※この作品はR-18です。

アマーリエ義姉さん 〜あてがい女の手ほどき〜   作:時田士郎

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5話 王都のレストランで夕食を

『明日の夜は、ゆっくり王都のレストランで食事しましょう。夕方、連絡したら応答せずにそのまま小屋に来てください。』

 

昨夜、アマーリエはヴェルに送り届けてもらう際にそう言われていた。小屋の工事は順調らしい。旅館で待っていたアマーリエをヴェルが迎えにきた時、ヴェルが少し遅かったのは工事の職人を先に王都に送っていたからだそうだ。

 

 工事が終わるまで、アマーリエは小屋に立ち寄らなくて良いと言われている。ヴェルは小屋の工事を終わらせてから、ゆっくりとアマーリエと楽しむ算段のようだ。『あてがい女』であるアマーリエに拒否権はない。もとよりヴェルと一緒にいたいアマーリエには拒否するつもりもない。

 

「(ヴェル君は、悪い遊びを覚えてしまったわ。)」

 

アマーリエはため息を吐く。どうもヴェルは、着飾ったアマーリエを外に連れ出すのが楽しいらしい。そこにはアマーリエを見せびらかしたい気持ちも、たっぷり含まれているようだ。

 

「(それって、もう愛人じゃないの。)」

 

ヴェルとの関係は『あてがい女』を通り越して、愛人関係に発展している気がする。その線引きは、アマーリエ自身にもよく分からない。『あてがい女』というのはもっとこう、性の手ほどきに限定した身体だけの秘めやかな関係ではないかと思うのですが。

 

「(もう、困ってしまったわ。)」

 

勿論、アマーリエもヴェルと出かけるのは楽しい。ヴェルに連れ出されている時は、これはデートだと年甲斐もなく有頂天になった。アマーリエにはそもそも、これまで男の人とデートした経験なんてなかった。

 

 クルトとはバウマイスター騎士爵領に嫁入りして、そのまま妻となっただけの関係。正妻としてそれなりに遇されてはいたが、心の触れ合いはなかった。クルトには、一度だってヴェルにされる程大事にされた事はない。クルトには妻という存在として遇されていただけで、アマーリエという個人では見られていなかった。

 

 でも、ヴェルは『あてがい女』という存在としてではなく、アマーリエという個人として愛してくれている気がする。それは、アマーリエには心が蕩けそうなほど嬉しい。

 

「(楽しい、でも辛い)」

 

独身だった若い頃の恋愛なら、甘いだけで済む。でもこの年齢になると、そう、2人の子持ちの未亡人でヴェルよりずっと年上の自分の立場を考えると、ヴェルに捨てられる日が来るのがただひたすら怖い。ヴェルに捨てられた残りの人生は、きっと墓場のような日々だろう。

 

打診された『あてがい女』の役割をアマーリエが引き受けたのは、生きていく為にヴェルの庇護が必要だったからだ。ヴェルの事は嫌でなかった、義弟としては好ましく思っていた。だがアマーリエの動機は、2人の子供への領地分与相続の為、クルトの事件の被害者から身を守ってもらう為だった。

 

「(私は、ヴェル君の『あてがい女』になるしかなかった。)」

 

自分と子供の将来の為にヴェルが大人になるまで面倒を見る関係でしかなかった、とそう振り返って考えてみても、今のアマーリエの気持ちはもう割り切れなくなってきている。

 

「(ヴェル君に捨てないで、と縋り付いても多分無理よね。)」

 

これはヴェルの気持ちの問題だけではないのだ。ヴェルの5人の婚約者、特に正妻であるエリーゼ様の許しがない限り、この関係はヴェルの結婚までで終わらざるを得ない。

 

 逆に言えば、ヴェル君の気持ちが続いてエリーゼ様達の許しがあれば、愛人として関係が続けられるかもしれない。それはごく微かな希望だった。

 

「(愛人、私はこのままヴェル君の秘めたる愛人になれるんだろうか、なっていいんだろうか)」

 

怖い、でもヴェル君の愛人になりたい。ヴェルに抱かれる夜を待ちながら、アマーリエはずっと思い悩んでいた。

 

「それはやっぱり、難しいよね。」

 

