それはカールのあてがい女であるカルラ嬢が首尾よくカールの子を孕れるかという話で、妊娠がうまく行かなければカルラ嬢が愛人として俺の元に戻る可能性があった。そしてこの賭けの話というのは妻であるエリーゼに話が通っているような、通ってはいないような曖昧な状態なのである。カールのあてがい女に俺から言い寄ったというのも、貴族社会的にはあまり褒められる話ではない。ただ、筋としては俺が恋人をカールに下げ渡したという格好である。取り戻すのは問題がない筈だった。だが俺とカルラ嬢とは、本当に恋人関係と言えるのだろうか?
独身時代に、「この人と結婚するかもしれない」と強く意識させられた相手なのだ。なんというか、前世の日本での恋人を更に魅力的にしたような容姿をしているのだ。
今では複数の妻がいるエルも、俺と同時期にカルラ嬢には熱を上げていた。友情と愛情の取り合いで、あの時は関係者がおかしなことになっていた。俺とカルラ嬢とは、そんな難しい間柄なのだ。そんな気になる相手と通話だ。俺は、朝食を楽しむ妻達の前で平静を装った。
「どうしたんですか、カルラさん。こんな急に。」
通話先のカルラ嬢は一拍間をおいてから、用件を話し始めた。耳をくすぐる彼女の少し低い声は、相変わらず心地いい。
『それが、バウマイスター伯爵様と奥方のエリーゼ様に折り入ってご相談したい事があるのです。』
俺は横目でエリーゼの様子を伺った。立場として、カルラ嬢はバウマイスター家が送り込んだという形になっている。初夜の見届け人としてだけでなく、子供が作れるまでのカールとイヴァンカ夫婦の世話を頼んでいた。彼らの夫婦生活に何か異変があるのなら、俺達に報告するのは彼女の職務であると言える。
「そうですか、分かりました。それでは日時を決めて俺が貴方を迎えに行きます。エリーゼの予定を確認しますね。」
そこで通話を中断し、エリーゼと手早く予定を打ち合わせる。『カルラさんが俺達に話があるそうなんだけど、いつがいい?』 こういう時のエリーゼは手早い。余計な事は聞かずに、都合の良い日時を教えてくれる。
『では、当日はお迎えをよろしくお願いします。』
俺が迎えに行けば、瞬間移動ですぐにカルラ嬢を連れて来れる。それに何と言っても目立たない。魔道通信機はカールのものだ。だからこの話は、カールも承知しているのだろう。ただ、イヴァンカが知っているとは限らない。それにこのような話は極力、人目につかないようにする必要があるのだった。
そこはカールの領地の中にある人目につかない待ち合わせ場所だ。木立の中のベンチで本を読んでいる、そんな風に見えるように作られている。
「ご無沙汰しております。」
そう言って膝の上で開かれた本から視線を上げて、俺に挨拶してくれるカルラ嬢は以前と変わらなかった。敢えて言えば、ドレス姿であっても地味で目立たないものにしてある。それは新たな女主人であるイヴァンカへの配慮でもあるのだろう。新妻がより華やかに見えるよう配慮しているのだろう。
「お久しぶりです。では、早速行きましょうか。館でエリーゼが待っています。」
この日の為に、エリーゼは各地から茶菓や果物を取り寄せてもてなしの準備をしていた。元々、エリーゼとカルラ嬢は王都で過ごした娘時代の友達同士ではあるのだ。それぞれ結婚して交流が途絶えていたが、今日はそれ以来の歓談の場となる。すれ違う時に挨拶するくらいだった2人が、じっくり話せる機会はこれが久々なのだろう。
カルラ嬢が俺の手を取ると、俺は瞬間移動した。館の客間は人払いしてある。今回の訪問を把握しているのは俺とエリーゼ、それにもてなしの準備を言いつけられているドミニクだけだ。
「おかえりなさい、貴方。」
蜻蛉返りした俺を、微笑みながらエリーゼがそう出迎えてくれた。
「エリーゼ、カルラさんをお連れしたよ。」
「奥方様、お久しぶりです。」
俺の横で深々とドレスの裾を摘んだカルラさんが頭を下げる。今のカルラさんの身分は際どい。使用人に等しい立場だ。それでも、エリーゼは敢えてここではカルラ嬢を友人としてもてなすと決めていた。
「まあカルラさん、お変わりないのね。さあ、こちらにお座りになって。」
エリーゼは以前と変わらぬ温かな態度でカルラ嬢を迎え入れた。カルラ嬢も、エリーゼの親しげな対応にどこかホッとした様子を見せている。身分の違い以外にも、夫を寝取った女として敵視されるかもしれないと警戒していたようだ。そんな事はないと、予めよく説明をしておいたのだけれど。
暫し、エリーゼとカルラ嬢は互いの近況の報告や容姿の褒め合いという貴族女性らしい手続きを踏んでいた。会話の流れの外にいる俺がすっかり油断してお菓子とマテ茶の取り合わせを楽しんでいた時、突然エリーゼが言葉の爆弾を破裂させた。
「それで今回の訪問の目的は、カルラさんがヴェンデリン様の側室入りを希望されるというお話でしょうか?」
上品な会話の応酬に油断し切っていた俺は、思わず菓子を喉に詰まらせマテ茶のカップを膝にぶちまけそうになった。一体全体、エリーゼは何て事を聞いてるんだ?
