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荒い息をつく奈月に水輝が軽く口づける。次いで水輝はゆっくりと腰を前後させた。蠢く奈月の膣壁がペニスに残っていた精液を扱き出す。奈月はぶるりと身を震わせて深い息をついた。
「水輝、さん。とっても、好きです」
奈月は水輝を見つめて微笑みを浮かべて言った。水輝が苦笑してああ、と頷く。それから水輝は慌ただしく周囲を見回し、奈月の耳元に唇を寄せた。
「おれも奈月が好きだよ」
水輝の囁きを聞いた奈月は驚きに目を見張った。これまで奈月は水輝に好きだと言われたことがない。それらしいことは何度も言われてはいたし、奈月からは水輝に好きだと告げてはいた。だが水輝は一度もはっきりとは言った事がないのだ。
「あっあの! わたしに言っちゃだめです! 紫さんに言わないと!」
慌ててそう言って奈月は首を横に振った。すると水輝が顔を上げて不思議そうに奈月を見つめる。その顔はどことなく赤い。
「え? 立城には言ったけど?」
まあでも、何度も言うのもあれだし。そう言葉を濁してから水輝が余所を向いて頭をかく。
「でもっ! 紫さんを差し置いて、わたしに言っちゃだめですから!」
「いや、あのな?」
真剣そのものの表情で告げた奈月を水輝が困ったように見つめる。やがて水輝はため息をついて腰を引いた。膣内に入ったままになっていた水輝のペニスが音を立てて抜ける。
「立城にはちゃんとプロポーズする時に言ったし」
顔を赤くしたまま、水輝がそう言って照れくさそうに頭をかく。
「あの、一度だけじゃだめですから! 何度言っても大丈夫です! それは、毎日言う必用はありませんけど」
がば、と身を起こして奈月はその場に正座して真剣そのものの顔で言った。すると水輝がまともに引きつる。奈月は膝の上に手を乗せ、じっと水輝を見つめていた。やがて水輝が諦めたようにため息をつく。
「悪い。そんな何度も言えねえ」
ベッドの上にあぐらをかいた水輝が疲れたように言う。それを聞いた奈月は焦った。もしかしたら水輝は立城と交わる際にすら、好きと言わないのではないだろうか。
「あの! 言葉できちんと想いを伝える事は大切なことだと、わたしは思います」
もしかしたら水輝はその言葉の持つ意味の重要性に気づいていないのかも知れない。そう思った奈月は懸命に水輝に訴えた。すると水輝が奈月を見つめ、次いで天井を仰ぐ。力なく呻いた水輝は額を押さえてがっくりと肩を落とした。
「だから、プロポーズの時に言ったんだからいいじゃん」
そっぽを向いたまま、水輝がぼやくように告げる。奈月は悲鳴を上げそうになって慌てて声を飲み込んだ。殆ど睨むように水輝を見ながら奈月は言葉を継いだ。
「それだけじゃだめです! 紫さんとその、えっと、一緒に寝る時は必ず言ってさしあげてください!」
「だって一緒に寝ないし」
奈月の叫びにも似た言葉に水輝がさらりと返す。奈月はそれを聞いてあんぐりと口を開けた。水輝が頭をかきながら奈月に向き直る。
「ほら。こないだの騒動から立城も忙しくなってさ。おれが先に寝ちまって、あいつ、おれより先に起きるし。それにおれ、夜は他で寝ることもあるし……」
言いにくそうに言って水輝が奈月から目を逸らす。奈月は引きつる頬を手で押さえ、ため息をついた。
「それではだめですっ!」
じわりと目に涙を浮かべて奈月は大声で言った。すると今度は水輝が引きつる。
「だ、駄目って……あの、奈月? そんなむきにならなくても……ほら。立城も忙しいし、おれもすげえ暇って訳でもなくて……」
あー、と呻いて水輝ががっくりとうなだれる。それからため息をついて水輝はのろのろと顔を上げた。
「あっ、そうですね。今は紫さんも忙しいですし。でも!」
頷きながら言って奈月はこぶしを固め、胸まで持ち上げた。ぐっ、と力をこめて水輝を真っ直ぐに見る。
「一段落ついたら、お二人で旅行に行かれるべきだと思います」
スキーとか温泉とか。そう力説する奈月をしばし黙して見てから水輝がそうだなあ、と平坦な声で言う。
「北の方にはちょっと気になることあるしな。別に行ってもいいが……その場合、立城は邪魔になりそうだな」
途中で声を低くして水輝が眉を寄せる。思案顔で告げた水輝を奈月は悲しみの目で見た。どうも水輝は二人でのんびりと旅行するという状況が理解出来ていないらしい。
「あの、この件については、わたしから紫さんにお話します。任せてください」
この調子では水輝は新婚旅行などもする気がないらしい。そのことに気づいた奈月は気合をこめてそう告げた。すると途端に水輝が渋面になる。
「いや、北の件は地面と相性が悪そうだから、立城とは行きたくないんだが」
そう告げた水輝を奈月は涙の滲んだ目で睨んだ。どうして水輝は女心がこうも判らないのだろう。きっと立城は新婚旅行を楽しみにしているに違いないのだ。そう確信しつつ奈月は首を横に振った。
「出張なされるのは仕方ないですけど、その前に、紫さんと旅行に行ってください! 別に海外旅行でもかまいませんし!」
力説しつつ奈月は腰を浮かせた。無意識のうちに水輝ににじり寄る。水輝はおいおい、と呟いて奈月を押し戻した。再び奈月が正座したところで水輝がため息をつく。
「海外ねえ……。特に用がないし、行く必要もないだろ。それに、立城と旅行なんて何のためにするんだ?」
悉く奈月の夢を粉砕する発言をして水輝が首を傾げる。あああ、と力なく呻いて奈月はため息をついた。
「わかりました。プランも含めて、わたしに任せてください!」
やはりここは、新婚旅行のことを全く理解していない水輝には任せられない。奈月はこぶしを天井に向けて力強くそう言った。そんな奈月を見つめ、水輝が眉を寄せる。だが水輝がそれ以上、反論する前に奈月はベッドを飛び降りた。そうとなれば早速、話を進めなければならない。何しろ六月に婚姻を結ぶカップルというのは異様に多いのだ。結婚式場は如月老と呼ばれる泰蔵が押さえてくれたらしいが、旅行までは誰も世話していない筈だ。
「ちょ、ちょっと待て! 奈月!」
慌てて言う水輝を余所に奈月はベッドの下に転がっていた靴を履いた。
「まず、紫さんに会ってスケジュールを押さえてきます」
ベッドに残った水輝にそう言って、奈月は返事も待たずに屋敷から転移した。
出たw 無意識な羞恥プレイw