パロキャラたちでHentai×Hentai 作:ひきがやもとまち
三人称視点でマジメなエロは下手なの自覚してるんですけど、練習しないと上手くなれず、人に見せないと自己満足で終わってばかりになってるため……ご容赦ください…
「はぁっ、はぁっ、・・・」
一人の娘が夜の闇をかき分けて走っていた。
彼女が来た方角からは赤々と燃えさかる炎に村が焼かれている光景を覗くことが出来た。
魔物に襲撃されて焼かれたのではない。人の軍隊に襲撃されて火をかけられて、その中から混乱と闇夜に紛れるようにして逃げてきたのである。
「はぁっ、はぁっ、・・・」
死にたくない、殺されたくないと言う一心で娘は走る。
まったく付いてない人生だった。
貧乏農家の長女として、畑に出ずっぱりだった両親から弟たちの面倒を任されて必死にこなし。やがて二人が流行病で亡くなった後にやってきた叔父夫婦に引き取られて村を出て、叔父の家がある別の村で奴隷同然の過酷な労働を強いられながらも弟たちを養ってもらうため文句も言わず真面目に働き、一人二人と医者に連れられていったまま帰ってこなくなった弟たちの帰るべき場所を守り抜きながら今日まで必死に生きてきた。
「辛いとき、苦しいときこそ笑顔を浮かべて笑いなさい。
誰かを憎んで怒った顔をするより、笑顔でいた方がずっと幸せになれるから」
大好きだったお母さんとお父さんがよく言っていた言葉を心の支えにして笑顔を浮かべ、辛くても苦しくても今日まで必死に生きてきた結果が、こんな終わり方だなんてイヤだ、死んでもイヤだ! 死にたくない!
そう思って、そう信じて走り続けてきた彼女の願いを叶えるかのごとく、逃げ込むのに丁度いいサイズの洞窟が目に入ったのはその時だった。
見覚えのない洞窟だったが、それほど大きくもないし見落としていても不思議はない。なにより今は追っ手から逃げ切ることが何より大事だ!
そう思って洞窟に飛び込み、少しでも自分の姿を照らし出す光から遠ざかるため、洞窟を奥へ奥へと進んでいった彼女であったが。
「え・・・、なにかしらこれ・・・? ・・・扉?」
それは、洞窟の最奥部だと思われる場所で見つけた奇妙な扉。
高級そうな木材で作られた豪華で綺麗な扉で、装飾は少なめだが品が良く、貴族さまのお屋敷などで使われていても違和感ない高品質な仕上がりの物だった。
――もしかしたらここは、ただの洞窟じゃなくて貴族さまが内緒で使ってる秘密の物置かナニカなのかもしれない。そんな場所に勝手に入ったことがバレたら助かっても殺されてしまう・・・。
少女は不安に襲われたが、元来た道を戻る決心がつけられず、開けなければ大丈夫だろうと扉に近寄り様子を窺おうとしたところ――
パシュ!
「!?」
扉の方が独りでに開いて、左右の壁に吸い込まれるようにスライドしながら消えていってしまったのだ。
これでは自分が勝手に開けて壊したと勘違いされてしまうんじゃないのか!? 少女は慌ててアワアワしていたら、そこに静かな声が横合いからかけられた。
「・・・おや? どうされたのですか、こんな場所で」
「ひぐっ!?」
びくんっ!と身体を跳ねるようにして振り向いた少女の目に映ったのは、雪のような銀色の髪と、湖のように澄み切った青い瞳を持と、品のいい服をまとった貴族さまのご令嬢だった。
こんな辺鄙な田舎の村で、これほど綺麗な服を着た綺麗な女の子が貴族さま以外で見かけるはずがないのだから、間違いなく貴族さまだ!