「いえ、私が本日参ったのはカール様とイヴァンカ様との夫婦生活についてですの。」
すまし顔でカルラ嬢は訪問理由を告げた。エリーゼの爆弾も、カルラ嬢に対しては不発だったようである。エリーゼは俺の顔をたっぷりと観察してから、ため息を吐いた。
「あら、残念ですわ。私、カルラさんなら喜んでお仲間に加えられると思っていましたの。」
「まあ、それは光栄ですわ。」
肯定でも否定でもない返答をカルラさんが口にする。この会話の応酬はどこに向かうのか、横で聞いているだけの俺は気が気ではなかった。
『主にイヴァンカ様の側に問題があるのです。』そうカルラさんは説明した。カールの方の準備はカルラ嬢が入念に整えてきたから当然かもしれなかったが、花嫁側の準備はあまり進んでいなかったらしい。
確かに結婚式の直前からは俺とエリーゼが親代わりとなり、花嫁のドレスを含めて色々支度しなければならなかったような環境だった。我が家がもう少し気にかけておけばよかったのだろう。俺としては『男の方が準備してあれば後はどうとでもなる』と思っていたのだが、貴族の結婚というのは女性側にもそれなりに準備が必要だったようだ。
「なるほど、そうだったのですね。」
エリーゼとしてはカルラ嬢の説明は頷ける話のようである。確かにエリーゼは耳年増というか、貴族の性についての理解度が異様に高い。それは元からそれなりの高位貴族への嫁入りが確定していた為だろう。親元でそれだけキッチリと貴族の教育されていた訳だ。まあ、母親であるニーナ様の性格も大いに影響しているかもしれない。ここだけの話、俺も結婚当初にはニーナ様にはお世話になった事があるのだ。
「貴族令嬢は、入念な性教育を受けます。それは実践ではなく、いかに夫に尽くすかという心映えの問題です。そして既婚者で万事心得た相談に乗れる侍女もつくことが多いですね。」
エリーゼがそう話しながらドミニクを見る。確かに当時からドミニクは既婚者だった。エリーゼの側にいつも控えていたから、結婚したエリーゼが戸惑ったり分からない事は密かに相談出来ていたのだろう。
と考えると、イヴァンカさんには生家のブレンメ男爵家でそういう相手がいなかったのかもしれない。思えばイヴァンカさんの周囲にいるのはゾンバルトという名の男性の執事だけで、相談できそうな関係性の同性の使用人がいる雰囲気はなかった。カルラ嬢はカールの寵を奪い合うライバルの関係でもある。信頼出来る関係ではないのかしれない。となるとカールの方にだけ入念な準備をさせた事は、バランスを欠いた配慮だった事になる。
「はい。イヴァンカ奥様は自由に伸び伸びと育てられた方のようです。カール様のお母様が同居されていたら良かったのかもしれませんが、そうではありませんので。イヴァンカ様はカール様と対等というか、むしろご自身が上であると考えられているようなのです。」
「なるほど。」
なんとなく俺にも様子が飲み込めた。イヴァンカさんはプライドが高いのだろう。特に必要な性教育を欠いている場合、若い二人はプライドとプライドのぶつかり合いになってしまっているのか。
「そんな感じなので夜に私が控えておりますと、カール様もついつい私を抱かれる機会が増えてしまって。」
微かに頬を赤らめながら、カルラさんが若い男をメロメロにしていると惚気る。カールの立場に立つと、自分が思い通りにできる年上の美女と気難しい新妻。一度妻とのやりとりが上手くいかなくなると、カールが簡単な相手の方に走るのは容易に理解できた。
「難しい年頃だから、では済まないよなぁ。」
