千葉県の片田舎
壮大な山々に囲まれ、外界の者を拒むかのような俗世と離されたこの集落
村の者はみな、訪れる平凡な日常を先祖たちが残した遺産であると語り、1日1日を大切に過ごしている
そんな、穏やかな村だが、一年に一度だ、外界の者を受け入れ執り行う神聖な儀式が存在する
村の長を中心に催されるソレは、代々1人の男と1人の女によって成り立つ 何の為にこのような儀式を始めたのか、それはもう分かる由もない
しかし、幸か不幸か今年は儀式が始まってちょうど200年目にあたるそうだ
通例の行いとは違い、今年は更に儀式の重要さを尊重しなくてはならない
外の者から見れば、ソレのあまりの異常さを感じ取るはずだがここではソレは当たり前なことに過ぎない
例えそれが、愛する人を狂わせるとしても........
祭り当日とあってか村は朝から活気付いていた。
昨日、着いたときは老人しか見えなかったが意外にも若者も多く見られた。ここには雪乃みたいに祖父母に会いにやって来る連中もいるようだ。
子供は夏祭りらしく小さな浴衣に袖を通し、早く行こうと親を急かしている。
正直、子供のあの純粋な輝かしい目は俺の腐った目には直射日光以上にダメージがくる。
雪乃「ゾンビの目が今まさにこぼれ落ちようとしているのだけど」
子供からの目からビームにやられていると隣を歩く雪乃から毎度お馴染みの文句を言われる。
八幡「今まさに、両耳の穴が貫通しそうなのだけど」
雪乃「あら、あなた耳フェチなのだから、私の声で貫通させられるなら本望でしょ?」
なぜ、俺の癖がバレているのだ。こいつの前では極力抑えてきたつもりなのだが。
八幡「勝手に人の癖語るなよ。俺よりお前の方がよっぽど癖持ちだろ」
雪乃「なっ///// そ、そんな事ないわ! 私は常に淑女として振る舞っているわ」
淑女が耳の甘噛みで軽く昇天するかね
これまで幾度と雪乃とは体を重ねてきたわけだが、その度に雪乃の極上の裸体に引きずり込まれていく感じがしてならない。ぶっちゃけ彼女の体は男の理想そのものである(一部を除く)。撫でても全く抵抗のない白く透き通る素肌、美しい曲線を描くウエストに形の整ったお尻、そして小さいながらもしっかりと女性を象徴する胸。その一つ一つのパーツが雪ノ下雪乃を形成している。
そして、その体を俺にしか許していないという事実がますます俺の男の部分を高ぶらせる。しかし、そんな彼女も夜の営みに興味はあるが挿入以外の行為はまだ抵抗があるらしく開花待ちといった状態である。
雪乃「なにかよからぬことを考えてないかしら?」
八幡「気のせいだ」
相変わらず俺のパートナーは勘が鋭すぎる。これでも性格は出会った頃と比べたらだいぶまるくなったのだが、、、
性格と言えば、この村の住民は礼儀正しい人ばかりで人情深さを感じる。すれ違うたびに俺たちに向かって深々と頭を下げ挨拶をしてくる。あまりの丁寧さに戸惑いを感じつつ、俺たちも挨拶を返していった。途中、葉山と陽乃さんペアとも遭遇したが、別れ際にすれ違った老夫婦に向こうも丁重に挨拶されていた。
ただ、気になったのは挨拶する時の視線がずっと雪乃に向いていたことである。まるで俺の存在など見えていないかのように。それはまた、葉山も同様であり雪乃と同じ視線を彼にも送っていた。
会場の下見も終わり、いろいろグダグダしていたらちょうどいい時間になったので、雪乃と祭りを巡ることにした。屋敷で着付けを終えた雪乃の浴衣姿は唯一無二の存在であることを再認識するほど高麗で天女さながらの神聖さを醸し出していた。
祭りでも彼女は相変わらずで金魚すくいなんか獲物を捕らえるライオンのように鬼気迫っていた。その結果、祭り史上最高捕獲数を記録しドヤ顔をしていたのはいうまでもない。
そうして、一通り屋台を楽しんだ俺たちは帰路につこうと会場の神社を後にしようとしていた。しかし、屋台でいろいろ飲み食いしてしまったこともありトイレに行きたくなってきた。
八幡「すまんがちょっとトイレ行ってくるわ」
雪乃「ええ、わかったわ。迷子にならないでね」
八幡「小学生じゃあるまい」
雪乃に一言残して俺は便所を探した。大抵、こういうのは人ごみの少ない端っことかに設置されていることが多いため俺は薄暗い境内を歩いて行った。
ひぐらしの声が鳴り響く道を進んでいくと開けた場所に出てきた。そして、そこそこ大きい木造の家屋がポツンと佇んでいた。トイレにしては少々大きすぎる気もするが念のため入口を探してみることにした。途中、小さな木の格子窓から中を伺えたが、ろうそくの灯がじわじわと揺れているだけの空間があるだけで人の姿は見えなかった。ここにトイレはないと思い、俺はその場を一旦あとにすることにした。
用を済ませ、雪乃と合流し屋敷に着いた俺たちは祭りの賑やかさに多少の疲れを感じつつもしっかり感じた祭りの楽しさを共有していた。
18時を回った頃、雪乃がふと声をかける。
雪乃「このあと、私はお祭りのお手伝いをしてくるからあなたはここで待っていてね」
八幡「こんな時間からか? お前も疲れがあるだろうしまた別の機会にでもいいんじゃねーか?」
雪乃「......そうもいかないのよ。これも村のしきたりみたいなものだから」
八幡「.....そうか」
