王太孫とアンナの結婚式には、ヴェンデリンとエリーゼ夫妻が立ち会う。イーナも娘のアンナも出席を強く願ったのだが叶わなかった。王家の思惑やヴェンデリンの思惑など理由は色々ある。ただ、イーナの素性を皇太孫の性の指導役と結びつけて考えられるかもしれないと指摘されるとイーナも諦めざるを得なかった。
貴族はその手の問題には鋭い。素性を隠す場合は、好んで暴き立てようとする。娘のアンナの面目の為にも、イーナがここで醜聞になる訳にはいかなかった。
それでは気の毒だと思ったのか、或いは実利の為か。テレンソワ子爵夫人がイーナに申し出たのは、初夜の立会人という役回りである。
花嫁アンナの母親である以上、イーナにはその寝室に侍る資格がある。そしてイーナは王太孫の手ほどき役でもある。困った時に2人の間に入って全く問題のない人物なのだ。
イーナは悩んだ。しかしながら王太孫はもはやイーナの手がけた作品と言っていい。その仕上がり具合を確認できないのは悔しい。リスクを承知の上で、遂にイーナはその申し出を受けたのだった。
仄暗い寝室に、新郎新婦のシルエットが浮かび上がっている。まだ宵の口という時間帯だ。新郎新婦の初夜は比較的早くに始まり、参列者はその仕上がりを気にしながら階下で飲んで歌って騒ぐという風習がある。
自分達の結婚を祝福する人々の騒ぎを遠くに聞きながら、新郎新婦が寝室に篭って初の契りを交わす。その様子は立会人に余す所なく確認されて、処女を喪失して子種が発射されたかまで確認されるのだ。それは主に痕跡の残ったシーツをパーティ会場に持ち去るという形で行われ、主にその処女の証の鮮血が新たな乾杯の口実とされる習わしだった。
寝室は熱気と緊張に溢れ、意図して光量を絞った天井のランプの光が揺れていた。イーナはテレンソワ夫人と共に寝室内に控えていた。ベッドの脇からはまだ遠い。しかしアンナと王太孫の初夜の様子を窺える位置にいる。
イーナは槍の名手にして冒険者である。その鍛えられた武術家としての目は、娘と王太孫の営みに注がれていた。イーナが王太孫を自らの身体で手ほどきした結果が、今夜、アンナに引き継がれるのだ。だが母親としてのイーナは、娘の処女が失われるこの瞬間に立ち会う事に複雑な胸のざわめきを隠せなかった。
アンナは白いナイトドレスに身を包んでいる。そして王太孫に与えられた特別な餌として、ただベッドの上で縮こまっていた。アンナの頬は羞恥で上気している。この日のためにアンナの髪は美しく結い上げられ、まるで王冠のように彼女の頭に巻きつけられている。その姿はどこか儚く、初々しい美しさに満ちていた。ゆっくりと精力剤入りのワインのグラスを飲み干した王太孫が、アンナの横たわるベッドに近づく。
「アンナ、心配するな。余がそなたを導く。」
王太孫の声は優しく、自信に満ちていた。イーナはその様子を息を潜めて見つめ、心の中で祈る。
(アンナ、どうか幸せになってね…。)
王太孫はアンナの横にその身を横たえた。そしてアンナの手を取り、彼女を自分の方へと引き寄せた。いよいよその時が来たのだ。アンナはこの場で処女を失い、名実ともに王太孫の物とされる。
破瓜の瞬間を思い、アンナの身体が震える。アンナの細い指が王太孫の手をそっと握り返した。初めての触れ合いに、アンナの呼吸は荒い。
王太孫はアンナの顎を持ち上げると、彼女の唇にキスをする。それは結婚式で見せた軽いキスではない。相手の唇や舌を吸い合う本物の接吻である。それは全てイーナが王太孫に教え込んだものだ。唇を吸われてアンナの瞳が潤み、恥じらいながらも応えようとしている。その姿に、イーナの横のテレンソワ子爵夫人は満足そうに目を細めていた。
