※この作品はR-18です。

魂の座 四部 苺の季節   作:伊駒辰葉

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要のターンですw
エロシーンはありません。
ここから五章になります。


五章
わたくしの学校に何の用ですの!? 1


 それはいきなり校門から飛び込んできたらしい。巨大ロボットの操作練習をグランドで行っていた要は、騒ぎの報せを受け、急いでロボットを降りて生徒たちの集まる校門に向かった。

 

「なっ」

 

 生徒たちの人垣をかき分けて進んだ要は絶句して目を見張った。黒塗りのロールスロイスがもの凄い数のバイクを引き連れた格好で停車する。要は目を白黒させながら車とバイクの様子を伺った。ロールスロイスは無残に車体が傷ついている。その後ろを固めるバイクは型もサイズもまちまちだ。しかも乗っている人間も様々で、若い者からいい年をした者までバラエティに富んでいる。

 

「ちょっと! わたくしの学校に何の用ですの!?」

 

 大声で喚きながら要は腰に手をあててふんぞり返った。バイクに乗った連中はなぜか警察官風だったり、看護婦のようだったり、土建屋のようだったり、猟師風、ウェイター風と様々だ。そんな連中が声を上げた要に注目しておお、と声を揃える。どうやら感心されているということは判ったが、要はそこで退かなかった。恐々と遠巻きにする生徒たちを余所に、要はロールスロイスの運転席に近付いた。

 

「ちょっと、聞いてますの!? わたくしの学校に何の用だ、と問うているのです!」

 

 要が声を張り上げた時、運転席のドアが開いた。現れた人物を見て要は絶句した。タキシードを着込んだ水輝が両手いっぱいの花束を抱えている。要は思わずため息をついて水輝に見とれた。

 

「ごめんごめん。ちょっと急いでたもんだからさ」

 

 にっこりと笑いながら水輝が言う。まあ、と呟いて要は無意識に手を差し出した。すると水輝が違う、と首を振る。

 

「これは要のじゃない。……後、頼むぞ」

 

 水輝が苦笑を要に向けてから車の中に声を投げる。てっきり花を自分がもらえるのだと思い込んでいた要はちっ、と舌打ちをした。

 

 唐突にもの凄い音を立ててロールスロイスの後部席のドアが開く。

 

「ちょっとぉ! アタシをどこまで付き合わせるつもりなのよぉ!?」

 

 大声で喚きながら一人の女性が車から降りる。それを見た要はおや、と目を細めた。年の頃は三十代というところだろうか。女性を頭からつま先まで見つつ要は腕組みをした。だがどうも身体のこなしが三十代にしては鈍い気がする。それに骨格の形もどことなく風変わりだ。それを見取ってから要はぱちん、と指を鳴らした。

 

「あなた、オカマですわね!?」

 

 そう言いきって要はびしりとその女性らしい人物を指差した。するとその女性がずんずんと大股で要に近付く。

 

「あなた、うちで働かない!?」

 

 唐突にそう言って女性が要の手を取る。そんな女性の後頭部を水輝が容赦なく張り倒す。その場に沈んだ女性がいたぁい、と情けない声を上げる。

 

「商売の話は後にしろ。おら、てめえが一番力あるんだから働け」

「もー、暴力反対」

 

 ぶつぶつと言いながらその女性が車の中を覗きこむ。女性が両腕に誰かを抱えて再び車から出る。それを見た要はぎょっとして息を飲んだ。女性は腕にぐったりとした立城を抱えている。それを見たのだろう。遠巻きにしていた生徒……主に男子生徒からどよめきが上がる。

 

「ちょっと待ってください!」

 

 焦ったように言いながら車から飛び出してきたのは鈴だ。鈴は自分の着ていた上着を慌てて脱ぎ、立城の体にかけた。立城は何故か裸だったのだ。鈴に続いて車を降りたのは奈月だ。奈月は手に小さな衣装ケースを持っている。要は順繰りに彼らを見てからため息をついた。

 

「とにかく、こんなところに車を停められては迷惑ですわっ。全員、グランドに駐車なさい! 野木! 周藤! この車を動かして!」

 

 きびきびと命令を飛ばしてから要はぎらりとバイクに乗る連中を睨みつけた。するとまたおお、という声を連中が上げる。要の声に飛んできた野木がロールスロイスの運転席に乗り込む。周藤はたむろする生徒を追い払い、バイク連中の誘導を始めた。

 

「悪いな、要。ついでに地下に案内してくれ」

 

 水輝が片手で要を拝む格好をして言う。要はほほほ、と高く笑ってから頷いた。

 

「いいですわっ。水輝様の頼みですもの。聞いて差し上げてよ!」

「……お前、おれのこと様つけるくせに嫌にえらそうだな」

 

 水輝のぼやきを無視して要は先頭を切って歩き出した。こちらですわ、と振り返って声をかける。水輝たちを連れて要は地下施設の入り口に向かった。たどり着いた入り口の前で振り返る。

 

「優一郎さまの許可を頂きますから少々お待ちくださいませね」

 

 要はそう断ってスカートの中に手を突っ込んだ。クリトリスを所定の位置まで回してえへん、と咳払いする。

 

「優一郎さま、要です。水輝さまが……ひぃふぅみぃ……三人の客人を連れてまいられているのですが」

 

 振り返って人数を勘定してから要はそう言った。

 

『要さん、ご迷惑をかけてすみません。水輝さんから連絡は受けています。今扉を開きます』

 

 優一郎から返事を貰った直後、金属製の扉が音もなく開いた。要はにっこりと笑ってその場に佇む彼らを促した。




要はいつも自分街道まっしぐらです。
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