 

小屋の工事が完成した。2日間はあっという間だった。夕方、職人に報酬を支払い王都に送り届けると、ヴェルは風呂とトイレの完成した小屋を眺めてニンマリとした。工事を急がせて正解だった。これで、いつでも俺が好きな時にアマーリエ義姉さんを抱きに来る事ができる。

 

「今夜は、アマーリエ義姉さんとゆっくり楽しむぞー!」

 

アマーリエの肢体を思い浮かべると、ヴェルの股間はもうはち切れんばかりだ。アマーリエ義姉さんは綺麗で気持ちいいだけじゃなく、2人でいる時は仕草がとても可愛らしい。そして、そっと涙を拭ってあげたくなるような風情があった。

 

「(クルト兄さんが死んでよかった、なんて考えちゃいけないよな。)」

 

ヴェルも、クルトに死んで欲しいと願った訳ではなかった。もしクルトが生きていれば、分かり合える日が来たかもしれないとさえ思う。ただ、アマーリエと愛し合ってから感じるのは、なぜこんな素晴らしい女性をクルトが放置していたのか理解できないという事だ。

 

ヴェルにとって、もうアマーリエは手放せる存在ではない。それは便利な性処理道具の『あてがい女』としてだけではない。一度手に入れてしまえば、アマーリエの価値に気づけば、誰だってアマーリエの心映えの美しさに手放せなくなる。アマーリエのような素敵な女性は自身の側に置こうとするのが普通ではないだろうか。

 

 アマーリエ義姉さんといると癒されるし、愛を感じてとても心地いい。王都の陸橋でアマーリエと愛し合って分かった事がある。魔道具で顔が変わっていても、アマーリエと愛し合うから気持ちがいいという感覚がそこにはあった。

 

「愛だよな、愛。俺がクルト兄さんの分も幸せにしてあげないといけないよな。」

 

もちろんアマーリエとのセックスも最高だ。『あてがい女』の関係はできるだけ続けよう、エリーゼにダメと言われてもアマーリエ義姉さんが俺の近くに居られるようにしよう。

 

まだ漠然としたビジョンではあったが、ヴェルの気持ちは固まっていた。もし必要なら、エリーゼ達に土下座だってしてやるさ。

 

 

ヴェルに呼び出されたアマーリエは、いそいそと小屋に向かった。小屋の戸をノックする。

 

「(ヴェル君がいるのなら、ノックしたほういいよね)」

 

「待っていましたよ、アマーリエ義姉さん」

 

ドアが開いて、アマーリエはヴェルに小屋の中へと引き入れられる。内装が見違えた小屋の姿がそこにあった。木の板張りだった小屋の壁は、溝をパテで埋められ壁紙を貼られている。床にはカーペット、窓にはカーテン、風呂とトイレの扉は専用のものと交換され、豪華な家具も運び込まれていた。

 

「まぁ。すごい。」

 

「気に入ってもらえましたか。」

 

振り返るとニコニコと笑うヴェルの顔がそこにあった。

 

「風呂とトイレは、あの旅館より豪華なものになるようにしたんですよ」

 

アマーリエには仕組みは分からないけれど、蛇口を撚れば綺麗な水とお湯が溢れ出た。浴槽も巨大で、2人が並んで伸び伸び入る事が出来るサイズだった。浴槽とは別に、高い位置からお湯が出る仕組みがあって、そこでは桶を使わずに身体を洗う事が出来る。

 

これなら貴族のお嬢様でも、メイドの手を借りずに1人でお風呂に入れるでしょう。排水溝も用意され、小屋の外に排水を捨てる仕組みも整っている。トイレももちろん水洗で、優美なデザインの便器に置き換えられていた。専用の洗い場も用意され、下着くらいはサッと洗って干せるように改良されている。

 

「凄いわ、ヴェル君」

 

アマーリエは思わずヴェルに抱きつく。

 

「アマーリエ義姉さんには、少しでも快適でいて欲しいんです。出かける前に、ひと風呂浴びて行きませんか?」

 