王太孫の手がアンナのナイトドレスを引き下ろしすと、アンナの白い肩と形の良い胸が露わになる。アンナは思わず小さく声を上げ、腕で胸を隠そうとする仕草をした。しかし、王太孫の目がじっと見据えると恥ずかしそうにその腕の動きを止めた。もう、アンナの身体は王太孫に差し出される為に存在しているのだから。
「美しいよ、アンナ。」
その言葉に、アンナの頬が羞恥で赤く染まる。
「・・・胸があまり大きくないのは、母譲りなのです。」
その小さな告白にテレンソワ子爵夫人が思わず声を漏らして、慌てて咳払いで誤魔化していた。その場で聞いているイーナは居た堪れない思いでいる。アンナはイーナの存在を知らないとは言え、ここでそれを口にしなくても良いのではないだろうか。
「大きくなくとも美しい胸だ。私はそなたのような胸の美しい女性こそが好みだ。それに、赤子を産めば成長するというしな。」
王太孫はニヤリと笑いながら、アンナの胸を両手で弄んだ。慣れた仕草で、王太孫が蕾のようなアンナの乳首を口に含む。ほんの微かな刺激にも、アンナの初々しい身体は戸惑いと興奮を見せる。
「殿下、私は・・・。」
王太孫の身体の下でモジモジとその体をくねらせれるアンナは、王家の寝室にいるというこの状況に酔わされていた。
身をよじるアンナの興奮を王太孫も感じとったのだろう。王太孫がアンナの下着に手をかける。この日の為に用意された純白の下履きは、既に溢れるアンナの愛液でシミがついていた。その様子を確認した王太孫は嬉しそうに微笑んだ。
アンナの母親のイーナも彼の前では同じだった。興奮しやすく濡れやすい。そしてどこまでも従順に彼を楽しませてくれた。
王太孫はアンナの脚を開き、彼女の秘部に触れる。その刺激にアンナが「ひいっ」と悲鳴を上げた。その声にイーナの胸は締め付けられた。この複雑な思いは、容易に他人には理解されないだろう。
王太孫はアンナの潤いを慎重に指で確かめた。そして聳り立つ自身の逸物を取り出した。それはイーナの夫であるヴェンデリン程ではない。しかし若いだけに硬く、何よりも処女のアンナの秘所に入り込むにはあまりなも大きすぎるように思われた。
王太孫が怯えるアンナに逸物をあてがう。男性器は女性器に収まるように出来ている。しかし、初物ではそれは簡単にはいかない。破瓜の過程は男性には喜びをもたらすが、女性には苦痛でしかない。女の悦びが男性器により導き出されるのは、少し回数を重ねてからの事が多い。
王太孫は彼女の女性器を慣らしながら、ゆっくりとアンナの中に入り始めた。アンナの口から悲鳴にも似た嗚咽が漏れ、びくんびくんと身体が跳ねる。そしてアンナの下に敷かれた純白のシーツに小さな赤い染みが広がり、破瓜の証が刻まれた。
「殿下、殿下、ああっ。」
アンナの声が大きく響き渡る。王太孫が震えるアンナの膣の刺激に耐えながら、アンナの顔にキスの雨を降らせる。股を串刺しにされた格好のアンナは息も絶え絶えと言った様子で、イーナの心を不安にさせる。王太孫はアンナが持ち堪えられるように、痛みを与えぬようにじっと耐えていた。しかし、男の我慢には限度がある。
「アンナ、もう我慢できぬ。そろそろ動くぞ。」
「・・・はい、殿下。存分になさってください。」
先程とは打って変わり、蚊の鳴くような小さい声のアンナに王太孫の動きが早くなる。そして痛みに耐える悲鳴のようなアンナの大きな喘ぎ声が部屋中に響く。その声はきっと、階下の喧騒の中でさえも聞き取れるだろう。まだ喘ぎ声を発し慣れていない彼女の声は初々しく、頼りなげである。その悲鳴のようなアンナの声は、横で見護るイーナの胸を締め付けた。
