私に種を蒔いて。 性暴力で孕まなくなったJKと慰めえっちする話 作:黒宮魚
ぎし、とベッドが軋む。いつもは家主である優一以外に使われることのないベッドが、二人分の体重で沈み込む。
テーブルを挟んで正面に置かれたテレビにはなにも映し出されていない。黒い画面に、ベッドの上に並んで腰かけた三枝美咲と内田優一が反射しているだけだ。
締め切られたカーテンがエアコンの風で揺れている。天井のライトで白く照らされた部屋をその静かな音だけが支配する。優一にとっては日常のことが、かえって気まずさを生んでいた。
「三枝、ほんとにいいのか?」
無言の空気の中、優一が口を開いた。
「うん。……あ、君はイヤかな」
「そんなこと」
あるわけないだろ、と首を振る。「そう?」と美咲は控えめに微笑んだ。
優一が右に座る彼女のほうに振り向くと、ふわりと女の子らしい匂いが漂ってくる。住み慣れた部屋なのに、どこか非現実的な感覚を覚えた。
「内田くんはさ、付き合ってる人とかいるの?」
「いや、いないけど。……いるようには見えないだろ?」
はは、と苦笑いをしながら優一が返すと、美咲もすまなそうに笑いながら答えた。
「あはは、まぁ。君が女の子と関わっているとこ見たことないし」
女の子どころか人とまともに関わっていないけど、と優一は心の中で思った。
「俺らくらいの歳なら、普通に付き合ってる奴いるよな」
「うん。そうだね。私の友達にも何人かいるよ」
美咲は声を落として続けた。
「それで、お互い初めてエッチして、とかが普通なんだよね」
伏せた目が陰りを見せる。
美咲の性経験は普通の高校生とはかけ離れている。それを自嘲するように、寂しげな笑みが浮かんでいた。
「ああ、それが多分普通だと思う」
俯いたまま、美咲の目が優一に向く。
「だから、俺はそのつもりでするから。その、三枝も同じ気持ちにできるように、頑張るから」
優一は、拙い口調でそう告げた。膝を握る両手に力がこもる。柄にもないことを言ったせいで、美咲の目を見られなかった。
「内田くん──」
美咲は目を見開いた。俯いていた顔を優一へ向けて。そこには、物憂げな陰りは滑り落ちて消えていた。
下手なことを言ったんじゃないか、と不安になっていた優一が美咲へちらりと目をやると、二人の視線が絡まった。美咲は一瞬、はっとした様子を見せた。そして、それを恥ずかしがるように頬を緩めた。
「──うん、お願いします」
ゆったりとした口調で美咲が告げる。そこには、確かな親愛が込められていた。
そうして、美咲は両手を頭の後ろに回し、結っていた髪をほどいた。さら、と滑らかに黒髪が揺れる。
憧憬の目で見ていた、いつも通りの三枝美咲の姿。だがいつもよりも美しく、神聖にすら思えた。
「三、枝……」
視線が彼女に釘付けになる。そのまま、じり、と優一の体が美咲へにじり寄る。
美咲は怖がる様子も、不快そうな顔も見せない。僅かな期待すらこもったような微笑を優一へ向け続けている。
「いいよ。──私に初めてを教えて?」
その言葉を最後に、美咲は瞼を落とした。それで決定的に空気が変わった。まるで、世界からこの部屋だけが切り取られているように。
優一は躊躇いを抱きつつも、美咲の肩へ左手を回した。ブラウスのくしゃりとした感触と、自分より小さな肩を感じる。
そして、美咲の顔へ自らを近づけていく。近づくほどに、白くてどこまでも汚れのない肌と、瑞々しい唇に釘付けになる。
あとほんの数ミリ。美咲の長いまつげが、風に揺れる羽毛のように僅かに震えている。そこで優一も目を閉じた。
「ん……」
二つの粘膜が触れる。湿り気のある紅いソレが交わした接触は、二人の耳にも届かないほどの小さな音しか立てなかった。
しかしたったそれだけで、優一の心臓はどくんと大きく跳ねた。触れ合ったのは指先ほどの面積でありながら、その感覚が脳まで一気に流れ込んでくる。
艶のある瑞々しい美咲の唇。ただくっつけているだけに等しい接触にもかかわらず、吸いつくような感覚。初めて触れる女の口吻は、永遠に触れていたいと思えるほど柔らかかった。
「っ、は……」
名残惜しさもありつつ、優一は唇を離した。息を止めていた上に、彼女の唇の感触に脳が興奮していたせいか、すぐに酸素が足りなくなってしまった。
薄く目を開けると、間近に美咲の瞳がある。黒真珠のようなレンズに自分が映し出されていた。
「三枝の唇……柔らかい」
吸い寄せられるような彼女の目を陶然と見つめながら、口から言葉が漏れる。口にした後で、しまった、という顔を優一は浮かべた。
「ありがと。……内田くんは、ちょっと硬いね。力んでる」
くす、と美咲は笑った。
「あ……ごめん。その、初めてだから緊張して」
「いいよ。大丈夫」
