とりあえず説明が入ります。
エロシーンはありません。
一段落したので色々、考えないと 1
機体を修復してもらった後、立城は優一郎から事件の大まかな流れを聞かせてもらった。どうやらとりあえずはけりはついたらしい。解決までの話を聞いた後、立城はだがしばしここに置いてくれと優一郎に頼んだ。その代わり手伝いはするから。そう言った立城に優一郎は笑顔で頷いてくれた。
「立城さん、それで、以前お尋ねしてお返事をいただいていないことがあるんですけど」
斎姫の機体を修復する傍ら、優一郎が告げる。立城はああ、と頷いてちらりと台に乗る別の機体を見た。メンテナンス台には多輝と鈴が乗せられている。要は先に改造され、今は蒼を相手に模擬演習中だ。
「秘書型のヒューマノイドの開発の件? だったかな」
そう言いながら立城は軽く手を捻り、斎姫から漏れ出そうとしていた光をそっと力で包んで静かに戻した。いま、斎姫の機体には立城の持っていた紫宝珠と金宝珠がこめられている。傍に立城がいるからなのか、それとも斎姫と根本的に相性が合わないのか、下手をすると勝手に飛び出してきてしまいそうなのだ。
「はい。散った立城さんの使い魔の代わりに、吉良瀬の企業体を統括する仕組みをでっちあげようかと思ってたんですけど」
立城さんが復活された今、不要ですよね? 一度、分解された斎姫の女性器を組み立てながら優一郎が言う。立城は眉を少し寄せて肩を竦めた。
「そっちはお願いしたいかな。実は今、ちょっと使い魔を作ることまで出来なくて」
実際には一度は試したのだ。が、立城の予想を大幅に裏切り、出来た使い魔は今の立城の男性体と同じように小学生程度の大きさの器になってしまった。頭の方は特に問題はないのだが、その器では対外的交渉などに当たることは出来ない。そのことを立城は優一郎に説明した。
「もちろん、優一郎くんが嫌でなければ、だけどね」
説明の後に立城はそう付け足した。すると優一郎が困ったような顔で笑う。
「小学生の容姿では無理ですね。如月老との交渉のこともありますし、計画を進めることにします」
小さな待ち針のような部品が斎姫の股間に嵌る。立城はごめんね、と優一郎に詫びた。
「君には苦労ばかりかけてしまうね。本当はこんなに迷惑をかけるつもりはなかったんだけど」
そう言いつつも立城はほっとしていた。何故だろう。相手が優一郎ならある程度のことは任せてしまっても大丈夫な気がするのだ。少し考えてから立城はああ、と納得した。今のこの機体の状態では立城は優一郎がマスターということになっている。恐らくそのために奇妙な安堵感があるのだろう。立城は自身の感情の動きをそう理解した。
「一応僕は、息子ですからね」
優一郎が屈託無く笑う。そうだったね、と立城は苦笑した。
あの時。優一郎は懸命に水輝と渚を救おうとしていた。本来なら自分が為すべきである筈のことに、優一郎は真剣に取り組もうとしていた。ある事を成功させるのは力の大きさが問題なのではない。気概、人望、そして誠意が絶対に必要だ。
そして優一郎は見事にそれを成し遂げてしまった。見た目には水輝を直接的に救ったのは別の誰かに思えるかも知れない。が、恐らく本質は違うのだろう。
立城はあの時、渚の記憶を受け取ることは出来なかった。結局のところ、時は全てを読んでいたのかも知れない。あの場に水輝が龍体で現れた瞬間、立城は記憶を手にすることを諦めた。あそこで水輝に引き渡さなければ、きっとこの辺り一帯は廃墟と化していただろう。
でも、そう簡単には開けないよ。立城は心の底で呟いた。何故か酷く嫌な予感を覚えて立城は水輝に引き渡す前にあの記憶を珠の中に封印してしまったのだ。
封印が解かれる日がいつになるかは判らない。が、しばらくはもつだろう。立城は斎姫の女性器のカバーを優一郎に渡しながら密かにため息をついた。
「斎姫とも、ゆっくり話をしないと」
ふと優一郎が呟く。立城はああ、と呟いた。
「彼のこと?」
立城がある程度の力を取り戻したということは、同時に木村当主である順の状態も回復に向かっているということだ。……尤も、今回の件に順もかなり関わっているようだ。その気配ははっきりと読めないが、紅の断罪の光を見ていなかった訳ではないだろう。
「いえ。これからのことを話さないと。ずっと、斎姫とはきちんと意志を通わせてなかったから」
「そうか。……そうだね」
真剣に言う優一郎に立城は呟くように答えた。それから立城はくるりと後ろを向いて別のメンテナンス台に乗る多輝を指差した。多輝の背には銀色の輝く翼がある。あれから数日経つというのに多輝の翼が消える様子はないらしい。
「ねえ。これ、どうするの?」
翼を伸ばして眠る多輝の横顔はまるで童話に出てくる天使のようでもある。見目的にはこのままでも十分だろうが、実際には放置はしておけないだろう。しかも多輝自身の力では恐らくこの翼をしまうのは無理だ。
「しまえるようになるまで、このままで居てもらってもいいかなとか思ってるんですけど駄目ですか?」
言って優一郎が笑う。立城は苦笑して肩を竦めた。
「いつになることやら、だね。その間は性別も固定されるだろうし」
勿論、外には出られないね。立城はそう付け足した。続いて隣の台を見る。そこに眠っているのは鈴だ。
淡々と始まりましたw
でもこの話けっこー酷いですw