「荒川さんっ!」
週明け。
放課後になるや否や、鈴は彩芽のクラスに突撃していた。
あれから目覚めた後も、なんとか中で気持ちよくなれないかと模索したものの結局
あと一歩、あと一歩が足りない。
ネットで調べても、自分でそれを実践しても、得たいものが得られない。
なので、鈴は過去最大級にムラムラしていた。
「な、生居先輩……?」
「
突然の来訪と鬼気迫る表情に彩芽は目を白黒させる。
「お願いだから!」
「あ、あの……先輩、ちょっと」
「なにっ!」
鈴は必死だった。
「えっと、その、皆様が……」
「…………え?」
だが、慌てているような表情に鈴は勢いを削がれた。
ちなみに、先にも述べたが鈴は放課後になるや否や、この下級生の教室に突撃した。
つまり、他の生徒が、まだ、いっぱい、いるのだ。
そんな場所で、大声で、彩芽を呼んでしまったのだ。
「あ」
そりゃもう注目されるのである。男女問わず注目の的なのである。
男子達はなんだなんだと興味の視線を向け、女子達は皆一様に生暖かい視線を送っている。
その視線を背中にビシビシと感じた鈴の表情がビシッと固まった。
「え、ぁ、ぅ、その」
鈴はテンパった。非常にテンパった。下級生のクラスに殴り込みをかけてしまった自分に気付き、超必死な自分に気付き、みるみるうちに顔が赤くなっていく。
そして動転している中で思い出した。思い出してしまった。
『少なくともクラスの子達はだいたいお世話した事があります』
「~~~~~~っ⁉︎」
ボンッという音が聞こえてきそうなほど鈴の顔が真っ赤に染まった。顔だけじゃなく全身かもしれない。
思わず振り向いた、振り向いてしまった。その視線を、女子からの視線を、直視してしまった。
「しっ、失礼しましたーーーーー!」
よって、鈴は脱兎のごとく逃げ出した。
背中から呼び止める声が聞こえたが、鈴はそれどころじゃなかった。あの場所であれ以上醜態を晒す事なんて出来る筈がなかった。
その日、鈴は部活を休んだ。即帰った。ベッドの上で超ジタバタした。
そんな状態で日課など出来る筈もなく、今世紀最大の羞恥心を抱えながら夢の世界へと旅立った。
快眠とは程遠かったが、まぁ、そこそこ眠れたらしい。
――――――
「荒川さーん……」
次の日、鈴は恐る恐る彩芽の教室を訪ねていた。ちゃんと学習したらしい。
「あ、昨日の先輩」
「っ⁉︎」
が、そこには名前も顔も知らない下級生がいた。
鈴は光の速さで踵を返した。
「ああああ待って⁉︎ 待ってください⁉︎」
が、引き止められた。
昨日より幾らか聞く耳を持っていた鈴はその声にピタッと止まり、ギギギギと音が鳴りそうなぎこちない動作で振り返った。
「荒川さんの
「うっ」
そんな上級生を苦笑気味に見やり、要件を言い当てる下級生。
またもや真っ赤になる鈴であったが、正にその件でこの教室を訪れていたために……この子だけで他の生徒が見当たらないという理由もあって……話を聞く態勢になった。
「荒川さんは今他の子のお手伝い中なんですよ」
「…………え、そうなの?」
が、突きつけられたのは残酷な現実。
考えてみれば分かる事。このクラスの女子どころか、全校生徒の女子の相手をしている彩芽が多忙でない筈がない。
鈴があの日いきなりお手伝いされたのは本当に運が良かったとしか言えなかった。
「はい。なので今日は厳しいかと」
「む、むぅ……むぅ」
そんな現実にようやく気付いた鈴は思わず呻く。
もうお手伝いされる気まんまんだったために、超呻いた。
「……荒川さんのスケジュールって、知ってる?」
が、食い下がった。必死か。
「いや流石にそれは本人じゃないと……」
「だ、だよね」
そして項垂れた。
「……実は明日、あたしの番なんですよ」
「む」
なにそれ羨ましい、という言葉を鈴は必死に飲み込んだ。
「良かったら先輩に譲りましょうか?」
「なっ」
