次の日。
「鈴、どうだった?」
「どうって?」
鈴は非常にスッキリした気分で登校していた。
毎夜、日が変わるまでシていた日課をする事なく、バッチリ快眠出来たのである。
「ほら、あの……例の」
「あ、あぁ、うん。何も無かったよ」
例の噂。
あの後、彩芽とその噂の話になったのだが、鈴は一つお願い事をされていた。
『申し訳ありませんが、可能な範囲で噂を否定していただけると助かります』
そのお願いが無かったとしても、鈴はそうする予定ではあった。
誰とでもスる、などあまりにも酷い噂であるし、その、自分が、お世話になってしまった事を隠したいがために、元より全力否定するつもりであった。
「なんかね、本人はめっちゃ否定してたし、それも嘘じゃないっぽかった」
「……やっぱりイジメ……」
「直接的なイジメではないようなんだけど、荒川さん地味だけどスタイル良いから、やっかみでも受けて変な噂流されちゃったんじゃないかな」
やっかみどころか皆から頼りにされている。性的な意味で。
ちなみに当の彩芽本人は、
『女子に広まるのは良いのですが、男子に広まるのはちょっと……』
とのこと。
やっぱりレズじゃんと鈴は思った。
「だからさ、この噂聞いたら片っ端から否定してこ」
「まぁ……あたし達に出来るのはそんなもんか……」
そういう事になった。
――――――
次の日。
鈴は普通に授業を受け、普通に部活をして、普通に帰宅した。
友人同士、部活仲間同士で噂の話になる事もなく、そこまで広まってもいないんだな、と安堵していた。
普通に宿題をして、普通にゲームをして、普通に寝た。快眠だった。
――――――
次の日。
鈴は普通に授業を受け、普通に部活をして、普通に帰宅した。
普通に宿題をして、普通にゲームをして、夜、ちょっとムラムラしたから数日ぶりに日課を行った。気持ちよかった。そこそこ快眠できた。
――――――
次の日。
鈴は普通に授業を受け、普通に部活をして、普通に帰宅した。
普通に宿題をして、普通にゲームをして、夜、けっこうムラムラしたから日課を行った。気持ちよかった。ちょっとだけ物足りなかった。普通に寝た。
――――――
次の日。
学校は休みだったために、普通に部活に精を出し、普通にそのまま部活仲間と遊びに行き、普通に帰宅した。
宿題は終わらせていたから普通にゲームに没頭し、夜、だいぶムラついたから日課を行った。足りない、これじゃ足りない。ムラムラした気分を抱え、無理矢理寝た。
――――――
次の日。
「ぁっ……んぅぅ……んっ……」
起きた瞬間からムラムラが収まらなかった。
だから親が居ない事を良い事に、鈴は朝から自室で耽っていた。
「んっ……は、ぁ……ん……」
腰から下に何も履かず、上のパジャマだけ着ている格好。
それでいてベッドの上に膝立ちになり、まるでいつぞやを再現しているかのような姿。
「ふぁ……! んぅぅ……っ」
そんな姿のままに、鈴はクリトリスを慰めていた。
出来るだけ弱い力で、出来るだけ優しく、ゆっくりと、あの後輩の手を再現するように。
「なん、でぇ……っ」
だが、再現出来なかった。
この数日試していた。あの甘い甘い絶頂を味わいたくて真似していた。だが結局出来なくていつも通り激しくしてしまった。
「は……ん、んっんっ……」
夜という限られた時間とは異なり、今は一日が始まったばかり。
だから念入りに、思い出すようにしてクリトリスを慰める。しかし全くうまくいかない。
「ぁっ……んぅっ……んっ……」
同じ姿勢、同じ手付き、同じ触り方。可能な限り記憶の中にある彩芽の真似をしても、そこには、あの甘い絶頂には辿りつけない。揃えた指先でクリトリスをくにゅくにゅと転がしても、あの気持ちよさは再現出来ない。
いくら撫でても満足出来ない。身体が快楽を要求し続けているのに興奮だけが高まっていく。
「あぁっ!」
だから、結局いつも通りになる。
「あっ! んっんっんっんぅっ!」
指先に力を込め、クリトリスに圧をかける。
その途端、これが欲しかった、とばかりに身体が快感に打ち震え、鈴の脳内に気持ちいいという感情が溢れていく。
「んぁっ! ふぁ、あっ! んんんっ!」
結果的に自分を焦らす事になってしまった再現自慰の影響で、クリトリスは皮の中で限界まで張り詰めていた。
そんな場所を、自分が一番気持ちよくなれる速さで捏ねくり回す。
「はっんんっ! あっ! ぁっあっあっ!」
