私に種を蒔いて。 性暴力で孕まなくなったJKと慰めえっちする話 作:黒宮魚
目覚まし時計の音が鳴る。石を投げられた水底の泥が湧き上がるように、ゆっくりと意識が覚醒する。
薄っすらと開けた目で、優一は枕元の目覚ましを止めた。
「うー……ん」
気怠い体を起こして伸びをする。閉め切ったカーテンの隙間から白い朝日が差し込んでいた。
「ん……」
下から小さく声が聞こえる。優一がそこへ目を向けると、隣で寝ている彼女と目が合った。
「おはよ、内田くん」
「うん、おはよう。三枝」
薄い目をこすりながら美咲が微笑む。寝癖で長い髪が乱れている。優一は右手で彼女の髪を軽く梳いた。
「もう、私、子供じゃないよ」
むすっとした目をしながら美咲も体を起こした。
「ごめんごめん。でもほら、髪跳ねてる」
頭頂部あたりの髪がぴょん、と立っていた。
「君だってぼさぼさのくせに。絶対私よりひどいよ」
わしゃ、と美咲の手が乱雑に撫でてくる。女の子の手指とは不思議なもので、そんな手つきでも心地よく感じた。
「ん」
ぐう、とそこで子気味のいい音が鳴った。美咲の腹から。
「……朝飯、食べるか」
「……ン」
優一から目を逸らしながら、美咲は小さくうなずいた。
とんとん、と規則正しく軽やかな音が台所に響く。フライパンからの卵が焼ける音も一緒になって、穏やかな朝の音色を奏でていた。
「三枝、味噌汁は豆腐と油揚げだけでいいか?」
「んー、確か小ネギがあったよね。それもあると嬉しいかも」
「りょーかい」
優一はまな板で具材を切り、美咲はコンロで玉子焼き器を握っていた。
二人とも髪は最低限整えていたが、身なりは寝間着のままだった。といっても、美咲は寝間着代わりの長袖シャツだが。ちなみに下半身は下着だけだ。
「お、だし巻き卵めちゃくちゃきれい。おいしそうだな」
「君に教えてもらってからずっと作ってるからね」
慣れた手つきで菜箸を操りながら、美咲は綺麗に卵を巻いていた。薄黄色のそれは、見た目からもふんわりとした食感が伝わってくるようだった。
「もう三枝の方が料理うまいんじゃないか?」
「えー? そんなことないよ」
口ではそう言いながらも、美咲は得意げな顔をしていた。
彼女は家で全く料理をしない生活をしていたようで、学校の家庭科レベルの料理しかできなかった。だが、優一から簡単な教えを受けてからはあっという間に上達してきていた。
今では朝食から夕食まで優一と協力して一緒に作っている。今までは簡単な料理で済ませていた優一だったが、美咲のおかげで近頃の食事の質は一段階上がっていた。
「ん、やっぱり美味しいな」
だし巻き卵を一切れ味わいながら、優一は自然とそうこぼした。
ローテーブルには二人が作ったばかりの食事が並ぶ。優一と美咲は、向かい合わせに座って朝食を共にしていた。
「ふふ、ありがとう」
嬉しそうに目を細めて、美咲はぱくりと白米を口に運ぶ。
レースカーテン越しに見える澄み切った青空。気温はまだまだ寒いままだが、二人で作った朝食が体を芯から温める。
そんな、何気ない朝の一幕。土曜日の朝は、いつもよりも緩やかに時間が流れているような気がした。
「……もう三月かぁ」
美咲がぽつりと呟いた。
テレビの中の天気予報士が今日は一日晴れだと笑顔を振りまいている。その右上に時刻と一緒に三月四日の文字が映っていた。
「早いね」
「……そうだな」
テレビを見る美咲の横顔は儚げな色をしている。
美咲と優一が寝食を共にし始めてから、三週間が経とうとしていた。
「そうだ、もうすぐアレがサブスク解禁されるかも」
「アレ?」
「ほら、この前見た魔法使いの映画の続編。三月あたりに来るってネットでいわれてる」