唇だけでなく、全身がちがちなことに気づく。童貞丸出しだな、と優一は恥ずかしい気持ちでいっぱいだった。
「私もさ、ちょっと緊張した」
「え?」
美咲の目線が斜め下に落ちる。それは後ろ暗さではなく、恥じらいのごまかしのようだった。
「キスは、君と同じだから。──初めて、だから」
体ごと揺れそうなほど、優一の心臓が飛び上がった。それを契機に、血液がどくどくと全身を駆け巡る。
その言葉もさることながら、彼女の仕草もそれに拍車をかける。僅かに緩んだ口元と、ほんのり頬に差す朱色。まるで初々しい少女のような反応だ。
「ね。もう一回、しようよ」
再度視線が優一の目に向けられる。上目遣いのそれに見つめられながらの囁き声は、耳からするりと体の奥深くまで入り込んできた。
頭で考えるより早く頷いていた。
「っ……ああ」
遅れて、優一の口が開いた。その時には既に、回した左手で美咲の肩を引き寄せていた。二人の視線が絡まったまま、距離が縮まっていく。
「んっ……」
ちゅ、と小さな水音とともに、再びの口づけ。それと同時に、二人は瞼を落とした。
優一の神経に直接粘膜の感触が流れ込む。ぷるりとした弾力のあるそれが、手を合わせるようにぴたりと触れ合っている。
そのまま数秒、お互いに動かないままだった。先ほどと同じ、子供同士の戯れのような接触。
「ん……ぁ、んむ──」
すぐにその均衡は崩れた。美咲はほんの一ミリだけ唇を離すと、僅かに角度を変えて再度触れてきた。
ただ触れ合わせるだけだった触れ合いから、唇と唇を重ね合わせる、接吻へと変わる。それでまた空気が変わった。より密やかで、妖しい雰囲気へ。
「んっ、ん……ふ……」
美咲に応えるように、優一の唇も動く。軽く唇を開けて、美咲の下唇をはむりと挟んだ。静かな音と共に、より深く重なり合う。
ほんの少しだけ、唾液の濡れた感触が伝わってくる。それを優一が感じ取るのと同時に、美咲がほんの少し強く唇を押し当ててきた。くちゅ、と唇同士が抱き合うような感触。
一気に感覚が変わった。濡れていて、温かくて、柔らかな唇の感覚が快感となって背筋をぞくりとさせる。まるでお互いの神経が繋がってしまったかのよう。
「んっ……ぁ、ふっ……ぁむ、んっ……んン──」
初めの頃の緊張はとうに消えていた。優一も美咲も、唇同士の愛撫に夢中になっている。
周囲の音など耳に入らず、聞こえてくるのは呼吸と水音のみ。角度を変えて唇を合わせ、偶に啄むように触れ、そしてまた別の角度で触れ合って。
その合間に漏れる美咲の吐息は、艶やかな色を帯びている。抑えきれない興奮を孕んだそれは、健全な男子である優一の性的興奮を煽るには十分すぎるものだった。
「は……んっ、ぅん──ぁ、んンっ……!」
美咲の呼吸が乱れた。同時にその華奢な体を震わせながら。
緩んだ美咲の唇の隙間から、優一は舌をするりと入り込ませていた。唾液でぬれた自らの味覚器官を。
「ん……ちゅっ、うちだ、くん……ん、む……っ、ぁ、ふ……」
最初の瞬間こそ驚いていたようだが、美咲は抵抗しなかった。むしろ、心地よさげな吐息を漏らして優一を受け入れた。
美咲の口の中で二枚の舌が絡まる。お互いに初めての行為だから、その動きはぎこちない。
しかし、与えられる快感は本物だ。唾液に塗れた舌が擦れるたび、ぬちゅぬちゅと湿った音を立てながらぞくぞくとした感覚が走る。
「っちゅ、んっ、ぅ……っは、ぁむ……っ、れろ……」
その濡れた戯れを繰り返すうち、さらに熱が入っていく。ふー、ふー、と鼻息が荒く漏れていることを気にも留めず、夢中で舌を貪りあっていく。
美咲の左肩に回された優一の手は、ぎゅう、と彼女を強く抱き寄せている。そして、それだけでは飽き足らず、優一はもう片方の手を彼女に伸ばした。
「んっ……!」
水音の合間に、くぐもった声が漏れる。
優一の右手が、ブラウスに包まれた美咲の胸へ触れていた。だが、いつぞやのようにいきなり揉みしだくことは無かった。
張りのあるその膨らみを、さすさすと優しく撫でる。柔らかさを堪能できずとも、形のいいその曲線をなぞるだけでも恐ろしいほど情欲が煽られる。
「ん、は……っ、ん、ンんっ……れろ、っちゅ、うちだく──ぁ、んっ、ん……っ」
そうしているうち、美咲の様子が変わっていく。舌は優一を求めるように貪欲に絡ませてきて、漏れる吐息ははぁはぁと荒い。さらに、びく、びく、と時折体を小さく跳ねさせている。
それは、紛れもなく美咲が感じている証拠だった。火照った体は敏感になり、興奮は凝縮されて呼吸となって漏れ出している。
「っは……、はぁ、は──内田、くん……」
唐突に美咲が唇を離した。突き出されていた彼女の舌から糸が引いていた。
「待って──これ、だめ……」
「だめって、何が……」
