(今日は、エリーゼ様だけしかいないぞ)
侍女頭のドミニクに案内された大階段の前で、エリーゼはカイエンを出迎えた。例によってドミニク以外の使用人は席を外させているのだろう。この場にいるのはドミニクを除けば、カイエンとヴェンデリンの妻達だけなのだ。
「カイエンさん、今日は最終日です。それは心得ていますね?」
「はい、エリーゼ様。」
ドレス姿のエリーゼは、カイエンに向かって優しく微笑む。
「今日はこれまでの6日間とは、少し趣向を変えますよ。」
「・・・はい。」
趣向が変わる。これまでの内容からのルール変更にカイエンが戸惑う。
「心配しなくとも、今日まではカイエンさんへの手解きはして差し上げます。この館の、2階のそれぞれの部屋で私達が待ちます。」
「はい。」
“私達”という事は、エリーゼ様も対象に含まれているのだ。その事はカイエンには安心材料だった。
「今日だけは1:1の形式としましょう。その都度その都度、目の前の女性に全精力を傾けて集中する。カイエンさんの限界を考えて、今日のお相手は4人までとしましょうか。」
カイエンの限界射精回数について触れたエリーゼは、ちょっと恥ずかしそうに笑った。
「一度女性を相手にして子種を放ったら、そこで終了です。次の部屋に向かわなくてはなりません。それで良いですね?」
「はい,分かりました。」
(今日は4人抱ける。でも1人一回しが抱けないんだ。)
カイエンは誰を選ぶべきか考え込む。いや、どの部屋に誰がいるかは明かされてはいない。つまるところ、カイエンの意思ではなくて全てが運に左右される。
「いいですか。妻は誰であれ平等に愛する必要があります。殿方にはその日の気分もあるでしょう。しかし、妻としたからには公正に扱うもの。それが肝要だというのが最終日の教えなのですよ。」
「分かりました。」
真剣な表情を見せるカイエンに、エリーゼは付け加えた。
「そうそう。今日は言葉を発してはなりません。言葉を使わずに、仕草だけで意思疎通するのです。貴方にはもう、それが出来るだけの積み重ねがある筈です。」
「はい。」
「今日はドミニクが監視します。不要な会話があれば、そこで最終日は終了となりますよ。」
カイエンは唾を飲み込んだ。言葉を使わない。言葉こそ、カイエンを縛る鎖ではないのか。これはどちらかといえば、カイエンに有利な状況にも思える。
「・・・分かりました。」
「では私は先に部屋に上がります。ドアの閉まる音がしたら、ドミニクが合図します。カイエンも好きな部屋の扉を開けるのですよ。・・・心配せずとも、上の部屋にカタリーナさんはいませんからね。」
最後にカイエンに身を寄せてそう囁くと、ドミニクを従えたエリーゼが階段を登っていく。今日訪れた館は、中央の吹き抜けを各部屋が取り囲む形式である。
見てはいけない。そう考えながらもカイエンが盗み見すると、エリーゼは正面の扉を開いた。つまりは、そのドアを開けばエリーゼがカイエンの相手をしてくれる。これはそういうシステムなのだろう。
「カイエン様、それでは開始してください。今から言葉を発すれば、そこで終了となりますのでご注意を。」
階上がらドミニクがカイエンに向けて言葉を発する。そのドミニクの声に、カイエンは黙って頷いて見せた。
(あれがエリーゼ様の部屋か。あそこを訪れるのは最後にしよう)
階段を登ったカイエンはそう決意した。エリーゼの口ぶりでは、今日は対象となる人数が多いらしい。開いたドアの先に誰がいるか分からない。父ヴェンデリンの愛妾の数は多い。階段の周の周囲に配置された部屋の数は、4つより多い。もしこれまでより相手にできる人数が追加されているなら、カイエンは自分の意思だけでは到底選びきれないだろう。
それに最後の締めくくりとしては、正室たるエリーゼ様が一番ふさわしい気がした。カイエンは意識を切り替える。今は優先して考えること、それは最初に開くドアの選択をどうするかだ。
ドアの先に女性が待ち構えている。誰かは分からないが父ヴェンデリンの眼鏡に叶う相手である。そんな女性にカイエンに不満のあるはずはない。それにこれまで身体を重ねた相手でももちろん嬉しいが、知らない相手を初めて抱く事には興奮させられる。今日の内容には、『ドアを開くまで相手がわからない』そんなハプニング性も含まれているのだろう。
今は、館中の女性が息を潜めてカイエンの訪れを待っている。ハーレムの本質とは、それだ。女性が待つ側である事。そして、ただ一人の男を巡って競い合う点にある。ヴェンデリンは常日頃、そんな特異な空間を当たり前の物として享受しているのだ。今日の試みは一瞬でもその状態を体験させる事で、子孫にこの甘美な体験を引き継がせようというのだろう。
(よし、あの部屋にしよう。)
そう決意したカイエンは、視界の中で一番右端の部屋の扉を選んだ。そして物言わぬドミニクの視線を背中に浴びながら、その扉を開いた。
◎最初の扉
(フィリーネさん)
最初に開いた扉の先に居たのは、父のハーレムでも古参のフィリーネだった。フィリーネは先代であるバウマイスター騎士爵家の寄親だったブライヒレーダー辺境伯家の娘だ。ブライヒレーダー辺境伯が帝国に出向いた際の、お世話係の女性に産ませた子らしい。
(今なら分かるけど、お世話係との子か。それって、辺境伯様への性接待で授かってしまった娘ってやつだよな。)