家に誰も居ないために、遠慮する事なく声を出す。あの時のように、気持ちいい事を気持ちいいと表現する。
再現出来たのはそれと姿勢くらいしか無い。一番重要な甘い刺激での甘い絶頂が全く分からない。
だから彼女はクリトリスを弄り続ける。
「あぁっ! んっ! んんんぁっ! あっ!」
破裂しそうな程カッチカチになったクリトリス。そこを円の中心とし、ひたすらに捏ね回す。
ぐりゅん、とクリトリスが根本から掻き回されるたびに電撃が走るような快感が発生し、これが欲しかったのだと身体が叫ぶ。
だが違う。鈴が欲しがったのはコレじゃない。だけどコレも欲しい。もっと気持ちよくなりたい。
「あんっ!」
だから、もっと気持ちよくなるために、パジャマ越しに乳首を弄り始めた。
「あっ! やっ、んんんんっ! ふぁ、あっ!」
興奮と快感によってそこはとっくに勃起しており、薄い布地を持ち上げるようにして存在感を主張していた。
そんな場所を、しゅりしゅりしゅり、と布越しに爪先で掻きむしる。
「ぁぁぁぁぁあっ! ふぁぁぁぁっ!」
パジャマの下で乳首が暴れ回る。指先の動きに沿うよう上下左右に根本から押し倒され、硬質なものでなぶられ、切ない快感が胸の奥に溜まり、甘い快感が身体全体に散っていく。
時折胸をぎゅぅぅっと掴んでは胸の奥の切なさを打ち消し、またカリカリを再開する。
「ああっ! んんんんあっ! あんっ!」
左手で乳首をカリカリしたまま、右手でクリトリスをくにゅくにゅ掻き回す。全身が快楽に染まり、気持ちいいという感情で頭の中がいっぱいになっていく。
もう彩芽の指の再現など忘れていた。
このまま絶頂したい。もっと気持ちよくなりたい、その一心で指の動きが激しくなっていく。
「ああぁぁあっ! んぁああああっ!」
あまりの激しさに口が半開きになり、涎が口の端から僅かにこぼれる。
パジャマの布地がダメになってしまうほどにカリカリと掻きむしり、クリトリスがバカになってしまうほどに一生懸命捏ね回す。
身体全体がぴくぴくと揺れ動き、それに合わせるようにして腰がカクカクと前後する。
絶頂が近い。もう鈴はイく事しか考えていない。
「ふぁぁぁあああっ! ああっ! んんぁああっ!」
自分の指に押し付けるようにして胸を反らせ、自分の指に押し付けるようにして股間を突き出す。
その姿勢は故意か無意識か、彼女に身体を差し出すような格好であった。
だがそこに彼女は居ない。そこに居るのは唯々自分が気持ちよくなりたいと一生懸命自慰に耽っている鈴だけ。
「ぁぁぁぁぁいくっ! いくぅっ!」
彼女は宣言する。宣言した方が気持ちいいと気付いた時からずっとやっている習慣でそれを叫ぶ。
最速の動きで乳首を掻きむしり、自分が一番気持ちいいと思う速さでクリトリスを掻き回し、愛液をぽとぽとベッドシーツに溢しながら身体をピンと伸ばしていく。
乳首がパジャマの下で限界まで張り詰め、真っ赤に染まっていた。
クリトリスが皮の下で限界までそそり立ち、真っ赤に充血していた。
おまんこが人知れずきゅぅぅと締まり、押し出された愛液が垂れ下がっていた。
快感で眉根が寄り、快感で口が空き、快感で表情が蕩けきっていた。
だから宣言通り、鈴は絶頂した。
「んんぁぁあああいくっ! いくっ! あああっ! はぁぁあぅぅううっ! んんぅぁあああっ! あああぁあっ! あっあっあっあぁっ! んんんんんんんんぁぁぁぁぁぁああぁぁぁぁあっ‼︎」
びぐんっ、と身体が大きく跳ねた。
背を丸め、顎を引き、腰を引き、身体が防衛本能で快感から逃げようとする。
だが鈴はそんな身体に追い討ちをかけるようにして激しい手付きのままに乳首とクリトリスを掻きむしる。
彩芽のものとは全く異なる、苛めているとしか思えない動き。
だがそれにより乳首の切ない乳悦が延々と続き、クリトリスの弾けるような快感が延々と続く。
びくん、びくん、という身体の痙攣が止まらない。
それでもまだ気持ちよくなれる、とばかりに執拗に自慰を続ける鈴。
……普段は、ここまで絶頂後に延々と弄る事はそんなに無い。
だが鈴の身体はどうしようもなく快感を追い求めており、それを満たそうと必死に、正に慰めるかのように自慰を続ける。
「はぁっ! あっ! は、あ……!」
終わる。絶頂後、息を止めていたがためにその限界が訪れ、鈴の自慰が終わった。
そのまま後ろに倒れ込み、荒い呼吸を整えようとする。
