「ではまず、ベッドに乗っていただいて……」
「う、うん」
大変な事をしようとしている。そう思う鈴であったが、彩芽から誘われるままに靴を脱ぎ、ベッドの中心へと移動した。
「スカートと……出来れば下着も脱いでいただいた方が良いかもしれません」
「しっ、下着もっ⁉︎」
……スカートを脱ぐ、という事のハードルも高い筈なのだが、あそこを晒け出すという恥ずかしさの方へ鈴の思考は割かれてしまっていた。
「いえその……脱がなくても出来るのですが……」
「だ、だよね!」
「……その、濡れてしまいますので……」
「うっ」
そりゃそうである。
「無理強いはいたしませんが……替えの下着は持ってますか?」
「な、無い……」
「であれば、その……」
「うぅぅぅぅ」
困った顔を見せる彩芽。
その表情を見ても逡巡する鈴であったが……しばらく、だいぶ悩んだ末、決心した。
「……見ないでね」
「はい、見ません」
彩芽はそう即答し、ベッドの上に正座しながら目を閉じる。
その姿を数秒見つめる鈴であったが……まだ躊躇していた……ついに、今度こそ決心して脱ぎ始めた。
膝立ちになりながら横のファスナーを下ろすと、パサリ、とベッドにスカートが落ちる。
そこから現れたのは小さな青いリボンで彩られた純白。下級生の前で、これからそういう事をする目的でこの白を晒してしまった事に赤面する鈴であったが、何かを吹っ切るように膝を浮かせ、足先からスカートを抜き去った。
続いて手を掛けられたのは下着。だが完璧には吹っ切れていない。手がそれ以上動かない。こんな場所で、こんな状況で、誰かの目の前でそこを晒す抵抗がやはりどうしても越えられない。
だが思い出す。
『皆様にたいへんご満足していただいてます』
ドクン、と心臓が脈打った。
そうだ、この子に任せれば、すごく気持ちよくなれる。気持ちよくしてもらえる。
だから、躊躇っている場合じゃない。早く、早く準備しなきゃ。
その白が、何かを焦るかのようにずり下げられた。
現れたのは無毛の丘陵。
オナニーが大好き過ぎて、オナニーを頻繁にし過ぎてて、故にオナニーの邪魔になるから、という事で綺麗に全て剃ってしまっていた恥丘。
だから人には見せたくなかった。己の性欲の強さを象徴しているようで、見てほしくなかった。
だが、もうその気になってしまった鈴は、その白を完全に脱いだ。
「……脱いだ、よ」
スカートと下着を畳んでベッドの片隅に置き……下着はスカートの中に隠した……ブラウスの裾を下に引っ張ってそこを隠しながら彩芽に声をかける。
見られやしないかと、見咎められやしないかと心臓が早鐘を打っていた鈴であったが、ゆっくりと目を開いた彩芽は鈴の目を真っ直ぐに見つめてきた。
「はい。それでは膝立ちになっていただいて」
「……うん」
そんな事をしてしまったら見えてしまう。一瞬そう考える鈴であったが、下半身に視線をやらない彩芽のその姿に安心し、指示通り……裾は引っ張ったまま……ベッドの上に膝立ちになった。
「そのまま私の膝を跨いでいただいて」
「ち、近くない……?」
「その、触れませんから……」
「うっ……だよね……」
もう充分に恥ずかしい格好をしているのに未だ決心出来ていない鈴であったが、もう引き返せないところまで来たのだと自分に言い聞かせ、おずおずと、膝を使って彩芽の元へと前進した。
「はい、ありがとうございます。では手を私の肩に」
「……そうしないと、だめ……?」
「ダメというわけではないのですが……」
そんな事をしてしまったら、見えてしまう。
最後の最後まで躊躇しまくりな鈴。だが彩芽は少し困ったような、柔らかい笑みを浮かべる。
「そうしていただいた方が姿勢が安定するのと……皆様、結局その体勢が一番楽だ、と仰いますので」
「そう、なんだ……」
だが、皆がそうしている、というフレーズに鈴の心が動く。
それに加え、脱いだ後は下半身に目をやらず、ずっと目を見てくる彩芽の姿にどこか真摯な姿勢を見出す。