王太孫はアンナを抱きしめながら腰を打ちつけ続けた。そして王太孫に組み伏せられたアンナの身体が震えた。
「殿下、私何かが変です。」
「大丈夫だ、アンナ。それが愛なのだ。」
アンナの身体が硬直し、小さな叫び声が漏れる。アンナは今、初めての絶頂を迎えたのだ。興奮でアンナの瞳が潤み、息が荒くなる。ただでさえキツさを示すアンナの女性器の中で激しく締め付け上げられ、王太孫も彼女の中で果てた。王太孫はアンナの横に倒れ込んだ。
イーナに目配せすると、テレンソワ子爵夫人がベッドに近づいた。
「お役目により確認させていただきます。」
そう断ったテレンソワ子爵夫人が夫婦を立たせるとシーツを剥がす。血染めの染みが鮮やかに浮かび上がる。
「見事な初夜でございましたね。」
満足そうなテレンソワ子爵夫人がそうイーナに囁きかける。イーナは黙って頷き返した。アンナの下に敷かれたシーツを持ってテレンソワ子爵夫人は退出した。王太孫も席を外す。
花嫁の下の世話はイーナの役目である。破瓜の後を、イーナは心を込めて拭った。子種は、アンナの中になるべく留めておかねばならない。だが太腿を伝落ちる子種は、拭き取って良いのだ。夜は長い。こうやって正体を隠しながらも娘の世話をすることが、イーナに今許された娘の為にできる唯一の事である。
アンナの支度を整えたイーナは乱れたベッドのメイクを始めた。階下ではテレンソワ子爵夫人を迎えた貴族たちが歓声を上げ、血染めのシーツを掲げて乾杯する声が遠くに聞こえてくる。
アンナはナイトドレスを纏わせたアンナをベッドに抱え入れた。精魂尽き果てた様子のアンナは、暖かなベッドに横たえられるとすぐに寝息を立て始める。破瓜の瞬間を終えて緊張が一気に緩んだのだ。イーナの正体は知らなくても、母親に世話をされて安心したのかもしれなかった。
長々と小便をし、再び精力剤入りのワインを飲んだ王太孫が戻って来たのはその瞬間である。王太孫の視線がイーナを値踏みするように突き刺さった。彼の瞳には新たな欲望が宿っている。イーナの背筋に冷たいものが走る。イーナの武術家としての予感は、恐らく王太孫が彼女の身体を狙っているという懸念が正しいと示唆していた。
「其方の役目はまだ終わっておらぬ。」
王太孫は立ちすくむイーナの手首を掴み、力強く引き寄せた。荒々しくイーナの唇を奪う。ワインの味と共に、微かにアンナの口紅の味がイーナには感じられた。
「余はずっと其方の正体を知りたいと思っていたのだ。これだけ心をかき乱される存在は誰なのか、記憶に留めておきたいとそう考えた。余の側室に迎え入れてもよい。そう考えた。どうか其方の正体を、其方の口から教えてはくれぬか?」
王太孫は、抵抗できないイーナをアンナの眠るベッドの横に押し倒した。今も何度目かもわからぬ階下の貴族たちの祝杯を上げる音がが遠くに響いている。そんな中、王太孫の身体でイーナの身体がシーツに中に沈められる。
「殿下、私の役目は過去のものです。全て終わった関係ですので、このまま秘密のまま埋もれていくのが良いのです。だから、今夜は私がお相手をするつもりでは。」
アンナを起こさないように、イーナの抗議も抵抗も小さいものにならざるをえない。アンナを起こしてしまえば全てを娘に見られてしまう。結婚を果たし純潔を散らしたその日に、王太孫とイーナのそんな姿を娘に見せたくはない。
しかし抵抗が弱い事を良いことに、王太孫はイーナの上に覆いかぶさり首筋に唇を押し当てた。これまでもイーナを強引に物にしてきた。ここでも、それをして当然だとしか考えていなかったのだ。