「ですからご夫婦にお手本を示して頂きたいのです。特にエリーゼ様に。」
カルラ嬢は、遂に本題を切り出した。
「イヴァンカ奥様は、エリーゼ様を深く尊敬されています。夜の行為においてはエリーゼ様がいかに旦那様であるバウマイスター伯爵様に尽くされているか、それをイヴァンカ様が直接見聞きすればきっと深く影響されると思うのです。」
「まぁ。」
カルラ嬢の提案に、エリーゼが目を丸くする。
「それは、カールさんとイヴァンカさんにヴェンデリン様と私の夫婦の営みを見せろというのですか?」
「はい、私も全面的に協力いたしますので。」
「それはそれは、面白そうですね。」
エリーゼが艶やかに笑う。やはりエリーゼは貞淑そうに見えてもあのニーナ様の血統なのだ。貴族として育てられているし、それにまあ俺の行為により感化された部分も大いにあるのだろう。
「私達で出来ることなら。ねぇ、あなた。」
エリーゼは乗り気なようだった。戸惑う俺がすぐに返事をできないでいると、カルラ嬢が素早く話を纏めにかかる。
「良かった。では今日ご都合の良い日を聞いて帰っても?」
「もちろん構いませんわ。善は急げと言いますし。」
俺が口を挟む前に、エリーゼとカルラ嬢の間で話がどんどんと決まっていく。
「エリーゼ、本当に構わないのかい?」
俺は恐る恐るエリーゼの意思を尋ねた。ここは事前に確認しておかないとまずいだろう。
「ええ、勿論ですわ。私達があの夫婦の結婚を見届けずして、他に誰が見届けられるのでしょうか。」
そのキリッとしたエリーゼの口ぶりには、もしかしたらアマーリエ義姉さんの存在が関係しているのかもしれない。アマーリエ義姉さんとエリーゼは微妙な間柄だ。表面的には2人は穏やかなのだが、俺の初体験の相手はアマーリエ義姉さんだった。単なるあてがい女で終わる筈だった年上の兄嫁を、俺は妻として娶った。
全てエリーゼの許しを得ての事だが、エリーゼの中にはアマーリエ義姉さんへの強烈な対抗心があるらしい。そしてカールは、アマーリエ義姉さんと俺の兄クルトとの長男だ。エリーゼとしては、存在感を示しておきたい相手なのだろう。なんと言っても、カールが領地を引き継ぐ事がアマーリエ義姉さんが俺のあてがい女を務める理由だった。カールはアマーリエ義姉さんの最大の弱みなのだ。
エリーゼとカルラ嬢が諸々打ち合わせ、更に色々な思い出話に花を咲かせた。そうして3時間程が経過してから、ようやく散会となった。
「・・・ヴェンデリン様、聞いておられるのですか?」
女性同士の会話についていけず、置き物のようになって考えに耽っていた俺はエリーゼの声に呼び戻された。ドミニクはとうに姿を消している。仕事の多い彼女は、平日に3時間もの空き時間を捻出出来なかったのだろう。
「う、うん。」
「ヴェンデリン様、カルラさんをお送りくださいな。」
もうそんな時間なのか。気がつけば日差しはだいぶ傾いている。
「そうか。急がなくてはならないな。」
妄想が捗っていた俺は慌てて立ち上がった。
「今日は楽しかったわ、カルラさん。」
「エリーゼ様、ありがとうございました。では、その日を楽しみに。」
「うふふふ、そうですね。」
楽しそうに笑い合うエリーゼとカルラさん。他の貴族家も一族の性教育にここまで熱心なのだろうか。エリーゼ曰く、貴族は血を残す為には『文字通りなんでもするのです』との事だったのだが。
「では、カルラさん行きましょうか。・・・エリーゼ、カルラさんを送り届けたらすぐに戻るから。」
「ええ、カール様達へのご説明もあるのでしょう?」
「そうなるのかな?」