カイエンの母のカタリーナはブライヒレーダー辺境伯の事をあまり良くは言わない。その原因はこんな隠し子を作った点にあるのだろう。愛した女性ならそのまま祖国に連れ帰るべきだったと、そう考えているのだろう。
一方で妻として見た場合、カイエンの父のヴェンデリンとしては上司の娘を娶ったという感覚なのだろう。それはそれで興奮する対象だったに違いなかった。
残念ながら今回、カイエンはフィリーネとは会話は出来ない。それがルールだからだ。確かに一々会話をしては、時間が幾らあっても足りない。初見の相手と一戦交えるのに、或いは言葉などは不要なのかもしれない。
会話出来ない事はカイエンとしては良かったような、残念なような複雑な気持ちになる。カイエンが今しかフィリーネに聞けない事もあるだろう。『そういう事も皆全て胸にしまっておけ』というのが、今日のこの関係の正しい在り方というものかもしれなかった。
フィリーネはカイエンを出迎えると、その手を握って室内に誘う。今まで見知った女性の誰とも違う匂い。戸惑うが、カイエンには戸惑う声さえも発する事は許されていなかった。
(フィリーネさんか。確か父上やエリーゼ様より年下なんだよな。)
フィリーネはヴェンデリンより7歳年下である。ヴェンデリンの妻としては最年長のアマーリエやリサがヴェンデリンとは12歳差だ。アマーリエとフィリーネの2人は19歳差なので、母娘ほどに歳が違うとして有名だった。ヴェンデリンの妻や妾は増え続けている。だから今ではもうフィリーネは最年少ではないのかもしれないが、全体の中ではかなり若い。フィリーネはまだ20代かもしれなかった。
初めての女性に、それもろくに会話もしない相手に進んで相手をしてもらえる。それは独特な快楽だ。部屋に導き入れられたカイエンは早くも興奮していた。ここでこれまでの特訓の成果を試しておきたい、そんな気持ちもある。
後手でドアをそっと閉めると、フィリーネとカイエンは向き合った。フィリーネは黙って床に膝をつくと、カイエンの股間にさっと手を伸ばす。
(そんな、いきなり)
ルールで禁じられている為に会話がないのは当然ながら、フィリーネは慣れた仕草でカイエンの股間の逸物を取り出す。そして躊躇わずに即座に舌を這わせた。そして上目遣いにカイエンの反応を確かめている。見知らぬ仲の男女がいきなり身体の関係に入る奇妙さ。その奇異な関係性がもたらす緊張感を、フィリーネがカイエンに与える快楽が上書きしていく。
ヴェンデリン伸ばす冒険者パーティのメンバーは母のカタリーナとも仲良く、子育てでも戦友である。しかしそれより年代の下のフィリーネは、まだヴェンデリンの子を授かっていない。兄弟姉妹の母親でない事から、カイエンとの会話の機会もなかった。文字通り、ヴェンデリンの
エリーゼを始めとしたヴェンデリンの妻が秘蔵されていない訳ではない。全員が掌中の珠なのは間違いない。しかし社会との接点は、フィリーネよりは遥かに多かっただろう。性的な関係がヴェンデリンとしかないのは当然だが、それ以外の交流が極めて少ない本当に秘蔵の相手なのだ。
チロチロと、手と舌先を使ったフィリーネの愛撫が続いている。相手は服を着ているのに、カイエンだけは下半身が丸出しであった。
(入れたい)
本来なら時間をかけて楽しむべきだろう。カイエンがフィリーネの身体を抱くのは、これが最初で最後となる筈である。しかし性交渉とは、時間さえかければ満足出来るというものでもない。興奮は冷めたら終わりである。欲情の命ずるままに燃え上がる。それもまた、若者の一度限りの逢瀬には相応しいやり方ではないだろうか。
カイエンの手が、作業に励むフィリーネの肩に触れる。フィリーネは手と口だけでカイエンを絶頂に導こうと励んでいた様子である。止められても、なかなか作業を中断しなかった。それでも顔を上げて、欲情を露わに自分を見るカイエンと視線を交わし見つめあった。そして全てを飲み込んだ風に、そしてわずかな逡巡と諦めを見せる。フィリーネはスカートを履いたまま捲り上げると後ろを向いて、部屋の中の机の上に両手をついた。
カイエンの両手が、スタートの捲り上げられたフィリーネの臀部から下着を剥ぎ取る。震えながら、それでも両足を交互に上げてフィリーネは下着を剥ぐカイエンに協力した。フィリーネの尻と秘所が露わになる。カイエンがそっと舌をフィリーネの秘所に這わせると、少しもわっとした女性の臭気が通った。それはカイエンを待ちながら煩悶していたフィリーネの複雑な心を吐露するような匂いである。
「あ。」
カイエンが舌で秘所を舐め上げると、フィリーネが声を漏らす。中に指を入れると、その刺激にフィリーネが身を捩る。フィリーネの奥底までもが、よく潤っていた。
言葉を交わしてはならない。今もドミニクが室外から監視している筈である。カイエンは己の逸物を、フィリーネにそっと押し当てた。挿入をしないまま、挿入を待ち焦がれている様子で少し動かす。言葉を発せない代わりに、そうやって身体で挿入を予告して見せる。興奮で、カイエンとフィリーネの呼吸が荒くなる。
カイエンはよく潤ったフィリーネの秘所に男性器を押し当て、自分の体重をかけていく。ニュルンという感触と共に、フィリーネの体内にカイエンの分身が押し込まれた。
フィリーネの膣内は彼女の容姿に似て小作りで華奢な印象である。淡い快感がカイエンの締め付ける。カイエンはじっと耐えているフィリーネの腰に手を回した。