「あー、続編あるんだっけ。でもヒット作の二作目ってコケがちだから不安だなぁ。評判はどんな感じ?」
「全米が泣いたらしい」
「それ情報量ゼロじゃない」
ははは、と適当にごまかす。そんな彼に美咲もしょうがないな、と苦笑を漏らした。
二人だけの穏やかな時間。それを邪魔するものは何もない。
少なくとも今のところは。
朝食も食べ終わり、優一は台所で食器を洗っていた。美咲はベッドに座ってテレビを見ている。
優一の家の流しは二人で洗い物をするには狭すぎる。だから、食器の後片付けは当番制になっていて、今日は優一の番だった。
「ふぅ」
最後の一枚を洗い終え、水切りかごに置く。タオルで手を拭いてから、優一は美咲の所に戻った。
と、そこで気づく。ニュースを見る美咲の表情が暗く沈んでいることに。
『都内の飲食店で男性が刺され重傷を負った事件について──』
男性のニュースキャスターが淡々と読み上げている内容。それは、この同居生活が始まったきっかけとなった事件だった。
あの事件が報道されたのは、事が起こってから三日後のことだった。ちなみに刺された店長の男は、美咲が自分で救急車を呼んでおいたおかげで命は助かった。
『──警察はこの飲食店でアルバイトとして働いていた現在行方不明となっている少女が事情を知っていると見て捜索を続けています』
少女、とは当然三枝美咲のことだ。報道では名前を伏せられているが、優一の高校では彼女のことであるとすぐに話題になった。
警察も教師や何人かの生徒に事情を聞きに来ているという。担任からも何か知っている者は協力するようにと周知があった。
『次のニュースです。下野動物園のパンダが──』
優一はテレビを消した。
「内田く──」
「大丈夫だ」
美咲の隣に座って肩を抱いた。びく、と彼女の体が怯える子猫のように跳ねる。
「何も心配いらない。バレたりなんかしないよ」
肩をさすりながら、優一は言い聞かせるような口調でそう口にした。
「……違うよ」
美咲が顔を上げて優一と視線を絡める。彼女は、ひどく痛ましそうな目をしていた。
「迷惑でしょ、私」
「そんなことあるわけないだろ」
「嘘。私は内田くんからたくさんのものを奪ってる。時間も、楽しみも、自由も」
小さな声でありながら、有無を言わせないものがあった。
思わず言葉に詰まる。代わりに優一は、彼女を抱き寄せて唇を奪った。
「っん……」
さらりと彼女の黒髪が揺れる。くぐもった音とともに唇が重なった。
何度も味わっていながらも、合わせるたびに夢中になる感覚。しかし、美咲はそれを拒んだ。
「ん……っ、誤魔化さないで」
ぐい、と優一の胸を押し返しながら、美咲は苛立ちすら込められた声でそう口にした。
その視線から思わず優一は逃げてしまう。視線を外して、わずかに思案する。
「奪われてるなんて思ってない。俺は俺の意思でこうしてるんだから」
少なくともそれに噓偽りはなかった。
それが美咲にも伝わったのか、彼女は気圧されたように言葉を詰まらせた。
「っ……でも」
「三枝」
まだ反論しようとする美咲を、優一は強く抱きしめた。
「迷惑なんかじゃない。そんなこと、思わせないようにしてやる」
耳元でそう口にすると、美咲の体がぞくぞくと震えた。一瞬だけ、彼女は悲痛そうに顔を歪めた。
「そんなの、意味ないよ……」
だがその言葉とは裏腹に、彼女の体の力は抜けていた。
「なくても、いいだろ」
腕の力を緩めて美咲と向き合う。彼女は気まずそうに目を逸らした。
優一はそれに構わず顔を近づけた。そうすれば彼女が逃げられないことを彼はちゃんと知っていた。虚しい現実逃避でしかないこの行為を、二人は何度もしてきたのだから。