「そなたが余を男となれるように導いたのだ。ならば、花嫁との初夜まで付き合ってもらおう。」
彼の手がイーナのドレスを引き裂く。震えるイーナの裸身が露わになった。精魂尽きたアンナの寝息がすぐ横で聞こえている。そんな中で、アンナの婿に自分は再び犯されてしまうのか。イーナの心は娘に正体がバレる恐怖と、娘の前で抱かれる羞恥で締め付けられた。
「殿下、おやめください。アンナ様が…」
イーナは再び小さな声で抗議を試みるが、王太孫の唇が再び彼女の言葉を封じる。彼の舌がイーナの口内に侵入し、彼女の抵抗を溶かすように絡みつく。イーナの身体は反射的に反応し、抑えきれぬ熱が下腹部に広がっていく。娘の目の前でこんな反応を見せる自分が許せなかったが、身体は正直だった。
王太孫が動きを止め、イーナから身体を離した。彼の瞳には満足感と同時に、何か企むような光が宿っていた。イーナは慌ててシーツを引き寄せ、裸身を隠そうとする。しかし、王太孫はその動きを制するように彼女の手首を掴んだ。
「隠す必要はない。其方は美しい。それに…余は全てを知っているのだからな。」
彼の言葉に、イーナの血が凍りつく。変装の指輪を付けているとはいえ、彼がイーナの正体に気づいている可能性はゼロではなかった。だが、まさかここまで確信を持って言い放つとは。
「何を…おっしゃっているのか分かりません。」
イーナは平静を装いながら答えたが、声がかすかに震えているのを隠せなかった。王太孫は薄く笑い、彼女の耳元に顔を寄せる。
「其方がアンナの母君であること。そして、バウマイスター伯爵の側室であること。余を導いたその手が花嫁の母親の手だったとはな。余は全て知っているのだ。隠しても無駄だよ、イーナ。」
その瞬間、イーナの頭の中が真っ白になった。彼がいつから知っていたのか、どうして気づいたのか。考えを巡らせる 間もなく、王太孫はさらに追い打ちをかけるように囁いた。
「だが安心しろ。余はこの秘密を外には漏らさずに守るつもりだ。アンナを娶る上で、その母君が手ほどきしてくれた。これこそは男への最高の贈り物だ。当人の其方でも、そうは思わぬか?」
王太孫の言葉は甘く、しかしどこか冷たく響いた。イーナは言葉を失い、ただ彼の瞳を見つめるしかなかった。そこには少年らしい無邪気さはなく、王位を継ぐ者の狡猾さと欲望が渦巻いているように見えた。
王太孫は慣れた手つきでイーナの下着を剥ぎ取ると、イーナの脚を開き強引に侵入しようとする。イーナの口から抑えた喘ぎ声が漏れ、身体が王太孫の動きに反応してしまう。
抵抗すれば娘を起こしてしまう。そう考えて諦め切ったイーナが、王太孫の逸物を受け入れる。もうすっかりイーナを抱き慣れた様子で、王太孫はイーナの膣内に挿入を果たした。
王太孫はイーナの腰をしっかりと掴み、彼女の身体に自らの欲望を刻み込むように動きを続けていた。王太孫の息づかいは荒々しいが、どこか計算されたような冷静さも垣間見える。イーナが教えた性の技術を、この少年はすでに自分のものとして昇華させつつあるようだった。そしてその事実は、イーナに奇妙な満足感と同時に深い不安を与えていた。
「ああ、イーナ。やはりそなたは素晴らしい。」
新妻より遥かに豊かな感覚が広がる。膣もいわば筋肉のようなものだ。使い込まれてなお、仕上がる反応もある。処女の初物には独特の良さがあるが、面倒も多い。新妻を大事に思うほど、無理はさせられない。この新郎新婦は回復魔法を使える訳ではないのだ。
イーナもまた、王太孫を受け入れる事に慣れている。王家には乱暴者と思われたくない一心で、手ほどきでも懸命に自分を押し殺してきた。