お互いに脳に酸素が行っておらず、言葉が要領を得ない。焦点が合わない目が互いを見つめている。
「気持ち、よくて……ダメになっちゃうよ」
はぁ、と色っぽい吐息を吐きながら美咲は言った。くた、と力なく彼女の顔が傾く。さらりと滑らかな黒髪が揺れていた。
「ダメでも、いいだろ。……三枝がイヤならやめるけど」
正直な気持ちを口にした優一だったが、美咲は「いじわる」と口を尖らせた。どこか親しみのある口調で。それは何かを期待しているようだった。
「三枝、脱がしても」
優一がおずおずとそう尋ねる。
「……うん」
ぼそ、と美咲は呟いた。伏せたまつ毛が小さく震えている。
優一は「じゃあ」と口にして、美咲のブラウスに手をかけた。襟元のボタンから一つずつ外していく。ぷつ、ぷつ、と無機質な音が二人の緊張を煽る。
下まで外し終えた優一は、両側の襟をそっとつかんだ。それを、両側へゆっくりと開いた。
肌とブラウスが擦れる音とともに、美咲の素肌が露になる。彼女の白い肌はまるで陶器のようだった。
「────」
脱がせる途中で、優一はブラウスから手を離した。いや、離してしまった。三枝美咲の姿に見惚れて。
はらりとブラウスが重力に引っ張られて落ちる。袖は肘の下辺りまでしか脱げていない。それでも、豊満な乳房を露出させるには十分だった。
「三枝……すっげー綺麗、なんだな」
飾りもないストレートな感想だった。それ以上の事が考えられないほど、優一は三枝美咲の姿に心奪われていた。
彼女の胸のふくらみは、当然ながらまだ下着に包まれている。紫色のブラは、柄やワンポイントもないシンプルなデザインながら、白いブラウスと肌によく映えた。
制服姿でも明らかだった彼女の巨乳は、下着姿だとさらに強調される。布のカップに守られた乳房は、触らずともマシュマロのように柔らかいとわかる。二つの果実で生まれた谷間は、顔を埋めたくなるほどの誘惑があった。
「ありがとう。……その、嬉しいな。初めてそんな風に言って貰えた」
ほんのり染まった頬を緩めて、美咲は微笑んだ。
儚げなそれを見た優一は、思わず抱きしめたくなる衝動にかられた。しかし、それはすんでのところで堪えた。
「内田くん……?」
固まったままの優一に、三枝は不思議そうに首を傾げた。
「あっ、いや……俺も脱ぐよ」
どくどくと心臓が鳴っている。思わず口をついた自らの言葉に従うまま、上に来ているTシャツを脱いだ。ぱさりとベッドにそれが落ちる。
「内田くん、結構鍛えてるんだ」
「え? ああ……これは」
晒された優一の肉体を見て、感嘆したように美咲がこぼした。
瘦せ型である優一ではあるが、筋肉はそれなりについている。腹筋は割れていて、特に上腕の筋肉が目を引いた。
「俺、引っ越しのバイトやってるんだよ」
そうなんだ、と合点したように美咲が相槌を打った。
そのまま沈黙が流れる。美咲は興味ありげにちらちらと優一の身体に視線を送っている。
それが不意に優一の顔に向くと、二人の目が合った。身体を見ていたことを誤魔化すように、美咲は笑った。
「……三枝。続き、するから」
「っ……う、ん」
びく、と美咲が背筋を伸ばす。慣れているはずの彼女がみせたその反応が、優一の心音を速めた。
再び、優一の左手が美咲の背中から回される。今度は肩ではなく腰に手を添える。
そして、右手をその身体へ伸ばす。最初に触れたのは、引き締まったウエスト。
「ン……っ」
くすぐったそうに、押し殺した声が美咲の口が漏れる。彼女の顔に目をやると、腰に触れた優一の手を見つめていた。僅かに空いた口元からは、抑えながらも荒くなった呼吸が見えた。
期待されているようなそれに応えるように、優一は手を滑らせた。腰から脇腹を通って、その上の膨らみへ。
「っ、あ……」
震えるような吐息がこぼれた。
その反応を見ながら、優一は手指をさらに上へと。下乳から撫で上げるように、五指を滑らせる。ブラと手が擦れる静かな音に、美咲の吐く艶やかな吐息が混じる。
「は……っ、ん……」
呼吸で胸がゆっくりと上下している。それをあやすように、ゆっくりと撫でる。だが、それを繰り返すほどに美咲の呼吸は荒くなっていった。
「ねぇ、内田くん──」
それから、彼女がそう声をあげるのにそれほど時間は掛からなかった。優一が顔を上げると、先ほどよりも火照った美咲の顔があった。
「脱がして……」
恥ずかしいのか、彼女はそれ以上言わなかった。可愛らしいその様子をもっと見ていたいと思いつつも、いいよ、と頷いた。
「あ……」
しかし、優一は下着を脱がせようと背中に両手を回したところで、しまった、という顔をした。美咲が「ん?」と振り向く。
「その、悪い。外し方、教えてくれないかな」
童貞なのだから、当然ブラジャーを外した経験などない。雰囲気ぶち壊しだな、と優一は自分自身に落胆した。