「ぁ……」
磁石に吸い寄せられるように、美咲の視線が優一に向く。その瞳には女の色香が宿り、隠しきれない期待を伝えていた。
「ん、ぁ……」
くちゅ、と唇が合わさる。それと一緒に優一が舌を入れると、美咲は微塵も拒まず受け入れた。まるでそうすることが脳に刻み込まれているように。
「れ、ぁ……ちゅ、ぅちだ、くん……ぁ、ふ……」
くた、と美咲の体が弛緩する。それを抱きながら、優一は彼女の口腔を犯す。
美咲の中に舌を突き入れ、くちゅくちゅと隅々まで舐めとっていく。舌も歯茎も、全部。
そうするほどに彼女の吐息は色を帯びていく。薄く開けられた目からは後ろ暗さも消え、快感に潤んでいく。
「んっ、ちゅ、ぁ……は……ぁ、ん、ンっ……」
そして、無防備な舌を軽く吸ってやると、すぐに出来上がってしまう。快楽に飢える一匹の雌が。
「っは……ぁ」
ゆっくりと唇を離す。ぬと、とてらついた糸とともに、熱い吐息が溢れ出す。優一を見つめる美咲の瞳は、切なさで染まっていた。
「三枝──可愛いよ」
「ぅ、あ……」
抵抗と快楽。まだその二つが混ざりあっているのか、美咲は言葉にならない声を漏らした。
その僅かに残った理性を塗りつぶしてやるために、優一はそっと彼女をベッドに押し倒した。
ぎし、とベッドが軋む。一緒に、身に余るサイズのシャツに包まれた彼女の豊満な胸が揺れた。
優一自身が貸しているそれの裾をそっとめくり上げる。無駄な肉のない、引き締まった美咲の白い腹が覗いた。
「あ……うちだ、くん」
その行為で、また一段と彼女の目に期待が宿った。
それに応えて、するするとシャツをたくし上げていく。そして、下乳にひっかかかったそれをぐい、と引っ張りあげた。
「ん……」
ぶるん、と彼女の大きな果実が揺れながら顔を出した。下着は着ていない。昨晩も濃密な行為をしたばかりで、ブラを着直すこともなく寝てしまったから。
頬ずりしたくなるほど白くて滑らかな肌。ぴん、と天井を向く桃色の性感帯。
情欲を煽る、形のいい美咲の乳。そこには、いくつものキスマークがつけられていた。
「うちだく……っん、ぁ……、はっ……」
優一は片手で乳首を優しく撫でまわしながら、また一つキスマークを刻んだ。快感、というよりはそうされた事実そのものに喜ぶように、美咲は甘い声を漏らす。
優一自身もそんな彼女に興奮を煽られる。三枝美咲という女を自分のものとしてマーキングしているようで。
「もう濡れてる。エッチだな、三枝は」
空いたもう片方の手は、彼女の下半身へ。桃色のショーツ一枚だけの下腹部。
優一がその薄い布越しに秘部触れると、じっとりとした感触があった。
「すぐこうなるようにしたの、君のくせに」
荒い吐息を片手で押さえながら、美咲は「いじわる」とでも言いたげな視線を優一に送る。
優一は「悪い」と謝りながら、その濡れた場所をかりかりと指先で刺激する。そうすると、少しもしないうちに彼女の腰がくいくいと動き始める。はしたなく快感を求めるその腰振りに情欲がそそられる。
「あ……」
それを焦らす必要もない。今は、不安を快楽で塗りつぶすための時間なのだから。
優一は胸から口を離すと、彼女の脚の間にしゃがみこんだ。そして、その雌穴を守る一枚の布をするりと脱がした。
「ぁ……内田くん、舐めるの……?」
頬を赤らめて、色欲のこめられた目線が優一に向けられる。そんな彼女の気持ちを代弁するように、晒された秘部が涎を垂らしていた。
淡く茂る陰毛と、軽く開いた大陰唇。優一はそこに指を添えて、ゆっくりと開いてやった。
「や……開いちゃ、ダメ」
「何回も見られてるのに?」
