※この作品はR-18です。

魂の座 四部 苺の季節   作:伊駒辰葉

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エロシーン……じゃないんですけど……。
股間から出すのは仕様!!w


保美とカレンは休むつもりだったのに

 ああ、疲れた。そう言いながらカレンが部屋に入ってくる。穏やかな心地でテレビを眺めていた保美はにっこりと笑ってカレンを振り返った。

 

「お帰りなさい。それで、どうだったの?」

「ああ、まあまあってとこかね。使えないってことはないだろうけど」

 

 まあ、試作機にしては上出来じゃないの。そう言いながらカレンが保美の隣に腰を下ろす。長い脚を組み、上にした方の足をぶらつかせながらカレンがテレビを見やる。その隣で保美もじっと画面を見つめた。

 

 映し出されているのはニュースだ。保美はコーヒーカップを傾ける手を止め、カレンを見やった。視線を受けたカレンが無言で傍の長机から空のカップを取り上げる。保美は半分ほどコーヒーの減った自分のカップをカレンに手渡し、変わりに空のカップを右手に握った。

 

 スカートをめくり上げて片方の足を椅子に乗せる。開いた保美の股間にあてがわれたコーヒーカップに入れたてのコーヒーが注がれていく。

 

「ミルクは?」

 

 保美はカレンにそう尋ねた。するとカレンがそうだね、と笑って保美の股間に手を伸ばす。下着を着けていない保美の股間は常に晒されている。クリトリスに直に触れられた保美は微かに声を上げて身を震わせた。スイッチを入れられると同時に保美の機体の中で低い音がして、コーヒーを通る管とミルクポットに繋がる管が入れ替わる。ほどなく保美の尿道口の位置から白いミルクがカップに注がれた。こちらもコーヒーに合わせて適温に温められている。

 

 入れたコーヒーをカレンに手渡し、保美は再び椅子に腰掛けた。機体内でコーヒーフィルターとコーヒーの滓が細かく切り刻まれ、瞬間的に乾燥された後、ごみはまとめて小さなカプセルに詰められる。システムが新しくなったため、以前に比べてごみの量は格段に減っている。今では一度、コーヒーを入れるごとに出るごみは一握りにも満たない。グラムで言えば三十程度か。機体内部の動きを頭の中できっちりトレースしながら保美はまたテレビに目を向けた。

 

「……あーらら。ウチがいない間に随分とあっけなく倒れたもんだね」

「物事は回り始めると終焉まではあっという間に進むものよ」

 

 小さく笑って保美はコーヒーカップを傾けた。今はどのテレビ局もニュースで木村インテグレーションの経営破綻についての報道が繰り返されている。中でも特に目を引くのが、首脳陣の汚職についてだ。報道関係者達も特にその点に注目しているのか、流れるニュースのトップで必ずキャスターがその件について触れる。何度も脳内でシミュレートした結果を眺めながら保美はのんびりとコーヒーを啜った。

 

 膿は早急に出さないとね。ニュース画面を見つめて保美は何気なくそう呟いた。すると隣に座っていたカレンが小さく笑う。地下一階の工作室は狭く、壁が頑丈な金属で作られているために音は響き易い。が、防音材を壁の向こうにかませてあるため、室内の音は外部には漏れ聞こえない。

 

「相変わらずぞくっとするほど怖いね、仁科は」

「あら、どうして?」

 

 不思議に思いながら保美は首を傾げた。口許にこぶしをあてがったカレンが楽しそうに笑う。

 

「だってこれってさぁ。結局、手を下したのって仁科じゃなくて果穂だろ?」

 

 にやにやと笑いながらカレンがするりと保美の肩に手を回す。ふふ、と小さく笑って保美はカレンの方へと身体を傾けた。

 

「果穂には情報を提示してみせただけ。たまたま果穂の興味を引くものがその中にあっただけ。端末を見せて欲しいと言われたから少し見せてあげただけ。……その結果が例えこれであっても、私は何の関係もないわ」

 

 果穂は元々、木村を相当恨んでいた。そんな果穂に保美はあえて手に入れた情報をみせた。勿論、果穂が興味を示すことは最初から判っていた。結局、木村インテグレーションは内部から崩壊し、もう取り戻しのつかないところまで壊れてしまっている。きっと再建も不可能だろう。ここまでの騒ぎになれば、木村側が手放すに違いない。

 

 そして当の会社に流れる予定だった商品の多くは、本来の価格よりずっと安い値で市場に流され始めている。それを保美が押さえたところで何らの罪はない。

 

 流通する商品には数に限りがある。そして中でも安く質のいいものは買い手が殺到するため、早期に品切れとなる。しかも企業単位で押さえられれば競争率はそれだけで一気に上がる。その辺りの面倒を一気に解決する方法があれば、誰でも試したくなる。そう、保美は判り易くカレンに説明した。

 

「……最悪の場合でも部長に迷惑がかからないように、か」

「そう。最悪の場合は果穂を切るだけで済むもの」

 

 平然と保美は言い切った。例え実の妹であっても、保美にとっては一体のヒューマノイドに過ぎない。その意義は他のヒューマノイドと全く変わらないのだ。

 

「カレンはこんな私は嫌い?」

 

 保美は肩に寄りかかりながらカレンを上目遣いに見上げた。カレンが困ったように笑って保美の髪に頬擦りする。

 

「そんな訳ないじゃん。ウチは仁科がいっとう、好き。仁科が行く道なら例え嫌がられてもついて行くよ」

 

 そう言いながらカレンが保美の頬に手をかける。保美はされるがままに口づけを受けた。しばし深い口づけを交わしてから保美はあら、と小さな声を上げてテレビを見た。このまま保美を押し倒すつもりだったらしいカレンが怪訝そうな声を上げる。

 

「どうしたんだい?」

「ほら。このニュース」

 

 保美は目を丸くしてテレビの画面を指差した。お堅い報道番組から一転して、芸能関係のニュースに移った番組の中で吉良瀬の文字が記されている。まるで噂話をしているかのような気軽さで、キャスターやコメンテイターが会話をしている。

 

「吉良瀬当主が婚約って……」

「……おいおい。ホントなのかい? これ」

 

 二人はしばし呆然とテレビ画面を眺めた。




ご休憩でエロシーンに雪崩れ込む予定が変わりました。
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