級の女性でした。高価そうなドレスをごく自然に着こなしています。豊かな黒髪、微かに緑に輝く目の色が印象的でした。

 

「(綺麗な人だなぁ)」

 

叔父上の言った以上に、綺麗な立ち姿の彼女に見惚れてしまいました。

 

「カール様ですね。お待ちしていました。」

 

僕は彼女に促されるままに小屋に入ります。こんな綺麗な大人の女性と、こんな人の寄りつかない場所に2人きりとなって良いのでしょうか。何かの間違いが起きてしまったら、そう考えると自然に顔が赤らむのを感じます。

 

「カール•フォン•マインバッハです。お初にお目にかかります。」

 

貴族の作法に則って僕は彼女に挨拶します。

 

「カール様、私はカルラ•フォン•プルークです。私は貴方にお仕えする立場、カルラとお呼びください。」

 

「はい、カルラさん」

 

僕の様子をじっと観察していたカルラさんは、パッと笑顔を見せた。

 

「よかった。アマーリエさんに聞いていた通り。私達は上手くやれると思うわ。これからよろしくね。」

 

僕はカルラさんに差し出された手を握る。

 

「カルラさんは礼法の先生なのですか?」

 

僕がそう尋ねると、カルラさんの目が興味深そうな様子で光った。

 

「バウマイスター辺境伯様がそう説明されたのですか?」

 

「はい、私の結婚にあたり講師の女性から心構えや作法を学ぶようにと。」

 

「そうですね、作法。そう言っても良いかもしれません。でも作法と言っても色々あります。私がカール様にお教えするのは男女の仲の作法ですわ。」

 

「え、それはダンスとかそういう?」

 

戸惑う僕にカルラさんは告げた。

 

「私がカール様にお教えするのは、無事に花嫁と初夜を迎える為に必要な閨の作法なのです。」

 

閨の作法。それはつまりそういう行為をしても良いのだろうか。赤面して沈黙する僕の両手ををカルラさんがそっと握る。

 

「いいですか、これは皆あなたの為に用意された物なの」

 

そう言って彼女は自分の口に僕の手を導いた。

 

「私の口と」

 

続いて彼女は自身の胸に僕の手を移動させる

 

「私の胸と」

 

彼女は自身の股間に僕の手を導く

 

「もちろん私の女性器も」

 

最後に彼女は自身の尻を僕の両手を導いた。

 

「そして、もしお望みなら私のお尻の穴まで」

 

カルラさんは少し恥ずかしそうに、でも堂々と宣言する。

 

「私の身体はカール様の性的な欲望を満たす為にあります。どこでも、カール様の好きに使って良いのですよ。」

 

カルラさんの身体から触れていると火傷しそうな程の熱さを感じて、僕は慌てて手を引き込める。

 

「可愛いらしい奥様には言えないどんな淫らな欲望も、全て私が叶えてあげるわ」

 

カルラさんは僕にそう言って艶然と笑った。僕はそんな彼女の姿。堂々と性を語る様子に見惚れて硬直してしまう。

 

「ドレスを脱がせてくださらない?」

 

固まっていると、カルラさんがこちらに背中を向けた。僕はまだカルラさん、そして叔父上やお祖父様の意図を図りかねていた。どこまでが本心なのだろうか。それでもカルラさんの指示に従い、彼女のドレスを脱がせる手伝いをした。

 

「素直なカール様には、ご褒美をあげましょう」

 

ドレスを脱ぎ捨て下着姿になったカルラさんが頬にキスをしてくれる。僕は自身の股間の膨らみをカルラさんから隠すのに必死だった。

 

「あら、隠してはダメよ。」

 

カルラさんに押されてベットに座り込む。カルラさんは僕の股間に手を伸ばすと、服の上から僕の股間を弄った。

 

「ふふふ、カール様も興奮していらっしゃるのね。」

 

「か、からかわないでください。」

 

精一杯の抵抗を示すも、僕の男性器はカルラさんの冷たい手の感触を心地よく感じている。

 

「さ。カール様、服を脱いでしまいましょうか。」

 