「恥ずかしいものは恥ずかしいよ……」
羞恥に耐えるように、美咲は指を唇で噛んでいた。そんな仕草がたまらなく可愛らしい。
優一に開かれた女の入口。情欲を主張する小陰唇が、ぱくぱくとひくついている。鮮やかなピンク色のそれに誘われるまま、優一は自らの舌を這わせた。
「ひゃう……っ!」
ぴくん、と美咲が跳ねる。それは単に敏感な場所に触れられたことによるもの。だが、それもすぐに快楽に染められていく。
優一はきゅっと舌を細めると、彼女の膣口へ舌先を突き入れた。
「ぁ、あっ……おまんこ、べろ、はいって……っ、きて、ぁ、う……っ、はぁ……っん……」
ぞくぞく、と美咲の背中が僅かに浮く。
肉茎で味わうよりも狭く感じる彼女の膣内。優一の小さな舌を濡れた粘膜が締め付けている。
だが少し力を入れて舌を動かすと、意外と簡単に形を歪める。ぬちゅ、と粘膜同士が絡まりあうようなその感触は濃厚なキスにも似ていた。
「は、ぁ……っ、あ、ぁう……っ、だめ、おまんこ、とけてるみたい……ぁ、は……あー……内田くんのべろ、すき……ぁ、は……っ」
最初こそ恥ずかしがっていた彼女だったが、あっという間に堕ちた。自らの股を口で愛撫する優一へ、緩みきった顔を晒してしまっている。
優一はそんな彼女の表情を見ながら、濡れたナカを舌でほじくってやる。ただぬちゅぬちゅと擦るだけでも気持ちがいいようだが、愛液と一緒にじゅるると吸われるのが一番好きらしい。
舌を入れたまま口をぴったりとくっつけて吸い上げると、やや下品な声を漏らしながらだらしなく体を痙攣させる。
「お……っ、ぁ、ンっ、うちだ、くん……っ、あっ、だめ、こし、うごいちゃう……っ」
もう我慢が効かなくなった彼女は、はしたなく腰をへこへこと揺らす。まるで舌を肉棒に見立てて自慰行為をするように。
このまま続けていればすぐに絶頂に押し上げられるだろう。だが、優一は愛撫をやめて口を離した。
「っあ……やめ、ちゃうの?」
唐突に中断された快感に、美咲は名残惜しそうな声を漏らした。
「ああ、ごめん。……俺も限界だから」
立ち上がった優一の下腹部。寝間着に包まれたソコは、大きな膨らみができていた。
それを見た美咲の目の色が変わる。発情した雌の色に。
優一はそんな彼女の視線に息を吞みながら、手早くそれを脱いだ。
「すっご……おっきい」
外気に晒される優一の勃起した陰茎。ぷくりと膨らんだ亀頭と、血管が浮き出る竿。限界なのは明白だった。
美咲は優一が何も言わずとも、背を向けてベッドに手をついた。そして、さりげなく尻を揺らす。
肉感のある桃がだぷんと誘惑してくる。割れ目から覗く尻の穴はひくひくと開いて閉じてを繰り返し、そちらにも挿入したくなってしまう。
「っ……三枝、入れるよ」
「う、ん……交尾、シて」
ごく、と美咲が唾を飲む。
優一は先端を彼女の濡れた穴の入り口に宛がうと、尻を両手で鷲掴みにした。ぴく、とその白い体が反応して、弾力のある肉の感触が伝わる。
それを押さえつけたまま、体重をかけて一気に挿入した。
「ンぉ……っ」
華奢な美咲の体が軽くのけぞる。はらりと黒髪が揺れるのが美しい。
奥まで入れた瞬間に大きく体が跳ねたが、それからも小さな痙攣を繰り返している。
ナカの感触も極上で、きつく締め付ける入口ときゅぽんと吸いついてくる子宮口。そのまま射精しろと言われればできてしまうほど気持ちがいい場所。
「三枝……動くね」
「ん、ぅん……っ、いっぱい、ぱこぱこシて……っ」
挿入してしまえば、優一と美咲に理性など働かない。つがいになり果てて子作りごっこをすることしか考えられなくなる。
「おっ……ん、ぁ、あっ……あー……おちんぽ、いい……っ」
