泰村隼人は、藤崎葵に手を引かれ、ベッドルームに連れてこられていた。
突然の展開に困惑する隼人だったが、彼も男だ。
しかも、並の男とは比べものにならない数の濡れ場をこなしてきた男だ。
葵の雰囲気から、彼女が何をしようとしているのかを理解した。
そして理解した瞬間、隼人の胸は高鳴った。
葵は隼人にとって初恋の相手なのだから当然だ。
それに、例えそうでなかったとしても、藤崎葵は非常に魅力的な女性なのだ。
男から見て『守りたい』『支えたい』という庇護欲を抱かせると同時に、なぜか『乱暴に犯したい』『肉便器にしたい』という支配欲と劣情を抱かせるような存在だった。
隼人とて、なんど妄想の中で葵の膣を、尻穴を、喉を犯したか分からない。
ごくり、と喉を鳴らす隼人の目の前で、背を向けている葵が服の裾にその手をかけた。
自然な動作でありながら、まるで隼人の劣情を煽るかのようにゆっくりと、葵の服はめくりあげられていき────
「……葵さん」
────他ならぬ隼人の手によって、その動きは止められた。
隼人が葵に対して劣情を抱けぬからでは、もちろんない。
その証拠に、巨大すぎるチンコはすでにズボンを飛び出してその砲身を外気に晒し、表面からは性的に興奮していることを意味する『ペニッシュリキッド』(触れた相手を性的に狂わせる粘液)が分泌されている。
本音を言うならば、今すぐにでも葵を抱きたかった。
押し倒して、強引に股を開いて、他の男に初めてを奪われた経産婦マンコを己のインクレディブルチンコで上書きしてやりたかった。
だが、葵のことを想うからこそ、隼人は自分の本能に蓋をせざるを得なかった。
隼人のチンコは、すでに人間のものではないのだ。
長さは40センチ、太さは直径7センチを超え、亀頭の大きさは握りこぶしほどもある。
そのうえ前述した『ペニッシュリキッド』は、カタログスペックこそ隼人の脳内にインプットされてはいるものの、未だにその効果や依存性の有無などを実際に試したことはない代物なのだ。
そんな危険物を、体を使ってまで自分を慰めようとしてくれている相手に使えるほど、隼人は無責任な男ではなかった。
「……葵さん、オレは、大丈夫です。受け入れられないことなんて、初めから覚悟していました。それに、こんなオレなんかを以前と同じように扱ってくれる人が、二人も────っ!?」
自らの想いを伝えようとした隼人の言葉は、しかし強制的に中断させられた。
急に振り向いた葵が胸に飛び込んできて、隼人の唇を奪ったからだ。
────葵の唇は、熱かった。
いや、唇だけではない。
隼人の口内に侵入してきた葵の舌もまた、火傷してしまいそうなほどの熱を秘めていた。
葵の舌が、まるで貪るように隼人の口内を蹂躙する。
そこにテクニックなどは存在しない。
乱雑で、性急で、相手の都合など一切考慮しない、自分勝手な動きだ。
だが、だからこそ、そのキスはこれ以上無いほどに官能的だった。
呼吸をするのも難しいほど荒々しく舌を動かしながら、葵が隼人の手を握った。
そして、その手を自らのスカートの中に誘い込んだ。
隼人の指先に、葵のショーツが触れる。
そこはもはや、『湿っている』とか『濡れている』なんて生易しい表現で誤魔化すことが出来ないほどに、ぐっしょりと濡れそぼり、吸収しきれなかった愛液がボタボタと滴り落ちていた。
隼人が軽く指を押しつけるだけで、内側からはじゅわっと新たな愛液が溢れ出し、ぬるぬると指に絡み付いた。
無意識に、隼人の指先がAV撮影で培った技術を発揮して、ピンポイントに葵のクリトリスを探り当てる。
葵のクリトリスは、下着越しにもはっきりと分かるくらい硬く勃起して、彼女の興奮具合を示していた。
「………ぁっ」
クリトリスに触れられた刺激で、隼人の口内を貪っていた葵の唇が離れた。
ほんの一瞬、瞬きをするような刹那に、二人の視線が絡み合う。
だが、それで十分だった。
葵は、隼人が自分に欲情していることを、もう我慢することなど出来ないことを、その獣のような瞳から悟った。
隼人は、葵が心から犯されたがっていることを、1匹のメスとして自分のチンコに服従したがっていることを、その淫蕩な瞳から悟った。
もはや二人の間に、言葉はいらなかった。
これから行う行為を、理性ではなく本能で理解していた。
葵が服の裾に手を掛け、脱ぎ始める。
今度は隼人は止めなかった。
むしろ視線の圧を強めながら、自らも服を脱ぎだした。
焦りはない。
たとえどんな邪魔が入ろうとも、二人が行為を中断するつもりは全くなかった。
時間は午前9時、店は定休日、娘は学園に行っている。
時間は、たっぷりとあった。
服を脱ぎ捨て、二人は互いに生まれたままの姿になった。
隼人の目は葵の胸に、葵の目は隼人のチンコに引き寄せられ、そして自然と手が伸びた。
隼人の手が、葵の豊満な胸を掴む。
柔らかなクッションを思わせるそれは、隼人が少し力を込めるだけで、いとも簡単に形を変えた。
葵の手が、隼人の長大なチンコを握る。
成人男性の肘から先にも等しい大きさを誇るそれは、葵の手では指が回らないほどの太さと、重力を無視して天を向く硬さを誇っていた。
ひとしきり互いの感触を確かめた後、二人は離れた。
隼人は柔らかな感触の余韻を楽しみながら獣のような気配を強め。
葵は手に付いた媚薬成分入りの粘液を舐め取りながら、溢れ出す愛液の量を増やした。
葵が背を向け、ベッドに上がる。
かつて夫と愛し合い、何より大切な一人娘を授かったベッドだ。
だが今、葵の心に、その二人は存在していなかった。
彼女の心を支配するのは、興奮と、期待と、悦びだけだ。
ベッドに腰を下ろした葵は、一切躊躇する様子を見せず、両脚を大きく開いた。
そして、隼人に向かって微笑みを浮かべた。
その笑顔は、まるで娼婦のように淫らで、恋する少女のように輝いていた。