だから、鈴はブラウスの裾から手を離し、これまたおずおずと、彩芽の肩に手を置いた。
至近距離。おとなしそうな下級生を、優しい笑みを浮かべる子を見下ろす形。
そんな子から性欲処理をしてもらうのだと改めて認識してしまい、ドクン、と鈴の心臓が一際強く跳ねた。
「では、触れていきますが……よろしいですか?」
「…………」
……このような形になっても、鈴はまだ、最後の壁を壊せなかった。
「大丈夫ですよ」
「……え?」
そんな上級生を安心させるよう、彩芽は優しい声色で語り掛ける。
「皆様されていますから」
「……うん」
皆しているから大丈夫。
「ここには誰もいませんし、誰にも言いません」
「……うん」
絶対秘密にしてくれるから大丈夫。
「この部屋は防音加工されていますから、バレるという事もありません」
「……うん」
万が一、万が一声が出てしまっても大丈夫。
「性欲、というのは誰しも持っているものです」
「……うん」
皆共通のものを抱えているのだから大丈夫。
「私はそれを発散するお手伝いをするだけです」
「……うん」
手伝ってもらうだけだから大丈夫。
「事務的に、気持ちよくしてさしあげるだけです」
「……うん」
ただ気持ちよくしてもらうだけだから大丈夫。
「それに、私けっこう上手らしいですよ?」
「……うん」
間違いなく気持ちよくしてもらえるから大丈夫。
「先輩」
「……うん」
だから、大丈夫。
「触れて、大丈夫ですか?」
「…………うん」
だから、ようやく心の壁が、取り払われた。
――――――
「まずは腰に触れますね?」
「うん……ひゃわっ⁉︎」
ずっと目を見つめてくる彩芽と違い、鈴はその一挙手一投足を見つめていた。
故にその手が腰に触れてくるのを認識出来てはいたものの、誰かから素肌を、直接触られる事の少ない場所を触られるのは予想外の感触で、思わず妙な声が出てしまう。
「……冷たかったですか?」
「あ、いや、その、びっくりしただけ……」
「でしたら、続けますね?」
「うん……」
鈴の承諾を得て、彩芽は改めて腰へと手を伸ばした。
まず触れたのは横の腰骨。そこから大腿部にかけて、すり、すり、と柔らかく撫でさする。
「……っ」
日常生活の中ではまず有り得ないその触り方に、ぴくん、と身体が微かに震えた。
鈴は思わず顔を赤らめるも、その目線は彩芽の手に注がれており、これからどう触れてしまうのだろう、と好奇心にも似た感情を抱く。
そんな彼女を優しく、だが反応をつぶさに確認するかのように見つめながら、彩芽は手の動きを次第に変化させていった。
「んぅ……」
大腿部の側面を撫でていたものが、徐々に内側に向かっていく。
斜め正面が撫でられ、側面に戻り、正面が撫でられ、また側面に戻り、内腿に差し掛かり、再び側面に戻る。
「は……ぅ……」
延々と、太ももだけが執拗に撫でられる。
だが、正にこれからそこを触りに行きます、とでも言うようなその事前準備に、鈴の吐く息はどことなく湿度を帯びていく。
「ぁ……」
そして、彩芽の動きが、太ももに触れる動きが一定化した。
完全に内腿だけを撫でるようになり、膝の上から脚の付け根一歩手前までが、上下に一定のリズムで撫でさすられる。
「ぁ……ぅ……ふっ、ん……」
まだ、まだ、まだ。
少しの恐怖と、少しの好奇心と、少しの期待。それらが組み合わさり、ブレザー越しの胸が微かに、明確に上下する。彩芽の肩を掴んでいる手に、僅かに力が入る。
「ぁ……ぁ……ぁ……っ」
その感触に彩芽が気付いていない筈がない。
お待たせして申し訳ありません。そんな幻聴が聞こえてきそうな優しい笑みを浮かべながら、彼女はゆっくり、ゆっくりと膝から脚の付け根へと手を動かしていき、
「んっ……」
彩芽の手は完全に両脚の付け根に、その中心部に到着した。
「ゃ……ぁ……ん……っ」
手の平で鈴の陰部をぴったりと覆い、変わらず優しい手付きのまま、その手が前後する。
それは愛撫というよりマッサージ。これからここを解します、そう言っているかのような動き。