「あぁ、そっか」
しかし、優一の不安に反して美咲は柔らかい表情を見せた。興奮で緊張していた彼女にとっては、優一の反応が気を緩めてくれたようだった。
「いいよ。じゃあ、真ん中のホックのとこ、持ってくれる? ……うん、それ、ちょっと引っ張って浮かせる感じで──そう、そのまま」
美咲の言葉に従うまま両手を動かす。すると、ぷつ、と小さな音ともにそれが緩んだ。二人の目が合う。
美咲は、あとはどうぞ、というような安心した顔を見せた。ごく、とばれない様にゆっくりと唾を飲み込んで、肩ひもに手をかけた。
まるで壊れ物を扱うように、丁寧な手つきでそれを下ろしていく。そして両腕から抜き取り、あとは簡単だった。
支えを失った布が、はら、と重量に従ってスカートの上に落ちる。それを軽くたたんでベッドの端に置いた。
「三枝──」
ブラウスは未だ半脱ぎのまま。だが、美咲の上半身はほとんど露になった。
瑞々しい首筋、余分な肉のない腰回り。そして、よく育てられた果実のような二つの乳。外気に晒された桃色の乳首は、ぴんと勃っている。
その女体へ優一は手を回して抱き寄せた。二人の素肌が触れ合う。お互いの体温が伝わり合ってどこか安心した。
「あ……っ」
優一の左手が、美咲の乳房へ触れる。優しい力でありながら、包み込むように。
だが、ふにゅん、とした感覚に手のほうが包まれた。見た目以上に柔らかな美咲の乳肉。その感触をさらに味わいたくて、指に力を入れた。
「んっ、ぁ、……ん、内田、くん……」
陶然とした声が美咲の口から漏れた。熱い吐息とともに。
白くて豊満な乳房に、優一の五指が沈み込んでいる。視覚だけでも官能的なその光景に、手から伝わる熱と感触まであるのだからたまらない。
「すご……三枝の胸、めっちゃ柔らかい」
「ん……そう? ならもっと、触っていいよ──?」
優一を甘やかすようにというよりは、美咲自身がそうして欲しそうな口調だった。
その誘惑に抗わず、優一は愛撫を続ける。ぐにゅん、とゆっくりと円を描くように、それでいて大胆に美咲の乳房を揉みしだく。それを続けるほど、美咲の身体が熱を帯びていく。
「んは、ぁん……っ、ん……ぁ、ん、は……ぁ」
色香を孕んだ吐息が、雪崩のように美咲の唇からこぼれていく。
それをもっと聞きたくなった優一は、いじり方を変えた。広げていた手のうち、人差し指を膨らみの頂点へ触れさせた。桃色をした乳首へと。
「あっ……!」
一際強い声が漏れた。可愛らしく、それでいて色気のある声を。
触れた指先をくるくると動かす。小さいけれど固さを主張するその乳首を転がすように。
「あっ、ん、んンっ……はぁ、っ──ちくび、きもち、ぃ……っ」
ぞくぞくと美咲の身体が震える。快感のせいか、その身体がくたりと脱力しかける。それを、いつの間にか背中に回されていた優一の腕が支えた。
「いいよ。そのまま寄りかかってて」
「ン……うん、ありがと」
惚けた顔で頷いて、美咲は身体の力を抜いた。優一の左腕に彼女の体重がかかる。軽いな、と彼は思った。
そうして彼女を支えたまま、愛撫をまた始めた。今度は人差し指と親指で乳首をつまんで、くねくねとこねくり回す。すると、面白いくらいに彼女の反応が変わった。
「あっ……! っん、はぁ、あっ、あっ……す、ご……っ、きもちい──ん、ン
……っ」
荒い吐息と嬌声が絶え間なく漏れ出ている。体もびくびくと反応させ、時たまベッドがぎし、と軋む。
ふと、視界の端に動くものが映った。美咲の顔からそちらに目をやると、彼女の腰が動いていた。くい、くい、と揺らすようなその動きは、ある場所への快感を求めているようだった。
「三枝。こっちもいいかな」
「ん、え……?」
優一が手を離すと、美咲は名残惜しそうな目を優一に向けた。口の端からは涎が垂れていたが、本人は気づいていないようだった。
優一の右手が美咲の下腹部に触れる。その指の先には紺色のスカートに守られた場所がある。もじ、とじれったそうに太ももを擦り合わせていた。
「っ……うちだ、くん」
ごく、と美咲の喉が動いた。その視線はへそ下に触れている優一の右手に向けられている。
「いい、よ──」
はぁ、と吐息が多分に含まれた声で、美咲は頷いた。
優一もそれに頷き返すと、下腹部から一度手を離した。そして、紺色の布の下の不可侵領域に手を入れた。
部屋より僅かに暑い、ような気がした。そのまま手を動かすと、ぴと、と肌触りの良い感触があった。
「ん……っ」
美咲の下半身が強張る。
優一が触れたのは、彼女の下着。それも、一番大事なトコロを守っている部分だった。
じんわりとした熱が伝わる。熱のもとはここだったのかと合点すると同時に、ある感触に気づいた。