結果として、王太孫を黙って受け入れできたのだ。性の作法に背く事は注意する。しかし、性行為するという点において焦らす事も拒否する事もしなかった。出来なかったのだ。結果として尻穴の処女まで捧げるハメになった。
ヴェンデリンはそちら方面には興味を示さなかったし、王太孫の教育の為と言われたら拒否もできなかったのだ。
「ああ」
娘が寝ている横で、イーナは思わず喘ぎ声を漏らしいていた。イーナを抱き慣れた王太孫は巧みである。肌を合わせた男女特有の緩みにつけ込んで、イーナを快楽に落とそうとしている。
それは新妻に自分の性豪ぶりを見せつけようとする意図も含まれているのだろう。イーナはその時初めて、娘のアンナが起きてこちらを観察しているのに気がついた。恥ずかしそうに顔を隠しながらも、指の隙間からしっかりと観察していた。大丈夫、今のイーナは変装の指輪をつけている。立会人がいるので特別に許しを得ていた。それでも、イーナは娘に見られながら男に抱かれているのを知っていた。
(これは全部アンナの為なのに)
今の自分はあんなにどう見られているのだろう。そんな事ばかりか気になる。気にしている間にも、王太孫は的確に女の弱い所を狙い撃ちにする。それは全部イーナが教えた事だ。それが今、イーナ自身に跳ね返っていた。娘のアンナの目の前という、絶妙なこのタイミングで。
「ああ、殿下。」
いつもの調子で思わず声が漏れてしまった。イーナの声を聞いたアンナがビクッとする。自分の母親の声を聞き間違える娘がいるだろうか?
しかしそれが艶めいた声ならどうだろう。分からないかもしれない。そんな事は、今のイーナには分からない。
「余の子種を受け取れい。」
王太孫が射精に向けてペースを早める。本来それは新妻のアンナに注がれなければならないもの。貴重な機会の喪失に、イーナは慄く。
「そ、それはアンナ様に。」
小声でそう抗議するイーナの唇は王太孫の口で塞がれた。組み敷いた女をそうやって黙らせると、王太孫は長々とイーナの膣内に射精した。娘の目の前で母親を犯す。それは男の本懐の一つだろう。単なるくたびれた中年女の母親では興味がないが、自分を手ほどきしてくれた憧れの美女とならば話はまるで変わってくる。そう、王太孫はイーナの素性を最初から知っていたのだ。
「いや、いやぁ。」
抵抗しようとしても出来ない、声で抗うしかないイーナに王太孫の白濁液が注がれる。膣内で王太孫の子種を受け止めるのはもちろんこれが初めてではない。しかし拒否してもなお強行されるのは初めてである。
王太孫の腰が尚も激しく動く。十代の花嫁の処女を散らした直後に、三十路のその美しい母親を抱く。その歓びは、本懐を遂げた者にしか味わえない。貴族の乾杯の音が尚も夜空にこだまする中で、王太孫はイーナの中で欲望を遂げた。
(やられてしまったわ。)
イーナは唇を噛んだ。今夜のこの状況に完全に流されていた。王太孫とは身体を重ねた弱みもある。本当は、今夜の立ち合いは断るべきだったのかもしれない。しかし彼女の手解きした王太孫と、愛娘であるアンナの初夜。立ち会わなければ、やはり後悔していたのではないだろうか。
イーナは彼女の中で果てた王太孫を押し除けようと力を込めた。その時、その振動でアンナが小さく身じろぎした。アンナの視線が自身の傍らのイーナに注がれる。娘と視線があってイーナの心臓が跳ね上がった。今は変装の指輪をつけている。とはいえ先ほどまでは喘ぎ声を漏らしていた。この距離で母の声を聞き逃す娘はいない。
(もしかして、アンナにバレてしまったかしら)
