返事もしない。言葉も返さない。ただ睨みつけるだけ睨みつけてやる。
何を言ったって無駄なんだろう。もしかしたら、そんな私の抵抗だって彼を喜ばせてるだけかも知れない。
今度こそ、心だけは守ろうって思ってた。
でも、ただ身体だけを使われるなら、私の決意なんてなんの意味も持たなくて、
操り人形にされた身体に、もう心は必要とされてはいない。
もし、彼が、私の事を少しでも好きでいてくれたのなら、それならまだ少しは慰めにもなったのに。そんな逃げ道さえも彼は用意してくれなかった。
デリカシー…。意地悪な人。
抵抗しようと身体に力を入れて、でも結局、私の身体は彼の望む通りに動いてしまう。まずは形から、そんな言葉があるみたいに、言いなりになればなるほど、私自身、彼のオモチャになる事が当たり前の様に振る舞ってしまう。
考えることすら億劫になり、言われるままに身体が動く。
制服のワンピース。背中のファスナーを開くと、緩んだ肩紐がズレて、足元へと落ちていく。
白いブラウスのボタンを一つ、一つと、外していき、残った下着をさらけ出す。
薄い緑のブラジャーとショーツ。
少しだけ、お洒落をしたレースの飾りは、恋人に見せようとして、勇気を出した名残だった。
でも、そんなものも、もう必要なくなってしまった。
今の私の身体を、恋人に預ける価値なんてどれだけあるんだろう。
こんな人の言いなりにされて、言われるままに従って。
「ああ、いいな。やっぱり、なずなの身体は綺麗だと思う」
今、一番聞きたくない称賛だった。
耳を塞ぎたくてもそれが出来ず、私はただ俯き、下唇を噛みながらも、嫌悪感がひっくり返った様な喜びに耐える。
ブラのホックを外し、ショーツの端に指をかける。
服を脱いでいく最中にも感じる彼の視線。
視姦されている。分かっていてもどうしようもなく、彼の見ている眼の前で、自分の肌を晒していく。
夕日の差し込む校舎。
普段、自分が通うクラスの教室。
晒された白い肌は朱に染まり、夕日の影は長く伸びる。
学校っていうのは外の世界だ。
皆で同じ制服を着て、皆で同じ様に過ごす学生の時間。
普段の自分とは少し違う。学生としての自分を過ごす場所。
そんな場所で肌を晒す。心も身体も無防備にされて丸裸にさせられる。
ありえない、ありえない。
せめて服を着けたままなら まだ良かった。
いっそ、まだ全部裸の方がマシだった。
制服の赤いリボンと、黒い靴下だけ。
私に許された衣服はそれだけで、それが余計に恥ずかしい。
ただ肌を晒すだけじゃない、エッチな事をさせられる。
学生としてでもなく、女の子としてでもない。ただ、男の子の劣情を煽るためだけの格好に目眩がする。
赤いリボンは首輪の様で、黒い靴下は足枷 見たいだった。
彼に「しゃがんで」と言われただけで、私は姿勢を崩して床に膝をついてしまう。
「へぇ、なずな。もう濡れてるじゃん? もしかして、僕の舐めながら感じてた?」
「…っ」
「ふふっ。だんまりかい? そういうのも可愛いけどさ」
肌を撫でるヒヤリとした空気と濡れた感触。
それが、つぅっと垂れていくのに気づくと、私は慌てて太ももを寄せ合った。
クチュリ…。
その水音が、教室中に響いた気さえする。
冷えた愛液に感じる寒気のせいか、自身の興奮を目の当たりにしたせいか。
閉じた太もも。擦り寄せた内側に粘り付ついた感触が、嫌に生々しく感じてしまう。
その屈辱的な感触は、自分の痴態を思い返すのに不足はなかった。
教室の片隅で、膝をついて、手をついて、四つん這いにさせられる。
赤いリボンの飾る首元。黒い靴下が映えるふくらはぎ。そして、恋人から貰った髪飾りもつけたまま。
肌を晒して、裸にはなりきれないで、男の子の劣情を煽るためだけの格好をさせられた私は、無防備に、自分の女性器を彼の方へと差し出した。
エッチをするだけの、そう思われたって仕方のない格好。
自分の体を おちんちんに捧げるような体勢に、恥ずかしいのと悔しいのが一緒になって、心がバラバラになりそうだった。
「なずな。愛撫とかっている? もう十分濡れてるみたいだけど?」
「いらない…。早く終わらせてよ、誰かに見られたらアナタだって困るんでしょ?」
いっそ、誰かに見咎められればいいとも思う。
そうすればこんな事、もう終わりになるはずなのに。
断ち切れない恋人への未練が、未だに好きだって思える人の顔が、私にそれを選ばせなかった。
こんな風に身体を汚されて、もう、恋人にあげられる初めてなんて残って無い。
それでも私は、まだ女の子でいたかった。年相応の、普通の恋が惜しかった。
「そうだね。誰かに見つかっちゃったら、なずなも彼氏に捨てられるんだろうし。困るよね?」
「彼はそんな事っ、話せば分かってくれる…はずだから」
「じゃあ、呼んで見る? 教室で待ってますってさ?」