そう確信した少女は、貴族さまの持ち家に無断で入り込んでしまった罪をどう謝れば軽い罰で済ませてもらえるかと必死で考え、言葉を探して黙り込んでしまっていると。
「まぁ、事情はわかりませんけど、よろしかったらどうぞ奥へでも。粗茶で良ければご馳走しますよ?」
そう言って、無礼者の自分を罰することなく領地の中へと招き入れてくれて歓迎してくれた。
今まで貴族さまというのは、偉そうだから偉いのだと思っていた少女は自分が間違っていたことを今始めて気がついたのだった。
貴族様は優しくて親切で、その上お金持ちで農民を歓迎してくれる。――そんな人たちが偉いのは当たり前のことだったんだと少女は理解した。人の上に立つ人たちっていうのは、こう言う存在なんだなと。
貴族様による歓迎は、まるで天国そのものだった。
甘くて柔らかいパンのようなお菓子。清潔で暖かい小さな手ぬぐい。春でもないのに冷たくなくて熱くもない暖かい飲み物。・・・神父様が言っていた神様が住んでる天界というお城でも口に出来るかどうかわからないぐらい素晴らしい物ばかりを出してもらって、スッカリ心を許した少女は、ついつい身分差を考えるのを忘れて身の上話を貴族様相手に語り出してしまった。
今までどれだけ自分が頑張ってきたかについて。どれだけ苦労してきたかについて。
そして――大好きだったお母さんとお父さんが残してくれた大切な言葉についてまで。
「辛いとき、苦しいときこそ笑顔を浮かべて笑いなさい。
誰かを憎んで怒った顔をするより、笑顔でいた方がずっと幸せになれるから」
その言葉を言った瞬間、目の前で黙ったまま話を聞いてくれていた貴族様の顔が不快そうに歪んだ。眉を寄せて唇をへの字に曲げて不機嫌そうになっていく。
なにか言ってはいけない無礼な言葉を言ってしまったのかと、慌てる少女に貴族様は静かな声で諭すように話しかけてきた。
「・・・貴女がなにを勘違いしてるのかまでは存じませんが・・・嬉しいときに笑って、楽しいときには笑顔を浮かべて、怒りを感じたら怒り、許せないと思った相手は憎むのが正しい人間の生き方という物です。ひたすら笑ってばかりの生き物なんて、感情のないバケモノみたいでイヤだと思いませんか?」
言葉通り、イヤそうな表情を浮かべながら断言する貴族様の言葉に少女は混乱する。
だってお母さんたちがそう言ってたから。「辛いとき、苦しいときこそ笑顔を浮かべることが自分を幸せにしてくれる」って。そう言ってくれたから、だから―――
「あのね。辛いときや苦しいときに無理矢理にでも笑おうとするのは、本当に楽しくて嬉しい気持ちで笑える日が来たときに本当の笑顔を浮かべながら笑える自分で居続けるため、憎しみに囚われないよう、誰かを恨んで笑顔を浮かべられなくなった自分にならないようにするための予防手段を指す言葉です。
どんなに辛く苦しくても無理矢理笑顔を浮かべ続けたせいで、楽しくて笑いたいときに本当の笑顔が浮かべられなくなったんじゃ本末転倒でしょう?
貴女のお父さんたちも愛する娘さんが呪いかけれてる様な状態になることは望んじゃいなかったと思うんですがね・・・」
その言葉を聞かされたとき、少女の中で今まで抱いていた妄想が全て跡形もなく崩れ去っていく音を彼女は確かに耳にしていた。
今まで自分が“信じたいから信じるフリをしていただけ”の大人たちと、この世界と世の中と。
帰ってくるはずがないと本当はわかっていた弟たちの死から目を逸らし続けていた自分。憎むべき叔父たちに歯向かうのが怖かったから従うしかない自分の立場を正当化し続けてきた自分。
本当は叔父が憎かった自分。叔父が大嫌いだった自分。殺してやりたいと何度も何度も思っていた自分の心に蓋をして無かったことにしてきた自分自身。