「ぅ……ん……ん……っ」
無毛の丘から、お尻の穴の直前まで。そこが満遍なく撫でさすられる。
故に、その道中にあるクリトリスが微かに撫でられては甘い感覚が走り、おまんこ全体が撫でられてはゾクゾクとした感覚が走る。
自分でするのとは全く違うその感覚に、なんて事をされているのだろうと、鈴はどこか非現実感を抱いていた。
「は……ぁ……んぅ……っ」
だが、止めなかった。止めればこの優しい下級生は止めてくれると分かっていながら、止めなかった。
期待していた。この優しい手付きに、その優しい目線に信頼感さえ覚え、これから気持ちいい事をしてくれるのであろう、と確かな期待をしていた。
だから、いつの間にか力を込めて肩を握っていた手から、ふっと力を抜いた。
「ぁ……」
それを機に前後していた動きが止まり、彩芽の指先が、
「んっ……ぁっ……は、ぁっ……」
ゆるゆると、優しく、柔らかく、丁寧な手付きで、鈴の一番敏感な場所が撫でられ始める。
その瞬間、鈴は確信した。させられた。
彩芽は上手い、と。
「ぁっ……んっ……ふぁ……っ」
何がどう上手いのかは分からない。だが間違いなく、今感じ取れる中で、まだ昂りきっていない中で、その状態で一番気持ちいい快感がクリトリスから昇ってくる。
「んっ……ぁ、やっ……んぅ……っ」
彩芽はひたすら甘やかすようにクリトリスを撫でる。
だがその力加減、動かし方は完全とまで言えるような手付きで、鈴がオナニーで得る快感よりも一つ上の快感が腰に響き、自分よりも自分を知っているかのような愛撫に次第に夢中になっていく。
「ぁっ……はぁ、んっ……んっ……!」
いつの間にか鈴は目を閉じ、下半身から立ち昇ってくる快感に身を任せていた。
気持ちいい。あそこが、クリトリスが溶けてしまいそうになるほど気持ちいい。
そんな感情を抱きながら、だんだんと口から漏れるものが大きくなっていく。
「んっ……んっ……ぁ、あっ……!」
そんな鈴を彩芽はじっと見ていた。
その目尻を、その表情を、肩に込められる圧力を、微かな身動ぎを、全ての情報を見落とさないとばかりに真剣に、だが優しい表情で見つめ続ける。
故に、その手付きが一瞬毎に変わっていく。故に、その手付きが一瞬毎に鈴に最適化されていく。
「は、ぁぁっ……んんっ……あっ……!」
やっている事はクリトリスを撫で回している、ただそれだけ。
なのに鈴の感じる快楽はだんだん大きくなっていき、零れていた吐息が明確な嬌声へと変化していく。
どこまでも優しい刺激にぴくん、ぴくん、と腰が揺れる。
快感に耽り始めたそんな上級生に対し、彩芽は反対側の手でそっとお尻を引き寄せた。
だが鈴は抵抗しない。なすがままにされ、寧ろ彩芽の手に腰を押し付けるかのように身体を動かす。
「あっ、ゃっ……うそ、もう……っ!」
それ以外に彩芽の手付きは変わらない。だが鈴は高みに昇りつつあった。
自分でする時はもっと激しくする。こんなに緩やかになんかしない。なのに、なのに、なのにもう、イってしまいそう。
信じられなかった。こんな刺激でイってしまうなんて、体験した事が無かった。
「あっ……ふぁっ……あっ、あ……っ!」
だが身体はぴくぴくと勝手に動き、勝手に絶頂する準備をし始める。
思わず目を見開くと、彩芽の優しそうな目線と絡み合う。だがその目から伝わってきたのはどこまでも慈愛に溢れた感情。
大丈夫ですから。気持ちよくなってください。いつでも、イってください。
その無言の会話が切掛になったのか、彩芽の手に僅かに、鈴すら気付かない程にほんの僅か、力が込められる。
「んっ……! あっ……! あっ……!」
やっている事は変わらない。ゆっくり、ゆっくりクリトリスを撫でているだけ。
信じられないという感情が頭を支配しつつも、鈴の身体は絶頂へと急速に向かっていく。
ブレザーの下で乳首が勝手に硬くなっていく。
クリトリスが皮の下で存在感を増していく。
肩を掴んでいる手に力が込められていく。