「やだっ、やめてっ!! それだけは…ほんとにっ、お願いだからっ!!」
脱いだ制服を漁る音。私のスマホを探る彼の姿を横目にしても、私は身体を動かすことさえ叶わない。
震えて、泣いて、叫んで。こんな格好の私を見る恋人の視線を想像しただけで、どうにかなってしまいそうだった。
結局。口では信じてるって言っても、私は恋人の事を信じてなんかいなかったんだ。たとえその気持ちに嘘はなくても、恋人を信じようとしている自分自身がもう、一番信用できていない。
「エッチしていいから。私の身体、使っていいから…お願いだから」
教室で裸にされて、四つん這いにさせられながら、涙の代わりに愛液を流す自分の女性器をクラスメイトへと差し出す。
どんなにされても、抵抗だけはしていようって、そう思っていたのに。私はどうしてこんなに弱いのか。言いなりになる自分の体が酷く恨めしくて、素直に快感を求める身体が酷く羨ましい。
「冗談だよ、なずな。ごめんね? 僕だって邪魔はされたくないからさ」
優しい言葉に頭を撫でられただけで心が軽くなる。
だって、後はもうエッチされるだけでいい。
今更だ、何回も身体を重ねてるんだ。そんなの、ただ流されるまま、彼が射精をするまで身体を差し出す作業みたいなもの。
だったのに、彼に触れられただけで嬉しくなってる自分がいた。
「んっ、あっ…♥」
お尻を掴まれる。おちんちんの先端が、私の割れ目に充てがわれるのが分かる。
筋を開き、濡れそぼった割れ目を更に広げられると、それは思ったよりもあっさりと、私の中に挿っていってしまっていた。
「んんぅっ! あ、はぁ…。ぇ、うそ…なんで、もう…」
決して、緩いわけじゃない。けれど、私の膣はあっさりと彼のモノを受け入れてしまっていた。
まるで、彼のおちんちんの形を覚えてしまっている見たいに。
異物感は確かにある。窮屈でも、満たされていて、おちんちんの先端が奥まで届くと、身体を浮かす刺激に重い溜息を吐いてしまう。
肌を重ねた分だけ身体はおちんちんに慣れていき、ついにはもう、待ち望んで待ち侘びて、それに満たされる喜びに震えていた。
「あははっ。なずなも、もうすっかり僕とのエッチに慣れたみたいだね」
「違うのっ。こんなのは、勝手なこと言わないで…」
違う、違うって、その言葉を振り払いたい。でも、それが出来ない。
私の中で おちんちんが脈を打つ。
早く射精がしたいのか、強く、強く、脈を打って期待に打ち震える。その期待を受け取った膣壁がざわつきだすと、抱きしめる様に おちんちんに絡みついていった。
締め付け、絞り上げ、吸い付くように勃起した おちんちんを包み込む。
下腹部に生まれる強い快感。熱いその塊が刺激され、精液を欲した膣は、おちんちんを求めてしまう。
ズルリ…。
おちんちんが抜けていっただけで、空っぽになった膣が寂しくなった。
早く満たして欲しい、彼のモノで一杯にして欲しいと、淫らな欲望が膣をうずかせ、浮ついた腰が揺れ動く。
広がった雁首に、膣の背中側をこそがれて背筋が震え上がった。
正面からとは違う感覚。その初めての快感に、変な声を上げさせられる。
「ひゃっ、やだっ!? そこ…ばっかり、しちゃ、んふっ、はぁっ、あっ♥」
快感を逃がそうとしても、掴まれたお尻を揺らすぐらいしか出来なかった。
掴まれて、使われて、気持ちよくさせられる。
そうなるともう、ダメだった。
大きくなる快感にそれ以外の全部を白く染められていく。
最初にあった屈辱も、羞恥心も、全部飲み込まれて、その葛藤でさえも快感に変えられていくのが分かってしまう。
悔しい。でも気持ちいい。
恥ずかしい。でも気持ちがいい。
快感の中で藻掻けば藻掻いただけ、惨めな自分をどこか遠くに哀れんでいた。
おちんちんに深い所を舐められ声が出る。
それはカラオケの時にされた感触に似ていて、そのままグリグリと責められると、強い快感が私から抵抗を奪い取っていった。
心と、身体が、快感で繋がる。赤いリボンの首輪と、黒い靴下の枷を嵌められ、快感の鎖で繋がった心と体は、私を犬みたいに喘がせた。
「はぁっ、はぁっ、んふっ、はっ、くっ、ふぅ、ふぅ…はぁぁ、あぁっ♥」
ゾクゾクと背筋が震えて、尻尾を振るみたいに腰が揺れる。
「どうしたの? なずな? いつもより激しいけど、そんなに気持ちいい?」
「ちがう、ちがう…の。気持ちいいわけなんかじゃ、あっ、やっ…いいから、早く、おわってよぉ…っ!」
でも、この快感を自分からは手放せない。
心が壊れていくのが分かるのに、もうそれを抑えていられない。
おちんちんが気持ちいい。散々に教え込まれた身体は、この快感に抗えなくなっている。
もしかしたらって、そう考えるのが怖い。
恋人とエッチしても、もう満足できなくなってたら?