(フィリーネさんは本心では望んでいないのかもしれない。でも、止められない。)
最初は少しだけ配慮と躊躇いを見せていたカイエンの腰の動き。しかしすぐに、快楽の追求のためにカイエンは直走る。背後から突かれているフィリーネは、言葉も交わせぬ相手に少し怯えている様子だ。当初の大人ぶった対応が、フィリーネとしての精一杯である。年上の夫に甘えるだけ。他の妻との営みにもあまり交じらないできた。そんなフィリーネは、もうカイエンという夫以外の初の相手に対する処理限界を超えていた。
着衣のままカイエンに背後から犯されながら、フィリーネが声を出さずに涙を流している。涙を流すフィリーネの様子に、カイエンは気がついていなかった。カイエンは自らの快楽を追求するのに忙しかったのだ。
背後からフィリーネの胸を弄る。彼女のドレスのボタンを開くと、ブラジャーの下に手を入れて彼女の乳首を摘む。強い刺激にフィリーネの息が荒くなる。大きく手を机について、フィリーネが喘ぐ。今度は昂るフィリーネの中の轟くような官能の波にカイエンが拐われる。
(もう少し楽しみたい。でも、俺もフィリーネさんも限界だ。)
カイエンは両手でフィリーネの乳房をつかんだ。きっと無闇にカイエンが開いたドレスの前面はよれて酷い有様だろう。ブラジャーは壊れてしまったかもしれない。それでも、今この時の快楽を手放せない。
(ううっ)
心の中で声を漏らし、カイエンはフィリーネの中で果てた。フィリーネも膣内にドクドクと吐き出される熱と擦り付けるような男性特有の動きに、膣内射精された事を察知する。
フィリーネにはようやく訪れた、そして唐突な終わりである。カイエンがうごなくなる事を見計らって、フィリーネは身を捩ってカイエンから離れてその男性器の支配から逃れる。
結合から放たれ、振り返ったフィリーネを見て初めてカイエンは彼女から泣いていたと悟った。その泣き顔は美しい。そしてどこか儚げである。
フィリーネはカイエンに許しを与えるように、そっと頷いて見せた。思わずカイエンは彼女に抱きつき、その唇を奪おうとした。突然のカイエンの情熱に驚きながらも、フィリーネはカイエンに応じる。2人の舌が互いを弄り合う。
(最初に、キスから始めればよかったな)
しかし、いきなり本番へと誘ったのはフィリーネの方ではなかったか。カイエンとフィリーネとの性交渉は一度だけである。それならで早く済ませよう、フィリーネがそう考えても無理がなかったのかもしれない。
コホン
ドアの隙間からドミニクが咳をする音が伝わる。カイエンが果てた以上、これも終わりだという事なのだろう。飛び上がるようにして驚いたフィリーネは、用意されたタオルに手を伸ばす。濡れた布で、カイエンを綺麗にしてくれるというのだろう。
(最後の、口でのご奉仕は無しか。)
それでもカイエンは不満に思わなかった。そういう方法があるとさえ、フィリーネは知らないのではないか。ヴェンデリンは敢えて多くを教え込まず、彼女を年下の初心なままで留めたような気がする。
(父上、フィリーネさんをお返しします)
万感の思いを込めてカイエンとフィリーネは見つめあう。着衣は乱れ、泣き顔のフィリーネは酷い有様である。それでも、いや犯されて太腿にカイエンの子種を垂らするままの姿だからこそフィリーネは美しかった。カイエンは、その事後のフィリーネの姿を記憶の中に留めておこうと決めた。
◎二ツ目の扉
その扉を開けると、最初はキツイ香水の匂いが香った。
(あれ、どこかで嗅いだ匂いだ。)
カイエンは悟った。多分この相手は、香水や化粧の匂いのきついあの相手だと。カイエンの推測した通り、部屋で待っていたのはリサである。ヴェンデリンより年上の彼女は、カイエンには母親世代を超える大年増といっていい。しかし不思議と嫌な印象はなかった。
(エリーゼ様は『その日の気分と関係なく、妻は誰であれ平等に相手をしなくてはならない』といっていた。だからこれってそういう事なんだろな。)
リサには一つの噂がある。バウマイスター家の童貞喰いという噂である。そしてそれは事実だった。
バウマイスター諸家には男子が、特にヴェンデリンの兄弟の家には多数の童貞男子が存在していた。『あてがい女』は、貴族家の嗜みである。しかしながら、その領地の大半は開拓地という事もあって全員に最適な相手を提供するのは困難を伴う。ヴェンデリンの兄弟という分家の子供達の筆下ろし役、それをリサが勤めてきたのだ。
リサはヴェンデリンの正式な妻というより、押しかけ女房的な妾である。開発の為に領内のどこにでも出入りしている。そして『あてがい女』確保に苦労した次男のヘルマンの相談で、リサがヴェンデリン直系でない一門の童貞を食うその役目についたのだ。
本来ならヴェンデリンのあてがい女だったアマーリエ義姉さんこそ、そんな役目についていてもおかしくない。だがアマーリエをヴェンデリンは寵愛している。だからアマーリエの代わりとして、ヴェンデリンはリサを差し出したのだと言われていた。
部屋の扉を開いたカイエンを、リサは期待した眼差しでチラリとみた。薄暗い室内でも、リサの化粧の濃さは分かる。リサは駆け寄ると、カイエンに抱きついてその唇を奪った。棒立ちとなりリサに唇を吸われるカイエンの背後で、ドミニクがその部屋の扉をそっと閉じた。隙間を少し残しているのは、彼女が中を観察する為である。