是非ともお願いします、という言葉を鈴は必死に飲み込んだ。
流石に、流石にそれは上級生として如何なものかと、なんとか理性で飲み込んだ。
「い、いやいいよ。うん、大丈夫大丈夫」
なので精一杯の虚勢を張った。
「いや大丈夫じゃないですよね先輩」
が、一瞬で剥がされた。
「あんな剣幕で乗り込んできといてそれは流石に無理がありますって」
「むぐ」
心当たりしかないために、鈴は閉口するしかない。
「まぁそんな先輩に楽しませてもら、こほん、ウケ、こほん、不憫に思いまして」
「キミいい根性してるって言われない?」
「言われませんよーやだなー」
半ば狙って言い間違えた後輩はケラケラと笑う。
「まぁそれはともかく、明日の番譲りましょうか?」
「……いや流石にいいよ、マジで」
羞恥を何度も味わった鈴はようやく落ち着きを取り戻したのか、諦めの表情でそれを断る。流石に下級生の番を奪うようなマネはしたくないらしい。
「でも次いつ空くか分かりませんよ?」
「むぐ」
が、後ろ髪が超引っ張られた。
「……先輩、困ってるんですよね?」
そんな鈴を見やり、先程までのおちゃらけた空気を消して、下級生は真剣な表情で話し始める。
「荒川さんは言ってました。困っている人を助けたいんだって」
誰かの役に立ちたい。確かに彩芽はそう言っていた、と鈴はぼんやり思い出す。
「あんなに切羽詰まった様子で……先輩、本当に困ってるんじゃないんですか?」
困っていたといえば困っていた。
しかしそれはおまんこの中で気持ちよくなれないなどという不埒な考えで、それを困っていると胸を張って言えるとは思っていなかった。
「あたしも前そうでしたから」
「……前?」
だがその言葉に、いつの間にか俯いていた鈴は顔をあげる。
「オナニーの仕方、分かんなかったんですよ」
なんでもその下級生は性欲の解消方法がいまいち分からなかったのだという。ネットで調べた知識を元に実践してもうまくいかず、悶々とした日々を送っていたらしい。
そんな時に彩芽のお手伝いの事を知り、お世話になり、ちゃんとしたオナニーの仕方を教わったのだという。
「なのでまぁ、先輩も似たような事で悩んでるんじゃないかなって」
この上級生は恐らく二度目以上の利用だと思われるが、それにしては必死に過ぎると感じたらしい。
そのため、ただ気持ちよくなりたい、というものではない、何か切実な事情があるのだろう、そう思ったとのこと。
「荒川さんのお手伝いって、本来そういう人のためにあるんだと思うんですよ」
「…………」
違う。私の悩みはそんな高尚なものじゃない。もっと低劣な、自分の欲望を満たしたいがための事情。そう真剣に思い悩む鈴であったが、
「というのは建前で、めっちゃ笑わせてもらったんで譲りますよって話です」
思わずズッコケそうになった。
「なんなのキミ……」
「ああでも、そう思ってるのは本当ですよ?」
ケラケラと笑う下級生に溜息をつく鈴。
「私は先輩ほど必死じゃないんで」
「必死言うな」
「超必死だったじゃないですか」
「くっ……」
否定は一切出来なかった。
「……ああもう、後でやっぱ無しとか言わないでよ」
「言いません言いません」
「……私の事、あんま言いふらさないでね」
「それはどうでしょう」
「ちょ」
「嘘です嘘です」
「……キミ、いい性格してるって言われない?」
「言われませんよーやだなー」
なので、そういう事になった。
――――――
「な、なるほど。そんな経緯が……」
「変わった子だったよ……」
次の日、例の部屋で鈴は彩芽と対面していた。
「私の連絡先をお渡ししておけば良かったですね、失念していました……」
「いやその、こっちこそごめん……」
本来は誰かの紹介という形になるため、連絡先を全く知らないという状況はほぼ無かったらしい。
が、鈴も鈴でまたお世話になるつもりは
「……それで、何かお悩み事があるんですよね?」