これは本当にカルラさんと性交してしまう流れなのだろうか。叔父上の冗談ではなかったのだろうか。しかし目の前には下着姿のカルラさんが微笑んでいた。

 

叔父上との関係から言っても、お祖父様や母上の態度から言っても、これはバウマイスター家の皆が承知している話なのだ。

 

あの母上でさえ知っているのだろう。もう、僕にも拒否などできないのは分かっていた。チラリとイヴァンカの顔を思い浮かべる。僕は決意すると、自分の意思で服を脱いだ。

 

「ふふふ、おいしいそう。」

 

カルラさんは舌舐めずりをすると、僕の男性器を口でしゃぶりだした。

 

「だめです。そんなことされたら。」

 

慣れない刺激に耐えられない。我慢をしても唐突に痛みに似た感覚が走る。

 

「しまった」

 

経験したことのない感覚を僕の男性器が襲う。カルラさんの刺激に僕の男性器がドクドクと精子を吐き出していた。そう仕向けられたとはいえ女性の前で粗相させられた事に僕は慌てる。

 

敏感になってもカルラさんの攻撃は止まらない。最後は痛みすら感じて、ようやくカルラさんの動きが止まり、僕の男性器が吐き出した白い精子は全てカルラさんが飲み干した。

 

「ああ、堪らないわ。カール様が射精されるのは、これが初めてではないのでしょう?」

 

「はい。・・・自分で手でした事は何度かあります。」

 

カルラさんに射精する様子を曝け出してしまった僕は、観念して素直に告白した。

 

イヴァンカを抱きしめていると堪らない気持ちになる時がある。それでこっそり部屋を出て、気が付かれないようにトイレに篭って手で慰めた事がこれまでに何回かある。

 

古くはマインバッハ家に引き取られて母上が叔父上とそういう関係になったと知った時、性的な衝動を感じた。それは嫉妬というよりも、大人の秘密を垣間見た興奮だったと思う。母上はますます美しくなり、よく笑うようになった。

 

だから僕もイヴァンカを娶って、初夜に夫婦の生活を送る事を楽しみにしていたのだけれど。

 

「(初夜の前にその夢が叶ってしまった。それもこんな綺麗な人と。)」

 

改めてカルラさんの顔を見ようとする。でも、彼女の顔が眩しくて僕は視線を合わせることが出来なかった。

 

カルラさんはそっと立ち上がると、僕に背を向けて水差しからコップに水を注いで口を濯いでいる。

 

僕はその綺麗な背中と、先程まではドレスの下に隠されていた彼女の下着の様子を盗み見していた。

 

「この下着はどうかしら?」

 

僕の視線に気がついたのだろうか。背を向けたままのカルラさんが僕に尋ねる。

 

「バウマイスター辺境伯様のお言い付けで緑色に揃えました、瞳の色と一緒だからと。」

 

「とても、似合っていると思います。」

 

僕に背を向けたまま、上下の下着をカルラさんが脱ぎ去った。そして形を整えて椅子の上に置く。眼前に晒されたカルラさんの生まれたままの姿に僕は唾を飲み込んだ。

 

「ありがとう。でもカール様のお好みの色の下着に変更しますわ。白でも黒でも、粗末な木綿の生成りの下着でも。その為のお金はバウマイスター辺境伯様に頂いていますから大丈夫。」

 

カルラさんが僕の前に立つ。そんな事を言われても僕は女性の下着の色など決めた事がないので悩んでしまう。

 

「どんな色がお好みですか?」

 

「そ、それじゃ、赤でしょうか」

 

カルラさんはとても積極的な人だ。彼女の性質を体現しているのは、情熱的な赤い下着だと僕には思えた。

 

「やはり私達は気が合いそう。私に似合うのは赤い下着、自分でもそう思います。」

 

そういうとカルラさんは僕をベットに押し倒した。

 

身体の上にカルラさんの体重を感じる。ふんわりとしたカルラさんの芳香を感じた。僕は固くなった男性器をカルラさんに押し当ててしまっているが、カルラさんはそんな事を全く気にしていない様子だった。