「三枝──濡れてる」
美咲の下着──それも股布の部分が湿っていた。
「えっ……? あ、ほんとだ──すご……」
惚けた美咲の瞳が、スカートに隠されたところをぼうっと見つめている。それは、その先の行為を待ち望んでいるようにも見えた。
かり、と優一の人差し指が触れている場所を刺激する。指先だけが掠めるだけの、羽のような刺激。だが、美咲の口からは甘い声が漏れた。
「ぁ……っ、ねぇ、内田くん」
「ん?」
「直接──触って……?」
我慢ならない、そんな様子だった。半開きの口からは荒くなった息が漏れ、上気した顔を優一へ向けている。
興奮している、と一目でわかる顔。きっと、他の誰も見たことがない三枝美咲の姿に、優一の我慢も効くはずがない。
「あンっ……!」
欲望のまま、下着の中へ手を入れた。指先からするりと滑り込ませ、蜜の源泉へと。
スカートの中とは比べ物にならないほどの熱と湿り気。手のひらには淡く茂る陰毛のちりちりとした感触が伝わる。
そして何より、指先が触れているぬめった粘膜が男の欲望を煽る。割れ目からは美咲の性欲がさらに溢れ出てきている。
「やば……こんなどろどろに」
「言わないで、よ……恥ずかしい」
「あ……悪い」
恨めしそうな目が優一に向く。だが、まんざらでもなさそうな口ぶりだ。
「ね……ナカに指入れて……?」
悪魔的な囁きだった。清楚で美人な顔を快感に緩ませて、さらなる快楽を求めている。欲望に忠実な、女としての三枝美咲。
優一は無言で頷いて、美咲の言葉に従った。中指をゆっくりと滑らせて入り口を探る。
「ん……っ、あ、っん……そこ、じゃなくて」
その不慣れな指が動くだけでも気持ちがいいのか、びくびくと身体が小さく震えている。だが、もどかしそうな声が優一を急かす。
「ここか?」
「あ、ちが……もうちょっと上……んっ、ぁ、あっ──!」
ちゅぶ、と指先が沈む感覚があった。それと同時に、押し上げられるような嬌声を上げる美咲。
言葉にされなくとも、ソコであることはわかった。美咲もそれ以上何も言わなかった。あとを任せるように、優一の腕に身体を預けた。
優一は彼女の意思に応えて、中指を動かした。指先が捉えた穴に、ゆっくりと突き入れていく。
「あっ、あ……っ、ん、ぁは……ゆび、はいって──ぁ、あっ、ぁン……っ」
ぞくぞくと背中を震わせながら、あられもない声を上げる美咲。それは、初めて知る快感にただ為すすべもなく支配されているようだった。
彼女の欲望を体現するように、侵入した中指を肉壁が締め付けてくる。それを擦りながら奥へと入れていくと、ぬちゅんといやらしい音が響いて二人の興奮を引き上げていく。
「ぁんっ、あっ、ん……は、おまんこ、きもちぃ……っ、もっと、奥まで……んっ、ぁ、あっ、いれて──」
吐息と嬌声が絶え間なく漏れ出す美咲の口。視線は天を力なくさまよっている。そこへ吸い寄せられるように、優一は顔を近づけた。
「三枝……」
「ぇ、あ……」
二人の色欲に染まった視線が絡まる。美咲の瞳が細められる。それだけで通じ合った。
「ん、え……れろ……」
美咲が物欲しそうに自らの舌を突き出す。唾液に濡れた粘膜は、部屋の明かりでてらついていた。
優一はそれをはむりと唇で挟み込んだ。びく、と美咲の身体が跳ねる。それに構わず、彼女の舌をじゅる、と吸い上げてやる。
「んっ、んンっ──! んっ、ぁ、ちゅっ……んむっ、はっ……んっ……!」
美咲は肩を震わせながらくぐもった嬌声を上げた。口吸いの快感が下腹部にもいったのか、脚までがくがくと揺らしていた。
淫らな反応に突き動かされるように、優一はナカに入れた指を抜き差しし始めた。中指のの根本まで押し入れてから、第一関節あたりまで引き抜く。
愛液で満たされた膣肉が擦れて、いやらしい水音が立てられる。ぬちゅぬちゅとしたその音に色香を孕んだ声が絡まり、二人の間の空気をピンク色に染めていく。
「っは……っ、あっ、ぁ……ん、内田くん……君のも、っん、気持ちよくしてあげる……」
美咲が吐息交じりに言う。その間もキスは続けたまま。
優一の股間のものは当然固さを主張し、黒の短パンにはちきれそうな膨らみを作っている。
美咲はそのズボンへ手をかけて下へ引っ張った。優一もそれに合わせて腰を浮かせる。
ずる、と下着ごと下ろされる。それを膝のあたりまで脱がしてから、美咲は手を離した。
そして代わりに、露出させたモノへ手を伸ばした。
「っ……さえ、ぐさ」
「んっ……おちんぽがっちがち……んっ、ちゅ、ぅ……しこしこ、するね」
資料室の時より熱を帯びた美咲の手。勃起した陰茎を包んだそれは、躊躇いもなく扱き上げてきた。
ぞくんとした快感がせりあがってくると同時に、優一の興奮がまだ一段と掻き立てられる。無意識のうちに、彼は美咲への愛撫を激しくし始めていた。