ぱすん、ぱすん、とゆったりとした動きで交尾が始まる。激しくすれば気持ちがいいのはわかっているが、そんなことをしたらすぐに終わってしまう。だから、もどかしさもあるこの動きで、少しずつ全身を快楽漬けにしていくのだ。
「は、ぁ……っ、あ、気持ちいい、三枝のナカ、やっば……」
「ん、ぁ、オ……っ、すっごい、あっ……お、ぁ……っ、すっご、あ、おく……ずぷん、ってされるの、すっごいきもちぃ……っお……」
きつい締め付けでありながら、突き入れると優しく受け止めてくる美咲の膣内。その柔らかく甘い肉感と、濡れたものが擦れる水音で興奮がこみ上げる。
たまに強く挿入すると、乾いた音と一緒に尻の肉が美しく波打つ。とどめのように襲う美咲の甘く下品な声を堪能しながらのそれは、麻薬のように優一を虜にする。
「あ、ぁ、あー……きもちいい……すっごい、おちんぽたまんない……っお、ほ……っ、あたま、まっしろになって……っ、あ、全部トんじゃう……ぁ、ぅアんっ、お……っ」
四つん這いで、はしたなく乳を揺らしながら快楽に喘いでいる美咲。発情した動物に成り下がった彼女の姿は、誰一人として目にしたことはない。
それを他でもない自分だけが堪能している。さらに、美咲をそんな姿にしたのも自分であるという事実がこれ以上ないほどの征服欲を満たす。
そして、優一自身も獣に堕ちていき、次第に目の前の雌を孕ませることしか考えられなくなる。所詮現実逃避でしかないという事実すら背徳感というスパイスに変わってしまう。
「あー……三枝、さえぐさ……っ、もう出る、中に出すよ……っ」
「んぉ、おっ……ほ……ぅん、だして……っ、たね蒔いて、ぁ、ぅあっ……お、ぁは、っん、なかだしで、イかせて……っ」
動物の交尾そのものなセックスを続けていれば、すぐに絶頂はこみあげてくる。ぐつぐつに煮込まれた熱い白濁が子宮口を撃ち抜くイメージが頭の中を満たす。
優一は尻肉をぐにゅぐにゅと揉みしだきながら美咲を犯す。道具扱いするような乱暴な行為だったが、美咲はそれでも甘い声をあげてよがり続ける。
二人は、頭も体も交尾の快感に支配されて半ば狂ってしまっていた。
「っあ、無理、三枝……っ、出る──!」
「あっ、ぁ、わたしも……っ、お、オっ、ぁ、イグっ……!」
あっという間にその瞬間は来た。緩慢な腰使いで交わっていたのにも関わらず、動物の本能に染まった状態ではとても持たなかった。
陰茎の先端が子宮口にずぷりと突き刺さり、それと寸分狂わぬタイミングで射精が始まる。
「おっ……ぁ、あ、おっ……あ、しゃせー、すっご……あっ、ぁ、あ、あ、アっ……たねづけ、あっ、きもちぃ……」
うっとりとした声を漏らしながら美咲は絶頂を貪る。それを促すように容赦のない種付け射精が彼女のナカで行われる。
どっぷ、どっぷ、と重い塊になった精液が何度も吐き出される。ゼラチンで固めたようなそれは、ゆっくりと、しかし確実に子宮の中へと溜まっていく。
「三枝、孕め……っ、ぁ、ぐ……っ、孕め、孕めっ……」
「あっ、ぁ……っ、うん、孕むっ……お、うちだくんの、子……っ、はらむ、からっ……ぁ、もっと、ほ、ォ……っ、もっと、たね、しこんで……っ」
出しても出しても迸り続ける射精の快感。たまらず、優一は美咲の体に抱きついた。
そして両手で彼女の乳房を掴んだ。それを揉みしだきながらどくどくと吐精し続ける。女体を全身に感じながらの中出し射精は気絶しそうなほどの快感で、最後の一滴を出し切るまでそうしていた。
「ぁ、あっ……すご、かった……」
絶頂の波がようやく引いたあと、美咲は大きく息を吐いた。
「は……ぁ、ごめん、重いよな」