「なん、で……!」
だがその口から飛び出たのは苛立ち。
「足り、ない……!」
満たされない。
鈴は満たされていなかった。
確かに気持ちよかった。いつも以上に激しくオナニーした。いつも感じている物足りなさを補うくらい激しくした。充分な快楽を得る事が出来た。
だが足りない。
満たされない。
「あんっ!」
だから、くちゅ、と濡れそぼったおまんこに指を突き入れた。
「んっ……! んっ……! んっ……!」
そのままめちゃくちゃに中指を動かす。
愛液でどろどろになったおまんこを必死に掻き回す。
だが、
「わかんない……! わかんないよぉっ……!」
あのお腹が溶け落ちるような快楽が得られない。
くちょくちょといやらしい音は鳴る。おまんこから愛液が飛び散ってはいる。自分の中に何かを受け入れているという感覚はある。
だが、無い。
「ぐすっ……あんっ、あんっ、あんっ……!」
あの快楽が欲しすぎて涙目になりながら、虚構の嬌声をあげながらおまんこを掻き回しても返ってくるのは虚無。もう少しで掴めそうではある。だが掴めない。あと一歩が届かない。
あの時と同じように中指だけを使ってくちゅくちゅおまんこを掻き回しても、優しくしても、激しくしても、あの気持ちよさが無い。
「うぅ……うぅぅぅぅぅ!」
切なすぎて、もはや鈴は泣いていた。
ぬちゅぅ、と指を引き抜き、くちょくちょと激しくおまんこを撫で回しながら寂寥に打ちひしがれていた。
「は……ぁ……うぅ……」
おまんこの入口を掻き回しても、なんとなくそれが得られそうで得られない。
寧ろつられて掻き回されるクリトリスの方が気持ちよくなる。
だが違う。鈴が欲しいのはそれじゃない。
「ぁっ……ぁっ……あっ……!」
だが、気持ちよくなってしまった。
そこでなら快楽を得られると、身体が気付いてしまった。
「んっ……! んっ……! んんっ……!」
涙を目尻に浮かべながら、自慰が再開される。
ぬるぬるになった中指で、にゅるにゅるとクリトリスを撫で始める。
「は、あ……! んぅっ……! あっ……!」
愛液を纏った指先でするオナニーは一味違う。違うのだが、求めているものとも違う。
だが気持ちいい。ぬるぬるオナニーが気持ちいい。
「んんっ……! んんんぅっ……!」
けれどやっぱり違う、欲しいけれど欲しいのじゃない。満たされない切なさに涙がこぼれ落ちる。
だが気持ちいいのは変わらず、心がぐちゃぐちゃになりながらのオナニーは続く。
「あっ……! んっんっぁっ……! あんっ……!」
皮の上から愛液が浸透していき、クリトリス本体がぬめぬめしたもので覆われていく。
潤滑液にまみれたそこを転がすと身体全体に電流が走るような感覚に陥り、その快感で切なさが上書きされていく。
「ううううううううっ!」
だから、もう鈴は諦めた。
「んんっ!」
いつもはあまりしない、どうしようもなくムラムラした時だけスるやり方をすると決めた。
だから、クリトリスの、皮を、剥いた。
「ひぁっ!」
そこに、ちょん、と触れただけで絶大な快感が身体を駆け巡った。
どこよりも敏感な場所。オナニーのし過ぎで更に敏感になってしまった場所。
そんな場所だから、優しく、ゆっくりしなければならない。
「ぁあああああぁぁあっ!」
だが、もうそんなのどうでもよかった。
「あああぁぁあっ! だっめぇぇえええええっ!」
ぬるぬるの指先で、ぬるぬるのクリトリスが苛められる。
普段のクリトリスオナニーと同じ速度で、そこが掻き乱される。
ダメ、思わずそう言ってしまう程の激感。極小の場所から電撃が全身に走り回るような感覚。快感というよりもはや痛みに近い感覚。
無論そんなもの鈴は耐えられない。ビクビクビクッと絶頂時よりも激しく身体が痙攣し、思わず指先がクリトリスから離れようとする。
「ああぁぁぁああっ! んぁああぁぁぁあっ!」
だが抑え込む。そんなもの気持ちいいの前ではどうでもいいとばかりに無理矢理クリトリスを掻き回す。
限界以上に硬く大きく育った突起を指が撫でる度に、ミリ以下の単位で擦れる度に絶大な快感が発生する。それなのに勢いよく掻き回す。
それにより腰がピンッと宙に浮いたまま戻って来なくなった。
おまんこはぎゅぅぅと締まったまま、膣内で生成され続ける愛液がとろとろ内腿へ、お尻へ、直接シーツへ流れ落ちていく。
「ふぁぁああっ! んんっ! んんんんんっ!」
