ゴブリンをお供に活動中…奴のいる世界でこれは地獄が過ぎる 作:牛〇
聞こえる音といえば風で木々の葉が擦れる音だけだろう。
焚き火の前で一人の男が周囲を軽く警戒をする。
男のほかに二人いるがそちらは毛布にくるまり眠っている、おそろく交代で夜の番をしているの
だろう。
俺は彼らのもとへ一人で姿を隠すこともなく近づいていく。
「申し訳ありません、少々横を使わせて良いでしょうか?」
そう話しかける俺の恰好はいつも着ている魔術師風のローブではなく以前強奪した荷物に
入っていた男物の服と背負子に適当な荷物を積めたものを背負っているためはた目には貧乏な
行商人に見えないこともないだろう。
冒険者は多少警戒しているようだが俺が見るからに鍛えている風貌ではなく一人であり
近くに仲間の気配なども無いなど様々な要因が重なり俺の接近を彼は許した、許して
しまったのだ。
距離にしておよそ10メートルほど、射程範囲ギリギリでその技能を発動する。
次の瞬間ガツッ! と音を立てて冒険者によくある顔を売るためという理由で防具をつけて
いない頭に棍棒がたたきつけられる、そして続けて聞こえるのは冒険者ならば聞いた覚えの
あるものも多い醜悪な金切り声。
「GOOBUUUU!」
「ZIKIIIII!」
男は混乱する、近づいた気配が目の前の行商風の男以外には間違いなくいないと断言できた。
それなのに今こうしてゴブリンに襲われている。
「敵襲!!」
混乱しながらもとっさにそう仲間に呼びかけたのは普段ならば最適な行動だっただろう。
しかし彼が仲間のほうに振り返り目にしたのは複数のゴブリンに取り押さえられ棍棒を振るわれ
何もできずにもがく仲間の姿だった。
男は仲間を救うべく自身にのしかからんとするゴブリンを突き飛ばし殴り飛ばし駆け寄ろうと
する、しかし次の瞬間いきなり目の前に現れた自身の体躯よりも大きいそれの振りぬいた棍棒に
打ち据えられもんどりをうって倒れたところを追いついてきたゴブリンに袋叩きにあい男は
そのまま意識を手放した。
突然だが原作を読んでいた人は知る人も多いゴブリンには必勝と呼ばれるパターンが存在する。
それは奇襲と数の暴力だ、原作ではゴブリンについて熟知しているゴブスレと妖精弓手が斥候と
しても優秀だったおかげか奇襲をほぼ受けていないがそれで壊滅したモブの一党は少なくない。
俺は彼らが首に提げていた認識票確認する、材質は翠玉つまり序列6位の中堅冒険者だ。
「奇襲を成功させればこのくらいの相手でも十分勝てるか」
そういいながら死んだ冒険者たちと2匹のゴブリンの死骸を見比べる。
取り押さえられた状況でも前衛ぐらいの力があれば十分殺せるらしくやはりゴブリンの弱さを
実感する。
次に見たのは前日周囲に偵察に行かせたゴブリンたちが見つけた別のゴブリンの巣で配下にした
ホブゴブリンだ。
その体躯と腕力はゴブリンとは比較にならないが初心者相手はともかく中堅以上となれば
おそらく俺の強化があっても五分五分程度の実力だが奇襲を決めることができれば大いにその力
を発揮してくれるだろう。
ゴブリンたちに冒険者たちの荷物を、ホブゴブリンには冒険者の遺体を持たせ巣へ送還する。
手で持てる量なら一緒に転送できるのがわかったのは僥倖だった。
ゴブリンの召喚と送還で荷物を持ち帰りつつできる限り飛び散った血などを消して痕跡が残って
いないことを確認すると俺も拠点へと戻っていく。
何とか夜明け前に拠点に戻った俺が最初に気づいた違和感は見張りのゴブリンがいないこと
だった。
少なくとも俺の技能がある以上ゴブリンが俺の命令を無視することはできないはず、そう考え
慎重に洞窟へと潜っていく。
途中ゴブリンの死体を見る限り襲撃されたのは間違いなさそうだった、ひとまず襲撃者が
どうしたのか、残りのゴブリンたちはどこか、とらえた行商娘はどうなったのかを考えつつ
奥へ向かう。
洞窟の奥の普段俺たちが生活する部分であり行商娘や物資を保管してある大部屋に近づくと
普段は聞かない、それでいてゴブリンらしい騒ぎ声を聞き慎重に部屋の様子をうかがう。
部屋の中にいたのは行商娘にゴブリンたち、そして明らかにガラの悪そうな妙齢の女と薄汚れた
少女が部屋の中央でゴブリンたちによって凌辱されている光景だった。
危うく1か月を切ることだった・・・いやもうすでにあと数日の時点で遅すぎるくらいなのですが。
世の中の投稿者さんたちはどうやって早く長く面白く書き上げているのでしょうか。
次はもう少し早く投稿したいです。
今後の物語で参考にするので好きな数字をお選びください
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