※この作品はR-18です。

仮面ペニッシャー   作:布施鉱平

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こっちが本編。
前話の陵辱IFは、パラレルワールドの出来事と思ってください。





第九話(表)、怪人クモ男

「シャァーッ!」

 

 蜘蛛型怪人クモンガーが、奇声を発しながら鋭い攻撃を放つ。

 

「くっ!」

 

 素早く身を沈めてその攻撃を躱しながら、ブラックキャットはその勢いのままに地面を回転して立ち上がった。

 

 ……状況は劣勢であった。

 

 ブラックキャットはA.N.A(アナ)の補助によって超人的な身体能力を有してはいるものの、中身はただの人間────それも、武道の経験があるとは言えまだ1○歳の少女である。

 

 動体視力や反射神経が強化されている訳でもなく、さらにこれまでは簡単に蹴散らせる戦闘員とばかり戦ってきたため、強者との戦闘経験が圧倒的に不足していた。

 

 対して、クモンガーはF.U.C.K.R(ファッカー)の手によって生み出された怪人。

 

 生まれついての強者であり、そして捕食者でもあった。

 

 虎や熊が訓練などせずとも狩りの手段を心得ているように、クモンガーもまた、獲物を追い詰め、捕食する手段を心得ている。

 

「クモッ、クモッ、クモッ……かかったな、ブラックキャット」

 

「なに……!? これは……っ」

 

 クモンガーの言葉にブラックキャットが周囲を見回すと、空中に舞い上がった埃が、まるで乱雑に描かれた線のように、幾筋もの軌跡を描いて自分を取り囲んでいるのに気がついた。

 

 それは、糸であった。

 

 目に見えぬほど細い糸が、先ほどまでの戦闘で舞い上がった埃を絡め取り、隠れていたその姿を表わしたのだ。

 

「クモッ、クモッ……まさに、蜘蛛の巣に掛かった蝶という訳だ……いや、メス猫か」

 

 クモンガーが、得意げに笑う。

 

 そう、その糸の正体は、クモンガーがあらかじめ張り巡らせておいた蜘蛛の糸だったのだ。

 

「ちっ……糸くらい!」

 

 逃げ場を失ったブラックキャットであったが、脱出の手段が無いわけではない。

 

 彼女の身に纏っているヒーロースーツは、古代の超技術によって生み出されたナノマシンの集合体だ。

 

 そして、そのナノマシンを制御しているA.N.A(アナ)は、装着者の意志を反映する性能を持っている。

 

 つまり、ブラックキャットが強く望めば、スーツはその形状を自在に変化させる事が出来るのだ!

 

「はぁっ!」

 

 右腕を鋭利なブレード状に変化させたブラックキャットは、気合いと共にそれを一閃した。

 

 しかし……

 

「なに……っ」

 

 鍛造した刀にすら比肩する硬度と切れ味を持つはずのブレードは、たった一本の糸を切り裂くことすら出来ずに受け止められてしまう。

 

「クモッ、クモッ、クモッ……愚かだな、ブラックキャット。貴様は我らの前に姿を現しすぎたのだ。目障りな貴様の能力を、我らが分析していないとでも思っていたのか?

 クモッ、クモッ……その『クモンガーストリング』は、鋼鉄並の強度とゴリ○グルー並の接着力、そしてゴム並みの柔軟性すら兼ね備えた究極の蜘蛛糸……

 貴様のブレードごときに、切り裂けはせんのだっ!」

 

「…………っ」

 

 勝ち誇ったように告げるクモンガーの言葉に、ブラックキャットは無言で歯噛みするしかなった。

 

 クモンガーの言葉が事実であるならば、左右と背後に加え、頭上までも糸に囲まれたこの場所から脱出するためには、正面に進む以外に道はない。

 

 しかしその正面には、ブラックキャットを遥かに超えるパワーを持ったクモンガーが待ち構えているのだ。

 