改めて連絡先を交換しあった後、彩芽は表情を引き締めた。
一昨日の件もあり、気になっていたらしい。
「うん……実は……」
鈴は正直に話した。
自分は性欲が強い事。いつもクリトリスでオナニーしている事。この間の中イキがあまりにも気持ちよかった事。クリトリスとは全く異なる快感で、またそれを味わいたいと思った事。自分で試したものの、うまくいかなかった事。自分でもちゃんと出来るようになりたい事。……あと彩芽の指があまりにも気持ちよくて中毒症状になりそうな事。
彩芽はその話を真剣に聞いていた。
「だから……手伝って、ほしい」
「はい。分かりました」
だから、鈴を安心させるかのように、あの優しい笑顔で頷いた。
「では
「開発……? あぁそっか、うん」
鈴の膣内、その開発と指導が必要だと彩芽は断じた。
一瞬疑問に思う鈴であったが、自分で一切気持ちいいところを見つけられなかった事実に思い至り納得する。
「……生居先輩のおまんこの中は少し難しいんです」
「む、難しい? ……いや、確かに」
明け透けに相談した影響か、鈴はもうこの程度の淫語では赤面しなくなっていた。
「はい。Gスポットを始めとした、快感を得やすい場所が極端に小さいんです」
「そ、そうなの?」
そのため、何も知らないで弄ってもそこをピンポイントに捉えるのは難しいかもしれない、とのこと。
「はい。なので、まずは先輩のGスポットをお教えいたしますので……早速始めましょうか」
「……うん」
――――――
鈴は以前と同じよう、下半身のものを脱ぎ、膝立ちになり、彩芽の肩に手を置いていた。
が、誰かの前であそこを曝け出すという事にはやはり慣れないのか、顔を真っ赤に染めていた。
「本日はローションを使いますね」
「うぇっ⁉︎ ローション⁉︎」
化粧品などではない、正にソレ系のアイテムにたじろぐ鈴。
そんな上級生をよそに、彩芽は傍らに準備していたボトルを手に取り、とろっとした液体を指に纏わせ始めた。
「はい。その、前戯で気持ちよくなってしまった後ですと、集中出来ないかと思いまして……」
「あー……」
鈴はあっさり納得した。彩芽の手によってクリトリスを触られてしまうと余裕が一切無くなってしまうため、最初から本願を攻めた方が良いかもしれない、と同意する。
「んっ……」
彩芽の指先がそこに触れる。
前回とは似て非なる感触。少し冷たいのと、まだ濡れていないのに濡れているという奇妙な感覚に、鈴は背筋を僅かに震わせた。
「では、挿れますね」
「うん……ぁ……っ」
ぬちゅぅ、と微かな音と共に彩芽の指が膣内に侵入し始める。
そこはローションを纏っていなければ入れないほどに指をギチギチに締め上げていたが、彩芽の指はゆっくりと、肉襞を掻き分けながら入っていった。
「痛くありませんか?」
「ぅ、ん……大丈夫」
痛みなど無かった。むしろ淡い快感さえあった。
どうしてここまで違うのか、と鈴は不思議に思う。経験の差があるとはいえ、自分より自分の事が分かる彩芽に少しだけ、ほんの少しだけ、嫉妬してしまった。
「動かしますね?」
「え? ぁっ……あんっ!」
しかし、逸れていた思考が一気に引き戻された。
自身の膣内に入っていた指が動いた、と思った瞬間、あの甘い感覚が昇ってきた。
「あっ! うそっ、えっ、んぁっ⁉︎」
何度試してもうまくいかなかったものが、こんな容易く見つけられるとは思わなかった鈴。
だが実際に快感を得ている。間違いなくそこなのだと分かる。
「ふぁっ! んっんっんっぁっあっ!」
だから思わず彩芽の肩を掴む。
身体に力が入り、腰が浮いてしまうような感覚。
鈴はその快楽に夢中になろうと、お腹から力を抜き、全て受け入れようとする。
「んっ! ……え?」
だが、その快感は長続きしなかった。彩芽が指を、引き抜いた。
「どう、してぇ……?」