「あっ……! んっ、ぁ、あっ、ちゅ……んむっ、む、は──あっ、おまんこぬぽぬぽって……ぁ、あっ、きもち、イイ……っ」
美咲は自らの快感を恥じらいもなく声にしている。淫らな嬌声をあげ、艶のある吐息を漏らしながら。
濃厚な口づけを交わす二人の間には、フェロモンにも似たいやらしい熱気が漂っている。それが、彼らを這い上がれない快楽の渦へ堕としていく。
「三枝……っ、ん、は……ココ、気持ちいい?」
キスの頃の躊躇いなど優一にはとうに無く、美咲の気持ちいいトコロを探り当てていた。膣穴から進んで少し指を折り曲げたところ。そこに指先が擦れたとき、美咲はいい反応をしていた。
優一が尋ねながらソコをぞりぞりといじめると、美咲の脚がぴん、と伸びた。口で聞かずともそれが答えだった。
「あっ、ぁんっ……! ん、ぅん──あっ、ソコっ、ん、はぁ、アっ……そこ、好き──っ、もっといじめて……っ、んっ、ンんっ……!」
頷く代わりに優一の唇が美咲の口を塞ぐ。そのまま無遠慮に舌を突っ込んで美咲のと絡める。それだけで二人の身体は快感に震えた。
そして、美咲の要望通りに膣内を愛撫する。中指と一緒に人差し指までも突き入れて、彼女の好きな場所を弄ぶ。執拗に何度も擦ってやると、びくびくと身体が悦んでいた。
「んむ、っは……んっ、うちだ、く──んっ、ぁ、あっ、わたし、イきそ……アっ、あ、イク、ぁ、あっ……んっ、おまんこ、イかせて、ん、んぁ、はぁっ……!」
美咲の声に切なさが増す。
その言葉通り、絶頂の訪れを知らせるようにナカが締まる。白いソックスで覆われた彼女の足指は、快感に喘ぐように開いて閉じてを繰り返していた。
そして、快感の頂点を促すように、さらに激しく指を動かす。彼女の好きなトコロを攻めるだけでなく、性交を真似るように抜き差しをしてみたり。そうするほどに彼女の声は高まっていく。
「あっ、あっ、あ──イクっ、イっちゃう……っ、ん、アっ、ぁあっ、あっ、イくイクっ──!!」
びくん、と体をのけ反らせながら美咲は絶頂した。まるで雷に打たれたように、全身がびくびくと痙攣する。女の象徴である穴は、自らを快感の最果てに至らせたものを逃がすまいときつく締め付けてきている。
「んっ……ぁ、あっ、んむ……っ、ちゅっ、ぇろ……っん、んんぅ……」
彼女ががくがくと脚を震わせて快感に溺れている間も、優一は美咲の唇を塞いでいた。ただ彼自身が彼女とキスしていたかっただけではあるのだが、結果的に美咲の絶頂感を長引かせていた。
「っぷ、は……っ、あ、はぁ、は……ぁ、っん、は……」
ようやく波が引いてきたのか、張っていた彼女の体の力が抜けていく。それと一緒に優一も唇を離した。
深く舌を絡ませていたから、その余韻が糸を引いている。ぷつ、とそれが切れると同時に、美咲が口を開いた。
「イっちゃった……」
息も絶え絶えになり、だらしなく口から涎が垂れている。だが、赤くなった頬と満足そうな声色が、それを魅力的なものに昇華していた。
「イク、って……こんな感じなんだ」
「三枝、イったことなかったのか?」
優一は目を丸くした。
「うん。今が初めて。──君に、初めてイかされちゃった」
くす、と恥ずかしそうに、だが嬉しそうに目を細めながら、美咲は笑った。その笑顔は、誰もが恋に落ちてしまいそうなほどだった。
「三枝」
「え──? あっ……」
思わず、美咲をベッドへ押し倒した。というより、寝かせた。
とさ、と華奢な身体がベッドに仰向けに倒れこむ。彼女は状況がよく呑み込めていないようで、ぱちりと数回瞬きをした。
「あは……押し倒されちゃった」
まるで無邪気な少女のように、美咲は顔を綻ばせた。それは明らかにこの先の行為を期待していた。
「三枝……脱がすよ」
うん、と微笑んだまま美咲が頷く。
優一は生唾を呑み込み、美咲のスカートの中へ再度手を入れた。めくるほどの度胸はなかったから、手探りで下着に手をかけた。
彼女の秘部を守る最後の布。それを、するすると脱がしていく。太もも辺りまで来たところで、スカートから出てくる。
ベッドの傍らに畳んであるブラジャーと同じ、薄い紫のショーツだった。それを途中まで脱がせたところで、美咲が片足だけするりと抜き取った。
優一は、もう片方の脚からも脱がすことはせず、そのまま片足に引っかけた。あとは、まだ内股に軽く閉じられた両脚を開くだけ。
「あ……悪い。ゴムつけるからちょっと待ってくれ」
「え? あ……うん」
段取り最悪だな、と優一は内省した。
ベッド前のテーブルに置いてあるコンビニ袋に手を伸ばす。中をまさぐって小さな箱を取り出した。美咲と家に来る道中で、飲み物のついでに買っておいたものだ。
多少四苦八苦しながらも避妊具を自らのものにつけて、美咲に向き直る。