 これまではスピードで上回っていたため、なんとか勝負の体を成していた。

 

 だが、その持ち味すら奪われた状態で挑まねばならぬこの状況は、もはや絶望と言っても過言ではない窮地であった。

 

「クモッ、クモッ、クモッ……さあ、年貢の納め時だ、ブラックキャット。

 ……なあに、殺しはしない。総統閣下からのご命令だからな。

 しかし……これまでに散々邪魔をされた、憂さ晴らしには付き合って貰うことになるがなぁ」

 

 イヤらしい笑い声を上げるクモンガーの背後に、無数の戦闘員たちが現れた。

 

 そして、黒い全身タイツを身に纏った戦闘員たちの大きく膨らんだ股間が、クモンガーの言う『憂さ晴らし』がどんな内容のものであるのかを、言葉にせずともブラックキャットに突きつけていた。

 

(こんなところで、私は……っ)

 

 これから自分に対して行われるであろう行為を想像して、ブラックキャットの心が絶望に沈みかけた────その時だ。

 

 

 

 

 

「そこまでだッ、F.U.C.K.R(ファッカー)ッ!」

 

 

 

 

 

 絶望を打ち砕くような強く雄々しい声が、ブラックキャットの鼓膜を揺らしたのは。

 

 例えどんな状況であろうと、ブラックキャットが────いや、藤崎茜が、その声を聞き違えるはずがない。

 

 それは間違いなく、彼女の思い人である泰村隼人の声であった。

 

 その証拠に、隼人の声を聞いた瞬間から、茜の性器は条件反射的(パヴロフス・ドッグ)に愛液を分泌させ始めている。

 

「なにぃ、貴様、何も…………何だきさまッ!?」

 

 突然の乱入者にクモンガーも驚きの声を上げるが、彼の動揺も仕方の無いことだろう。

 

 なぜなら、クモンガーの八つの複眼が捉えたのは、むき出しの股間からあり得ないほど巨大なチンコをぶら下げたままこちらを指さす、ヒーロー……ヒーロー? の姿だったからだ。

 

「隼人……さん……?」

 

 そしてクモンガーの視線(?)、というか顔の向いている方向を見て、茜もまた愕然とした。

 

 なぜなら、彼女の想い人である泰村隼人が変わり果てた姿でそこに立っていたからだ。

 

 どうして……

 

 危機的な状況であったことも忘れ、茜の脳を疑問が埋め尽くす。

 

 なぜ隼人がヒーローの恰好をしているか、ではない。

 

 茜にとって隼人は、自分の心を救ってくれたあの日から、ずっとヒーローであったからだ。

 

 問題はチンコである。

 

 初めて隼人の出演するAVを、マセた友人宅で見たあの日……

 

 それは裏モノの無修正AVであったため、隼人の逞しいチンコも、茜の脳裏にはっきりと焼き付いていた。

 

 だがその時のチンコに比べ、今の隼人のチンコはあまりにも大きすぎた。

 

 まだ勃起していないにも関わらず、以前見た時の勃起チンコ並の大きさを誇っている。

 

 ごくり、と茜は唾を飲み込んだ。

 

 茜は基本的に真面目な性格であるので、隼人との初体験に向けて、色々下調べもしてきた。

 

 ネットで巨根の彼氏との初体験で失敗した女性の経験談を検索したり。

 

『とにかく大きいヤスムラ』(隼人の芸名)のプロフィールを見て、そのチンコと同じサイズの模型を紙粘土で作成し、自分の腹部に当ててみて「どうしよう、子宮の中まで入ってきちゃう……」なんてことを考えながら、その妄想をおかずに何度もオナニーをしてきたりもした。

 

 だが、それらの行為が全く無駄になるほど、隼人のチンコが巨大化していたのだ。

 

「隼人さん……」

 

 変わり果てた隼人(主にチンコ)の姿を凝視しながら呟いた茜の声には、自分でも理解できぬ熱い何かが籠もっていた。

 

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