リサはヴェンデリンの計らいのせいで、年下男子との経験豊富である。男子をその気にさせるには、先制攻撃しかないと分かっている。リサの事をまだよく観察しないうちに、快楽を与えてその気にさせてしまえばいい。それには熱烈なキスによる先制パンチこそが最適だった。
リサの“童貞喰い”の二つ名は伊達ではない。今もリサは、童貞殺す服と称されるヴェンデリンの作らせた衣装を身につけている。リサの大きな胸を強調し、白い腕を剥き出しにする衣装だ。胸を完全に覆う事で、肌を露出させる普段の冒険者姿よりも清純さをアピールする狙いらしい。
股下まで覆うその長いセーターの下に、リサは下着しか身につけていない。リサのよく伸びた手足と共に大きな胸が強調されるデザインで、ヴェンデリンのプロデュースしたこの服は、童貞である甥っ子達に大受けだった。リサの年齢的なハンディを覆す為にも、リサの童貞喰いではマストアイテムと言える。
リサの熱烈なキスと、押し付けられた大きな胸にカイエンは興奮した。慎ましやかな性格のフィリーネは、子供がいない事もあって胸までもが慎ましやかである。子持ちの美女ばかりを相手にしてきたカイエンにとっては、どこか少女のように純粋で毛色の違う相手であった。嫌がるフィリーネを犯すのは興奮した。だが、こうして年上のリサに熱烈に歓迎されるのも悪い気はしない。むしろ大いにその気にさせられるのが、カイエンの男としての本心である。
リサはヴェンデリンの妻の中では地位が高くない。むしろ底辺にいるというべきで、妻なのか妾なのか曖昧な位置にいる。年齢的な事もあり、ヴェンデリンに抱かれる機会はおそらく一番少ない。だからこそ、リサはヴェンデリンに与えられた“童貞喰い”の役割を軽視しなかった。
(今日はご主人様以外では、初の魔力持ち。熱烈に歓迎すれば、ご主人様がまた私を可愛がってくれる)
童貞と過ごした後のリサは、誰よりも優先してヴェンデリンに抱いてもらえるのである。それは童貞達を喰った為に子供を孕まないようにする魔法での処理も含まれているのだが、リサの献身に対する褒美という意味合いも強い。
数々の童貞達を誘惑して食べ散らかしながらも、リサの身持ちは固い。2度目の機会は、ヴェンデリン以外にはこれまで言い寄られても誰にも与えていない。それはその日食べた童貞の喪失の様子を、主人であるヴェンデリンに語る時こそがリサの至福の時だからである。アマーリエ義姉さんを貸し出したいけれど貸し出せない。そんなヴェンデリンの心の隙間を埋めているのが、このリサという存在なのだ。
SMというヴェンデリンの持ち込んだ新しい性の概念では、紛う事なきMに分類されるリサの存在価値はそこにある。
カイエンは強烈なリサのキスにぼうっとしていた。それは経験によるキスの上手い下手も大いに関係するが、それ以上にリサはカタリーナに次いで魔力操作が上手だからである。キスをしながらカイエンの魔力を引き出し、リサの体内で巡らせてカイエンに戻す。カタリーナが行う魔力操作の術は、リサも身につけている。それは女性魔法使いが男性魔法使いに与える“精力回復”と言ってもいい。
ヴェンデリンに躾けられたリサは、ごく自然な性の嗜みとしてそれを行う。いや互いに快楽を伴うからこそ、初めて相対するヴェンデリン以外の魔力持ちのカイエンに対して熱心にそれを行う。リサの性的な意味での本当の価値は、このような性に対する直向きさと従順さにある。
(初めてなのに、どこか懐かしいような)
カイエンは戸惑った。リサは化粧がキツイ大年増である。しかしこうして快楽を与えられると、どうしようもなくその気にさせられてしまう。今のカイエンには、たまらなく魅力的にさえ見えてしまっていた。
2回目だというのに、カイエンの分身は1回目以上に屹立していた。リサと魔力を交換しあった成果なのだが、知識のないカイエンはそこまで分からない。しかしリサにはどこか特別なものを感じている。リサから得られる経験は、決して少なくはないだろう。
(うふふ、大きい)
そんな内心を吐露するような笑顔で、リサがカイエンの股間を撫でさする。そして跪くとカイエンの下半身を一気に引き下した。カイエンの聳り立つ男性器が、リサの前に突き出される。
リサはニコリと笑うと、今度はカイエンを万歳させて上半身も脱がせる。そうして巧みにカイエンを全裸にすると、立ったままカイエンの男性器にまたがるような仕草で、下着越しにカイエンの男性器を刺激し始めた。片足立ちで相手に体重はかけず、魔力も駆使して倒れないようにしている。不安定な体勢だが、氷の魔力の応用で体を固定して上手く安定させているのだ。
リサはこの素股という技で、童貞をまず最初に暴発させる。それがリサの手口である。そしてキスをしながら適度な刺激だけで童貞を射精させる。そこで自らが射精した事に狼狽える童貞を、子種を口でのご奉仕で清めて上げる。そうした上で最後にごっくんまでして見せる事で、童貞をすっかり惚れさせるのだ。
エロい格好をしたお姉さんに、熱心に舐められる。そんな風に熱烈に愛されて落ちない童貞などいない。なまじ裸を見せるより、童貞を殺す服は有用である。そして小心なリサは、型に沿ったこのやり方が向いていた。
しかしながら今回、カイエンのリセへの射精回数は定められている。リサはカイエンへの刺激を早々に切り上げた。カイエンの逸物はリサに対して適切に反応している。若いから中折れの心配もないだろう。同じ一回の射精なら、リサとしては膣内射精こそを選択すべきだろう。