優一も我に返り、ぐっと力を込めて体を起こす。そして、尻に手を添えて肉棒をゆっくりと引き抜いた。
「あっ……」
ぬぽん、とどろどろになった生殖器が抜かれる。それと一緒に、挿入されていた雌穴から、どぽん、と入りきらなかった白濁が床に垂れた。
「ん、ぁ……ちから、はいんない……も、だめ……」
ぺたん、と美咲は上体をベッドに突っ伏した。突き出されたままの尻からはどろどろと白濁がはしたなくこぼれている。
その光景にまた劣情が昂るが、優一もかなり体にガタが来ていた。
優一は美咲の体をベッドに寝かせると、自分もその隣に寝ころんだ。
「三枝」
「ん……?」
息を整えながら、美咲が振り向く。
「何も心配しなくていいんだ。俺は迷惑だなんて思ってないし、毎日三枝と一緒にいられるのはすごく嬉しいから。……だから、大丈夫だから」
優一は一言一言を踏みしめるようにそう口にした。
「……そう。よかった」
美咲はそんな風に言いながらも、安堵の色は見えなかった。代わりに、ただ切なそうに微笑むだけだった。
ざわ、と胸の中に不安が芽吹く。優一は美咲を抱き寄せて、また唇を奪った。
その日の夜、優一は近所のスーパーに来ていた。土曜はポイント五倍の日で、優一は毎週このタイミングで買出しに来ている。
目的の食材も買い終わり、いっぱいになった袋を片手に自動ドアをくぐった。あとは家に帰るだけ。いることがバレないようにと真っ暗にした家で美咲が待っている。
「あ」
店の外にいくつか据え付けられたベンチ。ちょうどドアを出て一番近くのベンチに、見知った顔がいた。
「ん」
ペットボトルを呷りながら、彼女の目が優一に向いてしまった。
ショートボブの茶髪。そして何より印象的な左の泣き黒子。そこには霜月沙織が座っていた。
「んっ、ん!」
目を見開いた彼女は、飲んでいたカフェラテをむせそうになっていた。なんとか飲み下し、ペットボトルから口を離す。
「内田」
片手で口元を拭いながら、彼女はそう口にした。
「お、おう。それじゃ」
軽く会釈をしてそのまま目の前を通り過ぎる。
一月に彼女と別れてから、当然ながら一度も会うことはなかった。
「おい待てこの野郎」
が、彼女の手が優一の腕をつかんで引き留めた。振り向くと、いかにも不機嫌ですという彼女と目が合う。
「ひ、久しぶり。霜月」
「久しぶり。何もなかったみたいに通り過ぎようとしてんじゃねーよ」
ぎちぎちと掴んだ腕に力を込めながら沙織が睨みつけてくる。思いのほか力が強く、普通に痛かった。
「わ、悪かったよ。とりあえず離してくんねーか」
優一がそう言うと、ふん、と鼻を鳴らしながら沙織は手を離した。
「あんた何してんの?」
「買い出しだけど」
ふーん、と興味なさそうに相槌を打つ沙織。
「霜月は? お前んちってここから電車乗った先だよな」
「この近くに新しくカフェがオープンしたから来た。今帰るとこ」
意外にも素直に答えた彼女に優一はちょっと驚いた。
「それじゃ俺はこれで……」
「待てって。そんなにあたしが怖いの?」
「いやそういう訳じゃねーけど」
あんな別れ方をしたから優一はずっと気まずいままだ。正直、こちらから話しかければ殴られるぐらいされてもおかしくないと思っていた。
「方向同じだから途中まで一緒に行くよ」
「え」
「ん? なに、いやなの?」
「あ、いや構わないけど」
そ、と返事をして沙織は腰を上げた。身にまとっている黒いコートがはらりと揺れる。
そのまま二人並んで帰路についた。電灯がちらほらと照らす歩道を歩く。
「……霜月」
「ん」
「あの時は悪かった」
しばらく無言だったが、優一は思い切ってそう口にした。別れた時もそのあとも、まともな謝罪など一言もしていなかった。