俺は曖昧に頷く。そしてカルラ嬢が俺の腕を掴んだのを確認すると彼女と共に瞬間移動した。
「ヴェンデリン様、カール様へのご説明は不要です。私の方で良く説明をしておきますから。」
「そうですか、それでは今日はここで。」
落ち合った場所で解散しようとすると、俺の腕を掴んでいたカルラ嬢が俺に身を寄せて耳元で囁く。
「先ほどは本日の用件がイヴァンカ様のお話と聞いて、ヴェンデリン様も大層がっかりされた顔をされていましたね。」
エリーゼだけでなくカルラ嬢にも見られていたのか。俺は惚けた顔をしようとしたが、次の言葉には思わず赤面させられた。
「まだ、この私に未練がお有りだとは。」
そう言ってカルラ嬢はクスクスと笑った。
「いけませんね、そんなことでは。ご自慢のお美しい奥様方を悲しませますよ?」
そう言って小首を傾げるその仕草はまるで少女のようである。
「俺が残念だと感じたのは、本当の事ですから。」
「まあ。」
俺の切り返しに、カルラ嬢は満更でもない様子である。
「正直な子にはご褒美があるかもしれませんね。では、その日を楽しみに。」
妙な含みを残してカルラ嬢は去っていく。俺は暫し、その後ろ姿に見惚れていた。
イヴァンカの新妻修行(前半)
予定されたその日、エリーゼを連れた俺はカール夫妻の新居を訪れた。
「バウマイスター伯爵様、奥方様。ようこそ私たちの新居へ。」
屋敷の外で明るい色のドレスを着てしっかり奥様然としたイヴァンカに迎えられる。
「今日はお招きありがとう。エリーゼと呼んでくださればいいのですよ。」
「はい、エリーゼ様。」
エリーゼに憧れているというだけあって、イヴァンカの表情は明るい。今回の訪問は2人の新婚生活の様子を見る為だが、表向きはカールが俺達を招待した事になっている。実際、カルラ嬢を遣わせたのはカールなのだからその想定は間違いではないのだ。
「皆様、どうぞこちらに。」
相変わらず地味なドレス姿のカルラ嬢が、玄関で出迎えてくれた。
「やあ、カルラさん。」
俺がカルラさんに挨拶をする間にも、エリーゼの手を引くイヴァンカは奥へ進んでいく。
「なるほど、こういう感じか。」
俺の横でカールがそんな妻の様子を見て苦笑しながら頷いた。
「はい。」
「イヴァンカさんにもこれまでに培った自分の物差しがあるんだろうな。なかなか、違う価値観を受け付けないのか。」
「僕が、甘やかしてしまったのかもしれませんが。」
「カール様はよくやっておいでです。」
教え子であるカールを擁護するカルラ嬢。身体の関係のある2人の見つめあって互いに馴染んだ様子には、なんだか元恋人枠に追いやられた俺も軽く嫉妬させられるな。
「俺の前でカルラさんと惚気ないでくれないか。この気持ちの持っていきようがないじゃないか。」
「あはは、叔父上はまだカルラさんにご執心なんですね。」
「油断していると、掻っ攫うぞカール。」
暫し共に関係した女性を囲んでカールと男同士で戯れ合う。こういうのは息子とは出来ないだろうし、なんだか貴族社会特有な感じがするな、うん。
「さ、急がなくては怪しまれます。」
そういって誘うカルラ嬢に導かれ、俺とカールは笑いながらその後に続いた。
俺たち一行がカールの新居の奥へと進むと、イヴァンカがエリーゼの手を引いて先導し、カールとカルラ嬢がその後に続く形になった。俺は最後尾からその様子を見守りながら、少しばかり複雑な気持ちを抱えていた。カルラ嬢のあの小悪魔的な笑みと耳元での囁きが頭から離れない。それでも今日はカールとイヴァンカのために来たのだと、そう自分を戒める。
「こちらが寝室です、エリーゼ様。」