アマーリエには半信半疑だったが、浴槽は旅館の物の倍は大きいのにすぐにお湯が貯まった。浴室内には湯気が立ち込めるが、新しい扉はピタリと閉じるようになっていて他の部屋に湯気を漏らさない。高い位置には湯気を排気する窓が設けられていて、蒸し暑い風呂の空気を外の爽やかな空気と緩やかに交換されるようになっている。

 

アマーリエとヴェルは裸になって向き合った。ヴェルと裸になるのは初めてではないのに、身体を洗い合うとなると、これはまた少し気恥ずかしい。

 

「滑ると危ないから、椅子に腰掛けましょう。」

 

ヴェルに促され、それぞれ椅子に腰掛けて向き合う。椅子の形も変わっていた。木の切り株のような形をして安定しているのだが、中央が大きくくり抜かれている。そこに足を少し開くようにして座るらしい。

 

「いやだこれ。足を開いて座るの。丸見えになるじゃない。」

 

「この方が洗いやすいんですよ。」

 

「ヴェル君の視線がいやらしい気がするのは、気のせいかしら。」

 

「ほら、ここに石鹸が用意してあります。一緒に身体を洗いましょう。」

 

石鹸の泡を手に、ヴェルの手がアマーリエの体を襲う。下半身を洗うふりをして、アマーリエの敏感な箇所を容赦なく襲って来る。アマーリエも負けじとヴェルの身体を洗いっこする。

 

「やっぱり、身体を洗ってもらうならメイドさんよりヴェル君がいいわ。私は、ヴェル君以外に身体を触られたくないもの。」

 

アマーリエがヴェルに甘える。

 

「俺もアマーリエ義姉さんの身体を洗うのも、洗われるのも大好きですよ」

 

「でも、人に髪を洗ってもらうのだけは気持ち良かったなー。」

 

「ここに髪を洗う専用の液体石鹸もありますよ」

 

「ヴェル君、そこでジッとしていて。私が髪の毛を洗ってあげるわ」

 

ふと悪戯心を刺激されたアマーリエは、立ち上がるとヴェルの背後に回って桶でヴェルの頭からお湯をかける。身体の洗いっこではアマーリエが劣勢だったが、ヴェルの視覚を封じて仕舞えばアマーリエの勝ちだ。

 

「うわっ」

 

ヴェルの悲鳴を気にせず、液体石鹸をヴェルの頭に振りかけると両手でヴェルの頭を泡立て始めた。ピトッとヴェルの背中に、アマーリエの乳首が押し当てられた。

 

「主様、どこか洗い足りない所はありませんか〜?」

 

アマーリエはヴェルの髪を洗いながら、オッパイでヴェルを刺激する。昨日のメイドの手つきを真似ながら、どこか扇情的で蓮っ葉な調子で。

 

「このまま背中も、おっぱいで洗って上げましょうね〜」

 

ヴェルの頭を洗い上げ、桶のお湯でヴェルの髪を洗い流すと、用意されたタオルでヴェルの顔の水分を拭き取る。そのままタオルを渡すとヴェルは濡れた頭を拭き始めた。

 

 ヴェルの手が塞がったチャンスをアマーリエは見逃さない、ヴェルの身体越しに、ヴェルの男性器を手で掴んだ。

 

「さっきのお返しに、今日は『あてがい女』は主様に手でご奉仕致しましょうか〜?

このままシコシコ手で発射しちゃいますかー?」

 

おっぱいを押し当てながら、アマーリエはヴェルの耳元で囁く。手の刺激は止めてあげない。

 

「ダメダメ、アマーリエ義姉さん、本当に出ちゃうから、それ以上はダメ。だってさっきからアマーリエ義姉さんの裸にずっと興奮しっぱなしなんだもの。」

 

「あら」

 

正直なヴェルの告白に、アマーリエはキュンとする。アマーリエの手が止まった。ヴェルはアマーリエの拘束をするりと抜け出ると、アマーリエを床に押し倒す。

 

「大好きですよ、アマーリエ義姉さん」

 

ヴェルに押し倒され、正面から好意を告白されるともう駄目だった。先ほどまで背中からヴェルを虐めていたアマーリエの巨乳が、ヴェルの両手に蹂躙される。鷲掴みにされ、しゃぶられ、好き放題で勝手放題にされる。されるがまま耐えているアマーリエには、何もかもただひたすらに気持ちいい。