雪乃の顔から先ほどまでの笑みが消え、何か決心したようなそんな表情を浮かべていた。ふと見ると雪乃の手が細かく震えており、そんな重労働なのかと疑問を呈したがあえて深くは掘り下げなかった。
そのかわり、彼女の手を包みこみ、
八幡「どんな仕事かしらねーが、めんどくなったらいつでも逃げればいいんだからな」
一応、励ましのつもりで彼女に檄を送ったつもりだが
雪乃「....クスッ、そこで逃げを選択するの、いかにもあなたらしい考え方ね」
八幡「ほっとけ」
彼女からこぼれた微笑に俺は少しの安堵を覚えた。
雪乃「.....ありがとう。がんばってくるわね」
なにかが吹っ切れたのか先ほどよりも前目な気持ちの彼女を俺はしっかり見届けていった。
雪乃を見送ってから2時間ほど経った。以外にも時間がかかるみたいだ。ついでに何時ごろに帰るかも聞いておけばよかったな。こんな田舎の屋敷にWi-Fiなんてないだろうからハマっているアニメを観ることもできない。本の一冊でも持ってくるべきだったと後悔していると、襖が静かに開いた。雪乃が帰ってきたと思い顔を上げると、そこにはこれまた顔が整いすぎている雪乃の姉の陽乃さんがそこには立っていた。
八幡「何か用ですか」
陽乃「相変わらずその嫌そうな顔、さすがだね」
このようなやりとりも慣れてきた頃であるがやはりこの人相手だと肩に力が入る。
八幡「そりゃどうも。 すみませんが陽乃さんの相手をする元気は残ってないんで葉山にでもあたってください」
というか一緒に来てるんだから最初からそのつもりで連れてきたんじゃねーのかよ。と、心の中で一言零したが
陽乃「あー、あいにく隼人は今お取込み中でねぇ」
八幡「もしかして、葉山も祭りの手伝いに駆り出されてるんですか?」
陽乃「まあ、そんなところかな」
だったらなぜ俺や陽乃さんは呼ばれてないのか、ますます謎が増えてきた。
陽乃「ねえ比企谷くん」
八幡「なんですか」
陽乃「お祭り、楽しかった?」
八幡「屋台も回れましたし多少は楽しめましたよ」
陽乃「そっか」
八幡「.......あの、なんなんですか? 言いたいことがあるなら言ってください。そんな躊躇いいらなくないですか」
いつもと様子が違う陽乃さんに違和感を覚えた。先ほどの雪乃といい、なにか隠していて、でもそれを口にはできない歯がゆさが垣間見える。
俺の発言のあと、しばらく静寂が生まれたが、
陽乃「ねえ比企谷くん」
八幡「なんですか」
陽乃「このお祭り、君にはどう映る?」
八幡「どうって、よくある田舎の賑やかなお祭りくらいにしか思わないですけど」
何を言いたいんだ
陽乃「もし、君が見た祭りが本当の姿じゃないとしても?」
八幡「....え?」
広い部屋に透き通る彼女の声はどこかとおくを眺めているようなそんな声色をしていた。
陽乃「雪乃ちゃんたちは本来のお祭りを執り行うために出て行ったのよ」
八幡「本来の祭りってどういうことですか」
はやる気持ちを抑えつつ俺は問い続ける。
八幡「雪乃は何をしているんですか」
陽乃「知りたい? だったら見せてあげるから付いてきなさい」
そうして廊下を歩いていく彼女を俺はただついていくしかなかった。
昼間の賑わいと違い、夜は辺り一面静まり返っており、多少の不気味さも漂っていた。ひたすら陽乃の後ろを歩き続ける。そこに会話などなく目的地に向かって歩を進めるのみ。
しばらく歩いていると、先ほどの神社にやってきた。しかし、そこに人の気配などなくこんな所で祭りが行われているのか不思議でならない。すると、今まで沈黙していた陽乃さんが
陽乃「こっちだよ」
誘われるような声を耳にし彼女の方を向くと、そこは俺がトイレを探して進んでいった道だ。その道を陽乃さんは進んでいく。俺は訳が分からないまま彼女に従っていくと、やがて先ほど見た家屋が視界に入ってきた。しかし、夕方のときと違うのは家屋の周りには松明が灯され、村の住民であろう人たちが家屋にむかって祈りを捧げている、なんとも異様な光景である。
宗教的な狂気さに怖さを感じていると
陽乃「ここが本当のお祭りが執り行われる場所」
八幡「なんなんすかこの村は。 もしかしてカルト宗教の村だったとかいうオチですか」
陽乃「そうかもしれないね」
異様な光景を目にしても表情一つ変えない陽乃さんだが、いくら探しても雪乃の姿はない。
八幡「あの、陽乃さん。雪乃はどこに」
ボソッと彼女に聞こえるように尋ねてみる。
陽乃「......雪乃ちゃんが気になる?」
八幡「....? そもそもそれが目的でここまで来たんですが」
陽乃「...................................」
八幡「....................................」
陽乃「わかった。 こっちだよ」
道を外れてついていくと、これまた先ほどの格子窓に着いた。窓からは中からの光がこぼれている。
それと同時に聞こえてきたのは
「...........アアッ/// ンアッ........イヤァッ/// ンンッ.....」
非常に聞きなれた彼女の声、それも熱を帯びた、そういう行為でしか聞かない喘ぎ声であった。
頭の整理ができないまま咄嗟に窓から中を覗くとそこには
互いに生まれたままの姿で性器を交わす雪乃と葉山がいたのであった。