異性に愛されるだけの特典の始末 作:ミヅハ館長のゆれゆれカットイン
ザンスカールやら皇帝ルルーシュやらがいる世界に居付いて早数年。
ずっとともに逃げる旅をしていた少女を探し俺は見慣れないコロニーを探し回る。
「アズ―!どこだー!」
今朝彼女につけられた首筋のキスマークを隠さずにとりあえず走りまわる。
こんなことになら本当に手錠の購入を視野に入れるべきだったな……
「仕方ない……今はアズと明日を迎えるためにも……!!」
色々魔改造された能力で愛機を操縦する。
ボスン!と座席に座りベルトを付け虹彩を読み取らせる。
『ハロー、ユーザー1。本日は……』
愉快な音声案内を無視し備え付けられているキーボードでパスワードを打ち込む・
combat ready
宇宙へ出ると青い機体がザンスカールのモビルスーツに向かってスラスターを蒸していた。
そんな折にオープンチャンネルで呼びかけが入る。
『所属不明機に告げる、ここは…………』
「僕は身内を探してるだけだ!所属やらなんやらがいるなら所属はなし!パイロットはヴィガル、機体名はザナドゥとだけ記録しておいてくれ!」
「帰れよ海賊風情が!」
戦闘機にしては大きすぎる機体がザンスカールの量産型に向かって突き刺さる勢いで進む。
バリアを展開し、エステバリスの突撃よろしくスイカバーよろしくぶち抜く。
「つらぬけぇぇぇぇ!!!」
胴体を寸断する。
申し訳ないが僕の生を優先する都合、海賊に容赦をする気はない。
『ヴィー……やっぱり出ちゃった……』
またオープンチャンネルに声が入る……いやこれは
「アズ……え、それに乗ってるの?」
『いきさつを話すのはあとでいい?』
「聞きたいことはいっぱいあるけど……今はそれでいいよ」
『その前に』
「なに……かな」
『震えとか大丈夫?』
きっと人を殺めたことに対する言及だろう。
前は確かにゲロを吐くほど自分を追い詰めたしその分アズにあたったこともあった。
ケド今は……
「牙を剥いて虐殺紛いのことしたやつらに慈悲はない、よ」
『そう、けど……怖くなったら言って』
「はいはい、心配性だな」
『戦場は臆病なぐらいがちょうどいいから』
アズの乗るよくわからない目隠し機体がビーム兵器で斬ったモビルスーツにバルカンを当て追撃しまた一機堕とす。
『すごい、二人とも息ぴったり……』
『あの戦闘機……どこのデータにも該当する機体がない……』
外野がなんともうるさいが気にせず次の機体へ……
「識別リガ・ミリティア?」
ピーっと軽くシグナルを出すモニターにはカメラでとらえたモビルスーツを映し出す。
黄色い二本角、ツインアイ、そして白いボディ。
それが意味する機体特徴それはガンダム。
「ああなるほど……リガ・ミリティアの
『またそんな言い方して……』
この世界に生まれ落ちた?時に前世の記憶のようなものを実感した。
それはガンダムをはじめとした機動兵器に対する知識。
おぼろげながらも記憶をたどり認識を強めていく。
「僕とアズだけで問題はないと思うが……戦は数だ」
そういったのが悪かったのか新手がやってくる。
『なにかいうこと、ある?』
「迂闊な発言は今後控えるようにします……」
薄気味悪さと人がいないであろう冷たさを感じるそれに少し、ほんの少しだけ戦き。
機器を使う手に力が籠る。
「アズ、あれなにか怖いね」
『強いけど…たしかに薄気味悪い』
モビルスーツの上半身の腕部が足となり下半身がない機体。
人型ですらない時点で結構おぞましい。
まるでキメラを見ているかのようだ。
機動兵器である以上、動いても何ら不思議ではないけれど。
バルカンとバリア、それとチャフぐらいしか武装のないザナドゥじゃ少し分が悪い。
まあそんなことは気にせずにガンダムと協力して撃破したけど。
※※※
その後出港した巨大戦艦ドライストレーガーの誘導に従い僕らは着艦する。
真剣な面持ちなメガネくんがアズの近くで何やら話してる。
「アズ、お疲れ」
「ヴィーも」
そんな彼の間に割り込みアズにねぎらいの一言をかける。
「君がアズ・セインクラウスくんの保護者かい?」
「保護者って……子ども扱いしないでください。私、もうすぐ16です。それにヴィーは」
「21歳でアズの婚約者です。フルネームは気が早いけどヴィガル・セインクラウス。学生くんには刺激が強いかな?」
「……そ、うか」
アズの肩を抱き寄せそういう。
「アズがそちらの軍機違反がどうのというなら僕が責任を取ります」
「つらいものは半分こ、じゃないの」
「すこしは僕をヨイショしてくれ……」
「ふふ、個性的な方々ですね」
おさげな美人さんが現れる。
きっと彼女が総責任者なのだろう。
僕と同じくらいの年なのにすごいな……。
「ミツバ。ミツバ・グレイヴァレーです」
「ご親切にありがとうございます。ヴィルガ・セインクラウスです」
その後の成りゆきは……なにか偉そうな准将によりアズと僕がドライストレーガー預かりになることになった。
もっとも、アズが乗っていた目隠しはアズぐらいしか乗りこなせる人もおらず。
そしてそれが機密事項の塊だというのだから妥当な判断だろう。
問題はその後。
僕たちに宛がわれた自室に面倒ごとの種がやってきた。
「ヴィー、やっぱり香水買うべきくっさいやつ」
「はは……」
ドライストレーガーの食べごろな乗務員たちが恋する乙女の顔でやってきたのだった。