欲しかったものが得られたのに、もっと味わいたかったのに、それが取り上げられて少し涙目になる鈴。
だが彩芽は、そんな上級生を困ったような目で見上げる。
「えっと、お教えするために、ですね?」
「……あ。あー、うん、そ、そうだね」
何の為の愛撫だったのかを鈴は完璧に忘れていた。
「今の感覚を忘れないうちに、先輩、指を挿れてみてください」
「う、うん……んぅ……っ」
なので、気恥ずかしさを隠すようにして、ローションを絡めた自身の指を、自身のおまんこにゆっくり挿入した。
……人前でオナニーするという、もっと恥ずかしい事をしているというのは一切気にしていなかった。
「指を、このくらいまで挿れてください」
「わかっ、た……え、でもそんなもん……?」
「はい。こんなもんです」
彩芽は自身の指を指差し、鈴に指示する。それは第二関節よりも浅い位置。鈴が必死に探っていた位置よりももっと浅い位置であった。
「その辺りを撫でてみて、ここ、という感じはありませんか?」
「んー……んぅ……んんー……?」
指示された通りにおまんこ探りを開始する鈴。
さっき触れられたのはこの辺……と思いながら探すも、いまいちピンと来ない。
「荒川さんの指マジでどうなってんの……」
「あはは……」
思わず苦笑してしまう彩芽であったが、その目は真剣に鈴の手に注がれている。ローションと少量の愛液で、くちっ、くちっ、と音は鳴れど鈴が快感を得ている様子は見えない。
だから鈴は探る。だから彩芽は探す。
「なるほど、分かりました」
「え、なにが?」
だが、何かを見つけるのが早かったのはやはり彩芽だった。
「少々失礼いたしますね?」
「あ、ちょ……⁉︎」
おまんこ探りをしていた鈴の手に、きゅっと手を重ねる彩芽。
「手の角度はこう……」
「え? あ、はい」
動揺する鈴であったが、真剣な表情に飲まれ、言う通りに手の角度を変える。
「そして指の角度は……こう」
「う、うん……んっ……ん? あれ?」
再度指示通りに指を動かすと、淡い感覚があった。
「何か、感じますか?」
「うん……なんか、ここっぽい雰囲気……?」
だが、見つけた。あの甘いところが、ようやく見つかった。
「良かったです。では、そこを撫でてみましょう」
「うん……ぁっ、ふぁぁぁっ……!」
見つけた場所を離さないよう、鈴はそこをゆるゆると撫で始める。
その途端、ゾワゾワゾワッと甘い痺れが広がって、思わず腰を引いてしまった。
「支えてますので、そのまま、ずっと」
「んんんぅぅっ……! は、ぁぁぁ……!」
いつかのように、お尻が彩芽によって引き寄せられる。
だから鈴は、何も気にする事なく、気持ちよくなる事に夢中になった。
「ぁぁっ……! んっ、んぅっ……!」
気持ちいい。おまんこが気持ちいい。
クリトリスとは違う、甘く深い快感。ずっと撫で回していたいとすら思う柔らかい快感。
いつの間にか、おまんこからはローションとは全く異なるものの音が聞こえ始めていた。
「撫でるだけではなく、こうやって……」
鈴の目の前で彩芽は指をくの字に曲げ、ゆるやかに何かを押すイメージを伝える。
鈴の指示に従えば気持ちよくなれる、と学習した鈴は素直にそれを再現し、Gスポットをトン、トン、トン、と叩き始めた。
「う、ん……ぁっ、んっ、ぁっ、あっ……!」
その途端、腰が跳ねた。
トン、と一つ押す度に、キュン、とするような快感が発生し、鈴はその刺激に夢中になっていく。
「あっ、んっ、んっ、んっ、ぁ、あんっ……!」
くちっ、くちっ、とおまんこから淫らな音が鳴る。その音と同時に、鈴からも短い嬌声が漏れ出る。
痺れるようなクリトリスの刺激も好きだけど、こっちのも好き、と表情が物語っていて、指の速度がだんだん速まっていく。
「先輩。指を、ここまで曲げてみてください」
「あっ、んぁっ……! ふぇ……?」
彩芽が示したのはくの字。直角にほぼ近い角度。
「そ、そんなにして大丈夫なの⁉︎」
