エロシーンです。(機械ですが)
婚約パーティの様子は望まないのに見せ付けられた。どうやら自慰をしている間も世俗から完全に切り離されてしまわないよう、ニュースの類はディスプレイに流れる仕組みになっているらしい。渚はぼんやりとディスプレイを見つめて小さく息をついた。今、ディスプレイに映し出されているのは渚の股間の様子だ。
自慰をし続けても壊れないよう、渚の横たわるベッドには自動修復機能がつけられているようだ。機体と連動したメンテナンスベッドは今、女性器ユニットを洗浄している最中だ。磨耗した部品を取り替え、洗浄が終了するとまた自慰をしなければならない。渚はぼんやりとディスプレイを見つめながら微かな声で歌を歌っていた。
殺してくれると確信していたのに。渚はそう思いながら水輝に教わったマザーグースの歌を歌い続けていた。あの時、確かに水輝は渚に殺意を抱いていた。その思惟を読んだ渚は心の底から喜んだ。なのに結局、水輝は渚に力を揮うことはなかった。
その後、渚はこのメンテナンスの個室に移された。平たく言えば自慰を続けさせるためのベッドに乗せられ、今までずっと同じ動作を繰り返しているのだ。狭い個室には無駄な飾り等は一切ない。あるのは機体の部品が詰まった小さな棚と端末、モニタ画面、そして天井にある大きなディスプレイだけだ。
生ぬるい洗浄液が女性器ユニットに注がれる。渚はその感触に身震いして息をついた。金属製のアームが小さなたらいを挟み、渚の女性器ユニットにあてがっている。その中に使用済みの洗浄液が流れて落ちる。画面上に映し出される光景に渚はため息をついた。
水輝は立城にプロポーズし、二人が婚約したことを公表した。そして同時に水輝と立城の間に生まれた子供として多輝が紹介された。その様を渚は生中継で見た。そうなることは判っていたのに、実際に二人の並ぶ姿を画面越しに見た渚の胸には強い嫉妬の念が湧いた。
こんな感情、なければいいのに。水輝が立城を好いていることは判っていた。だが実際に水輝が立城に結婚を申し込む段になった時、渚の中でそれが初めて現実になったのだ。強い嫉妬の念は渚の機体にストレスをかけた。ヒューマノイドの機体になってしまった渚は、本人が望んではいないのに欲情する羽目になったのだ。
そんな渚を水輝は強姦に近い格好で抱いた。そして渚は嫌だと思う傍ら、激しい快楽を覚えていたのだ。優一郎に指摘されたことは間違いではない。紛れもなく渚は虐げられる格好で抱かれてこれまでになく感じてしまっていたのだ。
作業を終えたアームがベッドの下に引っ込む。洗浄液の溜まったたらい等を片付ける音がしばし続いた後、渚の股間部分で開いていたベッドの口は静かに閉じた。ディスプレイの画面が切り替わり、再びニュースが流れ始める。渚はそれをぼんやりと見つめ、プログラムで組まれた通りに自慰を再開した。膝を軽く立てて股間を指先で探り、片方の手で乳房を揉む。
生き恥だと思う。こんな無様な真似をし続けてまで、何故生きなければならないのだろう。だがそう思う心の片隅には浅ましい自分の姿を水輝に見て欲しいという願望が眠っている。それを渚は意志の力だけで懸命に抑えこんでいた。快楽だけを求めてねだりたいという、強い欲求もある。だがそれに従ってしまえばとんでもないことになる。それも渚はよく知っていた。
分かたれた紫翠の記憶は今はない。だが渚はかつて覗いたその記憶の片鱗を少しだけ覚えていた。水輝にとって渚の存在は諸刃の剣なのだ。絶大な力を発揮する鍵にもなるが、同時に水輝が滅ぶ危険性も伴っている。そのこともあって渚はこれまでずっと水輝に抱かれることを拒絶していたのだ。
あの人。渚は股間と胸を弄りながらぼんやりと考えを巡らせた。誓約の選択を迫られたあの時、立城は唇だけで水輝の名を刻んだ。だがそれは今の水輝の名ではない。だがそのことを立城は自覚してはいないだろう。
渚は細い指先でしばらくクリトリスを捏ねてからそっと手を滑らせた。洗浄されたばかりの股間には水分が多く残っている。タンクに補填された人工の愛液が膣内から漏れてくる。次第に快楽が強くなり、渚は欲望の赴くままに膣口に指を入れた。指で執拗に膣口を弄っているうちに、感じていた羞恥や後悔、嫉妬の念が消えていく。渚はこのベッドに横たえられてから、徐々に物事を正常に考えることが出来なくなっていた。女性器ユニットを洗浄する合間だけ、平常の思考することが許される。渚はうっとりとした眼差しをしつつ指を膣の奥に運んだ。
脳裏に水輝の姿が浮かぶ。渚は甘い声でねだりながら腰をひくつかせた。それはちょうど、中学生だった頃の渚の様そのものだった。あの頃と違うのは、人目を気にする必要がないことだけだ。渚は腿を左右に大きく開き、激しく喘ぎながら懸命に水輝を呼んだ。
「あっ! んぁっ! 水輝……」
あの日。水輝から受け取った紫宝珠は様々なことを渚に教えてくれた。本来、紫宝珠は記憶を司る。水輝に渡された紫宝珠には何故か紫翠の記憶が転写されていたのだ。
いけないと知りながら渚はそれを盗み見た。そして渚はかつての木龍神と砂夜と呼ばれた夜叉の関係を知った。紫翠の名を持つ木龍神は夜叉の砂夜と交わるという禁忌を犯し、龍神の手にかかって殺された。だから本来なら紫宝珠に紫翠の記憶が転写されるということはあり得ない。何故なら龍宝珠はその主である龍神が死した時、龍宝珠界というこことは別の世界に送られるからだ。
なのに水輝が渚に渡したのは、紛れもなく紫翠の紫宝珠だったのだ。
「あっ! 水輝……水輝っ! 私を見てっ!」
甘い声でねだりながら渚は膣壁を指で嬲った。同時にクリトリスを擦って腰を跳ね上げる。
水輝相手だと、というのがポイント。