身体のぴくつきが止まらない。
お尻が引き寄せられる。
クリトリスが、熱い。
「うそうそうそっ⁉︎ あっ……! いっ、く……‼︎」
その絶頂は静かなものだった。
ぴくん、ぴくん、と先程までより比較的大きく身体が跳ね、歯を軽く食いしばりながら顎が引かれる。
お尻を押さえられたままに腰がかくん、かくん、と僅かに前後し、少しでも手にそこを擦り付けようとする。
触られていない筈のおまんこがひくひくと蠢き、滲んでいた愛液がつぅー、と内腿を伝っていった。
だが彩芽はその動きに左右されることなく、ただひたすらに鈴のクリトリスを甘やかす。
絶頂が長引くように、余韻が長引くように、もっと深く気持ちよくなれるように、硬く張り詰めたクリトリスを撫で回し続ける。
それが数分続いた。
限界まで長引かされた絶頂はようやく終わりを迎え、鈴は最後に、ぶるっ、と身体を震わせ、肩を握りしめていた手から力を抜いた。
「はっ……! はっ……! ん、ふっ……!」
気持ちよかった。間違いなく、気持ちよかった。これまで体験した事のない気持ちよさだった。
「荒川、さん……!」
だが、足りなかった。
いつもと異なる絶頂に頭が混乱し、まだ快感を得ていない、まだイっていない、足りない、物足りないと脳が叫んでいた。
「はい、分かりました」
そんな願望を言葉にされずとも、彩芽は理解した。
「失礼しますね」
「んぁっ⁉︎」
だから、クリトリスを撫で回していた指先が、ぬちゅり、と鈴の中へと潜り込んだ。
「あっ、ちょ、そっちは……⁉︎」
「大丈夫です。任せてください」
そっちはそんなに気持ちよくない。だからもっとクリトリスをして欲しい。なんて鈴が言える筈がない。
……ないのだが、どこかで期待していた。この子なら、あんなによく分からない内に気持ちよくしてくれたこの子なら、おまんこの中だって、気持ちよくなれるんじゃないか、と。
「あっ……! え、うそっ⁉︎ あんっ!」
そしてそれは正しかった。
鈴のおまんこに侵入してきたのは中指一本だけ。それは鈴自身も試した事があるし、あまり気持ちよくなかったという実績がある。
だが、お腹の奥がざわつくような、腰から下が熱くなるような、背筋がゾクゾクするような、違う、明確に気持ちいいという感覚がおまんこから発生した。
「あっ……! んっ、んぅっ……!」
ちゅぷ、ちゅぷ、と指が上下する。
鈴の視界には入っていないが、抽挿されるたびに彩芽の指が愛液でコーティングされていき、ここまで入ったという証が刻まれていく。
「なに、これ、あんっ! んんっ……!」
そんな事は一切把握出来ないまま、未知の快感により一度は力の抜けた手に再度力がこもる。
おまんこが、よく分からない場所が気持ちいい。何をされているのか全然分からないのに、訳が分からないのに気持ちいい。
目を白黒させる鈴であったが、彩芽は淡々と指を抽挿し続ける。
「は、あぁっ……! んっぁっんぅっ……!」
指先が肉襞を一枚一枚確認するように抜き挿しされる。
その度にぴくん、ぴくんっ、ぴくん、と鈴の身体が反応し、彩芽はその反応と指先からの感触に全神経を集中させながらゆっくり、ゆっくりと中を探る。
先程の絶頂で鈴のおまんこの中は愛液に溢れ返っていた。そんな中を指は泳ぎ、掻き分けながら一つ、また一つと鈴の性感帯を発見していく。
「なん、でっ……あっ! あぅ、んっ、んっ……!」
鈴は混乱していた。訳が分からなかった。
最初からそこで感じれたわけでもないのに、自分でもそこを開発した事はないのに、この後輩が触ると何故か気持ちいい。おまんこが、おまんこの中が、とても気持ちいい。
そんな鈴をよそに、くちゅくちゅとおまんこ探りは止まらない。
「あっ……! んぅ……?」
いや、止まった。
「ああっ⁉︎」
違う、止まらない。止まったのは探る事だけ。今までのはあくまでも探索、事前準備。
だから、始まった。
「んぁあっ! あっ! あっ! うそっ、ああっ!」