リサはカイエンの視線を浴びながら、自ら服の下に手を伸ばして下着を脱ぎ捨てた。ヴェンデリンによると、この服の中で起こっている事を想像させる工程こそが大事なのだ。
そして身振りで脱がして欲しいと、カイエンに示す。上に持ち上げされすれば、リサの裸身が顕になる。童貞は、必ず家族以外の女の裸に興奮する。カイエンは童貞ではないが、リサの示すこの工程を楽しんでいた。なんと言っても、父ヴェンデリンのプロデュースする流れなのだ。その好みは息子にもしっかり受け継がれていた。
カイエンがリサの服を脱がせる。カイエンの視線に羞恥して、リサの白い肌がピンクを帯びる。それもリサの優れた点である。生来の気恥ずかしさから、年下でも初めての相手には気を許さず恥じらいを隠せないのだ。そして女の示す恥じらいこそ、何よりも興奮させられるスパイスとなり得る。素材に年齢差という多少の難があっても、美味しく頂けてしまうのだ。そして年齢以外はリサに欠点はなく、童貞相手には年齢さえも“大人の女性を意のままにしている”と興奮させる武器となり得る。
全裸に解き放たれたリサが、恥じらいつつも抱きついて淫らな様子でカイエンをベッドに誘う。リサとこうして肌を擦り合わせたから、彼女との行為が気持ちいい筈である事はカイエンにはもう分かっている。ベッドに寝そべるカイエンの上に、リサが跨る。男に体力を使わせず、女が動く騎乗位の形である。だこまでもリサは男に都合が良いように尽くす、そんな風にヴェンデリンに調教された女なのだ。
静かにカイエンの上に降りてくるリサの女性器が、カイエンの男性器に触れる。少し焦らすように下の毛でサワサワしてから、再び降下するリサの秘所がカイエンをしっかりと呑み込んだ。包まれる暖かな滑りに、カイエンの意識が飛びそうな悦楽を感じる。
ぬちゃっ、ぬちゃっ。
リサの動きに応じて、よく潤った2人の結合部が卑猥な音を奏でる。待望のカイエンの熱い男性器を膣内に迎え入れてよがりながら、リサはヴェンデリンを迎える時の作法で自然とカイエンとの間に魔力を巡らせていた。そうする事でリサの動きに合わせた2人の快楽は引き延ばされていく。
「んふっ」
動きは安定してどこか単調ながら、リサの膣の小さと巡らされた魔力がカイエンを快楽に誘う。
(なんか、まるで母上を抱いているような。)
カイエンは無意識にだが、リサを母であるカタリーナと同一視していた。そもそもリサはカタリーナの魔法の師匠であり、関係は深い。更に言えば女性としてのスペックも似ている。胸の大きな女性の魔法使い。これにはリサやカタリーナ、エリーゼが該当する。正室であるエリーゼはカイエンにとっては母親的な存在でもあるとの自覚はあるが、タイプで言えばカタリーナとリサは極めて近い。ヴェンデリンしか知らない事実であるが、実はカタリーナとリサは女性器小さく、挿入した際の感触までよく似ていた。
(こんな時に俺は何を考えてるんだろう。でも、リサさんやエリーゼ様は母上に似ていて、特にリサさんは近いような。)
階上に上がる際のエリーゼの囁き、あれがきっとカイエンがこの発想に至った原因なのだろう。
カイエンが腰を突き上げる。リサの小さい女性器が抉られる。防戦一方となるリサの大きな胸を、カイエンは齧り付いた。
「いや、いや。」
微かに拒絶するようなリサを、興奮したカイエンが襲う。
(母上とするのもこんな感じなんだろうか。)
淫らな想像を止められないカイエンも、リサに劣らずに限界が早い。
(ううっ)
声を漏らさないようにしながら、カイエンの子種がリサの膣内に放たれる。カイエンに自慢の胸を貪られながら、カイエンの子種を受け入れる為にリサの腰が動き膣が盛んに収縮する。
リサの子宮の奥底までカイエンの子種が侵食していた。それが可能なのは2人が魔力を巡らせている為に、カイエンの精力が速いと共にリサがカイエンに開かれている為である。
ドクドドクドク。
リサの中をカイエンがノックし続けている。白目を剥きそうになりながら、絶頂で力を使い果たしたリサはカイエンの上に倒れ込んだ。
倒れ込んでもなお、リサとカイエンの2人の息は荒い。欲望の完全に鎮まらない2人は見つめあい、熱烈なキスを交わした。
キスをしながら絞り出した最後の射精と共に、カイエンの中の邪念が抜けていく。冷めていく相手の欲望を縮む男性器として感じながら、リサがコシを上げる。そして縮んでしまった相手の逸物への奉仕を開始する。
ごぷっこぷっ。
リサの唇が射精を終えて半勃ちのカイエンの逸物を咥え、その舌が細部を清め始める。リサへの欲望を全て吐き出したカイエンには、リサの攻撃は快楽より恥ずかしさとくすぐったさが勝るようになっている。
全てを終えると、リサがカイエンを立たせて下着を履かせてやる。その甲斐甲斐しさもまた、リサの持ち味である。リサのツンとした乳首が、カイエンの前で揺れている。それは思わず手を出してしまう、魅力的な光景である。
カイエンがリサの乳房に再び手を這わせると、リサは笑いながら怒った素振りをして見せた。2人の逢瀬の時はこれで終わりなのだ。気持ちよかったような気恥ずかしさがかったような。そんな複雑な思いを抱えながら、カイエンはリサに服を着せてもらう。そして射精した疲労を全く感じないことに気がつかないまま。裸のリサに優しく背中を押されて、彼女の部屋を後にした。