「別につけなくてもいいのに」
「そういう訳にもいかないだろ。妊娠したら大変だ」
それもそうだね、と美咲は笑った。
その反応に何となく違和感を覚えながらも、優一は彼女の両脚に触れた。両腕に軽い力を入れて、両側へ開いていく。まるで花びらを開くように。
それがM字に開かれると同時に、自然とスカートがめくれる。そうして彼女のすべてが露になった。
「────」
優一は言葉も出なかった。
白いソックスに白い肌。そして紺色のスカート。その全てが、さらけ出された美咲の秘所を際立たせていた。
血色の良いピンク色の肉ひだ。先ほどの絶頂のせいか、だらしなく愛液がこぼれ出ている。さらに、優一を欲しがるようにひくひくと入口が痙攣していた。
それをこれから自らの肉棒で味わうのだ、と考えると、それだけで射精してしまいそうだった。
「三枝、挿れるよ」
やっとの思いで優一はそう口にした。そんな彼に、美咲は微笑みながら頷きを返した。
腰を突き出して、彼女の濡れた場所に自らのものをあてがう。触れ合う互いの性の象徴。 ゴム越しながらも、その感触に鳥肌が立つ。
「ん……っ」
優一の腰に力が入る。先端が雌の入口を捉え、くちゅ、と水音を立てる。
そのままさらに力を入れると、容易く肉棒が飲み込まれていく。勃起した男根に愛液が塗りたくられ、ナカの粘膜がさらに奥へと誘う。
「ん、ぁ、あっ……おっき、い──」
陶酔するような美咲の声。それを鼓膜に染み込ませながらの挿入は、失神しそうなほど心地が良かった。
「三枝、入った……」
「ん──うん……っん、すご、い……奥まで、挿れられちゃった……」
汗ばんだ顔を緩ませて、美咲はそう漏らした。吐く息は荒く、興奮している様子が伝わってくる。
「ね。動いて──?」
控えめながら、待ちきれないといった声だった。
ナカに入れた亀頭が、彼女の最奥をこつんと押している。そして竿を包む膣壁は、ぴくぴくと何度も淡い締め付けを繰り返してくる。
美咲の身体も、この先の行為に期待しているようだった。
「いいのか?」と問うた優一に、美咲が頷く。それが合図だった。
「あっ……ンぁ……っ」
優一は、むっちりとした彼女の太ももを掴んだまま、腰を動かし始めた。
浅く引いて、また中に突き入れる。ぬちゅりとした柔らかい感触と共に、津波のような快楽が優一を襲った。
ぞくぞくん、と背筋に寒気のような感覚が突き抜ける。それはたった一度でやみつきになるほどの快感だった。
「んっ、あっ……ぁ、アっ──す、ご……っ、ナカこすれるの……っあん、あっ、ぅ、っく……きもち、ぃ──っ」
優一の肉棒が美咲の膣穴に抜き差しされるたび、彼女の口から甘い声が漏れる。既に彼女はこの性交の快楽に溺れ始めているようだった。
「三枝……っ、俺もめちゃくちゃ気持ちいい──っ」
「あっ、ん……っ、あは……っ、じゃあ、アっ、はぁ、っあ、もっとキモチよくなろ──? いっぱい腰振って、いいからっ……」
それは彼女自身の欲望なのか、柔らかな声で誘惑してくる。情欲で染まった優一の頭はそれを拒否するという選択肢などない。
太ももを握る両手に力がこもる。押さえつけるように指を食い込ませ、何度も腰を振る。ずちゅっ、ずちゅっ、と力強いそれに、美咲の口からはしたない声が漏れ出る。
「あっ、あっ、ぁアっ! んっ、あ……っ、おちんぽ、すっご……っ、ひぁっ、あぅ、あっ──あたま、ばかになる……っ、ん、あっ、もっと、アっ……もっとシて……っ!」
嬌声混じりにもっととねだってくる美咲。それに突き動かされるまま腰を動かす。
優一の意志とは無関係に激しくなっていき、美咲の体を揺さぶる。さらけ出された彼女の二つの乳房は、その動きでゆさゆさと揺れている。それがさらに優一の興奮に油を注いでしまう。
「あっ──! おっぱい、は……だめっ、あっ、んぁ、はぁんっ……!」
片手を太ももから離し、乳揺れを押さえるみたいに鷲掴みにした。ぐにゅ、という豊満な感触が五指に伝わると共に、その身体がびくんと跳ねる。それを好きに揉みしだきながら男根で奥を責めると、美咲の反応がさらに良くなった。
「あっ、ぁんっ、あっ、ンあ……っ! やっ、ぁ、あぅ……っ、おく、っ……おく、すっご、──ふぁ、あっ……っ! うちだ、くん……っ、ん、ンぁ、あっ……もっと、あっ、めちゃくちゃに、シてっ……!」
美咲は完全に快楽の虜になっていた。いやらしい嬌声を恥じらいもなく上げながら、淫らに身体をくねらせている。
ずぷずぷと彼女の膣口を優一の肉棒が抜き差しされるたびに愛液が際限なく漏れ出る。結合部の下の白いシーツはぐっしょりと染みが出来ていた。
優一の生殖器を包む膣ひだは、さらなる刺激を欲しがるようにきゅんきゅんと締め付けを繰り返している。擦れ合う快感と重なって、睾丸の中をぐつぐつをうずかせてくる。