彩芽の指が、見つかった性感帯を悉く刺激していく。
奥の一歩手前、中間あたりの右斜め上、それより手前の横、本命、入口脇。何箇所か反応があった場所が、明確に快感を得た場所が愛撫され始めた。
「ふぁっ! あ、んっ! んんぅっ! んあっ!」
クリトリスを弄っていた時よりも幾らか激しい、けれど優しい手付きにより、くちゅくちゅくちゅ、と先程よりも大きく音が鳴り始める。
そのいやらしい音にカァッと顔が熱くなる鈴であったが、おまんこから伝わってくる快楽があまりにも気持ちよくて、それを止める事が出来ない。違う、止めたくないと思ってしまう。
「あっあっあっんんっ! んっ! は、あぁっ!」
一つ抽挿するごとに角度が変えられ、勢いを変えられ、鈴が今触ってほしい、という場所が何故そんなに分かるのかというほどの最適なタイミングで擦られる。
鈴の腰が快感に連動するようにカクカクと前後し、身体全体がぴくぴくと小刻みに揺れ動くが、その程度の動きでは彩芽の愛撫に支障など出ない。むしろ快感のボルテージが上がってきたと判断し、今鈴が求める気持ちよさに合わせて指の動きを強めていく。
「あっんんぅっ! んぁっ! あっあっあっ!」
鈴のおまんこから分泌される愛液の量が多くなっていき、彩芽の指の動きが激しくなっていき、くちょくちょくちょ、と淫らな音が大きくなっていく。
それだけじゃない。快感に身を任せて声を出すというのが気持ちよくて、鈴の嬌声も大きくなっていく。
「はっ、あぁぁっ! あっ! あぁあぅぅっ!」
掻き出された愛液が彩芽の指を汚し、手の甲までもがぬるぬるしたものが伝っていく。
だが彩芽は優しいその表情を一切変える事なく、快楽で表情を蕩けさせている鈴を見つめ続ける。
「あんっ! あっあんんんっ! ふぁあっ!」
おまんこはとろとろになっていた。くちょくちょという音が鳴り止まない。
静かな部屋の中に愛液が掻き混ぜられる音と鈴の気持ちいいという感情が撒き散らされる。
「あらかわさんっ! あぁっ! もっとぉっ!」
もう鈴は気持ちよくなりたい、という感情だけで頭がいっぱいだった。
だから懇願した。
だから肩を強く掴んだ。
だから自分を気持ちよくしてくれている手から目を離し、彩芽の瞳を真っ直ぐに見詰めた。
「ふぁぁあああっ⁉︎」
だから、おまんこから立ち昇ってきた今までとは比較にならない快感に、驚き混じりの嬌声をあげた。
「なにそこっ⁉︎ ああああっ! ぁぁあぅうっ!」
彩芽は、
鈴のその性感帯の位置は分かりづらく、極小の領域しか快感をうまく感じ取る事が出来ず、本人でさえも把握出来ていないものだった。
だが、彩芽の手にかかれば、そこを見つけ、そこを愛撫する事など、簡単な事であった。
「あぁああああんんんっ! んんんぅぁああっ!」
くちょくちょという音は鳴らない。指は分かりやすく抽挿されていない。
指が一定の場所から抜き差しされず、にちっ、にちっ、という音が微かになるだけ。
「あああっ! んあっ! はああぅんんっ!」
彩芽の指が、鈴のおまんこが一番気持ちよくなる場所、Gスポット一点を愛撫していた。
くにっ、くにっ、と膣内で指が
「あぁっ! んっんっあっあぁあっ! ああっ!」
そこが刺激されるたびに、頭が白むような、パチパチするような快感が鈴を襲い、全身がびくびくと跳ね、腰がカクカクと大きく前後する。
だが彩芽はそこを捉え続け、ひたすらにそこばかりを可愛がる。
「ひぁああっ! ぅんんっ! あっあああっ!」
おまんこに入っていない指がくいっくいっと動く。そのリズムでおまんこを愛撫しているのが見て取れるが、快感に夢中な鈴がそれに気付く事はない。
ただただ気持ちいい。おまんこなのに気持ちいい。クリトリスの劇的な気持ちよさじゃなく、お腹がどこまでも溶けていきそうな気持ちよさ。もっとしてほしい、もっとコレがほしい。ずっと、ずっとおまんこしててほしい。そんな感情で脳まで溶けきっていく。
「あっあっあっあっなにかっ! くるっ!」