◎三ツ目の扉
リサの部屋を去る時、監視者である廊下のドミニクの視線は部屋から出るカイエンに集中している。しかしながらカイエンの視線は廊下側を見ている。
そして少し離れた廊下の先の部屋の扉が開き、ほっそりとした手がカイエンを手招きした。それは本当はルール違反なのか。それとも誘いをかけるのもルールの内なのか。ともあれカイエンはその腕の持ち主の心当たりがある。
(あれは間違いなく、イーナさんだ)
これまで2部屋続けて初めての相手だった。今日は見知ったヴェンデリンの妻の誰と当たるか楽しみにしていたこともある。それに相手から望まれているとしたら、カイエンだって悪い気はしない。
(次はあの部屋、イーナさんの部屋にしよう。)
カイエンは今済ませたばかりだというのに、むくむくと股間の一物が屹立するのを感じる。それを見たドミニクが「ひっ」と声を漏らしたのは、自分が襲われると考えたからかもしれなかった。
その部屋の扉を開けると、待ち構えていたイーナが飢えた肉食獣のようにカイエンに襲いかかってきた。イーナとカイエンは、久方ぶりの逢瀬を重ねる恋人同士のように唇を吸い合う。これが最後となる事を2人とも承知している。そして待たされて焦らされたイーナは、その欲望をすっかり燃え上がらせていたのだ。そんな自分にイーナは戸惑っていた。
(どうしよう。こんなつもりじゃなかったのに。)
フリードリヒに対する手解きは、実の母親であるエリーゼは参加できなかった。ヴィルマもその流れで参加していない。執着されたイーナは嫌々ながら相手をしていたのだ。ルイーゼだけがそれなりに楽しんだ。前回のフリードリヒとは楽しめなかった反動が、今のイーナには押し寄せている。
加えてイーナには魔力の増加の件がある。これほど魔力の高まりを実感したのは久しぶりで、しかもカイエンとの性交渉を重ねる毎に増加量が上がっている気さえする。そうなると鍛錬に熱心なイーナは、カイエンとの行為にのめり込むようになっていたのだ。
今は会話は出来ない。そしてその必要もない。濡れたイーナの目がカイエンを誘う。イーナの秘所を弄るカイエンの手の動きが、止まる。2人は暫し見つめあった。そしてキスをすると、手を取り合って部屋の奥のベッドへと向かった。
イーナの準備は出来ている。カイエンの準備もまた出来ている。ベッドに腰掛けて、カイエンに向き直るイーナ。そしてその顔の前に、自らの屹立した逸物を突きつけるカイエン。もう完全に屈服した雌のような恭しさの込められた仕草で、イーナの唇がカイエンの男性器への奉仕を開始する。
(凄いよ、イーナさん。)
快楽がカイエンの脳天を突き抜ける。何度か身体を重ねて2人の身体は互いに馴染みつつある。その上でカイエンの気持ちの良いところをイーナは刺激する。その前の2人の奉仕から得られた快楽と比較して、イーナの奉仕は際立っているとカイエンには感じられた。欲望を燃え上がるイーナを完全に屈服させたかのような錯覚も踏まえて、カイエンからの得られる快感は増している。2人はこの最後の体験を、隅々まで貪欲に味わい尽くそうとしていた。
カイエンの手が、奉仕に励むイーナの頭にそっと乗せられる。もう大丈夫。そのカイエンの意思はイーナへと伝わる。音を立ててカイエンの男性器にキスをすると、物言わずにネグリジュの前を開きイーナはベッドに横たわった。そしてカイエンの前に尻を高々と持ち上げてみせた。
カイエンは目の前の絶景を、暫し目で楽しむ。イーナの秘所はカイエンを迎え入れる期待で濡れに濡れている。そしてイーナは欲望にたぎって震えている。ベッドの上のイーナの前に進んで、イーナの望む通り、カイエンはイーナを背後から犯し始めた。
イーナの膣を押し広げるように、灼熱のような熱さのカイエンの男性器が背後からイーナに挿入される。イーナはうめいた。その熱さは燃え上がる2人の体温だけではない。カイエンが巡らせる魔力の高まりが、魔力を感じられるイーナには熱として感知されているのだ。
(カイエン、もうすっかり魔力操作を自分の物にしているの)
カイエンが魔力操作の端緒を掴んだのは、直前のリサとの営みである。魔力量が多い上に、非魔力持ちとの性交渉がそれなりにあるリサは魔力持ちに敏感である。それはヴェンデリン以外の相手を知らないエリーゼや、フリードリヒやカイエンなど魔力のあるヴェンデリンの子との経験がないルイーゼやイーナの体験とも異なる。
カイエンの魔力に吸い付くようなリサの精密な魔力操作を受けた結果、性交渉におけるカイエンの魔力操作は劇的に改善した。それはヴェンデリンの精力回復に似ているが、違いは魔力変換の効率の悪さである。その精力の回復に必要な量以上に漏れ出た魔力は、イーナにも注がれる。そしてカイエンの魔力に刺激されて、イーナの魔力が増加する要因となる。
乾いた布に水が染み渡るように、カイエンの魔力がイーナの魔力に潤いを与える。そして性交渉しながら魔力を注ぎ込むこの行為には、甘い快楽が付き従っていた。魔力を注がれながらカイエンの男性器を突き立てられ、イーナの心と体はカイエンに完全な屈服していた。今の彼女に可能なのは、蹂躙するカイエンに膣でしがみつき耐える事のみ事である。いつになく必死で、それでいて健気ささえみせるイーナの膣の歓迎振りに、ますますカイエンは猛り狂った。
そして満足した様子のカイエンはイーナから身体を離す。
(え、もう終わってしまうの?)