イーナはハラハラしながらアンナの反応を見守った。この場に母親がいても問題だが、王太孫が花嫁以外の女を抱くのも問題となり得る。初夜の立会人として軽く紹介されているとは言え、アンナの反応は予測できない。場を収めるべき役目のテレンソワ子爵夫人はこの場にいないのだ。だからこそ王太孫はイーナに襲いかかったとも言える。
その時、アンナがベッドの上で身じろぎした。彼女の瞳がまたも一瞬イーナと交わり、イーナの心臓が跳ね上がる。アンナはまだ状況を完全に理解していないようだったが、何かを感じ取っているのは確かだ。変装の指輪のおかげで顔は隠されているとはいえ、声や仕草は隠しきれない。
イーナの顔をを見つめるアンナの瞳が一瞬揺れた。イーナの存在に、アンナが何かを感じ取ったのは確かだった。王太孫との会話はどこまで聞かれてしまったのだろう。王太孫がアンナの目覚めた様子に気がついた。そして薄く笑う。
「アンナ、目覚めたか? ならば良い機会だ。余がそなたに秘密を明かそう。」
彼はイーナから身体を離すと、しっかりとアンナの手を取る。そしてイーナの顔を見据えながら告げた。
「この女は変装の指輪をつけているがその正体はそなたの母、イーナだ。余を導き、そなたを幸せにするためにここにいる。」
「え、お母様なのですか?」
アンナの瞳が大きく見開かれ、イーナの胸が締め付けられる。娘の驚愕と困惑の表情に、イーナは言葉を失った。王太孫は笑い声を上げると、アンナを再びベッドに押し倒す。
「さあ、アンナ。そなたも母君も、今宵は余のものだ。」
王太孫はアンナの中に再び侵入した。母親の前で花婿に抱かれて興奮したのだろうか。彼女の喘ぎ声が大きく響く。王太孫が彼女の秘密をバラしてしまった。イーナは絡み合う女夫婦の横で呆然としていた。が、王太孫は手を伸ばし、イーナを再び引き寄せた。
「その指輪を外せ。そしていつものように余を受け入れるのだ、イーナ。」
王太孫はアンナと変装を解いたイーナを交互に犯し始めた。アンナの初々しい身体を貪り、次にイーナの熟れた肉体に欲望をぶつける。
「殿下、お母様にこれ以上無体な真似をされるのはおやめ下さい。」
イーナは娘のそんな泣き声を聞きながら、自らの喘ぎを抑えきれず、屈辱に震えた。だが、母としての使命感が彼女を突き動かす。
(このままではアンナが不幸になる…私が殿下を正さなければ。)
イーナを堪能した後で、王太孫は相手を変えてアンナの中で子種を再び放った。そして王太孫は再びイーナを抱こうとした。
「殿下、少しお待ちください。」
イーナは静かに、しかし鋭い声でそう告げると、王太孫の手を振りほどき、ベッドから立ち上がった。その裸身を隠そうともせず、堂々とした姿勢で彼を見据える。その瞳には、アンナの母としてそして鍛えられた武術の指南役としての不屈の意志が宿っていた。
王太孫が驚いたように眉を上げ、アンナもまた困惑した表情で母の動きを見つめた。イーナは部屋の隅に置かれた装飾用の槍に目をやり、それを手に取った。飾りとはいえ、しっかりとした重さとバランスを持つ武器だ。彼女の指が柄を握ると、すぐにその得物は彼女の手に馴染んだ。
「何だ、その態度は?其方はいつものように余を快楽に導いてくれれば良いのだ。それとも新たな趣向なのか?」
王太孫は不機嫌そうに問いただすが、イーナは動じない。彼女は槍を軽く振り回し、その先端を王太孫の胸元に突きつけた。切っ先は彼の肌に触れる寸前で止まり、装飾用の品とはいえ冷たい金属の感触が彼の息を一瞬止める。
「殿下、私は貴方を導くためにこの役目につきました。ですが、それは殿下が好き勝手にするための道具になるという意味ではないのですよ。」