だが、急にぞわぞわぞわっと何かが昇ってきた。
それはどこか絶頂にも似ていて、しかし全く異なる感覚。
「あああだめっ! でちゃっ! でちゃうぅっ!」
それは快感。何かを体内から放出するという快感。
鈴にとっては体験した事があり体験した事のない現象。
「おしっこでちゃうからっ! だめぇぇえええっ!」
それは排泄する感覚に非常に似ていた。
だから焦る。このままでは出してしまうと危機感さえ覚える。
身体の一部に力を込め、出してはならないと自分に言い聞かせる鈴。
「んんんぁああっ! だめだってばぁっ!」
だが、彩芽の肩をぎゅぅぅっと握るだけで、快感から逃げたくなくて腰をくなくなと揺らし続ける。
出したくない。下級生の前で、初めて会った子の前で、性処理してもらっていて、気持ちよくて、そう、気持ちよくて彩芽の指を咥え込む事から逃げる事を拒んでしまう。出てしまう、という危機感よりも快感を得続ける事を選んでしまう。
「大丈夫ですよ」
頭の中がぐちゃぐちゃになりながら腰を振っていると、安心させるような声色が鈴の耳に届いてきた。
「皆様出しているものです。安心してください」
その言葉に、ふっ、と我慢していたものから、力が抜け、
「でるでるでるでるでちゃうぅっ!」
その絶叫に、彩芽の指の動きが加速し、
「んんんんんんんんんっ!」
びしゅっ! と鈴のおまんこから勢いよく何かが噴いた。
「んんっ! あっ! あああっ! んぅぅっ!」
大きく噴いた後も指の動きに合わせ、びしゅっ、びしゅっと何度も小刻みに噴き、彩芽の手が淫らな液体にまみれていく。
「最後まで、いっぱい、どうぞ」
「んぁあっ! あっ! んっ! んっ! んっ!」
何かを漏らす度に、噴く度に強烈な開放感があった。
おしっことは違う、完全に快楽を元にした感覚。
「はっ……! は……んっ……! これ、って……」
「はい。お潮です」
潮。AV等で見た事がある、まさか自分で体験するとは思いもしなかった鈴。
あまりのはしたなさに更に顔が熱くなる鈴であったが、にっこりと微笑む彩芽に何も言えなくなる。
「気持ちよくありませんでしたか?」
「……きもち、よかった」
なので、追求するように聞いてくる彩芽に対して不貞腐れたような態度を取ってしまう。
「では、最後までいたしますね?」
「え、ちょ、ま、あああぁぁあああっ⁉︎」
だが、感情を整理する前にまた快楽が、先程まで感じていた快楽が鈴を襲い始めた。
「あああぁぁああっ! だめだめだめええぇっ!」
身構えていなかった鈴に対し、容赦なく彩芽は愛撫を再開する。
愛液と潮が混ざりあったものがぐちゅぐちゅぐちゅ、と掻き混ぜられ、身を弛緩させていた鈴はその強烈な快感を素の状態で受ける事となった。
「んんぁああああっ! ああっ! はぁあんんっ!」
そんな状態の鈴は先程よりも快感を処理出来ない。嬌声も一段と大きくなる。
彩芽がやっている事は先程までと同じ筈なのに、鈴の感じる快楽は段違いのものだった。
「あっあっんんんんぁあっ! あああぁぁぁあっ!」
身体を捩らせ、手に力を込め、髪を振り乱して快楽を処理しようとする鈴。
だが彩芽はGスポットを抉る動きを鈴の身体が求める強さまで、鈴が最も気持ちよくなれる強さまで最適化していく。
「ふぁあぁぁあっ! あっあっああああっ!」
だから更に鈴は乱れた。身体を痙攣させるように震わせ、おまんこを彩芽に押し付けるようにしながら背を反らせ、絶頂する準備をした。
「あらかわさんっ! もうっ! あああっぁあっ!」
名を呼ばれ、膣内がひくひくひくっと痙攣するのが指先に伝わってきて、彩芽はそれの気配を強く感じ取る。
だから、きゅっと鈴のお尻をより強く、優しく引き寄せ、Gスポットを強く、優しく掻きむしり、丁寧に丁寧に絶頂まで導いていく。
「ああぁぁぁぁいくっ! いくいくいくいくっ!」
彩芽のその動きに合わせるよう、もはや肩に縋りつくような姿勢で喘ぎ続ける鈴。
「あああああっ! んあっ! ああぁぁぁぁあっ!」