 

 ヴェルの起立した男性器はアマーリエの下腹部に押し付けられ、アマーリエの女性器に侵入する隙を狙って暴れている。

 

「(『あてがい女』の私の身体は、全てヴェル君のもの。)」

 

そう思った瞬間、アマーリエは腰を持ち上げてヴェルの男性器を自らの膣に導き入れる。

 

待ちかねた挿入の瞬間。お湯で濡れているのに、愛液が洗い流されている為、アマーリエの膣はいつもより引っかかる感覚がある。ヴェルの男性器の先走りだけを潤滑剤として、ヴェルに押し広げられていくアマーリエの膣内。

 

「アマーリエ義姉さん、いつもと違う、挿れていてもなんか引っかかるよ、大丈夫?痛くない?」

 

「いやん、ヴェル君が無理にするんだもの」

 

「アマーリエ義姉さんが、自分で身体を開いて俺を挿入させてくれたんですよ」

 

「ち、違うの、ヴェル君のアソコがとっても苦しそうで、見ていられなかったからなの。」

 

ヴェルの刺激にどんどん濡れていくアマーリエの秘所。ヴェルの男性器に潤いを与え、その行動により自由を与える。

 

「濡れてきた、気持ちいい?アマーリエ義姉さん?」

 

「はい、主様、『あてがい女』はとっても気持ちがいいです。」

 

感じっぱなしで悶絶するほど気持ちいいアマーリエは、アヘ顔をヴェルに見られたくなくて顔をそむけながら答える。

 

「こっちを向いて、キスしよう。」

 

主様の命令に逆らえず、ヴェルと正面で向き合い口づけを交わす。身体のズレが補正され、アマーリエはますます深くヴェルに貫かれる。

 

「いやぁん、こんなの気持ち良すぎちゃう」

 

ヴェルの先端がアマーリエの子宮をつつく。ヴェルにはアマーリエの奥底が降りてきて、ヴェルの先端を弱く齧り付くように感じられる。ヴェルの大好きな、アマーリエの奥に突き当たるような感覚。

 

「壊れる、壊れちゃうわ」

 

アマーリエはヴェルに抱かれて空を飛んでいるような浮遊感に襲われ、思わずヴェルにギュッとしがみつく。

 

ヴェルの刺激に敏感なアマーリエが、ヴェルにはとても愛しく愛らしい。ガクガクと震えるアマーリエの肢体をヴェルは楽しみながら、ベースを引き上げて一気に加速する。

 

「いくよ、アマーリエ義姉さん」

 

「来て来て、いっぱいしてぇ」

 

甘いアマーリエの声を耳元で聞きながら、ヴェルはアマーリエの奥底に精子を解き放った。

 

「主様、『あてがい女』を可愛がって頂きありがとうございました。」

 

身体を起こしたアマーリエは、ヴェルの項垂れた男性器をハムっと口で咥える。レロレロ、と口の中で先端を愛撫すると、口から出した男性器に舌先を這わせて隅々まで綺麗にする。

 

ヴェルの男性器を舐め上げる奉仕は、先端を咥えこみ、尿道口からヴェルの精子を啜り上げ、キュポンっと高らかな音を立てて終わる。ゴクリとアマーリエの喉が鳴り、ヴェルの精子を飲み混んだ。

 

最近は、ヴェルの精子が濃い日と薄い日の違いが分かるようになった気がする。これはヴェルが必ず2回射精してくれているからだろうか。

 

ヴェルの精子を飲み込んだ後、キョトンとした様子でヴェルの顔を見上げるアマーリエ。それはとても無垢な様子に見え、ヴェルにはとても愛おしい。

 

「アマーリエ義姉さん、身体が冷えちゃうから浴槽に浸かりましょう。」

 

ヴェルがアマーリエの女性器を丹念に洗い流すと、2人で風呂に入る。アマーリエは、ヴェルの身体の上に抱っこする体勢だ。そのまま背後からアマーリエの巨乳を鷲掴みにする。

 

湯に浸かりながら、アマーリエのおっぱいに触る。射精した解放感も相まって、とてもリラックスできる心地よい時間が訪れる。

 