「はい。大丈夫です」
ここで鈴は躊躇した。そんなのしてしまったら痛いのではなかろうか、と。
「この間、そのくらいでした」
だが彩芽は優しく微笑んだまま、事実を言葉にする。
「…………っ」
だから、鈴は、彩芽を信じきっている鈴は、躊躇を捨てた。
「ぁあああっ⁉︎」
その瞬間、今までと比較にならない快感が走り抜けた。
「んぁあっ! あぁっ! んっんんんんぅっ!」
くにっくにっと指を曲げる度に激しく甘い快感が鈴を蕩けさせる。
撫でるのも気持ちよかった。叩くのも気持ちよかった。けれどこれが一番気持ちいい。甘々なこれが一番好き。
「ふぁぁっ! んんぅぅっ! んぁっ! あんっ!」
指で抉るような動き。言葉にしただけで痛みを想像させるフレーズなのに、それが何よりも気持ちよく、鈴は夢中になってそこを掻きむしった。
身体が丸まり、彩芽の手に押し付けるようにして腰が引ける。彩芽に甘えるようにお尻を預け、ただひたすらに気持ちよくなる。
「あぁっ! んっんっんっんっんぅっ! んあぁっ!」
どんどん動きは速くなっていき、膣口と指の間でくちくちくちくちっと細かく小さな音が鳴り、愛液がとろとろと溢れ出す。
そんな鈴の様子を彩芽は優しく見守り、自慰の邪魔にならない程度にお尻を撫で始めた。
「んぅぅぅぅっ! はっぁぁあっ! あぁぁあっ!」
その手付きは絶妙で、鈴はお尻からゾワゾワした感覚が昇ってくるのを覚えるも、それは快感を増幅させるものだと分かった瞬間、よりおまんこ弄りに夢中になっていく。
ぴくん、ぴくん、と身体が揺れ動く。ブレザーの中で硬くなっている乳首が下着に擦れる事にさえ快感を覚える。その度にまた身体が揺れ動き、Gスポットへの刺激が時折不規則になるものの、それすらも快感に変換されていく。
「んんんんっ! んんんんんぅぅっ!」
だが足りない。一生懸命そこをほじくっているのに、まだ足りない。彩芽のようにうまく出来ない。
だから必死になる。無駄に力が入り、おまんこからくちゅくちゅくちゅ、と正しくない音が鳴り始める。
「お手伝いいたしますね」
「はっんんんぅううううっ⁉︎」
そんな鈴に対し、彩芽は助け舟を出した。
すっ、と鈴の手と無毛の丘の間に手を滑り込ませ、その指先で、女子達を狂わせ続けてきたその指先で、硬くしこり上がっていたクリトリスに触れた。
「んぁあああああっ! あああぁぁっぁあっ!」
その瞬間、びくんっ、と鈴は背は反らせた。
おまんこへの刺激で充分に高まりきっていたところへ加わる慣れ親しんだ弾けるような快感。
その快感に鈴はとうとう耐え切れず、背を反らしたままに後ろへと倒れ込んだ。
「あぁぁぁああっ! んっんっあっああああぁっ!」
だが指が止まらない。止められない。彩芽に恥ずかしいところを見せつけるように仰向けになっても快感を得る行為を止められない。
おまんこに差し込まれた指が必死に動いている中、クリトリスが最適な手付きで優しく転がされ、鈴の快楽は爆発的に増加した。
「あっんぁあっ! そのままっ! そのままぁっ!」
だから鈴は懇願する。この快感なら絶頂出来ると伝える。
分かりました。そんな声が聞こえてきそうな微笑を浮かべ、彩芽は皮から飛び出そうな淫豆をただひたすらにコロコロと転がし回す。
「んんんぁあっ! あっ! ああぁぁあっ!」
膝立ちから倒れ込んだがために、足がベッドについたままに大きく開脚した姿勢。それ故、ひくんっ、と身体が反応するたびに腰がどんどん宙に浮いていく。
腰だけが別の生き物のようにくなくなと上下するも、鈴の指先は、彩芽の指先はそこから外される事はない。
「あっあっあっんああっ! ぁぁああんんぅぅっ!」
がむしゃらな動きと最適な動き。どこかちぐはぐな感覚であれど、鈴にとっては今得られる最上級の快感。
腰が上下する動きの幅が大きくなっていき、だんだん彩芽の眼前におまんこを突き出すような姿勢になっていく。