ぐっと胸を反らせ、おまんこを彩芽に向けて突き出す鈴。
ぐちょぐちょぐちょ、とおまんこを掻き混ぜ続ける彩芽。
口の端から涎さえ零しながら喘ぎ続ける鈴。
そんな彼女をひたすら優しく見つめる彩芽。
おまんこの収縮が止まらなくなる。
おまんこから指が締め付けられる。
愛液が止まらない。
愛撫が止まらない。
絶頂が、きた。
「ああああぁぁいくいくっ! いっくぅぅううっ! ああぁぁあっ! ああっ! んんんんぁぁぁぁあああっ! ああぁっぁぁっ! あぁんんんっ! んっ! あっ! ああぁぁぁぁぁあああぁぁぁあっ‼︎」
その瞬間、鈴の頭は真っ白になった。
今まで経験した事のない、深い絶頂。
お尻を押さえられていなければ暴れ回っていたほどに身体全体がびくんっ、びくんっ、と大きく跳ねる。
触られていない筈のクリトリスがはち切れそうなほど硬く存在感を主張し、おまんこの中がぐねぐねと指を噛み締める。
愛液が大量に分泌され、指とおまんこの隙間から白濁したものがとろとろと溢れていく。
その間もやはり彩芽の指は止まる事なく、この絶頂が永遠に続くよう、余韻を永遠に感じられるよう、もっと深く落ちていけるよう、にゅちにゅちと最後の最後までおまんこを掻き回し続ける。
鈴の頭には多量の多幸感があった。気持ちいい、それしか思考が残っておらず、その白の世界に永遠に引き篭もっていたいとすら願う。
「はぁっ! はっ……! はぁっ……!」
だが、それも終わりが来る。
ドクンドクンと心臓が早鐘を打ち、全身から汗が吹き出る。
身体が先程の比じゃないほどにぶるぶるぶるっと震え、鈴は現実に戻ってきた。
「ぁんっ!」
その様子を見届け、彩芽は鈴の中から指をゆっくりと引き抜いた。
ぬちゅぅ、と濃い淫らな音と共にどろどろになった中指が現れる。
その指はおまんことの間に橋が架かるほどの愛液が絡みついており、思わずそれに視線が吸い寄せられた鈴は真っ赤になりながら目線を逸らした。
「先輩」
「……うん」
「お拭きしますね?」
「……うん。いや、ちょ、待った自分でやるから⁉︎」
が、とんでもない事を言い始めた後輩に恐れ慄き、ガバッと身を離した。
「あら……」
「流石に! 流石にさ⁉︎」
「皆様それも喜ばれるのですが……」
「そうなの⁉︎ っていいから! 自分でやるから!」
慌てる鈴とは対照的に残念そうな表情を見せる彩芽。
絶頂の余韻とは別の意味で顔を真っ赤にして、鈴はティッシュを奪い取った。
「うあ……」
そして自分の処理をし始めたのだが、それはもう大変な事になっている有様に直面し、完全に現実に戻ってきた。
こんなに気持ちよくされてしまった、と。
とんでもねーことをされてしまった、と。
だが同時に気付く。
毎日してもどこか満たされなかったものが、無い。消化不良な感覚が、無い。
「ご満足していただけましたか?」
「うん……なんか、うん……」
「なら良かったです」
そう言って彩芽はまた優しく微笑んだ。
幾らか言いたい事がある筈なのに、その笑みを見て鈴は何も言えなくなる。
「もし良かったら、またご利用ください」
「うん……い、いや! もういいから!」
「あら、そうですか……?」
今度はしょんぼりしたような表情になる彩芽。
そんな後輩を見て、どこまで奉仕したいのだと呆れる鈴であったが、ふと、一つ思い至る。
「……そういえば、男子の性欲処理ってしてるの?」
「しません。最初に申し上げた通り女の子限定です」
「……誰かの役に立ちたいって言ってなかったっけ」
誰かに奉仕したい、というのであればそれこそ男子生徒を対象とすれば、それはもう大人気になる事間違いないだろうと鈴は思う。
「だって男子って可愛くないじゃないですか」
「……なるほど?」
が、返ってきたのはなんとも、変な理由だった。
だから鈴はどうしても言いたかった。
「……荒川さんってさ」
「はい?」
「やっぱりレズだよね?」
「違います」
何がどう違うのか、鈴には分からなかった。