唐突な終了に戸惑うイーナ。身支度を整えるべきか悩みながら、カイエンに向き直る。そして黙って彼女を見つめるカイエンの目を見てイーナは事情を察した。
(今日はなんで、こんなに恥ずかしいんだろう。)
羞恥しながらも、イーナは寝返りを打ってベッドの上に寝そべる。そして足を開き、正面からカイエンを迎え入れる体勢をとる。
(イーナさん、もっと淫らに出来るでしょう。)
カイエンが目で訴えてかける。イーナは自らの手で、両足を掴み左右に押し広げる。そして唇だけを動かして、少しだけ悪戯っぽくこう告げた。
(挿入して下さいませ、ご主人さま)
イーナは完全に自分に屈服した。そう確信したカイエンが再びイーナにのし掛かる。
「あん、あんっ」
カイエンの逸物を中心に突き立てられて喘ぐイーナの吐息が、行為に励むカイエンの耳朶をくすぐる。再び硬いカイエンの男性器を受け入れたイーナは、魔力を巡らされながら全身を襲う快楽に浸っている。カイエンの魔力が段々と高まり、終わりが近い事をイーナは察知した。
(嫌、まだ終わって欲しくない)
イーナがカイエンに、そしてこの快楽に懸命にしがみつこうとする。しかしそのまとわりつくようなひだのうねりというイーナの頑張りは、カイエンを絶頂させる激しい刺激として伝わる。そんな男女のすれ違いが、今もまたカイエンと共にイーナも絶頂に導いた。
彼女の膣内に撒き散らされる子種と共に、迸るような魔力がイーナに注がれた。まさにトドメを刺された格好のイーナは、絶頂した快楽で放心しながら動けなくなった。人形か或いは死体のように、大人しくカイエンのなすがままとなっていた。動けぬイーナの隅々まで、迸る精力と魔力と共にカイエンは味わい尽くした。カイエンの腰の動きをコントロール出来ないイーナは、最後の射精により蹂躙された。
ずるり、カイエンの逸物が心まで犯されたイーナの膣から引き抜かれる。それがイーナを幸福な空白から呼び戻した。
乱れた自らの股間や着衣には目もくれず、イーナが名残を惜しむようにカイエンの男性器への最後の奉仕を開始する。カイエンはイーナから受ける奉仕に満足しながらも、気持ちは早くも次の相手に移り変わっていた。
(最後はいよいよ、エリーゼ様だ。)
カイエンに抱きつき、イーナが名残を惜しむ。出来れば最後の一回は抱いて欲しい。今まで以上にイーナの魔力は高まった。しかしそれだけでなく、イーナの中には望んでカイエンに屈服した。そんな自覚もあるのだ。次にカイエンにまた求められたら、応じてしまうかもしれない危うさの自覚もある。
(もう一度、カイエンに抱いて欲しいな)
そんな願望を仄かに漏らしながら、イーナはカイエンを抱きしめている。股間から溢れ出るカイエンの子種も垂れ流したままだ。
コホン、ドアの外からドミニクの空咳が聞こえる。それは明確に「貴方達はもう終わりです」と告げていた。
今日のルールでは、イーナの望むような展開とはならない。それぞれの女性が相手をするのは一回だけの決まり。その事を、イーナはよく把握していた。残念そうにイーナはカイエンから身体を離す。そして声を発せず、唇だけを動かした。
(またね。)
◎四ツ目の最後の扉
(エリーゼ様)
カイエンが最後に開く扉、そこには予想通りエリーゼがいた。種も仕掛けもない以上、それは当然の話ではある。でも万が一遠考えると不安だったカイエンは、エリーゼの姿を見てほっとした。
口を聞いてはいけない。それがルールである。当然ながら、それはエリーゼにも適用される。椅子から立ってカイエンを出迎えるエリーゼに、促されるままにカイエンは部屋の中に足を踏み入れた。背後でドミニクが室内に滑り込む。その様子を、エリーゼに見惚れているカイエンは全く気がつく事は無かった。
カイエンとエリーゼは暫し抱き合った。当主の正室でさえ、当然のように自分を受け入れてくれる事にカイエンは感動する。
たったまま静かに互いの体温を感じていると、潮が満ちてくるように興奮が次第に他の感情を圧迫し始める。
(エリーゼ様は柔らかい。エリーゼ様はいい匂い。エリーゼ様は温かい。エリーゼ様は自分を抱いてもいいと仰っている。もう終わってしまうのは嫌だ。でも、もうこれ以上我慢は出来ない!)
