「それで、どうすればいい?」
羽美はもう色々吹っ飛んで、ちょっとしたマッサージみたいなものだと割り切っていた。ちょっとえっちで、ちょっと気持ちよくなってしまうだけのマッサージ。
下手なら下手で面白いし、上手いなら上手いで、まぁ、それはそれで、程度に考える事にしたらしい。
故にパーカーを脱いで、色々シてもらう体勢になっていた。
「そうですね……ベッドに腰掛けてください」
「はいはい」
生徒に促され、素直に従う教師。
そんな羽美の後ろに彩芽は陣取った。
「後ろからスるの?」
「はい。私の顔が見えては集中出来ないでしょうから」
その言葉に羽美は少し感心した。確かに彩芽の顔が見える状態だと色々居た堪れないかもしれない、と。よく考えてるもんだな、流石百戦錬磨、と。
「では、触れていきますね?」
「はいはい」
どこから触れられるのだろう、と少しだけワクワクしながら待っていると、
「おっふ」
ふにゅん、と背中に柔らかいものが当たった。
「……荒川さんってけっこう大きいよね」
「あはは……先生と同じくらい、でしょうか」
「ふふ、かもね」
両者とも、普通の服を着ようとすると乳房の下に空洞が、いわゆる乳カーテンが形成されてしまうほどの大きさだった。
故に色々苦労している、と妙な共通点を発見して思わず笑いがこぼれる。
「男から結構見られるでしょ」
「そうですね。学校でもそれなりに」
「だよねーわかるー」
「あはは……では改めて」
そうして、羽美は背中に当てられた感触が大きくなるのを感じ、
「あ」
身体に彩芽の手が触れた瞬間、その一文字を漏らした。
「……大丈夫ですか?」
「い、いや、大丈夫、大丈夫」
耳元で囁かれて何やらゾクゾクするものを感じながら、羽美はなんとか平静を保つ。
……触れられたのは肩。そっと置かれただけ。
「では続けますね?」
「う、うん」
そのまま、さすり、さすり、と柔らかく肩や腕が撫でられる。
その感触に、羽美は焦った。
あ。とは即ち「あ、これヤバい」の一文字目だった。
ぞくり、と悪い意味ではない感覚が身体を襲う。
肩に置かれたしなやかな手の感触。それがあまりにも今の自分に、発情してしまっている自分に適合し過ぎていて、未だ性的な事をしていないのにも関わらず、このまま触られたら間違いなく気持ちよくなってしまう、と一瞬で分かってしまった。
「……っ」
彩芽の手が優しく動く。肩から腕から、腰からお腹から、羽美の密かな緊張を解きほぐすようにしてゆっくりと動く。
「……胸は、触らないんだ」
だがそこだけには、あからさまに触りやすい場所に触れられる事はなかった。
「はい。……あまりお好きではないですよね」
「……よく分かるね」
羽美はこの無駄に大きな胸が嫌いだった。感度が特別に良い悪いなどではなく、ただ単純に好んでいない。
故に、それを看破されて内心とても驚いていた。
だから、このまま彩芽に身を任せようと、そう思った。
「……ん、ふ……」
そこ以外が撫でられ続ける。胸がダメならばもう
その効果は覿面で、羽美は身体が少し熱を持ってきていると感じていた。発情していた気分が更に高められていくのを感じていた。
「は……ん……ん……」
擽るような刺激。決して強い刺激ではない。だがそれが最適解とばかりに彩芽の手指は動き続ける。
それに対して羽美の呼吸はだんだん深くなっていき、部屋の湿度が少しずつ高まっていく。
「ぁっ……」
主に身体の上半身を撫でていた彩芽の手が、下半身に差し掛かった。
「んっ……ん……」
脚を撫でられた瞬間、ゾクリ、と何かが羽美の背筋に走り抜ける。