凛々しいイーナの顔は、これまで王太孫には見せてこないものだった。子種で太腿を濡らしながらも凛々しく立つその雰囲気に、王太孫が呑まれる。
「アンナ様のためにも、貴方が真に立派な王となるためにも、私には貴方を躾ける義務があるようです。」
イーナの声が力強く響いた。王太孫の瞳に一瞬の怯えが走るが、すぐに彼は笑い飛ばそうとした。
「ほう、面白い。だが、そなたが余に何ができるというのだ?」
その挑発に応じるように、イーナは槍を床に叩きつけ、鋭い音を響かせた。そして一歩踏み込み、王太孫の腕を素早く押さえつける。冒険者としての反射神経と膂力は衰えていない。王太孫の動きは、イーナの身体で完全に封じられた。
「もう貴方は私の教え子です、殿下。そして私は、貴方を正す術を知っています。」
イーナはそう言うと、王太孫をベッドに押し倒し、彼の上に跨った。その動きは流れるように自然で、槍の名手としての優雅さと力強さを兼ね備えていた。アンナが息を呑んで見守る中、イーナは王太孫の両腕をシーツに縛り付け、彼の自由を奪う。
「何!? 放せ、イーナ!」
王太孫が叫ぶが、イーナは冷たく微笑むだけだ。彼女は槍の柄を手に持ち、その先端で彼の胸を軽く撫でる。金属の冷たさと彼女の温かい指先が交錯し、王太孫の身体がビクンと反応する。
「貴方は乱暴者ではありませんでしたね。私が教えたのは、相手を尊重し、共に高め合う術です。それを忘れたのなら、もう一度思い出させましょう。」
今のイーナの声は官能的でありながらも威厳に満ちていた。彼女は槍を脇に置き、素手で王太孫の身体を押さえつけると、彼の首筋に唇を寄せた。熱い吐息が彼の肌を焦がし、彼の抵抗がわずかに弱まる。
イーナの手が王太孫の胸を滑り、彼の心臓の鼓動を感じ取る。彼女の指先は冒険者としての鋭敏さで彼の弱点を見つけ出し、的確に刺激を与えていく。王太孫の息が乱れ、彼の股間が再び硬く屹立していくのが分かる。
「貴方は私を道具だと思っているようですが、それは間違いです。私は貴方を導く者。そして今夜は、アンナ様の前で貴方がどれだけ成長したか証明する夜でもあります。」
イーナはそう囁きながら、王太孫の腰に手を這わせ、彼の欲望を握り潰すように締め付けた。彼が呻き声を上げ、抗おうとするが、イーナの力強い動きに逆らうことはできない。
彼女はゆっくりと腰を動かし、王太孫の男性器を自身の秘部に導いた。だが今回は、ただ受け入れるのではない。彼女は自らのリズムで彼を支配し、彼の動きを完全にコントロールする。冒険者としての身体能力が、ここでは官能的な武器として発揮されていた。
「ああっ…イ、イーナ…」
王太孫の声が掠れ、彼の身体が彼女の動きに合わせて震える。イーナは彼の耳元で低く囁いた。
「貴方は私に全てを委ねなさい。そしてアンナ様に恥じない男になりなさい。」
その言葉に呼応するように、イーナは腰の動きを加速させる。彼女の膣が王太孫を締め付け、彼を快楽の頂点へと導いていく。だが、彼女は彼が絶頂に達する寸前で動きを止め、彼の欲望を焦らす。槍の名手としての精密なコントロールが、ここでも冴え渡っていた。
「まだです、殿下。貴方は私の許可なく果てることはできません。」
イーナの声は冷たくもあり、甘くもある。王太孫は目を潤ませ、彼女に懇願するような視線を送る。
「頼む…イーナ、もう我慢できん…」
その哀願に、イーナは満足げに微笑んだ。彼女はアンナの方を一瞥し、娘が目を丸くして見つめているのを確認する。アンナの瞳には驚きと、そしてどこか尊敬のような光が宿っていた。イーナは心の中で娘に語りかける。