それら全ての言い訳を完膚なきまでに叩き壊されたとき。
少女の中に――――新たな思想が芽を覚ます。
「ジーク・マインカイザー・▲■ニア。どうか私の全てを捧げさせて下さい。この愚かなる小娘をあなた様の征かれる道へ同道させて下さいませ。
私は全てをあなた様に捧げます。捧げさせて見せます。
――たとえそれが、この世界全てだろうとも。
混沌帝国皇帝陛下の御為に、私は捧げさせて頂きたいのです・・・」
「いたか!?」「いや、いない!」「こっちにもだ!」
「クソッ! どこまで逃げやがったんだ!生意気な異教徒の小娘め!」
「なんとしても見つけ出せ! 一人も生かしておくな命令が出てるんだからな!」
仲間たちの叫び声を聞きながら、聖王国軍兵士の一人は顔をしかめていた。
――イヤな任務だ。逃げ出した子供一人を追いかけていって殺せだなんて・・・。
そう思わずにはいられなかったのである。
彼らは、聖女神様を崇める女神教の布教活動をおこなうため派遣されてきた聖堂騎士団の一隊であり、今さっきまでおこなっていたのは邪悪な邪神を奉っていた異教徒の村を焼き払い、村人たちを殺し尽くすことで彼らの罪を浄化してやり徳を積むという、彼ら聖兵士団に与えられた神聖なる使命の一環だった。
その際中に浄化の炎から逃げ出した異教徒の子供がいるから追っていって殺せ!と命じられて来たわけだが、どうにも彼には気が乗らない。
三週間前に子供が生まれたばかりの彼にしてみれば、幼い子供一人ぐらい見逃してやっても神様は罰したりしないと思っているのだが。
彼以外の同僚は、そう考えていないようでもある。
「クソが! どこまで逃げたんだ、あの牝ガキ・・・見つけたらただじゃおかねぇ。犯し尽くしてから殺してやる」
「だな。今ごろ村を襲ってる連中は、なけなしの銀貨ぐらい見つけてる奴もいるだろうから俺たちもそれなりに役得がなけりゃあなぁ?」
口々に野卑た笑みを浮かべて暴力的な内容の会話を嬉々として交わし合う聖兵士団の同僚たち。
彼らは全員が独身であり、娼館で高級娼婦を買う金もないから今回の任務には『逃げた女の子を殺しさえすれば何をしてもいい』というお墨付き目当てで立候補した部隊の一員だった。
と言うのも、この村がある国に布教のため派遣されてきた王族出身の指揮官は、手柄を立てるために手っ取り早く功績を立て、不祥事は絶対出したくないと願う若き野心家であったため『殺した』という結果と確認は欲しくとも、殺すための手段と過程にはノータッチであることを部下たちに明言してくれているからだった。
さらには、この部隊の長である女隊長は傭兵出身の女性聖騎士で、強さだけを理由に聖堂騎士団にスカウトされた経歴を持っている妙齢の美女だ。
「自分より若い女の子を見つけると、無性にイジメ殺してやりたくなる!」と、常日頃から愚痴っているような性悪女が率いている部隊である以上、逃げていった少女に幸福な余生が訪れることは決してないだろう。哀れなことである。
彼は異教徒であっても、幼き子供ぐらいには恩情が賜れますよう神に祈りを捧げてから仲間たちの後を追って森の奥深くへ踏み込んで―――それを見つけた。
逃げていった少女の姿である。
銀髪に青い瞳。絶望に染まったのか、先ほど見たときには焦りと恐怖で彩られていた顔には今、何の感情も浮かんでいない無表情だけが存在している、小さくて幼い10ぐらいの女の子の異教徒。
「あらあら、子猫ちゃ~ん。もう逃げなくていいのかしらぁ~?」
女隊長にして聖騎士でもあるミゼリアが猫なで声で少女に問いかけている。
「それとも諦めて命乞いでもしに来たの? だとしたら、いーわよ。させてあ・げ・る♡
だって私、そういうの大好きなんだもの♪ 見苦しくて無様でサイコー!
さぁさぁ、お姉さんに見せて見せて!