素肌の表面を彩芽の指先が滑っていくような手付き。手の平を使わずに、指先だけを使って触れるか触れないか絶妙なラインを動き回り、ぴくん、と羽美の身体が微かに揺れる。
「は、ぁ……ん……」
一度揺れてしまったものは止められなかった。
彩芽の指の動きに連動するようにして、ぴくん、ぴくん、と脚が揺れる。
背中に自分のものと同じくらい大きく柔らかいものを感じながら、羽美は間違いなく快感を覚えていた。
「ん……んっ……んっ……」
太ももを撫でていたものが、だんだんと内側に寄っていく。脚の敏感な場所が、淡い快感に染まっていく。
膝から身体の中心へ、その直前からまた膝へ、何度も何度も彩芽は往復する、じわじわと、身体が温められていく。
「んっ……は、ん……」
深くなる。身体の中心へとどんどん近付いていく。
ホットパンツの縁に指先がかかるようになり、入っていいですか、と彩芽は無言で問い掛ける。
だから、羽美は少しだけ、脚を開いた。
「ぁっ」
「は……ぁ……んぅ……っ」
彩芽の左手は脚を撫でたままに、右手が、指先がそこを上下に優しく撫でる。
思わず少し前屈みになる羽美だったが、そこへの刺激が止む事はない。
「んっ……は、ぁ……ん……っ」
すり、すり、と表面をなぞっていたものが、くにゅ、くにゅ、とだんだん沈み込むようになっていく。温めるだけだった動きが、快楽を与える動きへと変化していく。
「ふっ……んっ……ぁ、ん……っ」
ぴくん、ぴくん、と身体が揺れる。彩芽が敏感な場所を掠める度に揺れる。
あそこの形を確かめるようにして只々上下にゆっくりと撫でるその動きに、羽美の吐く息が濃くなっていく。
「ぁ……っ」
唐突に、気付いてしまった。
そこが、濡れている事に気付いてしまった。
「ゃ、ぁ……ぁっ……んぅ……っ」
だが発情のギアが上がる。こんな些細な愛撫で濡らしてしまった自分に興奮してしまう。
そんな教師に教え込むかのようにして、彩芽はそこを念入りにほぐし始めた。
「ん、ぁ……荒川、さん……っ」
くちっ、くちっと小さな、耳を澄ませていなければ聞こえないような小さな音が鳴る。
それがたまらなく恥ずかしくて、羽美は思わず彩芽の名を呼んだ。
「お嫌でしたか……?」
「……嫌じゃ、ない、けど……」
「では続けますね……?」
だが耳元で囁かれると、抵抗の意志が削がれてしまう。このまま気持ちよくなって良いのだと安心感さえ抱いてしまう。
「んっ……んっ……ぁ、ん……っ」
だから、どこか力の入っていた身体を、僅かに前屈みになっていた身体を背後の彩芽に預けた。
大きな柔らかい、乳房という名の極上のクッションが羽美を受け止める。
「は、ぁ……あっ……ん……ん……っ」
ホットパンツの中に隠されている黒の下着に染みが現れ始める。身体と心が彩芽を受け入れたが故に、そこが、おまんこの入口が綻び始める。
「んっ……んっ……ぁ、は……っ」
上下に、おまんこの入口から敏感な場所、クリトリスまでが上下に撫でられる。
ぬるぬるの入口を撫でられては肌が粟立つような感覚を覚え、クリトリスを撫でられては背筋に何かが走り抜けるような感覚を覚える。
「あっ……んぅ、んっ……ぁ……っ」
じんわりと、潤いが広がっていく。彩芽の指が動く度におまんこが濡れていく。
動きはゆっくりではあったものの、羽美は恍惚の息を吐くほどにその淡い気持ちよさに浸っていた。
「んっ……」
上下していた指が止まる。上端に移動する。
これから明確な気持ちよさを与えるという無言の宣言に、羽美は少しだけ身を緊張させた。
「は、ぁぁぁ……っ」
だがそれはすぐに解れた。
ビリビリするような快感を予測していたのに、訪れたのは甘い甘い快感。