逡巡するカイエンはエリーゼを抱きしめて長く葛藤していたが、最後には遂にエリーゼをベッドに押し倒した。
エリーゼは僅かに目で笑ってから、全て委ねますという風に目を閉じた。その長いまつ毛で覆われた目は、もうカイエンを縛る鎖とはならない。
カイエンは夢中でエリーゼのネグリジュを剥いだ。豊かな乳房が溢れでる。エリーゼの美しい顔と白い肌、そして豊かな胸元。その圧倒的な存在感に、カイエンの世界は占領された。
(ああ、エリーゼ様)
エリーゼを組み敷いて、その胸に顔を埋める。リサの胸も大きかった。しかしリサと子を産んだエリーゼの胸は違う。どこか子を育んだ母性を感じさせるのだ。
カイエンがエリーゼの胸に顔を埋めていると、モソモソとエリーゼが股間を動かした。そしてエリーゼの手がカイエンの肌を伝い、怒張した股間の逸物を探り当てる。エリーゼの手がカイエンの男性器の皮を剥き、亀頭に刺激を加える。
カイエンは襲う側から一転して襲われる側になった。早く挿入しないとこのまま果てさせますよ、まるでエリーゼにそう脅されている気分である。
エリーゼは邪気のない聖女といった佇まいであるが、その中にはヴェンデリンに目覚め開花させられた女性としての淫蕩さも確かに備えられているのだ。
(ああ、惜しいな。まだこうしていたいのに。)
カイエンの興奮はもう限界であり、エリーゼも挿入を望んでいる。これ以上の引き伸ばしは出来ない。誘惑に屈したカイエンは、エリーゼの秘所に自らの逸物を押し当てた。エリーゼが淫らに腰を動かす。口を開いたエリーゼの女性器に、カイエンの逸物は忽ち呑み込まれた。
カイエンは快感にただ喘いでいた。体勢の上ではエリーゼを組み敷いているのは自分である。しかし肘を使ってエリーゼに体重がかからないようにカイエンが耐えていると、エリーゼが淫らに動いてカイエンを搾り取りにかかる。エリーゼは長年のヴェンデリンとの性生活で培った本気を見せていた。カイエンには強烈すぎるそれは、男をすぐに達せさせる程の快楽である。
カイエンは耐えていた。耐えられているのは、リサとの性交で会得した魔力の循環による。魔力の伝達と共に、互いの快楽が入り混じる。我慢しても我慢しても、カイエンの子種はエリーゼの中に漏れ出ていく。それと同時に、カイエンの精力も回復させていく。
カイエンとエリーゼは揉み合って動き続けた。互いに互いを離したくない。そんな瞬間の連続である。エリーゼももう何度も絶頂しているのだろう。
終わりは唐突に来た。背後からドミニクの胸がカイエンに押し当てられたのだ。それは2人の関係を侍女として心配したからだろうか。或いは自身も2人の絡みに混じりたいという誘惑に、ドミニクが負けたからだろうか。
エリーゼに負けず劣らず立派な胸がカイエンの背中に押し当てられる。挟撃されて勝てる筈がない。カイエンは気がつくとエリーゼの中に子種を放っていた。深く打ち付けるような、エリーゼを孕ませる為の動き。記憶にエリーゼの味を刻みつけるかのように、貪欲にカイエンが動く。エリーゼもまた、膣内に入り込んだカイエンの分身を貪る。
「・・,うふふ、気持ちよかったわね。」
絞り尽くされたカイエンは、エリーゼから男性器を引き抜くと彼女の横に倒れ込んだ。そんなカイエンの横で、エリーゼが微笑みかける。
「これでカイエンへの手解きは終わりです。でも、まだまだ元気なようですね。」
エリーゼの手が、カイエンの男性器をそっと撫でる。ソフトな刺激も、エリーゼがもたらしたものなら期待でカイエンの逸物が硬さを増す。
「約束を違える事は出来ません。私はもうお相手出来ないけれど、代わりにドミニクを使うといいわ。」
「エリーゼ様!?」
カイエンの背後でドミニクが悲鳴を上げる。
「黙って見ていればよかったのに、最後は服を脱いで参戦していたでしょう。ドミニクも、可愛がってもらいなさい。」
エリーゼがそう言ってドミニクを見据える。エリーゼは少しドミニクに怒っているのだろうか。
「あれは、エリーゼ様が心配で。」
そう答えながらもドミニクは、いそいそとカイエンの前に寝そべる。
「私はここで見ています。カイエン、ドミニクを自由に抱いて良いですよ。私の姉妹のような存在です。可愛がってあげてくださいね。」
悪戯っぽくそう告げると、エリーゼはドミニクと身体を入れ替えた。
「いいのですか?」
「はい、あの、カイエン様。私で宜しければ」
皆まで言わせず、カイエンはドミニクをガバっと組み伏せる。エリーゼを抱いた興奮がまだ抜けない。今ならエリーゼの肢体を視姦しながら、ドミニクの体を使って楽しむ事が出来る。
「うふふ。そうやって私を裸にして眺めながら、ドミニクを抱くのはヴェンデリン様もお好きですよ。」
嘲笑うような自慢するような、そんなエリーゼの言葉に背中を押される様にカイエンはドミニクを犯し始めた。素裸のエリーゼは椅子に触り、2人の営みを眺めている。その股間から溢れ出たカイエンの子種をエリーゼが拭おうともしない為、大量の白濁液がエリーゼの太腿を伝っていた。
(僕が、この僕がエリーゼ様を犯したんだ)
興奮したカイエンの動きで、圧倒されたドミニクが喜悦の声を漏らし絶頂する。カイエンはエリーゼから目を逸らさずに、絶頂したドミニクに引きずられるようにしてドミニクの膣内に深々と子種を放った。
(もう、リムルさんだけでは満足できそうにないな)
明日からは1人のあてがい女で我慢するしかない。しかし色々な美女を抱く楽しみを知ってしまうと、耐えられる自信がない。
「心配せずとも大丈夫ですよ。お父様は多数の妾候補も揃えられているのです。カイエンさんにも、いい娘を私達が紹介して上げます。」
カイエンと実際に肌を合わせた上で、カイエンの意に沿う処女の側室を選ぶ。ヴェンデリンの妻達はカイエンよりずっと年上である。こ カイエンと共に歩くのは同世代の若い子がいい。ヴェンデリンの正妻のエリーゼは、アフターケアまで万全なのだった。
カイエンの作品はこれで終わる予定です。楽しんで頂けたでしょうか。フリードリヒの時よりも振り切った分、出来は良くなったと思います。
ヴェンデリンの子供は名前を把握している、フリードリヒ、カイエン、デニスと全て書き終えました。少なくとも8人はいるはずなので、残りは5人です。もし未登場のヴェンデリンの子供の名前と原作のどこに登場するかご存知の方がいたら感想欄で教えてください。この路線の続きを制作します。よろしくお願いします。
後は感想!
好意的な感想をよろしくお願いします。アンケートはあくまで補助的手段なので。反応が薄いと辛いです。
今回のカイエンの最終話はいかがでしたか?一番近いものを選んでください。その他は感想欄にお願いします。
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フィリーネ良かったよ!
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リサが良かったよ!
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イーナの屈服期待通りで良かった!
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エリーゼが良かったよ!
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全部良かった!