イヴァンカが扉を開けると、広々とした部屋が現れた。カールの騎士爵家としての新たな領地にふさわしい立派な寝室だ。天蓋付きのベッドは大きく、貴族らしい装飾が施された家具が整然と並んでいる。窓からは柔らかな陽光が差し込み、部屋全体を温かく照らしていた。
「素敵なお部屋ね、イヴァンカさん。」
エリーゼが微笑みながら部屋を見回す。イヴァンカは少し照れたように頷いたが、その表情にはどこか自信が感じられた。新妻としてこの家を整えた、そんな自負が彼女の中にあるのだろう。
「ありがとうございます。カール様と一緒に少しずつ整えてきたんです。」
イヴァンカの声には愛情が滲んでいる。だが、カルラ嬢が言うように、その愛情が夫婦の営みにうまく結びついていないのだとしたら、今日の目的はなおさら重要だ。
「さて、皆さん揃ったところで始めましょうか。」
その時カルラ嬢が静かに、しかし確かな存在感をもって口を開いた。彼女の服装は確かに控えめだ。だが、場の中心で話し出すと皆が彼女に注目した。それはカルラ嬢の仕草には隠し切れない気品と、そしてどこか扇情的な魅力が漂っているからだ。俺とカールの視線は自然と彼女に集まり、熱を帯びる。男達のその様子を、エリーゼとイヴァンカは見逃さなかった。
「まずは、カール様とイヴァンカ奥様に夫婦の愛の形をお見せいただきましょう。」
カルラ嬢がそう提案すると、エリーゼが俺の手を握り穏やかに微笑んだ。
「ヴェンデリン様、私たちは見守るだけでいいかしら?」
「そうだな、エリーゼ。まずは二人の様子を見てみよう。」
俺はエリーゼと並んでベッドの脇に立ち、カールとイヴァンカに目を向けた。イヴァンカは羞恥したようにモジモジしている。今回の話は、予めカールを通じて伝わっていたはずなのだが。
貴族の性教育では子孫を残すことが最優先であり、血統を広げるためならカルラ嬢のような側室を置くことも当然だ。だが、新婚の二人にはまず互いを深く愛する術を学んでほしい。それが俺たち夫婦の願いだった。貴族家の跡取りは、やはり正妻の子が最善なのだ。
カールがイヴァンカの手を取り、ぎこちなく彼女をベッドに導いた。イヴァンカは少し緊張した様子でカールを見つめ、ドレスの裾を握りしめる。
「イヴァンカ、大丈夫だよ。僕たちは夫婦なんだから。」
カールが優しく囁き、イヴァンカの肩に手を置いた。イヴァンカが決意したように小さく頷き、カールの首に腕を回した。二人の唇が触れ合い、最初はぎこちないキスが徐々に熱を帯びていく。俺は彼らの初心な恋人振りに胸を打たれつつも、イヴァンカの示す硬さが気になった。
「カール様、イヴァンカ奥様を優しく愛してあげてください。」
カルラ嬢がそっと助言すると、カールがイヴァンカのドレスを脱がせ始めた。薄い生地が床に落ち、彼女の白い肌が露わになる。カルラ嬢はイヴァンカのドレスを拾い上げて畳んだ。カールの手がイヴァンカの胸に触れ、柔らかな膨らみを揉みしだく。イヴァンカは小さく喘いだ。
「あんっ…カール様…」
イヴァンカの声はカールの興奮を高める。彼の手がさらに大胆に動き始めた。少し乱暴にイヴァンカの下着を剥ぎ取り、彼女の秘部に触れようとした。しかしイヴァンカは身体が硬直したままだ。そして無意識にカールの手を押し退けようとした。
「イヴァンカ、どうしたんだ?」
カールの声に困惑が混じる。
「だって、こんな大勢の方に見られてなんて。それに、あまり気分が乗らないの。」
俺とエリーゼは黙って見守っていたが、エリーゼがイヴァンカの言葉に小さくため息をついた。