「んぅぅ……あっ、ぁぁっ……んん……っ」
腰が蕩けそうだった。
クリトリスで味わった事が無いほどの蕩けるような気持ちよさが羽美の身体中に広がっていく。
彩芽は下着越しにそこで円を描くように撫でているだけ。羽美がオナニーする時と同じような動きの筈なのに何故こんなにも違うのか、と頭の片隅に浮かぶものの、それさえも蕩けていく。
「あっ……んっんっんぅ……っ」
彩芽の指の下で、下着の中でクリトリスが硬度を増す。蕩けながら、そこだけは緊張していく。
だから羽美は、柔らかな背もたれに寄りかかりながら、もっとして欲しいと無意識に脚を更に開いていく。
「ぁあ……ん、はぁ、あ……っ」
ひくん、ひくん、と身体が微かに揺れる。快感が体現される。
布地さえ動かないような焦れったい刺激。なのにそれだけで充分満足出来るような不思議な感覚。
「んぅぅ……ぁっあっあっ……っ」
だから彩芽はそれを続ける。もっとして欲しいという声なき声を読み取り、柔らかな刺激を与え続ける。
だんだんとクリトリスが育っていく。もっと触ってとばかりに硬く大きく育っていく。
「あっ……ゃ、い、く……そのま、まぁ……っ」
羽美は少しだけ背を反ってその体勢を取る。腰を僅かに彩芽の指に押し付ける。
クリトリスに気持ち程度圧がかかる。表面だけを可愛がられていたものが、ほんの少しだけ中身に干渉する。
だが彩芽の動きは変わらない。ゆるゆると円を描くだけ。それだけなのに、羽美は昇っていく。
「ゃ……ぁっ、あっ、あ、あっ……!」
身体が熱くなる。
吐息が熱くなる。
腰が勝手に動く。
彩芽の腕の中、羽美は絶頂の準備をする。
固定される。一番気持ちいい体勢で固定される。一番気持ちいいやり方で固定される。
早くもない。遅くもない。強くない。弱くない。だから快感が止まらない。
クリトリスから全身を蕩けさせる快感が溢れる。
おまんこが人知れず開閉を繰り返し、快感の証明が次から次へと生み出されて下着の染みが広がっていく。
何かに縋りたくて、彩芽の両腕を羽美が掴む。
止まらない。快感が止まらない。
昇る。昇っていく。
そこに向けて、理想の経路で連れていかれる。
だがそれは、静かなものだった。
「ぁっ、んぅぅ……んっんっんっ、はぁ……ぁっあっあっあっ、んぁあ……っ‼︎」
羽美の身体中に、快感が広がった。
淡い、包まれるような快楽。暴れ回るものは一切ない、穏やかな絶頂。
ひくん、ひくん、と身体が緩やかに跳ねる。少しだけ溢れた快楽をゆっくり放出していく。
その間もクリトリスは優しく撫で回される。形を崩さないような強さに戻って、ゆるゆると頂点をあやされる。
彩芽の腕が、きゅっ、きゅっ、と身体の脈動に合わせて握られる。
耐え難いものなんて一切ない、どこまでも味わい続けたくなる。
もっと、なんて、言葉は要らない。言われずとも彩芽は最適解を与え続ける。
だから羽美は浸る。ぬるま湯のような心地よさに全身を浸らせる。
最後に少しだけ身体を震わせ、穏やかな波は去った。
「は……ぁ……んっ……」
大きな満足感があった。少しの愛撫なのに、充分気持ちよくなる事が出来た。
「……ね、ねぇ、荒川さん」
だが発情は止まらない。この程度の満足感では満たされない。寧ろ今のは準備運動、とばかりに疼きが先程よりも大きくなっている。
「はい。お任せください」
彩芽は、全てを言わせない。羽美の願望を正確に読み取る。
「では、失礼しますね?」
「……うん」
羽美は、耳から染み込んでくる声にゾクゾクしたものを感じながら、閉じかけていた両脚を開き直し、彩芽はホットパンツの中で下着の縁に手をかけた。