ピクリと、アマーリエの身体が挿入を求めるように反応する。口には出されないアマーリエの身体の願いがヴェルには伝わる。

 

「駄目ですよ、アマーリエ義姉さん、男はそんなすぐには回復しないんです。」

 

「でも、でも」

 

ちょっとグズグズしながら、アマーリエは「ヴェル君が欲しいの」という言葉を飲み込む。

 

「(このまま連続して愛し合えたら、最高に気持ち良いのに。殿方の身体って大変なのね)」

 

風呂から出たヴェルとアマーリエは、手早く身支度を整えた。ヴェルの手により見事な箪笥が運び込まれていて、アマーリエの衣装は魔法の袋から全て箪笥に移されている。

 

「今日は、これを身につけてください」

 

アマーリエは見事な金のネックレスを手渡される。中央には見事な宝石が埋め込まれていた。

 

「こんな立派な物、受け取れないわ」

 

「俺がアマーリエ義姉さんを連れて歩くのに、宝石の一つも身につけさせないなんて、恥をかいてしまうとは思いませんか?」

 

「もう、主様がお命じになるのなら『あてがい女』は喜んで宝石を着けさせて頂きますね。」

 

 

2人で瞬間移動し、目の前の大扉を開けた先は、燭台の灯りが煌めく王都の豪華なレストランだった。煌びやかな衣装を見に纏い、会食を楽しむ人々の姿がそこかしこにあった。

 

ヴェルとアマーリエは隅の方の目立たない席を陣取る。今日も魔道具で変装しているとはいえ、愛人を連れた貴族は、きっとこのような目立ちにくい席を用意されるものなのだろう。

 

メニューを開いたヴェルがアマーリエに問いかける。

 

「今日はついている、ホロホロ鳥が用意されているみたいですよ。今日の主菜はそれで良いですか?」

 

「それは楽しみだわ。ヴェル君が冒険者学校に行ってから、もう何年もホロホロ鳥なんて食べていないもの。」

 

注文を済ませると、ワインを片手にヴェルの小さかった頃の思い出話に花が咲いた。当時から1人で狩りをする少しませた子供で、食卓が豊かになるのはウェルが多めに獲物を捕まえた時だった。

 

 食べ物にまつわる幸福な思い出話を交互に語る内に、アマーリエはスープを掬うヴェルの手つきが子供時代と変わりない事に気がついた。バウマイスター騎士爵領の食卓は貧しかったが、作法には厳しかった。

 

「(こんな所は、子供の頃と変わらないままなのにね)」

 

数年前まで子供だったヴェルに、4日前にアマーリエが性の手ほどきをした事。そして先ほど風呂でヴェルと愛し合っていた感触を思い出し、アマーリエの秘所が濡れる。

 

一羽丸ごと使われたホロホロ鳥の料理は豪華だった。2人で分け合っても食べきれない量があった。ホロホロ鳥は元々貴重な鳥だし、バウマイスター騎士爵領では分ける人数も多かったから、思い切り満喫できてアマーリエは幸福だった。

 

「(こんな大きな鳥、幾らくらいするんだろう。他のテーブルでは食べられていないのはどうしてかしら?)」

 

このホロホロ鳥は、実はヴェルが自身で狩ってレストランに持ち込んだ特別メニューなのだが、アマーリエはその事を知らない。

 

そしてアマーリエは、周囲のテーブルから寄せられる羨望の眼差しにも全く気がついていなかった。

 

一方、ヴェルは周りのテーブルの羨望の眼差しを楽しんでいた。バウマイスター伯爵でいる時は、色々と周囲の注目を浴びる。仲間といる時はあまり気にならないが、それでも完全には寛げる訳ではなかった。

 

変装したアマーリエとの食事は、視線の大半が連れ歩くアマーリエに向けられる。優れたプロポーションのアマーリエは、顔を変装して隠していたとしても、宝石とドレスで艶やかに咲き誇っている。

 

整った顔立ち、豊かな肢体、そして醸し出されるフェロモンが凄い。香水をつけていなくても、辺りに甘い香りが立ち込める。

 