涙と鼻水でグチャグチャになった顔で「許して助けてお願いだから」って私に必死に縋り付いてくるあなたの惨めな負け姿を早く私に見せて見せてお願~い♡」
「・・・わかりました。貴女の望まれるままに」
ミゼリアの言葉に少女は、先ほどまで逃げることしか出来なかった無力な村人とは思えないほど静かな口調と静かな態度で返事を返す。
そして、二言だけつぶやく。
「・・・行きなさい、【チェイン・チェイン(人間放棄宣言)】」
その声に応じ、少女の服の下から伸びてきた鎖付きの犬用首輪が、目にも止まらぬ速さでミゼリアの首に巻かれて、しっかりと填められる。
そして。
「・・・ペットが立ったままなのは生意気。おすわり」
「ぐえっ!?」
ぐいっ、と。主人の前で傅くよう飼い犬のペットに強制するかの如く鎖を引っ張ると、傭兵として海千山千の修羅場を超えて生き残ってきた、腕力だけでも並の兵士十人分はあろうかというミゼリアの抵抗など無いのとなにも変わらないというぐらいの簡単さで無力化。
地面に四つん這いで、這い蹲らせてしまった。
「ぐ、ぐぇぇぇ~~っ!?」
「ミゼリアさん!? テメェ! 隊長に何を!!」
隊の中では最年長者で、最もミゼリアに媚びへつらっていた退官寸前で悪い評価などもらったら年金に差し支えることを気にしていた老兵が、少女の無礼に怒って腰の剣に手を伸ばす。
抜き放って細身の少女へ斬り掛かっていこうとした瞬間。
「・・・【プラズマ・チェイン(処刑用の電気鎖)】、です」
再び小さく呟かれた言葉に鎖が反応し、老兵に巻き付く。
そして放電。雷が鉄で編まれた鎖を通して前進に巻き付かれていた老兵を感電死させ、黒焦げの死体になっていくのを黙ってみていることしか出来なかった同僚たちに。
「・・・お~にゴッコしましょ。捕まった~ら死ぬ~よ。アッ、ップ、ップ・・・」
少女は静かな口調で告げて、三度鎖に指令を与える。
「・・・【チェイン・フィアー(鎖で繋がれる余生)】」
そして鎖が、まるで蛇のように蠢くと兵士一人一人に一本ずつ向かって近づいてきて、思わず悲鳴を上げて逃げ出していく者が一人でも出た途端に隊は崩壊。
自分だけでも助かるため、それぞれバラバラに別の方向へと逃げ出し始める。
その後を、適度な速度で追っていく鎖たち。明らかに獲物を追い立てるよう速度を調整されたその動きは、逃げ惑う兵士たちに恐怖を与えることを主目的としていることが明白であり、逃げる獲物に十分な恐怖と絶望を与えてから殺してやろうという暗い意思と歪んだ愉悦とが入り交じった邪悪な呪いの賜物。
「ま、待ってよアンタたち! アタシを置いていくつもりなの!? ちょっと助けてよ! お願いだから待って――ぐぇぇぇぇっ!?」
「・・・貴女はダメ。悪い子にはこれからお仕置きの時間です・・・」
無表情にミゼリアへと断罪を告知してくる少女。
先ほどまで得意げに自慢の大きな胸を反らしていたミゼリアは、キツくはあっても美人なのは間違いなかった綺麗な顔を台無しにして、
「ゆ、許して・・・助ぁけて! お願いだからぁぁ~・・・っ」
涙と鼻水でグチャグチャになった顔で必死に許しを請い、先ほど殺すつもりだった少女に命乞いをする。
それに対する少女からの回答は。
「・・・いいでしょう。許してあげます。お仕置きもやめてあげましょう・・・」
「本当に!? ありがとう! 嬉しいわ! もー、好き好き! 私あなたのこと大好きよ! もし男の子だったら結婚してあげてもいいくらいに!!」
「・・・なんてウッソー・・・」
「――だったら言うなぁぁぁぁぁぁぁ!!!!! ぐうぅぅぅぅぅぅええええええええぇぇぇぇぇぇぇぇんっ!?」
ぬか喜びさせられて涙目で怒りをぶつけてくるミゼリアを、首輪に付いた鎖を引っ張って連れて行き、洞窟の中へと姿を消していく少女。
そして、その洞窟がどこに繋がっているのか理性よりも本能で理解したミゼリアが、全力を出し切って抵抗する!
「や、やめて! 連れて行かないで! い、いや!いや! そんな・・・そんな穴の底になんて行きたくない! 行きたくないのー! お家帰して! お願いだからぁぁっ!!!
おかッ、おか、おかっ、お母ぢゃぁぁぁぁぁぁッん!? 助けにk―――」
バタン!!!
・・・自然の洞窟には絶対付いてないはずの扉が左右から閉じてきて、洞窟の中と外とを完全に隔てる。
ミゼリアの声が途切れて聞こえなくなった森の中には、恐怖のあまり一歩も動けなくなったまま、愛する妻子にもう一度会いたい、会ってから死にたいと祈り続けていた兵士だけが存在に気付かれもしなかったかのように無傷のまま取り残された。