「いくっ! んぁあああっ! いくぅうううっ!」
鈴が絶頂する分かりやすい前兆。
だがその言葉が無くとも彩芽はそれを読み取っており、指にこめる力を僅かずつ強めていった。
そうとも知らずに鈴は一生懸命におまんこを掻き回し、腰を高々と掲げ始める。
気持ちいい。このまま。このままイきたい。今ならすごく気持ちよくイける。
そんな確証を持っていたがゆえに、鈴はそこを捉えたままごりゅごりゅと抉り始めた。
「あああああだめっ! いくいくいくいくっ!」
くちゅぐちゅくちゅっ、と正確さを欠いた動きと、くにゅくにゅ、と正確無比なクリ弄りが組み合わさる。
空いていた鈴の手はベッドシーツを握りしめ、空いていた彩芽の手は内腿を撫でさすっている。
愛液の量がますます増え、膣口からお尻の方へ向かって大きな川が形成される。
身体のびくつきの周期が短くなっていき、お腹の痙攣が止まらなくなる。
鈴の表情は蕩けきっていて、彩芽の表情は優しいまま。
おまんこが溶ける。クリトリスが溶ける。
だが快感は止まらない。
絶頂へ駆け上がる。
腰が、限界まで上がった。
「あああああいくからっ! いくからぁあああっ! そのまましてっ! してぇぇぇえっ! あああぁぁあっ! んんんぅぅあっ! あっ! ああああっ! んんぁああぁっぁぁぁあぁあああああぁぁあ‼︎」
おまんこを彩芽の眼前に突きつけたまま、鈴は絶頂した。
天を衝いた腰が微かに痙攣したまま微動だにしなくなる。
中の一番気持ちいいところに当てられた指は一切動かなくなり、自重を支えるようにしてそこを押し上げる。
その間もクリトリスは優しく撫で転がされたままで、絶頂したままにもっと高みへと連れていかれる。
動かない身体とは裏腹に、おまんことお尻の穴はもっと欲しいとでも言うようにひくひくひくっと開閉する。
ベッドシーツを握りしめていた手に全力で力がこもり、そこを中心に皺が寄る。
汗腺という汗腺から汗が吹き出し、鈴の全身がしっとりと濡れていく。
口は大きく開けたまま目をぎゅっと瞑り、快感をなんとか制御しようと身体が防衛反応を起こす。
そんな鈴を、彩芽は慈愛すら感じるような表情で見つめていた。
「ああっ! はっ! ぁっ! あ、ぁ……っ!」
長い絶頂が終わる。
どさっ、と腰がベッドに落ちると同時に鈴の指が抜けたが、彩芽の手は変わらずそこを撫でていた。
しかしそれを鈴は拒否する事なく、脚を投げ出したままに受け入れ、時折り身体をぴくん、ぴくん、揺り動かしていた。
そんな鈴の邪魔をしないよう、だがしっかり伝わるよう、彩芽は声をかけた。
「ご満足いただけましたか?」
その言葉に鈴は動かない頭で思考する。
満足。満足した。自分では見つけられなかった場所を見つける事が出来て、これから一人でも出来るようになった。そういう意味では確かに満足した。
「ぅ……」
だが、だが、だが、満足していない。
未熟なおまんこ弄りのせいで、お腹の奥の熱がまた足りないと叫んでいる。もっとおまんこで気持ちよくなりたいと身体が求めている。
「では、次はハードコースですね」
だから、そんな鈴を見透かすように彩芽は断言した。ソフトコースでは足りないと看破したが故に、そのコースの名前を口にした。
そんな彩芽に対し、鈴は顔を真っ赤に染める。見透かされてしまっていると羞恥心を覚える。
だが彩芽はどこまでも優しく微笑む。
「時間はどのくらいにしますか?」
「ぁ……ぇ……その……」
恥ずかしくてたまらない鈴の口は重い。ハードコースをして欲しいという願望を口に出来ない鈴がそれを言える筈がない。
だが彩芽はどこまでも優しく微笑む。念のため聞いただけであって、全部分かっています、とでも言うような表情で微笑む。
「では、いっぱいシてさしあげますね」
だから、彩芽は優しく囁いた。
「…………ぅん」
だから、鈴は頷いた。