 

「うふふ、可愛いのね」

 

そういうとカルラさんは僕の唇にキスをする。そのまま舌が僕の口の中に入り込み、暴れる。初めての大人のキスは唾液の味しかしないはずなのに、どこか特別に甘い味がした。僕は興奮のあまりクラクラする。

 

「私、カール様を食べてしまいたいの」

 

そしてその後、僕は文字通りカルラさんに食べられた。カルラさんが股間を見せつけるようにしながら、身体を下に下に僕の男性器へと近づける。僕の男性器がカルラさんの女性器に吸い込まれ、飲み込まれた。その様子を僕はカルラさんに促されてマジマジと観察する。

 

「カール様、分かりますか。すっかり入ってしまったわ」

 

「き、気持ちいいです。」

 

まるで僕とカルラさんの股間が溶け合ったようだった。我慢ができずに自然と僕の腰が快楽の先を求めて動いてしまう。

 

「あん、まだお若いカール様も、やはりバウマイスター家の血統なのね」

 

僕の腰の動きにカルラさんが蕩けそうな表情を浮かべる。

 

「来て、カール様の好きなように動いて良いのですよ」

 

僕は力の及ぶ限りカルラさんの身体を突き上げた。カルラさんの膣はキュッとしまって僕には痛いくらいだった。でも痛い以上にヌメヌメとしたカルラさんの女性器の具合がいい。僕を興奮させ気持ちよくしてくれる。

 

僕は男なのに喘ぎ声を立てていた。そんな僕の姿にもカルラさんは興奮した様子だった。僕が動くより遥かに素早く奔放にカルラさんは腰を動かした。僕は射精を我慢するだけで精一杯だった。カルラさんの膣の中は、自分で手でするよりも何倍も気持ちが良かったのだから。

 

「カール様、いく時は声に出してくださいね」

 

腰を動かしながら声をかけられる。でも僕はもう限界だった。

 

「はい、カルラさん。行く行きます。」

 

悲鳴を上げながら僕はカルラさんの中に精子をぶちまけた。それが初めての僕の膣内射精。僕の出した精子はカルラさんの中に全て吸い尽くされた。

 

射精した僕はカルラさんと繋がったまま、天井を向いて放心していた、胸に溢れる達成感と幸福感に言葉が無かったのだ。こんな綺麗な大人の女性と初体験を済ませた事が信じられなかった。

 

「初めてなのに、とても良かったわ」

 

挿入したままのカルラさんが僕にしなだれかかった。そのまま僕はカルラさんに顔を舐め回された。

 

「ど、どうしたんですか?」

 

「だってあまりにも愛おしいんですもの」

 

カルラさんは僕の男性器から身体を引き抜くと僕の腹に馬乗りになった。

 

「その、僕とこんな事しちゃって良かったんでしょうか?」

 

僕は心配を口にする。ダメと言われてももう遅いが、カルラさんの気持ちを聞いておきたかった。

 

「心配しないで。私はカール様とのこの関係を、心から喜び楽しんでいるのだから。」

 

そう言うと、彼女はそっと僕とベッドから降りた。

 

「少し待っていてね。後始末をしてしまうから」

 

彼女がタオルを手に取る。彼女が力を抜くと、僕の精子と彼女の愛液が混ざり合った液体が膣から流れ落ちた。

 

「凄い、そんな風に自在に動かせるんですね。」

 

「誰でもできる訳ではないらしいわ、私は特別、入り口を閉ざすような体質らしいの」

 

初めて少し恥ずかしそうな様子を見せてカルラさんがいう。

 

「私の奥底に精を放ったのはカール様で2人目よ。1人目はバウマイスター辺境伯様。死んだ夫も多分もっと手前までしか辿り着いていないの。もしカール様が嫌でなければ、こんな私の身の上話を聞いて頂けないかしら?」

 

「はい、喜んで」

 