(アンナ、これが母の強さよ。貴方を守るためなら、私はどんな役目でも果たす。)
そしてイーナは、再び腰を動かし始めた。今度は躾を超え、純粋な快楽を与えるための動きだ。彼女の鍛えられた身体がしなやかに波打ち、王太孫を深い官能の渦へと引き込む。王太孫の呻き声が部屋に響き、彼の身体が硬直する。
「イーナ…ああっ!」
彼の叫びと共に、王太孫はイーナの中で絶頂を迎えた。熱い子種が彼女の体内に注がれ、イーナ自身もその感覚に軽く震える。だが、彼女の表情は冷静さを保ち、冒険者としての誇りがそこにあった。
王太孫が息を整える中、イーナは彼の上から降り、シーツで身体を軽く拭った。そして槍を手に持つと、再び彼の前に立つ。
「殿下、これで私の役目は果たしました。アンナ様を大事にしてください。そして、私の教えを忘れないでください。」
王太孫は放心状態で頷くしかなく、イーナの圧倒的な存在感に言葉を失っていた。
「やはり余は其方を忘れられそうにない、イーナ。」
未練の言葉を口にする王太孫の側にアンナがそっと寄り、彼の手を握る。その姿を見て、イーナはようやく安堵の息をついた。
彼女は槍を元の場所に戻し、変装の指輪を再度装着する。そして裂かれたドレスの代わりにアンナのナイトドレスを身に纏うと静かに寝室を後にした。アンナの為の服は、他にいくらでもある。扉の外では、テレンソワ子爵夫人が待機していた。きっと部屋の様子を覗き見ていたのだ。イーナと鉢合わせをして動揺したそぶりを見せる。
「イ、イーナ様…全て上手くいきましたか?」
イーナは微笑みながら答えた。
「ええ、王太孫殿下は立派に成長されました。これでアンナも幸せになれるでしょう。」
その言葉に、テレンソワ子爵夫人は深く頭を下げた。彼女は王太孫の成長を喜びつつも、最近の王太孫の欲望の激しさに内心密かに眉を顰めていたのだ。
祝宴の行われている広間からは祝福の歌声が響く中、イーナは一人廊下を歩きながら夜空を見上げた。槍の名手としての誇りと母としての愛が、イーナにこの夜を乗り越えさせた。今日は魔道通信機を持ってきている。呼び出せば、ヴェンデリンがすぐに迎えに来るはずだ。
「アンナのナイトドレスを借りちゃったし、今夜は初夜ごっこだな。」
なんだかんだ言っても、ヴェンデリンはイーナを愛している。今夜も嫉妬しながら、彼女の帰りを待っている筈だ。愛されているイーナは、だからいつだってヴェルの元に戻る事が出来るのだった。
今回も大変でした。大いに悩みました。楽しんで頂けると幸いです。肯定的な評価と感想をよろしくお願いします。
今回のお話はいかがでしたか? また次回作の希望をお願いします。アンケートは参考程度なので気軽に選んでください。
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イーナ物=カイエンや王太孫で
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カルラ物=カルラとヴェルで
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カール物=ヴェルとエリーゼの営みを見る
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ヴェルとカールが、相手を交換する
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母娘物=イーナとルイーゼの母娘希望