「ヴェンデリン様、やはりイヴァンカさんには導きが必要ね。ここは私たちがお手本を見せましょう。」
エリーゼの言葉に俺は頷き、彼女の手を取った。カールとイヴァンカがベッドから離れ、俺とエリーゼがその中央に立った。カルラ嬢が2人にナイトガウンを羽織らせる。
「イヴァンカさん、カール様、私たちを見て学んでください。夫婦の愛とは、互いを深く受け入れることなのですよ。」
エリーゼが二人に語りかけ、俺に微笑んだ。俺は彼女の腰に手を回し、唇を重ねた。柔らかな感触が俺の全身を包み、エリーゼの甘い吐息が耳に届く。彼女の舌が俺の口内に滑り込み、熱いキスの音が高らかに寝室に響き渡った。
俺はエリーゼのドレスの紐を解き、彼女の裸体を露わにした。エリーゼの白い肌には陽光が反射し、彼女の美しい曲線が際立つ。エリーゼが自らブラジャーもパンツも外すと、余す事なく晒された裸身にカールが息を呑む音が聞こえた。カールとイヴァンカの視線を感じながら、俺の手がエリーゼの胸を這い揉みしだく。エリーゼが小さく喘いだ。
「あぁ…ヴェンデリン様…」
その声には俺を欲するエリーゼの欲望の疼きが秘められてた。興奮した俺は彼女の乳首を指で摘まんだ。エリーゼの身体がビクンと震え、甘い吐息が漏れる。エリーゼもう自ら下着を脱ぎ捨てている。だから俺はそんな彼女をベッドに仰向けに寝かせ、太腿を広げた。すでに愛液で濡れた秘所が人目に晒される。俺の指がエリーゼの秘所に触れると、開かれた唇は物欲しげにクチュリと音を立てた。
「エリーゼ、もうこんなに濡れてるよ。」
「貴方がそうさせるのです、ヴェンデリン様…。」
俺はエリーゼの女性器に舌を這わせ、執拗に舐め回した。エリーゼが背を仰け反らせ、甘い声を上げる。俺の指がエリーゼの膣内を掻き回すと、愛液が溢れ出してシーツを濡らして大きなシミを作る。
「あぁっ…そこが気持ちいいのです…!」
敏感な所を熟知し合った男女特有の手慣れた空気の中で、エリーゼの喘ぎ声が響き渡る。俺はエリーゼの身体をさらに愛した。エリーゼの反応に俺やカール興奮が高まる。俺は服を全て脱ぎ捨てた。硬く勃起した俺の男性器が露わになり、それを目にしたイヴァンカが息を呑む気配が伝わる。
「ヴェンデリン様。さあ、私を満たしてください。」
俺はエリーゼの膣口に男性器をあてがい、一気に貫いた。エリーゼが大きな声を上げ、俺の動きに合わせて身体を震わせた。
「あぁぁっ!深い…!」
俺はエリーゼが馴染むのを少しだけ待つ。エリーゼの熱を感じながら、彼女の中が轟くのをただ数えていた。
もう大丈夫、そうエリーゼが合図する。そのサインを得た俺は腰を激しく動かし、彼女の内部を突き上げた。エリーゼの膣が俺を締め付け、熱い快感が全身を駆け巡る。彼女の喘ぎ声が寝室に響き渡り、イヴァンカとカールはただただ息を呑んで俺達夫婦の行為を見つめていた。
俺に犯され喘ぎながらながら、エリーゼが顔を2人に向けた。エリーゼの意図を察した俺は、腰の動きを緩めた。
「イヴァンカさん、これが夫婦の愛なのですよ。貴方もカール様にこうやって尽くして差し上げて。妻が夫の求めを拒むようなことをしては駄目よ。」
エリーゼが喘ぎながらイヴァンカに語りかける。俺は彼女を抱きしめ、さらに深く突き入れた。彼女の身体が俺にしがみつき、汗が混ざり合う。もう、俺にも余裕がない。エリーゼも、このまま快楽に導かれたい筈だ。なんと言っても、エリーゼの女性器がそう訴えかけてきていた。エリーゼも少なからず、この状況に興奮しているらしい。
「エリーゼ、いくよ。」
「はい、ヴェンデリン様…私の中に…!」