僕は、カルラさんから全てを聞かされた。実家の領地トラブルを解決する為にバウマイスター辺境伯との縁談が持ち上がったこと。その為にブロワ辺境伯の娘として認知された事。トラブルの経緯から自身が嫁に行くとバウマイスター辺境伯の不利益となるので嫁ぐのを諦めたこと。だからブロワ辺境伯家の籍を抜けて幼馴染と結婚した事。

 

夫が弓術師範として仕官した先でトラブルに見舞われた事。強要されてホールミア辺境伯の愛人として過ごした事。辺境伯家の内乱を経て夫が自殺し、反乱を引き起こした元凶と看做されて1人放り出された事。行く当てがなくヴェンデリン叔父上の募集したこの仕事に応募したこと。仕事を勝ち取る為に『品定め』を進んで申し出た事。

 

その時、これまで相手にした男性は膣の奥には挿入出来ていないと知った事。だからこそ正しい性の知識を伝えるこの仕事に取り組みたいと考えている事。

 

「だから、カール様がお望みなら、私は妾兼陪臣としてあなたにお仕えすることになります。こう見えても私は弓の腕が良いのですよ。必ずお役に立ってみせますわ。」

 

あまりにも突然な申し出で、僕にはよく考える時間が必要だった。

 

「もし僕とそうならなければ、カルラさんはどうなるのですか?」

 

「はい、その時は、私はバウマイスター辺境伯様の愛人になります。あの方のお子を授かることになりますわ。私はどうしても子供を産みたいのです。」

 

「(僕はどうしたらいいのだろう、叔父上の邪魔にならないように身を引くべきなのだろうか)」

 

「でも私は叶うならカール様のお子を産みたいと思います。結論は今でなくて構いません。私が、カール様の手ほどきする講習の間にどうするかを決めておいてください。」

 

そう僕に告げると、カルラさんは微笑みながら言った

 

「では、カール様、もう一度致しましょうか?」

 

そんな魅力的な提案、僕に断れるはずがなかった。

 

今度はカルラさんが僕の下になった。カルラさんはベットに寝そべると高々と足を持ち上げる。カルラさんの秘所から綺麗にすぼまったお尻の穴まで丸見えになる。

 

「さぁ、存分に使って」

 

僕は自ら進んで身体を開き受け入れてくれるカルラさんに感動しながら、彼女の身体に身体を重ねようとした。

 

「あら、そこだと後ろ過ぎるわ、カール様にはまだ早いんじゃないかしら。」

 

カルラさんに笑われながら注意される。自分が違う穴に押し当てていたと分かり僕は赤面した。確かにこういう知識は教わらないと身につかないのかもしれない。

 

「あん、いいっ」

 

カルラさんの足を抱えるようにして膣中に入る。カルラさんにキュッと包まれる感覚。腰を動かさず、いつまでも浸っていたいのにカルラさんが動きまくる。

 

「カルラさん、そんなに動いてはダメだから」

 

「だって、気持ちいいから。もっと気持ちよくしたいんですもの」

 

カルラさんが淫らに誘う。女性がここまで赤裸々に欲望を語ると僕は初めて知ったし、そこに興奮させられる。

 

「(カルラさんを絶頂に導きたい、いかせたい)」

 

腰の動かし方を意識してカルラさんを刺激しようとする。

 

「いいわ、私それ好きよ」

 

カルラさんに褒めてもらった。しかしささやかな僕の抵抗も、カルラさんが本気を出すと防戦一方になる。

 

「それでは今日はこのまま済ませてしまいましょうか。・・・はい、いっていいのよ。」

 

カルラさんの刺激を受け続けた僕は、彼女に命ぜられたタイミングで再びカルラさんの膣内に射精していた。

 

 

叔父上が僕を迎えに来た時、僕はなんとか風呂を済ませて服を身につけた所だった。

 

「叔父上、お出迎えありがとうございます。」

 

「楽しんだかい?」

 

叔父上はそういうとサッと何かの魔法を使用する。

 

「風呂に入ると匂いが残るからね、魔法で消した。講習の時は俺が匂いを消すけれど、先々は気をつけるといいよ。」

 

2人沈黙したまま並んで歩き出す。

 

「あの、凄かったです」

 

叔父上はうなずいた。

 