ううん、それだけならまだいい。感じてる振りでも何をしてでも、好きな人との時間は守れる。
でも、恋人でも、透くん でもなく、ほかの誰を相手にしても、感じてしまう程に、自分の性がだらしなくされていたら。
こんな事になるなんて思ってもなかった。
ただ普通に恋をして、初めての幸せを二人で確かめていく。
そんな普通の経験さえも奪われて、もう後戻りも出来ない場所まで来てしまった。
「あっ! やだっ、奥やめてっ。そんな、されたら、あ、あ、イッちゃっ、わた、変になるからっ、気持ちいいのきちゃって、ダメ、だめ…んんぅっ♥」
「あははっ。なずな、ここグリグリされるのすきだもんな」
「すきじゃないっ、すきじゃないぃっ。だめっ、だめだめだめだめ…ぁ」
頭が真っ白になる。全身が硬直して下腹部に力が入ると、お腹の中で暴れる おちんちんの刺激が鮮明に伝わってくる。
深い所をグリグリと擦られ、絶頂に達したまま次の絶頂の予感に触れていた。
「あ、あ、ぃ、あぁぁっ!! イッて、今、わた、まって、まっててばぁ…ぃゃぁ、もう、やめ…やだぁ」
締め付ける膣肉を掻き分けて、乱暴に繰り返される抽挿。奥を何度も小突かれ、その衝撃に嬌声を上げさせられた。
おちんちんが引き抜かれていく。広がった雁首に膣の襞を捲くられて、身体が身悶える。強い快感に意識が引きずられ、休む暇もないままおちんちんが戻ってくると、再び深い所まで埋め尽くされていく。
快感の絶頂。達してるのに、達したままに、それが終わってくれない。
快楽に溶けた身体は、より強い快楽を訴えて、絶頂が終わらないまま次々と快感を生み出し続ける。
「はぁぁっ、んふっ、ほんとに、無理だからっ、わたし、まだ、ふぁっ♥」
甘くとろけた声。それが、自分でも信じられなかった。
絶頂の最中、膣の向こうが緩んでいくのが分かる。
腰が勝手に持ち上がり、角度を変えると、勃起を強くした おちんちんに、そこ引っ掛けられた瞬間だった。
頭の奥で、快感の火花が白く飛び散った。
屈服と、屈辱、嫌な文字が頭に浮かぶ。
嫌いな人の おちんちんでイかされて、感極まった身体はあっけないほど簡単に、私の一番大事な所を開きそうになっている。
「ん…これ。なずな、良いの? 大事な所、緩くなってるみたいだけど?」
「しらないっ、しらないっ。そこは、違うところだから、そんなんじゃ…」
「そうなんだ。じゃあ、も少し虐めてあげようか?」
「やだっ、やめっ…んふぅっ、あっ、あぁぁっ!」
どうしようもなかった。どうにもならなかった。
腰を抱えられ、おちんちんが深い所で向きを変えると、その先端が子宮の入り口を舐めはじめる。
気持ちいい。それが気持ちいい。
膣への刺激なんかじゃ物足りない。
もっと本能的な、女の子の欲望に訴えかけるような刺激だった。
もっと気持ち良くなりたい。早く精液が欲しい。
セックスの与えてくれる報酬、快感の代償。
妊娠。こんどこそ孕んでしまうかもしれない。
ゾクリと、身体が震えた。
目の前がチカチカとして、視界が定まらない。
床の上で体勢が崩れる。ついには腕で身体を支えていられなくなり、腰を浮き上がらせたまま、上半身を教室の床に投げ出してしまう。
ひんやりとした感触が、情事を繰り返した肌に心地いい。
握った手の平に、硬い床の感覚が滑っていく。
それでも、強すぎる快感に寄る辺を求めた私は、手近にあった机の足を掴まえると、それを頼りに握りしめていた。