俺は最後の力を込めて射精した。熱い精液がエリーゼの奥に注がれ、彼女が絶頂を迎えた瞬間、身体が震え、甘い叫び声が上がった。
「あぁ…ヴェンデリン様……。」
行為を終えるとエリーゼが俺にしなだれかかる。俺たちは抱き合ったまま息を整えた。俺は内心、エリーゼの熟れた身体に改めて魅了された自分を感じていた。カールの目に晒したのが少し勿体なかったとそう感じてしまう程だ。
エリーゼが俺から離れ、カールの方へ歩み寄った。彼女の瞳には、欲情した表情でエリーゼを見つめる夫ではない若い男が映っていた。
「カール様、イヴァンカさんに妻としての愛を教えるには、貴方にも夫としての役割を理解していただく必要がありますね。」
カールが戸惑う中、エリーゼは彼の前に跪き、服のボタンを外し始めた。同時にカルラさんがドレスを脱いで俺に歩み寄る。ドレスの下の赤い下着はとても派手で、イヴァンカさんよりもカルラ嬢の方が格上だと主張しているかのようだ。何も言わずに、カルラ嬢が俺の前に跪くと口による奉仕を開始した。放出した子種を、口で清めてくれているのだ。
そんな間にも、エリーゼがカールを裸にしていく。カールが物といたげに俺に視線を送る。俺はカルラさんの口による奉仕を受けながら、カールにしっかりと頷き返した。剣の修行で鍛えられたカールの身体が露わになると、エリーゼの手が彼の股間に伸びた。
「叔母上…こんなこと…」
「今は叔母ではないわ、カール様。私が貴方を導きましょう。貴方の母親のアマーリエさんでは、こうする事は出来ないでしょうからね。」
エリーゼがカールの男性器を掌で包み、唇を近づけた。舌先で先端を舐め上げると、カールがビクンと身体を震わせた。エリーゼはカールの分身を深く咥え込み、ゆっくりと上下に動かし始めた。カールの吐息が荒くなる。尊敬するエリーゼの行為に、イヴァンカが驚愕の表情を浮かべながらその光景を見つめていた。
「エリーゼ様…あぁ…!」
カールが快感に声を漏らす中、エリーゼは彼をベッドに押し倒した。彼女の裸体を彼に重ね、俺との行為で濡れたままの秘部をカールの男性器に擦りつける。俺の子種とエリーゼの愛液が入り混じった白濁液がカールの股間を濡らす。エリーゼがカールの分身を掴むと、自らの膣口にあてがった。
「カール様、私を受け入れて。」
一気に腰を沈めると、エリーゼが甘い声を上げた。俺は内心エリーゼが躊躇なくカールを抱く姿に嫉妬を感じつつも、俺にも同じことが許されているのだと興奮もしていた。
「あぁっ…カール様、こうするとたまらないでしょう?」
興奮したエリーゼの膣がカールを締め付ける。エリーゼの腰が激しく上下に動く。カールの手が伸ばされ、見事なエリーゼの胸を揉みしだく。エリーゼはさらに喘いだ。エリーゼの身体が震える。若い妻の前で、夫ではない若い男に抱かれる悦び。そんな背徳的な感情に、今のエリーゼは全身で浸っている。でも、若い夫婦を教えて導く為ならばこんな行為でさえ許される。そう、貴族は子孫を残すためには文字通りなんでもするのだから。
「エリーゼ様…僕…もう…!」
カールが限界を訴えると、エリーゼが腰の動きを更に加速させた。彼女の内部でカールの男性器が膨れ上がる。そして遂にエリーゼの膣内に熱い精液が注がれた。
「あぁ…カール様の子種は熱いですね・・・。」
そうカールの膣内射精を受け入れた感想を漏らすエリーゼがブルブルと震えて絶頂に達した。二人が抱き合ったまま息を整える中、俺はイヴァンカに目を移した。
俺はカルラ嬢の奉仕をしっかり受けながら、そっとイヴァンカさんに手を伸ばした。素肌に触れても、カールとエリーゼの行為に釘付けとなっているイヴァンカは拒否する様子はない。