あまりの快感に歯を食いしばる。そうでもしなければこの快楽に耐えられない。頭がおかしくなる。
痛みに似た快感が絶大過ぎて、絶頂出来ない。絶頂を通り過ぎて、恐怖にも似た感覚しか無い。
だがそれでも鈴はやめない。剥き出しのクリトリスを弄る事をやめない。
「んんんんあっ! あっあっあああぁぁああっ!」
もはや部屋どころか家中に響き渡るような嬌声。切なさで泣いていた鈴は、今では快楽で啼き喚いている。
左手でクリトリスの皮を引っ張り上げながら、右手でクリトリスを掻き回しながら、一生懸命、いや必死に快楽を追い求めている。
「あぁぁぁあああっ! ひぁぁあぁぁあぅぅっ!」
身体が追いついてきた。この激感を受容し始めた。見えなかった絶頂が見えてきた。
腰を限界まで浮かせながら、足先をピンっと伸ばしながら、鈴はそこ目掛けて全力疾走する。
「あああああああいくいくいくいくいくいくっ!」
クリトリスの感覚が無くなるほど、くにくにくにくにっ、と捏ね回す。しかし快感だけは、頭がおかしくなってしまうほどの快感だけは変わらず発生し続けていて、その激感を快感だと認識した身体と心は急速にそこへと向かう。
「いくぅぅぅっっ! ああああいっくぅぅぅっ!」
宣言する。絶頂すると宣言する。絶頂するために宣言する。
鈴の頭の中は快感で埋まっていた。気持ちいい、気持ちよくなりたい、イきたい、それ以外の思考など存在しない。
右手が剥き出しの快楽神経をなぶる事から逃げ出そうとする。
左手が皮を押さえる事から逃げ出そうとする。
だが止めない。その行為を止めない。
身体が快楽で痙攣し続けている。
おまんこが快感で収縮し続けている。
口からは叫びにも似た嬌声が出続けている。
だが止まらない。その行為が止まるわけがない。
イくまで、絶頂を越えた絶頂に至るまで、クリトリスを、自分を苛め続ける。
だから、それは激しいものとなった。
「あああぁっぁああああいくいくくいくぅぅぅぅぅうっ! んぁああぁぁぁああああっぁあああっ! あああああいくううううううっ! ああああっ! ああぁぁっぁぁぁあぁぁああぁぁあああああっ‼︎」
ついに堪えきれず、両指がそこから離れた。
限界まで掲げていた腰が更に天を目指し、ガクガクガクッと激しく上下する。
おまんこがひくひくひくひくっと痙攣し、愛液がこぽぉっと大量に溢れ出す。
両脚は攣ってしまうほどにピンッと伸び、お腹がびくびくびくっと痙攣する。
あまりの絶頂に、鈴は耐えれなかった。
まだそこが擦られ続けているかのような感覚に陥り、これ以上気持ちよくならないで、とばかりにクリトリスを両手でぎゅっと押さえる。
その瞬間、また激感が走り抜けるものの、ここを押さえていないと死んでしまうとでも言うようにぎゅぅぅ、と力を込める。
どくん、どくん、と指先から強い脈動が返ってきて、クリトリスが肥大化したような奇妙な感覚に襲われる。
暫く、鈴はその格好で、身体のいたるところを痙攣させながら硬直していた。
「はあっ! はあっ! んっ、く、はぁっ!」
呼吸が先程とは比較にならないほど長い時間止まっていた。
身体がようやく空気を求めた瞬間、ドサッと鈴の身体がベッドへと戻る。
「は、あ……! んっ! はあ……っ!」
全身から汗を吹き出しながら呼吸を整える鈴。
その間もクリトリスは押さえたままであったが、絶頂の波がようやく落ち着いた、と指をそっと外した。
身体に力が入らない。ベッドに仰向けに倒れこんだまま、胸が激しく上下する。
脱力した脚の間からは今も愛液が垂れ流しになっており、シーツの染みが刻一刻と広がっていく。
「はっ……はっ……ん、はぁ……」
心臓のバクバクは止まらないものの、呼吸自体は落ち着いてきた。身体も落ち着いてきた。
だから、思考が回復した。
…………違う。これじゃない。
求めていたのは深い、沈んでいくような、あそこも身体も頭も心も蕩けるような快感。
こんな、ただ気持ちいいだけの快感じゃない。
満たされない。
こんなになるまでシたのに、満たされない。
「んっ……」
くちゅぅ、と緩やかにおまんこに指を挿入する鈴。
そのままゆっくり膣内を掻き回してみるも、熱く濡れたぎった肉襞を感じるだけで、肝心なものが感じ取れない。
だから、静かに指を引き抜いた。
分からない。
教えてほしい。
満たしてほしい。
切なさで胸が張り裂けそうになる。
だが激しい自慰で疲れが出たのか、いつの間にか鈴は寝息をたてていた。