「カルラさんの事を気に入ったのなら良かった。俺としては大事にしてあげてほしいが、難しいようなら彼女の面倒は俺が見るから。」

 

「はい。講習の間に、今後どうしたいかを決めてほしいと」

 

「そうか。ゆっくり考えるといい。でも、イヴァンカさんには話さない事。自分で考えてちゃんと結論を出すんだぞ。」

 

 

 

翌日、僕は再び叔父上に連れられて小屋に着く。

 

「待っていたわ」

 

カルラさんに小屋の中へ導き入れられた。

 

「さ、しましょう」

 

その日はひたすら正常位の練習をした。二回射精する頃に、カルラさんの息が少し乱れていた事に僕はようやく気がついた。

 

3日目。その日は騎乗位の講習を受けた。手を背後につきながら僕の上で腰を振るカルラさんはとても美しかった。

 

「まだまだね、でも筋はいいわ」

 

4日目。

 

「今日はひたすら我慢していてね」

 

そう言われた僕はカルラさんに激しく攻め立てられた。一度暴発してしまい、カルラさんの中に挿入する機会が減ってしまう。

 

「大丈夫、もう一度しましょう」

 

そう言われてカルラさんに男性器をなぶられ、散々待たされた後に挿入したのは最高だった。こんな快楽があるのかと驚きながら、僕はカルラさんの中に精を解き放った。

 

5日目。

カルラさんに後背位を教わる。カルラさんの細い腰に手を当てて背後から犯すのは快感だった。カルラさんの吐息に甘いものが交じる。

 

こんな簡単に彼女を快楽に導ける事に感動しながら、僕はカルラさんの中に2度射精した。

 

6日目。

「今日は女性の愛し方を学びましょう」

 

カルラさんに愛撫の仕方を入念に教わる。カルラさんをさらに敏感にした上で正常位を試すと、これまでの経験が嘘だったかのようにカルラさんが乱れた。ひたすら受け身になるカルラさんを僕のペースで愛して、最後は後背位で膣内に射精した。

 

7日目。

「これまで教えたとおりにすれば大丈夫、だから今日はお好きなように」

 

キスをしてから女性器を愛撫する。カルラさんは自分が先に手を出そうとするのに、カルラさん自身は僕の攻撃に、特に舐められるのにとても弱い。

 

カルラさんがグジュグジュに濡れたところで挿入する。挿入してしまうと僕が負ける。奔放なカルラさんに敗れ、すぐに射精させられる。

 

「大丈夫、まだ出来るわ」

 

背後から犯すと、カルラさんは途端に感じ易くなる。カルラさんを散々に鳴かせて、僕とカルラさんは大満足で講習を終えた。

 

 

〜ヴェンデリン視点〜

 

講習の最後の日。俺はカルラ嬢に呼び止められた。カールを先に歩かせて、カルラ嬢と立ち話をする。

 

「バウマイスター辺境伯様、あなたとの子を授からなかった私はこのままカール様の妾になります。だからこれでお別れですね。」

 

「うん、俺もそうなると思っていました。」

 

カールを紹介する前、カルラ嬢から俺は『月の物が来ました』とだけ報告を受けていた。そこから2人でカルラ嬢がカールの相手をする日程を決めたのだ。

 

「どうかお元気で。」

 

未練はあるが仕方がない。俺が別れを告げると、カルラ嬢は俺に抱きついて耳元でこう囁いた。

 

「(もし、我慢できなくなったら、カール様には内緒で口とお尻ではいつでもお相手をしますわ、あなた。)」

 

カルラ嬢のこの最後の言葉に、俺は酷く赤面させられた。決意して振り向くと、カルラ嬢は身を翻して小屋の中へと立ち去った後だった。俺の視線が虚しく彼女の背中だけを追う。

 

「(そんなこと言われた俺は、この後、どんな顔をしてカールと歩けばいいんだよ、全く。)」

 

 

【原作該当エピソード:書籍版第7巻 第1話〜第12話】

【原作該当エピソード:書籍版第24巻 第4話〜第7話】

 

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