「あ、そういうのいいから。そんな空っぽな謝罪なんかいらない」
しかし、沙織はぴしゃりと否定した。だが、そこに嫌悪感は感じられなかった。きっぱりと線引きをするような口調。
「あんたどーせあの時誰が好きだったとか言う気ないでしょ」
「……まあ」
だと思った、と沙織は息を吐いた。
「あんたって今誰かと付き合ってんの?」
「いや誰とも」
「ふーん?」
ジトっとした目を優一へ向ける沙織。
「ウソツキ」
ぱこん、と飲みかけのペットボトルで頭をぶたれる。
「いやホントだって」
「あー? 絶対うそでしょ」
嘘ではない。美咲とは好きあう仲だが、付き合っているとは言えない。そう呼ぶにはあまりに歪すぎる。
「あんたさぁ、最近かなり様子違うよ?」
「え、そうか?」
「そうだよ。あんたあたしと別れた後またサボってたみたいだけど最近はまたまたちゃんと出席し始めたでしょ」
「それはちょっと出席数ヤバかったから──」
「じゃこないだの期末テストは? あんた学年一位だったじゃん」
突きつけるように沙織は口にした。
二月末に実施され、ついこの間に結果が発表された三学期の期末テスト。優一は総合で学年一位の成績を収めていた。
美咲を匿うと決めてから、優一は勉学を真面目に取り組んでいた。それは他ならぬ美咲のためだった。美咲を隠し通すために確実なのは、いい大学、いい企業に入って金を稼ぐしかないと考えたからだ。
だが当然それを口にすることなどできない。優一は口をつぐんだ。
「……ま、言いたくないならいいよ。結局あたしにはなーんにも教えてくれないんだ? ちょっとさみしー」
ぺし、と足元の小石を蹴とばしながら、沙織は拗ねたような口ぶりでそう言った。
さすがに優一もずきりと胸が痛んだ。沙織には本当に最低なことをしたという自覚はある。そして、それに対する贖罪も何もできていない。
そんな気持ちがつい顔に出てしまっていた。カフェラテを飲みながらも、沙織はそれを見逃さなかった。
「じゃあさ、一個教えてよ」
空になったペットボトルをコートのポケットにしまいながら沙織が呟く。
「あんたの初めてって三枝美咲?」
ぶす、と心臓を鋭いもので突き刺されたような感覚だった。一瞬心臓が止まったんじゃないかとも思った。
だが、それを悟られないように優一は笑みを浮かべた。
「え? そんなわけないだろ。あんなヤバいやつとなんて」
できるだけおかしくないように。なに馬鹿な事言ってるんだ、というようなニュアンスで精一杯演技をした。
「ふーん」
沙織は口元に指を当てながら、値踏みするような視線で優一の顔を撫でまわす。
優一にとってはまるで心の内を双眼鏡で覗かれているような気分だった。
「ま、そりゃそうか」
時間にすれば五秒ほどの間だった。それから、沙織はぱっと表情を変えて笑った。
「当たり前だろ」
「だよね」
ははは、と二人して笑う。だが、優一は生きた心地がしなかった。
以前から沙織は鋭かった。別れた時も、今しがたの会話もそうだ。だが、美咲とのことを見抜かれたのは予想外だった。
「ん、じゃあ俺こっちだから」
「あ、もうか。そんじゃね」
ちょうど分岐点の交差点に差し掛かったところだった。沙織は駅がある街中に通じる道。優一は住宅街の奥に続く道。
沙織は背を向けて手を振りながら去っていった。まるで映画のワンシーンみたいだなと苦笑しながら、優一はそれを見送った。
それから一人になった優一は帰路をたどり、自宅のアパートに帰っていった。いつも通りの道で、いつも通り鍵を開けて部屋に入る。
ただ一つだけ、アパートの近くに見慣れない車が一台停まっているのが気になった。