居並ぶ男たちのアマーリエへの欲望剥き出しな無遠慮な視線が、アマーリエとの性生活との刺激となってヴェルにはどこか心地よい。羨望の視線がもたらす、俺はこんな良い女を連れ歩いているのだ、という独特の優越感。

 

そんなヴェルの内心にアマーリエがもし気づいたなら「やっぱり、ヴェル君は悪い遊びを覚えてしまったのね」と嘆くだろう。

 

エリーゼは胸も大きいし飛び抜けた美少女だが、ヴェルに劣らぬ有名人で聖女と称えられる存在なだけあって、今のアマーリエに対するように無遠慮な欲望の視線を向ける人は少ない。

 

エリーゼの貞淑で清らかな雰囲気が、猥雑な場を清め鎮めるのだろう。アマーリエは反対にどの場所に連れ歩いても、自身の美しさを損なわずにすぐにその場に馴染む。

 

「(アマーリエ義姉さんは、本当に美人だよなー)」

 

ヴェルもまた、アマーリエの美しさに欲望剥き出し視線を向ける男達の1人でしかない。ただ、一つ違うことは、アマーリエがヴェルの視線を受け止めてくれること、アマーリエはヴェルの抱くどんな性的な欲望でも、進んでその身体で叶えてくれる事だろう。

 

ヴェルもアマーリエもその事をお互いに良く承知していて、視線を絡ませるたびに互いの欲望に気づき、密かに濡れ合う。思い出話が尽き、デザートを食べ終えた所で、アマーリエは「お化粧を、直してきますね」と席を立つ。

 

ヴェルがボーイを呼んで席で素早く会計を済ませ、ホロホロ鳥の残りをお土産に包んで貰った。ふとアマーリエがまだかと眺めると、化粧室の外で待ち伏せされ、貴族に腕を掴んで口説かれるアマーリエの姿が見えた。

 

舌打ちしたヴェルが席を立ってその場に向かうとすると、アマーリエがヴェルを指差して何か貴族に伝えている。慌てた貴族がアマーリエの腕を離しベコベコ頭を下げると、ヴェルの元にプリプリ怒ったアマーリエが戻ってきた。

 

「どうしたんですか? 大丈夫でしたか、アマーリエ義姉さん?」

 

「ごめんね、ヴェル君。あの貴族が『今夜一緒に過ごしてくれ、うんと頷いてくれるまでこの手を離さない、いくら支払えば良いんだ。金貨100枚でどうだ』ってしつこいから。

 

私、つい『私の連れは、あの竜殺しの魔法使いのバウマイスター伯爵です。もし私をお望みとあれば、あのバウマイスター伯爵と決闘されますか?』って言っちゃったの。勝手にヴェル君の名前を出してごめんなさいね。」

 

「良いんですよ、アマーリエ義姉さん。アマーリエ義姉さんが無事なら、俺はそれで良いんです。」

 

ヴェルは優しくアマーリエを慰めると、連れ立ってレストランを後にした。王都の一画で、竜殺しのバウマイスター伯爵はお忍びで良い女を連れ歩いていると話題になったが、元々5人の嫁を連れて歩く事で有名なバウマイスター伯爵の言動がそれ以上問題になる事はなかった。

 

 

ヴェルに送り届けられ小屋に戻ると、アマーリエはホッと一息ついた。やはり外の世界はまだ少し怖い。今日もヴェルが近くにいるからあれくらいで済んでいるが、クルトの事件の被害者遺族がアマーリエを見かけたら、報復で何をされるかわからないという恐怖を改めて感じてしまった。

 

そっと後ろからヴェルにしがみつく。アマーリエの様子から、何かを察したのだろう。ヴェルもそっと抱き止めてくれた。

 

動揺が落ち着き、気を取り直したアマーリエは、ストンっとドレスを脱ぎ落とすと下着姿になってポーズを決め、ヴェルに蠱惑的に囁く。

 

「主様、今日はもうお帰りになりますか?それとも『あてがい女』をお召し上がりになりますか?」

 

ヴェルは今日はいつまでここに居られるのだろう。いつもなら帰宅して妻達と過ごす時間だ。でもアマーリエは今日はまだ、ヴェルに一回しか愛してもらっていない。残って欲しい。アマーリエはヴェルに目でそう訴えかける。