だが、何より優一の意識を捉えているのは、彼女の身体でも肉穴でもない。
「三枝、さえぐさ……っ、やば、三枝、すごく可愛い……っ」
快感で緩み、淫らな表情を見せる美咲の顔だ。はあはあと余裕のない吐息を繰り返しながら、その瞳は物欲しそうに優一を見つめている。
「えっ……あっ、ん、だめ、っ……だめ、そんなこと、アっ、言わないでっ……ん、んンっ、ひぁ、あっ……!!」
きっと、学校で友達や彼女を憧れの目で見る男子に何度も言われているであろう言葉。だが、優一の何のひねりもないその言葉に、美咲はさらに顔を赤くした。
美咲の中で何かがうずくように、さらに締め付けがきつくなった。それに呼応して優一の抽送も激しさを増す。
「んっ、ん、ンっ! あ、はげしっ……あっ、ぅアっ、おまんこ、きもち……っ、あっ、あはっ……ぁ、ん……だっ、め……っ、あっ、イキそ──っ、イっく、ぁ、あっ……キちゃう──!」
手でした時と同じ、切なさに染まった声。それも、その時よりもさらに強く優一を求めるように声を上げている。
搾り取るような彼女の膣肉の動きに、優一も限界が近づいてくる。下腹部の奥で作られた白い塊が、どくどくと尿道を昇ってくるのを感じる。
「俺も、イクから──一緒に……っ!」
「んっ、うんっ……いっしょに、あっ、あぅ、ひぁ……っ、一緒にイこ……っ!!」
優一は彼女に覆いかぶさり、その唇を塞いだ。そして、全身で彼女を感じるようにその身体を抱きしめたまま腰を激しく振り動かす。
ぱんぱんと乾いた音にベッドの軋む音が重なる。それが繰り返されるほどに全身を焼くほどの快楽がせりあがってくる。
「んっ、んぇ、ちゅっ……ぅ、はっ……イく、イッグ、んむっ……っは、いっく、いくいく、イっくっ──!!」
びくん、と二人の身体が共鳴するように跳ねる。それと同時に、重なり合った互いの腰がぶるぶると震え始める。
どっくん、どっくん、と優一の欲望が彼の男根から吐き出される。それはゴムを突き破りそうな勢いで美咲の奥に向けて何度も脈動する。
「んっ……は、んむぅ……っ、れ、ろ……っ、ん、すご……せーえき、でて……っん、く……ぁ、む……ちゅ、ぅ……ぁ、きもち、ぃ……」
二人は薄く開けた目で互いを見つめながら、絶頂の快感に浸っている。びく、びく、と身体をその快楽に何度も震わせながら。
美咲のナカは、精液を一滴残らず搾り取るように強く締め付けている。避妊具に阻まれて子種が彼女を満たすことは叶わないが、二人にとっては中出しと殆ど違いない感覚だ。
「っは……」
絶頂の波が引くとともに、ゆっくりと唇を離す。夢中で貪りあっていたせいか、口の周りはどろどろになっていた。
「気持ち、よかったね……」
まだ興奮冷めやらぬといった様子で、美咲はこぼした。
「ああ……気持ち良すぎてめっちゃ出た」
目が合うと、どちらともなく笑い合った。同じ快楽を共有できたこと、お互いを満足させられたことが嬉しかった。
「……ねぇ」
ふと美咲がぽつりと呟いた。優一が「どうした?」と聞き返すと、彼女は口元を隠しながら目をそらした。
「もう一回、シたい……」
恥じらう乙女のような声だった。
え、と優一が固まっていると、美咲の目が彼に向けられる。そこには、「まだできるよね?」という意思が込められているようだった。
事実、中に入ったままの彼のモノはまだ固いままだ。優一はその視線に魅入られるように頷いていた。
「じゃあ……また、動かし──」
美咲がそう言いかけた時だった。ぶー、と無機質な音がそれを邪魔した。
優一が身体を起こしてその音のほうを見やると、ローテーブルに置いてある美咲のスマホが鳴動していた。着信を知らせる画面が映っている。
相手の名前は「父」と表示されていた。
「あ……三枝、お父さんから電話が」
「っ……」
美咲は逡巡する様子を見せた。だが、それもわずか一瞬のことだった。
「……いい。そんな人のことより、今は──今は、君と気持ちいいコトしてたい」
わずかに後ろめたさがあるような微笑だった。優一は僅かに迷いを見せたが、彼女の救いを求めるような目を無下にすることなどできなかった。
それから少しもしないうちに、部屋にまた淫らな音が響き始める。着信の不快なバイブ音は、乾いた音と軋む音、そして二人の荒い吐息に搔き消された。
そうして二人は、もう一回、あと一回と求め続け、その欲望が尽きたのは時計が頂点からさらに一回りした頃だった。事後はさすがに気まずさが残り、そそくさと服を着なおした。
そして、さすがに帰らないとまずい、と美咲は足早に彼の家を後にした。
「その、今日はありがと。また……しようね」
去り際の玄関で、優一にそう言葉を残して。