俺の意図を察したカルラ嬢がイヴァンカの手を引き、俺の前に立たせた。イヴァンカの華奢な裸体が俺の欲望を掻き立てる。俺は内心、このうら若い少女を抱くことに胸が高鳴るのをかんじていた。
「イヴァンカ奥様、今度は貴方の番です。バウマイスター伯爵様に愛されてください。夫を悦ばせる女の悦びを理解するのです。」
カルラ嬢の言葉に、イヴァンカが小さく頷いた。その表情には、カールへの対抗心が浮かんでいた。夫をエリーゼに取られたのなら、自分もエリーゼの夫を奪う。そんな決意が秘められている。
俺はイヴァンカをベッドに座らせ、ガウンを脱がせた。白い下着に包まれた身体が再び露わになる。俺はイヴァンカの下着を剥ぐ前に彼女の肩にキスを落とした。
「イヴァンカさん、大丈夫だよ。俺が優しく導くから。」
俺の手が彼女の胸に這い、柔らかな膨らみを揉みしだく。イヴァンカが小さく喘ぎ、身体をよじらせた。俺の指が乳首を摘まむと、彼女の吐息が甘くなった。
「んっ…伯爵様…!」
俺は彼女の太腿を広げ、下着をずらすとイヴァンカの秘部に触れた。これまで見てきた行為ですっかり興奮していたのだろう。すでに大洪水を起こしているイヴァンカの女性器に舌を這わせ、舐め上げる。俺の下でイヴァンカが甘い声を上げて震えた。
「あぁっ…伯爵様…気持ちいい…!」
俺は彼女の膣内を指で掻き回し、愛液を溢れさせた。イヴァンカの喘ぎ声が響き渡る。たくましい雄に、抱かれる興奮がイヴァンカを支配していく。年若いカールでは、イヴァンカに雄を感じさせられなかったらしい。しかしエリーゼを犯す俺を見た後では、イヴァンカは間違いなく俺を自分より優れた雄として受け入れている。
俺は立ち上がり、従順な雌である彼女の足を大きく開かせた。そして若い雌を抱く喜びで硬くそそり立つ男性器をイヴァンカの膣口にあてがった。
「イヴァンカ、いいね?」
「はい、バウマイスター伯爵様。」
欲望に濡れた目で俺を見るイヴァンカが、こくんと素直に頷く。彼女はもう処女ではない。ならば俺に躊躇いはない。俺の硬い逸物で一気に貫くと、イヴァンカが激しい叫び声を上げた。彼女の狭い膣が俺を締め付け、熱い快感が全身を駆け巡る。
「あぁぁっ!伯爵様のはカール様より大きい。」
俺はイヴァンカの腰を掴み、激しく突き上げた。彼女の胸が揺れ、愛液がシーツを濡らす。イヴァンカが喘ぎながら俺にしがみつく。初々しいその仕草に俺は限界を迎えた。熱い精液が彼女の奥に注がれ、彼女が絶頂に達した。
「あぁ・・・伯爵様、熱い!」
イヴァンカが俺を抱きしめ、俺の膣内射精を受け入れた。事後も目を閉じた彼女の身体は震え続けて、たくましい雄に抱かれた悦びに浸っている。
カールはエリーゼに口で清めて貰いながらも、呆然と俺たちの行為を見守っていた。先にエリーゼを抱いたのはカールなのだ。しっかり堪能していた。だから咎める筋ではないと知りながらも、新妻を俺に差し出した複雑な表情を浮かべている。しかし雌として雄に屈する事を覚えた妻の姿に、満足そうな表情も覗かせる。
カルラ嬢がそんなカールに近づいた。対になった赤い下着を挑発するかのようにカールの目の前で脱ぎ捨てた。カルラ嬢に見惚れているのはカールだけでない。イヴァンカに挿入したままの俺も、カルラ嬢の姿に興奮して股間を熱くしていた。
今回のアマーリエ義姉さんはいかがでしたか? 因みに後半は明日更新します。
-
連続更新最高!
-
カルラ取り戻したのは良かった。
-
エリーゼが良かった。