 

「もちろん、アマーリエ義姉さんを食べて帰ります。今日もとても美味しそうだ。」

 

ヴェルは下着姿のアマーリエを軽々とベッドに運び上げる。

 

「いや、恥ずかしいわ。」

 

自分でヴェルを悩殺するよう下着姿になったのに、ヴェルに運ばれるアマーリエは照れて顔を隠しながら、恥ずかしがってクネクネと身を捩らせる。

 

「大丈夫、アマーリエ義姉さんは今日も素敵ですよ。」

 

ヴェルに耳元で囁かれると、アマーリエは簡単に陥落した。

 

「早く脱がせて、ヴェル君に脱がせて欲しいの」

 

アマーリエを覆う僅かな布地が、上も下もヴェルによって手早く剥かれる。あれは僅か4日前の事なのに、背中のホックに手こずったヴェルはもういない。

 

「俺の服は、アマーリエ義姉さんが脱がせてくれますか」

 

ヴェルの言葉に、アマーリエはヴェルに飛びつくように甲斐甲斐しく服を脱がせる。一枚ずつ丁寧に脱がせて、形を整え折りたたんでいく。最後にヴェルの下着を下ろすと、衣類の山に下着を乗せてから、そそり立つヴェルの男性器を自身の口でご奉仕する。

 

「気持ちいいですよ、アマーリエ義姉さん」

 

立ち姿でしゃぶられ、奉仕されながらヴェルがアマーリエを褒め、身体に触れる。さわさわと撫でるように触れるヴェルの指先がアマーリエの乳首に触れると、アマーリエの身体に官能の波が襲う。

 

「挿れよう」

 

コクリと頷くアマーリエをベッドに押し倒そうとすると、アマーリエは進んで身体を開く。するり、とヴェルの男性器がアマーリエの膣内に挿入を果たす。今日の興奮とワインの影響で、ヴェルの男性器を包み込むアマーリエの内部は適度に熱い。

 

「気持ちいいよ、アマーリエ義姉さん。レストランにいた時から、ずっとこうしたくて堪らなかった。」

 

「私もよ、ヴェル君。今日もずっとずうっと入れて欲しかったの。」

 

今日はあくまで優しく突くヴェルの腰つきに、アマーリエの官能が満たされる。自分が気持ちよくなりたいだけの性急で乱暴な腰の動きとは違う。今日はアマーリエの様子を心配し、あくまで優しく大切にアマーリエの興奮を導くヴェルの腰つき。

 

「(私大事にされている、ヴェル君に愛されている)」

 

濡れたアマーリエの女性器がヴェルの男性器を締め上げる。アマーリエの身体全体が轟き、興奮して、ヴェルを興奮に導く。2人が絶頂に至るまで一瞬だった。でもそれはアマーリエに永遠に感じられるほど愛に溢れた瞬間だった。

 




1話 小屋での初体験 
2話 魔道通信機を渡す際の短い逢瀬
3話 王都に下着とドレスを買いに行き、デート
4話 小屋が工事で使えないのでヴェルの部屋で着替えて湖畔の旅館で逢瀬
5話 王都での夜の食事と工事を終えた小屋での逢瀬

アマーリエの回想を元にしているので原作の想定と時系列が少し違うかもしれませんが、ヴェルがアマーリエとの初体験から5日連続でアマーリエを訪問した際の主要な内容はこれで網羅できた気がします。それなりに手順があった筈なので、慌ただしくも目まぐるしい日々だったのでしょうね。

ヴェルとアマーリエの最初の5日間を書けば足りる、そう思ってスタートしたのですが、原作には小屋の変貌ぶりにパウルが驚くシーンが存在します。『パウルの訪れがヴェルと関係ができてから1ヶ月後』で、アマーリエの回想では『それまで週に5日』だったそうです。

1ヶ月間後まで週5日の逢瀬なら、実は20日間前後の出来事だったようです。ヴェルはアマーリエにどハマりしたんだなと改めて驚きました。更新ペースがゆっくりになるかもしれませんが、もう少しだけ書き続けてみようと思います。
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